課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年9月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので、将来生じる実際の結果と差異を生じる可能性があります。

 

(1)経営方針、経営戦略及び優先的に対処すべき課題

 当社グループは、「情報価値のサスティナビリティをめざして」をビジネスモデル変革のキーワードとして掲げ、情報をお客さま企業に提供するだけでなく、情報を使っていただくユーザーの皆さまに価値を届けることで、社会全体の価値向上サイクルを実現してまいります。

 

 当社グループの経営を取り巻く環境は、「2025年の崖」に向けて、情報インフラ、市場動向、労働人口などの変化が予想されております。こうした環境変化のなか、中長期的にさらなる企業価値向上を図っていくため、2022年9月期から3ヵ年を対象とする中期経営計画を策定しております。

 

[中期経営計画の骨子]

・期間:2022年9月期から2024年9月期末までの3ヵ年

・方針:2030年に向け、人財を育てる、データを育てる

当社グループがつくりだす情報を、データを、ビジネスを次世代の価値に進化させ、ユーザーエクスペリエンス(体験価値)の最大化をめざします。具体的には、お客さま企業の技術情報やデータを「人にやさしく、機械にやさしい」データに変換し、情報を利用するユーザーへ「必要な時に、最適な方法で、必要とする」情報を伝えるコンテンツを提供してまいります。

 

当期は中期経営計画の初年度にあたり、以下の経営課題に対し、戦略的に取り組んでまいりました。

 

①事業戦略、R&D戦略

 デジタル化の進展が加速しており、従来、各企業が組織別に保有する情報・データをつなぎ、有効活用する重要性が増しております。

 当社グループは、こうした時代の変化に対応すべく、企業内の膨大かつ複雑な情報を整理し、使いやすくすることで、お客さま企業の情報の利活用を実現するとともに、ユーザーのシーンや状況に合わせた最適な情報の提供をめざしております。これを実現するために、必要となるデータを蓄積し、整え、利活用するためのR&D活動を進めております。

 

 当連結会計年度では、お客さま企業との戦略的な共創活動を通じて、お客さま企業の商材・市場・会社のデータをつなぎ、ユーザーのうれしさを創出するためのデジタル変革の推進サポートに取り組み、データを整え、利活用する取組みが加速しました。

 また、R&D活動の成果として、2021年10月に業務手順の棚卸を支援するツール「KAIZEN FARM」、2022年4月に自動車の特定整備作業支援アプリ「楽々エーミング」を正式リリースしました。お客さま企業の課題解決だけでなく、データの蓄積・利活用を進めるための当社独自の基盤構築が進みました。

 

 こうした一連の取組みが評価され、2022年3月には、経済産業省が定めるDX(デジタルトランスフォーメーション)認定制度に基づく「DX認定事業者」に認定されました。

 

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②市場戦略、商材戦略

 当社グループのお客さま企業が属する各市場において、DX化の流れが加速し、情報・データを利活用することの重要性が高まっております。

 当社グループは、こうした環境に対応すべく、主力市場、注力市場を定めるとともに、さらに、地域を意識した取組みを進めております。

 

・主力市場:「モビリティ」「製造」「医療・医薬品」「物流」

・注力市場:「行政・自治体」「ロボティクス」

 

 それぞれの市場において、お客さま企業の情報・データの利活用を促進し、情報の資産化を支援するサービスを提供してまいります。

 また、それぞれの市場において、お客さま企業のグローバル展開に寄り添い、製品・技術情報を必要とする海外ユーザーへ地域ごとの最適化をサポートするローカルDXをサポートしてまいります。

 

③体制戦略

 当社グループは、「2025年の崖」を成長の機会とし、持続的にビジネスモデル変革を生み出すための組織づくりを進めております。

 国内では、前期新設した戦略部門機能を発展的に拡大し、新たなビジネスを生み出す組織、成熟したビジネスを磨き上げる組織に切り分け、各活動へ傾注できる体制へ変更しました。“選択と集中”により、2030年に向けたデータビジネスモデルの創出及び強化を両輪でさらに加速させてまいります。

 また、海外では、グループ海外拠点の戦略・管理機能を担う部門を設立することで、経営基盤の再構築を図り、拠点機能の再設計並びに新規拠点進出の検討も進めております。

 

 ④人財戦略

 当社グループは、持続的な成長を実現するために、人財育成を重要な経営課題としております。特に、研究開発、事業開発、海外展開などを担う人財に加え、Z世代をはじめとするデジタルネイティブ人財などの人的資本への投資を通じて、意識改革による変革マインドの醸成、新たなリテラシーの習得、職場環境整備による働きがいの向上に取り組み、次代を担う人財の育成を推し進めております。

 

⑤アライアンス・M&A戦略

 当社グループは、持続的な成長を実現するために、アライアンス・M&Aを重要な経営課題としております。変革に向けた成長戦略をさらに加速させるため、当社グループの成長に必要な機能(市場、技術、商材)を明確化し、能動的かつ機動的にアライアンス・M&Aを進めております。

 当連結会計年度では、新たに始めた自動車整備事業者向けサービスの販売パートナーとして株式会社イヤサカと業務提携し(注1)、アライアンスを通じた販売活動の強化、社会への貢献を加速させております。

(注1)株式会社イヤサカについては、こちらをご参照ください。<https://cmc.jp/topics/iyasaka/>

 

 

⑥ESG・SDGsへの取組み

 当社グループは、中長期的に持続的な成長を実現するためには、ESG(環境・社会・ガバナンス)、SDGs(持続可能な開発目標)の課題解決に向けた取組みが重要と考えております。

 企業活動に関して、常にESG・SDGsの視点を持ち、環境・社会問題への配慮はもとより、コーポレートガバナンスの強化を進めております。また、お客さま企業へ向け、情報価値のサスティナビリティをめざした「Manuals & Knowledge」事業を推し進め、お客さま企業の環境や社会課題の解決を図ることで、エンドユーザーをも巻き込んだ社会貢献を通じたESG経営を進めております。

 当連結会計年度では、事業活動の取組みを通じたお客さま企業の課題解決、社会課題解決に取り組みました。

具体的には、医療・医薬品市場への取組みの一環として実施した医療従事者や生活者双方への医療・ヘルスケア情報の発信による生活者のQOL向上への貢献、ホワイト物流推進運動への賛同を通じた取組みによる運転者不足・CO2削減などの環境負荷軽減の課題解決をめざしました。

 

 こうした活動をステークホルダーとの対話などを通じて理解を促し、継続的な企業価値向上と社会の持続可能な発展に貢献してまいります。

 

 なお、当社グループでは社員とその家族の健康・幸せな生活と、モチベーション高く楽しく働ける職場づくりをめざし、健康経営優良法人を2年連続で取得しております。(注2)

(注2)健康経営優良法人についてはこちらをご参照ください。<https://www.cmc.co.jp/corporate/esg/>

 

 当社グループは、「情報価値のサスティナビリティをめざして」をビジネスモデル変革のキーワードとして掲げ、情報をお客さま企業に提供するだけでなく、情報を使っていただくユーザーの皆さまに価値を届けることで、社会全体の価値向上サイクルを実現してまいります。

 

(2)新型コロナウイルス感染症の影響

 新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、継続的な成長を目指しており、収益性の観点から翌期の予想営業利益を客観的な経営指標とし
て位置づけております。現時点における2023年9月期の当社グループの予想連結営業利益は、次のとおりであります。

経営指標

2023年9月期(予想)

営業利益

2,800百万円

 

 

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