課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営方針

1941年の創業以来、当社グループは、空気調和・給排水衛生・電気設備工事を中心にした建築設備全般における、質の高い設計・施工管理・メンテナンスサービスを追求してきました。

当社グループの仕事は、建物に空気・水・電気という命を吹き込み、誰もが過ごしやすく居心地の良い環境を形にすることです。それは同時に、やがてその場所で紡がれていく人々の暮らしや人生、ひいては街や地域の活気そのものを下支えするということでもあります。だからこそ、安全・快適という当たり前を永続的にお届けするために、一つひとつの業務に心を込めて手を尽くしていく。「たてものを、いきものに」というブランドステートメントは、そんな当社の大切にする価値観や姿勢の表明です。

これからも、「当社グループは、信頼と誠実の経営を通じ、人財と技術をもって社会に選ばれる会社としてあり続けます。」という経営理念に基づいて行動してまいります。

 

(2)経営戦略等

当社は、創業80周年を迎えた2021年を機に、新たに掲げた「LIVZON」ブランドの下、サービスポートフォリオを多角化し「総合たてものサービス企業」へと進化すべく、長期経営ビジョン「LIVZON DREAM 2030」を策定いたしました。

その基本戦略は下記の通りです。

① 機能戦略

・サービスポートフォリオ再構築のため、既存設備工事機能は堅持しつつ、経営資源の再配分やその他の機能を担う企業との資本・業務提携の強化

・当社グループ総合力を高めるため、相互補完効果を発揮させ、グループ内で顧客・案件・技術・人材などを情報共有

② 地域戦略

(国内拠点)

・営業と生産体制の地域格差を是正するため、人材と資金等の経営資源の配分を最適化

・収益機会の供給とサービス機能拡充のため、基盤確立地域での体制維持

・コア事業基盤体制を確保するため、地域企業との提携強化

(海外拠点)

・市場性、経営体制、リスク等を含めた経営資源の配分

・BIM等などオフシェアエンジニアリング体制や現地での事業機会を追求しM&Aを推進。

・東南アジアにおける新規検討地域の地域企業との提携

③ デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略

・全社的なDX戦略の構築を進めるため、経営直下のDX推進チームを設置

・業務リエンジニアリングによる生産性向上

当社グループは、2030年までにありたい姿を実現するために、これら事業基盤を構築して課題解決に挑んでまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、中期経営計画「LIVZON DREAM 2030 1st half!」において、営業利益率5.0%以上、また、ROEは8.0%以上をターゲットとすることを掲げております。

 

(4)経営環境

当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う、設備投資マインドの冷え込み、工事の中断や延期、さらに資機材価格の高騰など非常に厳しいものです。

2022年度は引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響は残るものの、前年度に計画延期とされていた案件が動き出し、建設需要は回復基調に転ずるものと予想されます。一方で、受注活動における競争激化は避けられず、また労務費や資機材費の高騰もある中で徹底した原価管理等、リスクマネジメントがより一層重要となるものと予想されます。

中長期的には、新型コロナウイルス感染症の拡大の中で、テレワークの浸透をはじめとする労働環境の変化や、社会全体の衛生意識の高まりなど、建築物そのものに対する顧客のニーズが多様化してきています。

先行きが不透明な今だからこそ変革の好機であり、顧客のニーズを的確かつ素早く捉え、新たな価値を提供していくことがビジネスチャンスに繋がるものと考えられます。

建設業界では、引き続き慢性的な人手不足・高齢化が進んでおり、人材の確保・育成および生産性の向上が喫緊の共通課題となっております。

デジタルトランスフォーメーション(DX)による、人手不足への対応・生産性の向上といった課題解決が必要となっております。加えて、業界全体に目を向ければ、同業・隣接業界内での業務・資本提携、M&Aといった業界再編に向けた動きが顕在化することも想定されます。

 

 

(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

新型コロナウイルス感染症や資材高騰のみならず、外部環境の変化により、中長期的な建設投資の減少や市場構造の変化、また少子高齢化の進行や就労者数の減少といった社会的な課題が山積しています。一方で、デジタル化社会の進展や脱炭素社会へ向けた取り組み等、事業を取り巻く環境が大きく変化する中で、当社グループとしては、従来のビジネスモデルを構造的に変革しなければ、成長は難しいと考えております。

このような状況に対応すべく、当社グループは、長期経営ビジョン「LIVZON DREAM 2030」を実現するため、前半部分の2021年から2025年を示した中期経営計画「LIVZON DREAM 2030 1st half!」を策定いたしました。

今回の「1st half!」の位置づけとしては、『コア事業の収益性改善』と『成長のための土台作り』を実現し、基本方針として①基盤事業の深耕、②成長への投資、③経営基盤の整備を掲げ、これらを実現するために、以下を重点項目として取り組んでまいります。

① 基盤事業の深耕

・高付加価値セグメントへの資源配分

・競争力の強化

・生産性の向上

② 成長への投資

・デジタライゼーション・DXへの投資

・事業ポートフォリオ拡充への投資

・新規成長分野への投資

③ 経営基盤の整備

・人財の確保・育成

・ガバナンスの強化

・資本効率の向上

 

大成温調グループは、2030年までにありたい姿を実現するために、2021年から2025年までを「1st half!」、2026年から2030年までを「2nd half!」として『総合たてものサービス企業』へと飛躍してまいります。

 

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