業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しております。以下の経営成績等の状況の概要における品目別の増減については、前事業年度の売上高に当該会計基準等を適用したと仮定して分析しております。なお、当該会計基準等の適用が前事業年度の営業利益、経常利益及び当期純利益に与える影響はありません。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「本感染症」といいます。)の感染が拡大し断続的に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出されたことで、社会経済活動が制限され、厳しい状況となりました。10月以降は本感染症のワクチン接種の進展や新規感染者数の減少により、一時的に社会経済活動再開の動きが見られたものの、1月以降は新たな変異株により感染が急拡大し、その後の新規感染者数が高止まりしていることや、ロシア・ウクライナ情勢の影響により資源価格が高騰するなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。海外経済につきましては、本感染症のワクチン接種の進展などにより社会経済活動が再開され、欧米を中心に景気は緩やかな回復基調となりました。一方で、一部の国や地域では本感染症の感染再拡大により社会経済活動を制限していることや、緊迫するロシア・ウクライナ情勢など、依然として先行きが不透明な状況が続くものと予想されます。

当食品業界につきましては、本感染症の感染拡大防止のために外出自粛や在宅勤務が推進されたことで外食需要が落ち込み、内食需要が増加しました。また、テイクアウトやデリバリーサービスを利用した中食需要が増加するなど、消費者の購買行動や生活様式が変化、多様化したことで事業環境が大きく変化しました。

このような状況のもと、当社は多様化する消費者ニーズに対応すべく「茶エキス」、「天然調味料」、「植物エキス」の製品開発ならびに用途開発に注力してまいりました。

 

a.財政状態

当事業年度末における資産合計は 20,317百万円となり、前事業年度末に比べ 266百万円増加しました。

当事業年度末における負債合計は 1,577百万円となり、前事業年度末に比べ 91百万円減少しました。

当事業年度末における純資産合計は 18,740百万円となり、前事業年度に比べ 358百万円増加しました。

 

b.経営成績

当事業年度における売上高は、 茶エキスにつきましては、外出自粛や在宅勤務推進による外食・オフィス需要の減少が継続した結果、緑茶エキス・ほうじ茶エキス等が減少したため、 売上高は 2,318百万円 となりました。

粉末天然調味料につきましては、家庭内調理需要の継続や外食需要の回復傾向により、粉末鰹節等が増加したため、 売上高は 1,809百万円 となりました。

植物エキスにつきましては、洋和菓子・デザート類市場における果実エキス需要の回復傾向により、野菜エキスが減少したものの、果実エキス等が増加したため、売上高は 705百万円となりました。

液体天然調味料につきましては、家庭内調理需要の継続や外食需要の回復傾向により、鰹節エキス等が増加したため、 売上高は 684百万円となりました。

粉末酒につきましては、製菓用途需要の減少したことにより、ラムタイプ等が増加したものの、ワインタイプ等が減少したため売上高は 119百万円となりました。

以上の結果、当事業年度における売上高は 5,643百万円となりました。

利益面につきましては、売上原価の減少によ 営業利益は 782百万円 (同 12.1%増) 経常利益は 877百万円 (同 10.7%増) となりました。 また、法人税等 150百万円(同 69.4%減)を計上したため 当期純利益は 727百万円 (同 148.8%増) となりました。

 なお、当社は食品加工事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ 435百万円増加し、9,182百万円となりました。

なお、当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動による資金の増加は、844百万円前事業年度は 1,289百万円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益 878百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動による資金の減少は、221百万円前事業年度は 176百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出 196百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動による資金の減少は、187百万円前事業年度は 197百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額 187百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

当事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したため、下記の当事業年度における生産実績及び販売実績は当該会計基準等を適用した後の金額となっており、対前年同期比の比較増減は記載しておりません。

 

a.生産実績

当事業年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

生産高(千円)

前年同期比(%)

茶エキス

2,423,715

粉末天然調味料

1,828,274

植物エキス

682,667

液体天然調味料

682,016

粉末酒

124,435

5,741,110

 

(注) 上記金額は、販売価格によっております。

 

b.受注状況

当社は、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

販売高(千円)

前年同期比(%)

茶エキス

2,318,461

粉末天然調味料

1,809,063

植物エキス

705,996

液体天然調味料

684,381

粉末酒

119,983

その他

5,759

5,643,646

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高

(千円)

割合(%)

販売高

(千円)

割合(%)

三菱商事ライフサイエンス㈱

598,678

9.8

647,348

11.5

㈱伊藤園

1,267,853

20.8

619,117

11.0

 

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度末における資産合計は 20,317百万円となり、前事業年度末に比べ 266百万円増加しました。

流動資産については 11,894百万円となり、前事業年度末に比べ 497百万円増加しました。主に、現金及び預金が 435百万円増加したことによります。

固定資産については 8,423百万円となり、前事業年度末に比べ 230百万円減少しました。主に、投資有価証券が 287百万円減少したことによります。

負債合計は 1,577百万円となり、前事業年度末に比べ 91百万円減少しました。

流動負債については 1,507百万円となり、前事業年度末に比べ 88百万円減少しました。主に、仕入債務が 103百万円減少したことによります。

固定負債については 70百万円となり、前事業年度に比べ 2百万円減少しました。これは、役員退職慰労引当金が 2百万円減少したことによります。

純資産合計は 18,740百万円となり、前事業年度に比べ 358百万円増加しました。主に、配当金の支出により 187百万円、その他有価証券評価差額金が 187百万円、それぞれ減少したものの、当期純利益 727百万円を計上したことによります。

この結果、1株当たり純資産は、前事業年度末の 2,930円66銭から 4,437円59銭となり 1,506円93銭増加しております。

 

(売上高)

当社は、創業以来取り組んでまいりました「天然風味の粉末化」において、新たな領域を創造すべく、「茶エキス」、「植物エキス」などの新製品開発を進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響を受け、当事業年度の売上高は 5,643百万円となりました。

(売上原価)

当事業年度は、減価償却費等の減少により、売上高に対する原価率は 71.0%となりました。

(売上総利益)

以上の結果、売上総利益は、前事業年度に比べ 7.0%増の 1,636百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ 22百万円増854百万円となりました。

主に、研究開発に係る労務費の増加によるものであります。販売費及び一般管理費の総額の売上高に対する負担率は 15.1%となりました。

なお、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、前事業年度に比べて 43百万円増の 221百万円となり、売上高に対する負担率は 3.9%となりました。

(営業利益)

売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は、前事業年度に比べ 12.1%増782百万円となり、売上高営業利益率は 13.9%となりました。

(営業外収益・営業外費用)

当事業年度は、営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、前事業年度に比べ 0百万円減の 94百万円となりました。
  これは主に、貯蔵品処分損が増加したことによります。

(経常利益)

以上の結果、営業利益に営業外収益・営業外費用を加減算した経常利益は、前事業年度に比べ 10.7%増877百万円となり、売上高経常利益率は 15.5%となりました。

(特別利益・特別損失)

特別利益は、前事業年度に比べ 3百万円増の 3百万円となりました。これは、受取損害賠償金 3百万円を計上したことによります。
  特別損失は、前事業年度に比べ 5百万円減の 1百万円となりました。これは主に、固定資産除売却損が減少したことによります。

(税引前当期純利益)

以上の結果、経常利益から特別利益・特別損失を加減算した税引前当期純利益は、前事業年度に比べ 11.8%増の878百万円となりました。

(法人税、住民税及び事業税)

法人税等の税負担額は、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、法人税等調整額 34百万円を計上したため、150百万円となりました。

(当期純利益)

以上の結果、当期純利益は、前事業年度に比べ 148.8%増の 727百万円となりました。

なお、1株当たり当期純利益は 117円35銭、ROE(自己資本当期純利益率)は 3.9%となりました。

 

③資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

当社は、事業上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金につきましては、自己資金又は必要に応じて金融機関からの借入の実施等により資金調達をしております。

なお、当社は2022年3月期の年間売上高を上回る 9,182百万円の現金同等物を有しており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う資金需要が発生した場合についても、当社の資金繰りに大きな問題は生じないものと考えております。

キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、資産効率の向上及び株主資本の有効利用がすべてのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「総資産経常利益率(ROA)」及び「株主資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。

当事業年度における「総資産経常利益率(ROA)」は 4.3%(前年同期比 0.3ポイント増)であり、「株主資本利益率(ROE)」は 3.9%(前年同期比 2.3ポイント増)でした。引き続きこれらの指標が改善されるよう取り組んでまいります。

 

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