2023 年 1 月 25 日
各 位
会 社 名 日 本 証 券 金 融 株 式 会 社
代表者名 代 表 執 行 役 社 長 櫛田 誠希
(コード番号 8511 東証プライム)
問 合 せ 先 コーポレートガバナンス統括室長 日比 健太郎
(TEL.03-3666-3184)
純投資株式の損益計上区分について
2023 年 1 月 20 日付「株主からの提訴請求について」にてお知らせしました当社株
主から当社監査委員会宛に送付された「責任追及の訴え提起請求書」についての、当社
執行部としての意見は下記のとおりですので、お知らせいたします。
なお、当社監査委員会が責任追及の訴えを提起するか否かにつき決定したときは、改
めて速やかにお知らせいたします。
記
1. 経緯
(1) 当社は、株式会社日本取引所グループの株式(以下「JPX 株式」という。
)を、従前
は政策保有目的株式として取扱っていたが、2018 年のコーポレートガバナンスコ
ード改訂を踏まえ、保有目的について取締役会で審議のうえ、政策的な保有を継続
する必要がないと判断し純投資目的に変更した。政策保有株式の意義の検証は、同
年以降、毎年取締役会において行っており、JPX 株式以外の株式についても実際に
保有目的の変更が行われている。
(2) 純投資目的で保有された株式についての具体的な取得、保有、売却等の運用判断は、
当社の ALM 委員会において審議し経営会議で承認のうえ取締役会にも報告してい
る有価証券運用方針に基づき、資金証券部において相場環境などを勘案しながら行
われる。
(3) また、同一銘柄で純投資目的の株式と政策保有目的の株式とが併存することはなく、
銘柄ごとに、それぞれの目的に応じて保有されている。
2. 検証結果
(結論)
JPX 株式の売買は、当社の主たる営業活動として実施されていると認められるため、
その売買損益については営業損益として計上することは妥当である。貸借対照表上、
「その他有価証券」として分類されている有価証券であっても、主たる営業活動とし
て売買が行われている場合には、損益計算書上、営業損益として計上されることは会
計基準上も適切である。
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(根拠)
(1) 当社は JPX 株式については純投資目的での保有と位置付けているが、ディーリ
ング目的(短期間で頻繁に売買される目的)で保有しているものではないため、
会計上の有価証券の分類としては、 「売買目的有価証券」ではなく、 「その他有
価証券」として整理される。なお、当社にはそもそも売買目的有価証券に該当
する有価証券は存在しない。
(2) 当社は、金融商品取引法上の免許を受けた証券金融会社であり、証券金融業を
主たる事業として営んでいるほか、定款にも記載があることから、営業活動に
は有価証券の売買も含まれ、会計上、 「その他有価証券」に位置付けられる純投
資目的で保有する株式であっても、その売買は主たる営業活動として行われる
ものと位置付けられる。
(3) 「企業会計原則」 「第二 損益計算書原則」「二 損益計算書の区分」において
「A 営業損益計算の区分は、当該企業の営業活動から生ずる費用及び収益を
記載して、営業利益を計算する」とされている。当社においては「その他有価
証券」に区分している純投資株式の運用は当社の通常の営業活動に属すること
から、純投資株式にかかる配当金や売却損益については、営業損益の区分で計
上している。
(4) また、当社においては、純投資株式も政策保有株式も「その他有価証券」に区
分しており、政策保有株式を純投資株式に変更することによって有価証券の保
有区分の変更は生じない。
(5) なお、金融商品会計に関する Q&A Q68(以下「Q68」という。)では売買目的
有価証券の売買損益について、「有価証券の売買を主たる事業としている場合
には、営業損益の項目とし、それ以外の場合には営業外損益の構成項目として」
と記載されており、有価証券の売買を主たる事業としているか否かで判断がな
されていることから、その他有価証券の売買損益についても同様に当該売買が
主たる営業活動といえるのであれば営業損益項目とすることが適切である。ま
た、Q68 のその他有価証券の売買損益に係る記載は、臨時的なものを特別損益
として、ある程度経常性が認められれば営業外損益に計上することが適切とし
ているが、これは金融取引を主業務としない一般的な事業会社を想定している
ものと考えられる。当社のような証券金融業を営む会社においては、主たる営
業活動の 1 つとして経常的に行っている有価証券の売買損益を営業損益に計
上することは適切である。
今回、当社とは利害関係のない第三者である公認会計士寺田芳彦氏(トラスティ
ーズ・寺田松崎会計事務所代表)に意見を求めたところ、上記の整理に異論ない旨
の意見を得ている。
以 上
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