課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、創業以来「知識・技術・創意」という知的要素である「技」を高め、お客様には「誠意」~どんな困難な局面においても意欲・忍耐・信念を失わない「心」~で対応する「心技の融和」を企業理念とし社会に貢献する企業を目指して、企業経営を推進しております。

当社は、先進的なアプリケーション開発技術と、多様な運用ノウハウを駆使し、顧客への総合的かつプロフェッショナルなサービスの提供に努めます。そして、常に時代を見る眼と、みずみずしい感性を持ち、世のトレンド、環境にフレキシブルな対応ができるよう新技術の獲得には他社より一歩先んじて取り組んでおります。

また、透明で公正な経営を心がけ、事業力の強化、収益力の向上、財務体質の改善強化を図り、発展すべく企業努力を重ねてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、2021年4月より新中期経営計画「Impress with customers 2023」をスタートしております。この中で、2024年3月期に達成すべき財務目標として、売上高133億円、営業利益9.7億円、営業利益率7.3%、ROE14%以上を掲げております。

顧客の視点に立った経営を基本に、品質と生産性の向上により顧客満足度を高めると共に、収益性及び資本効率性を重視した経営の効率化を進め、企業価値の向上と事業の拡大を目指しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

新中期経営計画の最終年度にあたる2023年には創立50周年を迎えるにあたり、今一度原点に立ち返り、当社の源泉である “お客様の課題を解決する能動的な提案活動で、顧客満足度と従業員満足度を高め、お客様と共に感動を創出する” を実現するため、4つの基本戦略を策定しました。

 

①  コア事業の拡大

既存顧客に対する戦略的かつ実践的な提案を通じて強固な信頼関係を構築し、安定重要顧客の拡充を目指します。

②  先端技術の活用

IT関連市場の構造変化に対応した人材の採用、育成によるスキル転換を進めるとともに、アライアンスなど社外との連携を強化し、先端技術の活用により事業成長を実現します。

③  新規領域への取り組み

急激な社会・経済環境の変化、DXニーズの高まりに対し、当社グループに蓄積した強み、業務ノウハウ等を融合し、DX推進を通じて新規領域開拓を促進していきます。

④  グループ経営基盤の強化

グループの強みを明確化し、グループ間連携による資源最適化やコスト構造を改革し、ブランド力向上にも取り組みながら連結経営に基づく競争力・基盤強化を図ります。

 

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

情報サービス産業を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による影響、資源価格高騰、ウクライナ情勢等から景気の先行きの不透明な状況が予想されるものの、感染症の拡大がもたらした社会・経済へのインパクトによるデジタル化のスピードは一層加速し、DXをはじめとして、顧客のIT投資ニーズは高いと想定しております。

 

このような経営環境下、当社グループは、これまでの中期経営計画で掲げていた “バランス経営の実践” を継承しつつ、新中期経営計画の達成に向け、以下の対処すべき課題に取り組んでまいります。

 

①  業容の拡大

IoT(Internet of Things)の発展で世の中のあらゆる事象のデータを取得し、取得したデータから新たな価値を創造できるビッグデータやAIは、社会に欠かせない技術となってきており、経営やビジネスの競争優位の獲得に向けたIT投資の戦略性が高まっております。情報サービス業界では、企業のIT投資意欲は高いものの、当社グループが業容を拡大していくには、他社との競争において優位に立つ必要があります。そのために、2020年4月、多様なDX(デジタルトランスフォーメーション)ニーズに対応する専門部署を新設しました。先端技術を活かしつつ、DXへの取り組みを一層推進しております。

また、当社は、長年にわたり金融・保険・公共など、非常に公益性の高い分野にシステム開発を提供しており、お客様と信頼関係を構築しております。お客様の課題を先取りした積極的な提案活動を行い、柔軟な資源配分を行うことで顧客内シェアの拡大を図ってまいります。

グループとして、子会社であるクロスユーアイエス・クロスアクティブ・クロスリード各社の得意領域と特徴を活かし、グループ経営のシナジー創出はもとより、事業提携やM&Aについても戦略的検討を継続してまいります。

 

②  収益力の向上

収益力を向上させるためには、不採算プロジェクトを未然に防ぐことが重要な課題となります。新たな業務分野、新たな技術、初めてのお客様の仕事については、高いリスクを内包していることを前提に、長年運用実績のあるQMS (Quality Management System)と国際的なソフトウェア開発プロセスの能力成熟度モデルであるCMMIのノウハウを活かし、PMO(Project Management Office)による監視強化と併せて高いレベルでの品質管理活動を実践しております。2020年1月に全事業部門で「CMMIレベル3」を3回連続して達成しました。さらに、2020年3月には、公共ビジネス事業部公共第1部(現:公共第1ビジネス事業部公共第1部)において、ソフトウェア開発プロセスの国際的指標の最高位「CMMIレベル5」を2回連続して達成しました。今後は、「CMMIレベル5」達成の部門を拡大していくことで、さらなる品質向上をめざすべく研鑽を積んでまいります。

 

③  人材の育成と確保

情報技術の進化は目覚ましく、当社に求められる技術水準も高く、また新たな技術習得も企業成長のために必要です。そのためには優秀な人材の確保・育成は不可欠であり、お客様からも常に質の高いサービスを求められております。情報サービス企業にとって最も重要な経営資源である技術者の安定的確保とスキルの向上は、継続的な経営課題といえます。当社グループといたしましては、新卒採用、キャリア採用ともに力を入れる一方で、M&Aも選択肢とし、人材の確保に努めます。また、迎え入れた人材が戦力として活躍できるよう、最新技術習得とプロジェクトマネジメントスキルの習得を中心とした社内研修による人材育成に努めております。加えて、重要なビジネスパートナーである協力会社との関係強化により、当社グループと協力会社が一体となって人材強化を実現できる関係を構築してまいります。

 

④ SDGsへの取り組み

国連が提唱する「持続可能な2030年までの開発目標(SDGs)」の達成を社会的責務と捉えております。企業理念である「心技の融和」に基づき、「人道支援への取り組み」、「健康経営とダイバーシティの推進」、「技術革新と品質の向上」、「地球環境問題への対応」など4つの視点から、社会的課題の解決に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 

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