研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループは蓄積された発酵技術を基礎に、バイオテクノロジーの技術を応用し、主に宝酒造、タカラバイオグループの各部門で幅広い研究活動を展開しております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は6,484百万円であり、各セグメントにおける研究内容等は次のとおりであります。

(宝酒造)

 当セグメントにおいては、宝酒造株式会社の商品第一部、商品第二部および研究開発センターを中心に、消費者ニーズに沿った商品、消費者に新しい提案を行う商品の開発を目的に、機能や成分による差異化技術、微生物の育種、原料・素材の探索ならびに生産技術の研究開発を行っております。

 焼酎では、近年高まる手作りサワー人気に対応して、自分好みのサワーを楽しみたいユーザーに、手軽においしいサワーを手作りしていただけるよう炭酸入りの焼酎“極上<宝焼酎>「タンチュー」”を発売しました。また、芋焼酎を好む若年層に人気の香り系芋焼酎市場に向けて、飲み方によって香りが変わる新感覚の“全量芋焼酎「ISAINA(イサイナ)」”を発売しました。

 清酒では、“松竹梅「天」”シリーズのブランド強化を図るべく、ユーザーの声を反映させ、風味・旨味を向上させた“松竹梅「天」、「天<飲みごたえ辛口>」、「天<糖質オフ>」、「天<糖質ゼロ>」”のリニューアルを行いました。また、市場で拡大するフルーティな香りの日本酒を日常で気軽に楽しめる商品として、独自酵母を使用した松竹梅「昴」を発売しました。

 ソフトアルコールでは、コロナ禍でおうち時間が増え、「自宅では酔い過ぎず、ゆっくりお酒を楽しみたい」という消費者ニーズに対応すべく、すみきった果実感で甘くないアルコール分5%のチューハイ“タカラcanチューハイ「すみか」”を発売しました。果汁を搾った後、廃棄されることが多い果皮などから独自技術により抽出した“国産フルーツエッセンス”を使用することで、甘さを抑えながらすっきり爽やかな果実感のある味わいを実現しました。

 調味料では、調味料中小容量売り場での品揃えを強化し、若年層女性を中心とした新規ユーザーの獲得を図るべく、「タカラ『料理がうまくなる』シリーズ」として、500ml紙パックの本みりん、料理清酒、料理用紹興酒を発売しました。また、加工業務用として、風味力価の高いペーストタイプ「チーズ風味」シリーズの粉末タイプである「チーズ風味<粉末>」を発売いたしました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は366百万円であります。

(タカラバイオグループ)

 当セグメントにおいては、試薬をはじめ、機器、受託のメニュー開発、遺伝子治療などの開発など、広範囲の分野における幅広い研究開発活動を、日本のタカラバイオ株式会社、米国のTakara Bio USA, Inc.を中心に展開しております。

 バイオ産業支援事業では、国内でトップシェアを有する遺伝子増幅法関連試薬等の遺伝子工学研究用試薬をはじめ、ゲノム解析、遺伝子機能解析および遺伝子検査等に関する研究開発やiPS細胞等の幹細胞および再生・細胞医療等の研究分野に向けた新製品や受託に関連する新技術の研究開発を行っております。また、コロナ禍においては、新型コロナウイルス検出用PCR関連製品等の開発も進めております。

 当連結会計年度においては、新型コロナウイルス変異株の遺伝子検査試薬、下水試料を用いた新型コロナウイルス遺伝子検出試薬、ワクチン関連技術を開発いたしました。このほか、高機能PCR用酵素、臨床応用を想定した研究用ウイルスベクター作製試薬等を開発いたしました。

 遺伝子医療事業では、独自技術である高効率遺伝子導入技術レトロネクチン法、高効率リンパ球増殖技術であるレトロネクチン拡大培養法、siTCR技術を活用した遺伝子改変T細胞療法の臨床開発に加え、新規の基盤技術開発や臨床プロジェクトの創出などに取り組んでおります。

 当連結会計年度においては、既存のCAR遺伝子治療の課題解決を目指した次世代CAR遺伝子治療法の開発等に取り組み、新規臨床プロジェクトとして、CD19・JAK/STAT・CAR遺伝子治療(開発コード:TBI-2001)のカナダでの臨床試験開始の準備等を進めました。そのほか、提携先企業へ導出したプロジェクトについて、提携先との緊密な連携のもと、上市に向けた薬事申請の準備、製造・供給体制の整備を進めてまいりました。

※導出したプロジェクト3件のうち、腫瘍溶解性ウイルス canerpaturev(略称 C-REV、開発コードTBI-1401)、CD19・CAR遺伝子治療(開発コードTBI-1501)の2件について、導出先企業と合意の上、2021年11月に開発を中止いたしました。なお、NY-ESO-1・siTCRⓇ遺伝子治療(開発コードTBI-1301)は引き続き提携先と共同開発を進めております。

 また、上記の2事業に分類しきれない事業横断的な研究開発も推進しております。同グループとしては、各研究開発プロジェクトの相互作用・フィードバック効果を利用して、戦略的な研究開発の推進を目指しております。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は6,109百万円であります。

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