業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は27,383百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,806百万円の増加となりました。これは主に「現金及び預金」が363百万円、「受取手形、売掛金及び契約資産」が1,302百万円、「原材料及び貯蔵品」が201百万円、「その他」が272百万円それぞれ増加した一方、「商品及び製品」が288百万円減少したことによるものであります。固定資産は75,572百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,260百万円の増加となりました。これは主に「建物及び構築物」が393百万円、「建設仮勘定」が3,450百万円、「のれん」が1,689百万円、「投資有価証券」が386百万円、「退職給付に係る資産」が2,448百万円それぞれ増加したことによるものであります。

この結果、総資産は102,955百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,066百万円増加となりました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は28,102百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,456百万円増加となりました。これは主に「短期借入金」が5,219百万円増加したことによるものであります。固定負債は9,131百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,215百万円の減少となりました。これは主に「リース債務」が122百万円、「繰延税金負債」が602百万円それぞれ増加した一方、「長期借入金」が1,951百万円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は37,233百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,240百万円増加となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は65,722百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,826百万円の増加となりました。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」4,428百万円及び「剰余金の配当」1,117百万円、また、収益認識会計基準等を適用したことに伴う累積的影響額の期首調整額407百万円の発生による減少により、「利益剰余金」が2,903百万円増加したことや、「為替換算調整勘定」が1,504百万円、「退職給付に係る調整累計額」が814百万円、「非支配株主持分」が619百万円それぞれ増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は61.6%(前連結会計年度末は62.7%)となりました。

 

b.経営成績

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日、以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、経営成績に関する説明の当連結会計年度に係る各数値ついては、当該会計基準等を適用した後の数値となっていることから、売上高の前連結会計年度比(%)及び前期増減率(%)は記載していません。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前連結会計年度比

(%)

(百万円)

(百万円)

売上高

103,305

85,163

営業利益

5,620

4,863

86.5

経常利益

6,889

6,099

88.5

親会社株主に帰属する当期純利益

4,757

4,428

93.1

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の変異株の広がりにより経済活動が繰り返し制約を受けたことで消費回復の足取りは重く、また相次ぐ消費財の値上がりなどによって消費者心理が冷え込むなど、総じて厳しい状況で推移しました。

世界経済は、新型コロナウイルス感染症との共存を模索する動きのなかで、ウクライナ情勢に端を発する地政学リスクの高まりによって、世界規模でエネルギーや食料品等の供給体制に懸念が生じ、先行き不透明感が強まっています。

食品業界は、底堅い需要に支えられているものの、原油価格の高騰による輸送コストの上昇や、各種原材料価格の上昇圧力によって、厳しい経営環境が続きました。

 

このような環境下、当グループは、中期経営計画において、食品業界を取り巻く環境変化を踏まえ、 “美味しく からだに良いものを選び、食べ、楽しむ、健やかなライフスタイルへの貢献”を示す“Better For You”の観点からお客様価値を提供し、長期ビジョン「グローバル・フード・カンパニー」の実現を通じて持続的な成長と企業価値向上に向けた取り組みを進めております。2030年度には“あられ、おせんべいの製菓業”から“Better For Youの食品業”へと進化することを目指しております。

 

2023年度までの中期経営計画期間において、国内米菓事業、海外事業、食品事業の3本柱でしっかりと立ち、特長あるグローバル企業としてビジョンの実現を目指すとともに、新型コロナウイルス感染症を契機としたお客様の行動様式の変化など、環境変化に対して中長期視点での構造改革を実行し、持続的な成長と企業価値の向上をより確かなものとするために取り組んでいます。

2021年度は、次の成長に向けた基盤固めの1年と位置づけ構造改革を中心に各種施策を実行してきました。国内米菓事業は圧倒的№1の地位を盤石にするために収益基盤をより強固にすること、海外事業は北米市場の更なる成長、アジアの収益事業化と積極投資による一段の成長基盤形成、食品事業は長期保存食と食物アレルゲンフリー商品の拡充、プラントベースドフードの取り組み強化を重点施策として取り組みました。

 

国内米菓事業については、お客様の環境意識の高まりを背景に環境配慮型商品の拡充に取り組むとともに、販売面では成長チャネルへ経営資源を集中し、SFAやモーションボードなど営業活動のデジタル化を通じて販売生産性の向上を推進しました。また、コロナ禍において巣ごもり需要が一服するなかでも、「つまみ種」や「無限エビ」等、お客様から高い支持を頂いている製品も多く、旺盛な需要に応えるために継続的な生産能力の増強に取り組んでいます。一方で、人手不足により主力製品の供給力が一時的に不足したことや、原材料価格の高騰による製品の規格変更及び価格改定などにより、第3四半期までは総じて厳しい事業環境となりましたが、年明け以降は徐々に回復の兆しが見えてきました。加えて、当第4四半期に発生した同業他社の工場火災に伴う操業停止の影響により、国内米菓市場の様相は一変し、当社を含む米菓企業に対する代替需要が急速に高まっています。当グループは、米菓業界のリーディングカンパニーとして、製品の供給力不足が短期及び中期的にお客様の米菓離れを招き市場が縮小するリスクを抑制するために、生産人員を増強し、残業や休日出勤対応により増産に取り組むとともに、外部生産委託の拡充などにより供給優先の体制に舵を切り、現在もその対応を継続しています。

これらの取り組みの結果、収益認識会計基準による減収影響を除いた主力ブランドの売上高は「ハッピーターン」「つまみ種」「うす焼」「技のこだ割り」「ぽたぽた焼」「ハイハイン」が前年同期を上回った一方で、「亀田の柿の種」「亀田のまがりせんべい」「ソフトサラダ」「手塩屋」「揚一番」「堅ぶつ」は前年同期を下回りました。

海外事業については、北米のMary’s Gone Crackers, Inc.が前年の新型コロナウイルス感染拡大による特需の反動を受けた一方で、前年の期中より連結子会社化したSingha Kameda (Thailand) Co., Ltd.の売上高が通年で寄与したほか、ベトナム国内の販路拡大、クロスボーダーの生産拠点として高い将来性を有するTHIEN HA KAMEDA, JSC.を第3四半期から連結損益に取り込んだ結果、収益認識会計基準による減収影響を除いた売上高は前年同期を上回りました。

食品事業については、防災意識の高まりを背景とした長期保存食の安定的な需要に加え、2022年3月に発生した福島県沖地震の影響により、年度末にかけて一段と需要が高まりました。加えて、連結子会社化した株式会社タイナイのアレルゲン28品目不使用の米粉パンへの引き合いは急速に高まっており、その需要に応えるべく、生産機能の移転集約など生産能力の増強にも取り組んでいます。その結果、収益認識会計基準による減収影響を除いた売上高は前年同期を上回りました。

以上の結果、売上高は85,163百万円となりました。

 

営業利益については、新型コロナウイルス感染症による行動制約の影響により、百貨店向けや土産物を扱う子会社は緩やかな回復にとどまったものの、予てより取り組んできた販売チャネルの多様化、効率的なオペレーション体制の構築、各種コストの抑制の結果、前年の赤字から脱却し黒字を確保しました。単体米菓事業においては、原材料の配合変更や現場改善、更には製品の規格変更及び価格改定など環境変化に対応すべく矢継ぎ早に対策を講じましたが、それら増益効果を打ち消す想定以上の原材料価格の高騰やエネルギー価格の上昇により、国内米菓事業は減益となりました。

海外事業については、Mary’s Gone Crackers, Inc.の減収影響はあるものの、タイ子会社の再編完了によるダブルオペレーションの解消やSingha Kameda (Thailand) Co., Ltd.の安定した事業運営、更には高い収益性を有するTHIEN HA KAMEDA, JSC.の連結子会社化により営業利益の赤字幅は抑制され、改善傾向にあります。

食品事業については、長期保存食の需要拡大や植物性乳酸菌の販路拡大などに取り組んだものの、今後の事業成長に向けた各種シーズの獲得及び研究開発機能の強化により、減益となりました。

これらの取り組みの結果、営業利益は4,863百万円(前期比13.5%減)となりました。

また、持分法適用関連会社であるTH FOODS, INC.の持分法による投資利益が減少した結果、経常利益は6,099百万円(前期比11.5%減)、THIEN HA KAMEDA, JSC.の連結子会社化に伴う段階取得に係る差益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,428百万円(前期比6.9%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

増減

(百万円)

(百万円)

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

8,671

8,305

△365

投資活動によるキャッシュ・フロー

△6,337

△9,841

△3,503

財務活動によるキャッシュ・フロー

△257

1,198

1,455

現金及び現金同等物に係る換算差額

△151

△223

△72

現金及び現金同等物の期末残高

6,505

5,944

△560

 

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ560百万円減少し、5,944百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は8,305百万円(前期比365百万円の減少)となりました。

 これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費による資金の増加の一方、法人税等の支払額による資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は9,841百万円(前期比3,503百万円の支出増加)となりました。

 これは主に、有形固定資産の取得による支出、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は1,198百万円(前期比1,455百万円の収入増加)となりました。

 これは主に、短期借入金の純増減額や長期借入金の返済による支出、配当金の支払額によるものであります。

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは△1,535百万円となりました。

 

 キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。

 

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

62.0

61.3

61.6

62.7

61.6

時価ベースの

自己資本比率(%)

140.6

134.5

121.5

109.4

81.4

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

1.4

1.9

1.8

1.8

2.3

インタレスト・

カバレッジ・レシオ(倍)

71.8

56.2

59.8

91.6

191.4

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

数量(屯)

金額(百万円)

国内米菓

75,003

61,175

海外

12,525

7,447

食品

3,878

5,335

報告セグメント計

91,408

73,957

その他

合計

91,408

73,957

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去前の金額を記載しております。

2.記載金額は販売価格で表示しております。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日、以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る金額については、当該会計基準等を適用した後の金額となっていることから、前年同期比(%)は記載していません。

 

b.受注実績

 当グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

金額(百万円)

国内米菓

62,971

海外

9,183

食品

6,309

報告セグメント計

78,464

その他

6,699

合計

85,163

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.「収益認識会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る金額については、当該会計基準等を適用した後の金額となっていることから、前年同期比(%)は記載していません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社髙山

11,496

11.1

8,665

10.2

株式会社山星屋

10,950

10.6

8,404

9.9

三菱食品株式会社

12,066

11.7

8,342

9.8

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態の分析

財政状態の分析については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載しております。

 

② 経営成績の分析

経営成績の分析については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.財務戦略の基本的な考え方

当グループは、盤石な財務基盤を維持しつつ、「グローバル・フード・カンパニー」の実現に向け国内外での投資と株主に対する利益還元のバランスを重視しております。

盤石な財務基盤の維持に関しては、自己資本比率の水準を60%程度に保っているほか、国内金融機関におけるコミットメントライン等の資金枠を確保しており、機動的な資金調達ができる体制を構築しております。

同時に、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減に努めるとともに、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、資金調達には負債の活用も進めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上にも努めてまいります。

設備投資に関しては、企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。2020年度から2023年度の4年間累計では総額300億円の投資枠を設定しております。なお、各年度の設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則とし、盤石な財務基盤を維持し、十分な水準の手元流動性を確保してまいります。

また、上記投資枠とは別に、海外事業における欧米版Better For Youの候補探索、アジア出資検討、食品事業における国内食品分野の開拓に向けた成長投資として、300億円の成長投資枠を設定しております。

 

b.経営資源の配分に関する考え方

当グループは、「グローバル・フード・カンパニー」の実現に向け、国内外での投資と株主に対する利益還元のバランスを重視しております。

投資については、各年度の営業キャッシュ・フローの範囲を原則とし、菓子の製造販売事業で創出した資金を、事業領域の拡大を目指す海外事業、食品事業へ配分し、M&A等の機動的投資を除き、D/Eレシオ30%程度を目安としております。

株主に対する利益還元については、中期経営計画を実行し収益の拡大を図ることで、株主還元の安定的拡大を目指し、配当性向は、当面20%程度を目安としながら将来的に30%の水準を目指しております。

 

c.資金需要の主な内容

当グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、主に米菓の製造に関わる原材料費、運賃、製造費用(生産に関わる償却費、賃借料、保険料など)、販売費(販売業者へ支払うリベートや、販売促進費用)、人件費などがあります。

また、投資活動に係る資金支出は、食品の安全、安心のために不可欠な設備や施設への投資、製造原価低減のための構造改革投資などの設備投資のほか、海外における事業領域の拡大に向けた生産能力の増強や新規製販拠点の設立などがあります。

d.資金調達

当グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。

資金需要の主な内容に記載している運転資金および投資資金などの調達に当たっては、主に国内金融機関からの借入を活用しております。

また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しております。加えて盤石な財務基盤を有していることから、当グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。

機動的な資金枠を確保するため、国内金融機関において100億円のコミットメントラインを設定しているほか、一部の海外子会社が利用できる総額25億円のグローバルコミットメントラインを設定し、機動的な資金調達ができる仕組みを確保しております。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、2[事業等のリスク]に記載しております。

 

⑥ 経営戦略の現状と見通し

2023年度までの中期経営計画期間において、国内米菓事業、海外事業、食品事業の3本柱でしっかりと立ち、特長あるグローバル企業としてビジョンの実現を目指すとともに、新型コロナウイルス感染症を契機としたお客様の行動様式の変化など、環境変化に対して中長期視点での構造改革を実行し、持続的な成長と企業価値の向上をより確かなものとするために取り組んでいます。

 

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当グループは中期経営計画を実現するために国内米菓事業、海外事業、食品事業の3本柱による自律的事業運営を目指し、“特長あるグローバル企業”の実現に向けて取り組んでいきます。2022年度は、単年度施策にとどまらず、環境変化を踏まえた構造的な課題に着手することで、中期経営計画の最終年度にあたる2023年度に繋げる1年とし、環境変化に対応できる筋肉質な経営基盤を構築することで、お客様目線でBetter For Youを実現する新価値商品と新市場を創造し新たな成長へ挑戦を通じて成果に結びつけていきます。
 

※将来に関する留意事項

 将来の経営環境や業績予想に関する記述は、当社が現時点で入手可能な情報や計画策定の前提としている仮定などに基づくものであります。実際の業績は様々な要因によって予想値と異なる可能性があります。

 

⑦ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

a.固定資産の減損

 当グループが減損損失を認識するかどうかの判定および使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえて見積っております。

 当グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※6 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(446百万円)を計上いたしました。回収可能価額は正味売却価額又は使用価値により算定しております。

 当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。

 なお、Singha Kameda (Thailand) Co., Ltd.グループに帰属するのれんの評価方法に関する詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

b.繰延税金資産の回収可能性

 当グループは、繰延税金資産の回収可能性については、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性および将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。

 収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するに当たっては、一時差異等の解消見込年度および繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。

 当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産および法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

c.退職給付債務および費用の算定

 当グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務および関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率および年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社および国内子会社の年金制度においては、割引率は国債の利回りに基づき、長期期待運用収益率は、現在および予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在および将来期待される長期の収益率を考慮して決定しております。

 当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産(負債)および退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) (9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。

 

d.返金負債および変動対価の算定

 当グループは、変動対価の算定に際して、販売額に対する値引き、割戻し、返品等を含む変動対価の割合は過去の実績と概ね整合するとの仮定のもと、過去の実績率に基づき、将来発生見込額を見積っております。

 当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する返金負債および変動対価の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

 新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期については、世界的なワクチン接種の普及により徐々に収束するものと見込んでおりますが、一定程度は世界的な感染状況は続き、世界経済および国内経済に影響を及ぼすものと予想されます。

 当グループの事業活動において、主に国内商業施設の臨時休業、営業時間短縮等に伴う外出自粛により、土産物等の販売の落ち込みに影響があるものの、販路開拓も推し進めたこと等から、新型コロナウイルス感染症発生前の水準までには回復に至らないまでも、当該商品は着実に受注回復で推移しております。また、生活様式の変化に伴う家庭内消費は、ECサイトにおける販売が増加傾向にあり、今後も一定程度の水準で販売できるものと見込んでおることから、新型コロナウイルス感染症が当グループの販売及び生産に与える影響は限定的であるとの仮定のもとに、固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性の評価等の会計上の見積りを行っております。

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