業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」と

いう。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度(2021年5月1日~2022年4月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策としてワクチン接種が進みましたが、新たな変異株(オミクロン株)による感染拡大等、前期に引き続き厳しい状況が続きました。2022年3月21日にまん延防止等重点措置が全面解除され経済社会活動が正常化に向かい、景気は持ち直しの動きが見られたものの、未だ新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、ロシアによるウクライナ侵攻等の地政学的リスクの高まり、資源価格の高騰や供給面での制約、原油高等の影響で、依然として先行き不透明な状況が続いております。

中食・惣菜業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとした堅調な内食需要に加え、外食メニューのテイクアウトやデリバリー、オンラインショップ等の需要の定着により業態の垣根を越えた競争が激化する中、原材料価格等の上昇により、厳しい経営環境が続いております。

このような状況のもと、当社グループは健康で豊かな食卓提案を通してお客様の豊かなライフスタイルの創造に貢献するために、より高品質で季節感あふれるサラダを一層進化させるとともに、これまで培ってきた調理技術を活かした料理メニューの強化に取り組んでまいりました。また、冷凍食品の品揃え強化を行い外販(卸)の拡大に取り組むとともに、会員サイト「ロック・フィールドメンバーズ」におけるWEB予約の対象商品の拡充やオンラインショップのユーザビリティの向上を図り、デジタルを活用したお客様の利便性向上に取り組みました。併せて、SDGsの取り組みを従業員全員参加で実施するため、地球温暖化等の環境問題、お客様と従業員の健康、地域社会やお取引先との共創、それらを支える経営基盤の強化を重点課題として掲げ、全社的な推進体制を構築いたしました。特に喫緊の課題である環境問題に対して、包装資材の環境対応素材への見直し、店舗におけるフードロス削減、ファクトリーにおけるエネルギーの脱炭素化など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進いたしました。

 

主なブランド別の概況は以下のとおりであります。

「RF1」ブランドにおきましては、加熱することで素材の美味しさを引き出した「ゴールドラッシュ種使用グリルコーンとアボカドのサラダ」など、新しい食べ方や素材・調理法の違いで野菜の楽しみ方を提案する商品展開を行いました。また、「新季発見」をテーマに月替わりで旬の野菜の魅力を紹介し、4月の「香りと食感を堪能 福岡県八女産フレッシュ筍のサラダ」など、風味や食感を活かした季節の味わいを楽しむサラダの提案を行い、売上高は29,340百万円(前期比6.4%増)となりました。

 

「グリーン・グルメ」ブランドにおきましては、「RF1」ブランドのサラダを中心に、「いとはん」ブランド、「融合」ブランドのサラダ・料理の販売強化を行うとともに、毎月19日の「食育の日」にちなんだ販促「グリーン・グルメの食育週間」において、「食を楽しむ」をテーマに3月には「春素材のローストとアボカドのサラダ」や「石臼挽きの山椒香る 炙り筍と菜の花のサラダ」といった、「彩り」「香り」「味わい」「食感」に特徴ある商品を提案し、売上高は9,267百万円(前期比11.1%増)となりました。

 

「いとはん」ブランドにおきましては、季節の移り変わりをそうざいを通して味わっていただく「きょう、旬ごはんしよう。」を年間テーマとし、7月の大暑には「きすの涼風みぞれ添え」、3月の啓蟄には「旬堪能 大葉春菊の和さらだ」など、二十四節気ごとに旬の素材を活かした和さらだや和料理を提案いたしました。また、「牛肉の山椒炙り焼き たまり醤油だれ」など食卓の主役になる和料理の品揃えを強化するとともに、自社で取ったこだわりの出汁を各種具材と組み合わせた「雑穀焼きおにぎりのだし茶漬け」を新たな主食として育成・強化し、売上高は3,214百万円(前期比6.1%増)となりました。

 

「神戸コロッケ」ブランドにおきましては、秋の新じゃがや、低温貯蔵により徐々に糖度が増す冬のじゃがいもなど季節ごとの素材の美味しさを伝えることで、「シンプルなじゃがいもコロッケ」をはじめとする定番商品の販売強化を行うとともに、アスパラガス・長芋・れんこん・筍など季節の素材の食感を活かしたコロッケの提案を行い、売上高は2,552百万円(前期比6.3%増)となりました。

 

「融合」ブランドにおきましては、ブランドの特徴を明確に訴求するため、本格的なスパイス使いで仕上げたサラダや料理を提案する「スパイスデリ」を年間を通して展開いたしました。3月には「旅気分いざなう一皿」をテーマに、「台湾風唐揚げ 大鶏排」や「ベトナム風レモングラス肉豆腐」など東南アジア各国のローカルフードを品揃えし、ひと口で旅の気分を味わえる商品を提案し、売上高は960百万円(前期比7.0%増)となりました。

 

「ベジテリア」ブランドにおきましては、「きれいなカラダ、飲む野菜。」のブランドメッセージのもと、「緑の健康バランス30品目」など定番の野菜ジュースに加え、「紫野菜&赤ぶどう」を新たなスタイルの野菜ジュースとして提案するとともに、「かがやくケール 博多あまおう入り」など野菜に旬の果物を組み合わせることで季節感のある商品展開を行いましたが、売上高は731百万円(前期比6.8%減)となりました。

なお、環境に配慮した取り組みとして、ジュースのカップ及びストローについて、プラスチック製から紙製への切り替えを推進いたしました。

 

「その他」ブランドにおきましては、キット商品や冷凍食品の外販(卸)の拡大やオンラインショップの利便性及び認知度向上に取り組みました。また、連結子会社である岩田(上海)餐飲管理有限公司におきましては、2021年12月、「RF1 上海久光中心店」を出店し、中国上海市に展開する店舗は3店舗となりました。その結果、「その他」ブランドの売上高は1,051百万円(前期比42.9%増)となりました。

 

以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は47,119百万円(前期比7.7%増)、営業利益は2,155百万円(前期比94.6%増)、経常利益は2,185百万円(前期比71.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,380百万円(前期比18.5%増)となりました。

 

なお、当社グループはそうざい事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

②財政状態の状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

比較増減

[資産の部]

 流動資産

 固定資産

 資産合計

 

 

18,103

17,214

35,318

 

 

19,747

16,755

36,502

 

 

1,643

△459

1,184

 

[負債・純資産の部]

 流動負債

 固定負債

 負債合計

 

 

5,152

1,977

7,130

 

 

5,933

1,486

7,420

 

 

781

△491

 289

 

 純資産合計

 

28,187

29,082

894

 

当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末と比べて1,184百万円増加し、36,502百万円となりました。

これは主に、現金及び預金の増加1,105百万円、売掛金の増加717百万円、有形固定資産の減少612百万円等によるものであります。

 負債合計は前連結会計年度末と比べて289百万円増加し、7,420百万円となりました。これは主に、買掛金の増加176百万円、未払金の増加328百万円、未払法人税等の増加163百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の減少540百万円等によるものであります。

 純資産合計は前連結会計年度末と比べて894百万円増加し、29,082百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加1,380百万円、配当金の支払による利益剰余金の減少531百万円等によるものであります。

 以上の結果、自己資本比率は79.7%、1株当たり純資産額は1,093円75銭となりました。

 

 

 

③キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

比較増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,763

3,421

658

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,499

△1,014

1,484

財務活動によるキャッシュ・フロー

 △733

△1,309

△576

フリーキャッシュ・フロー

 263

2,407

2,143

 

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1,105百万円増加し、14,124百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、3,421百万円(前期比658百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,095百万円、減価償却費1,692百万円、売上債権の増加額712百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、1,014百万円(前期比1,484百万円の減少 )となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出710百万円、長期前払費用の取得による支出177百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、1,309百万円(前期比576百万円の増加)となりました。これは主に配当金の支払額532百万円、長期借入金の返済による支出540百万円等によるものであります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績について、当社グループは単一セグメントとしているため、製品別に示すと次のと

おりであります。

なお、同一製品が複数ブランドで販売されるため、ブランド別の生産実績は記載しておりません。

 

製品別

生産高(百万円)

前年同期比(%)

サラダ

22,446

104.3

デイリーそうざい

15,654

115.0

フライ

7,573

102.8

神戸コロッケ

3,274

105.4

ベジテリア

947

90.8

合計

49,897

107.0

(注)金額は販売価格によっております。

 

 

b.受注実績

当社グループでは見込み生産を行っておりますので該当事項はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績について、当社グループは単一セグメントとしているため、ブランド別に示すと次

のとおりであります。

 

ブランド別

販売高(百万円)

前年同期比(%)

RF1

サラダ

16,266

107.2

 

フライ

5,390

99.9

 

その他そうざい

7,683

109.7

 

小計

29,340

106.4

グリーン・グルメ

9,267

111.1

いとはん

3,214

106.1

神戸コロッケ

2,552

106.3

融合

960

107.0

ベジテリア

 

731

93.2

その他

1,051

142.9

合計

47,119

107.7

 

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年5月1日

至 2021年4月30日)

当連結会計年度

(自 2021年5月1日

至 2022年4月30日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

(株)髙島屋

4,617

10.6

※「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から

適用したことにより顧客の定義を見直した結果、当連結会計年度の外部顧客への売上高のうち、連結損

益計算書の売上高の10%以上を占める相手先は存在しておりません。

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま

す。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度における当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うまん延防止等重点措置や、人流抑制を目的とした百貨店食品売り場の入場制限などにより来店客数が落ち込む時期もありましたが、12月にはクリスマス・年末商品の早期受注などが好調に推移し、多くのお客様の底堅いニーズに支えられました。

 また、コロナ禍による在宅時間の増加は、WEB消費の拡大や、大都市から生活圏内への購買行動のシフトなど、消費者の行動に変化をもたらしました。

 このような環境の中、当社グループは、「お客様の食卓を豊かにしたい」という想いのもと、日本の四季の移ろいを感じていただける旬の野菜の美味しさを最大限に活かしたサラダの開発や、ご自宅でひと手間かけて仕上げをしていただくことで出来立ての本格的な味を楽しめるキットシリーズの販売拡大を進めました。また、ロック・フィールドオンラインショップにおける品揃えの拡大や、サイトユーザビリティーの向上、会員の方への情報発信の強化とオンラインイベントの開催などを通じ、ロック・フィールドメンバーズの輪を広げてきました。

 

 

 

前連結会計年度

(百万円)

売上高比率

(%)

当連結会計年度

(百万円)

売上高比率

(%)

売上高

43,762

47,119

売上原価

18,364

42.0

19,849

42.1

売上総利益

25,397

58.0

27,269

57.9

販売費及び一般管理費

24,289

55.5

25,114

53.3

営業利益

1,107

2.5

2,155

4.6

経常利益

1,271

2.9

2,185

4.6

税金等調整前当期純利益

1,615

3.7

2,095

4.4

親会社株主に帰属する当期純利益

1,165

2.7

1,380

2.9

 

経営成績の分析

a.売上高

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ7.7%増収の471億19百万円となりました。前連結会計年度に比べて来店客数は緩やかに回復しましたが、不要不急の外出自粛やテレワークの普及の影響により、大都市の店舗は依然厳しい状況が続きました。一方、コロナ禍による健康意識の高まりやご家庭で本格的な料理を楽しみたいというニーズにより、居住地近郊の店舗では客数・客単価ともに好調に推移しました。また、他社ECや小売店へ冷凍食品やキットサラダ・デリキット等を提供する外販(卸)の取り組みは、取引先の拡大により計画を上回る結果となりました。

 

b.営業利益

 営業利益は前連結会計年度に比べ94.6%増益の21億55百万円となりました。フライオイルを始めとした原材料価格の上昇を店舗での廃棄ロス削減効果により吸収した一方、エネルギー価格の上昇による製造経費の増加等により、売上原価率は0.1ポイント上昇しました。また、各店舗でのきめ細かなマンニングコントロールの定着などにより、販売費及び一般管理費率は2.2ポイント改善しました。

 

c.親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度は特別損失として、主に新型コロナウイルス感染症拡大の影響により経営環境が悪化した店舗の固定資産について、89百万円の減損損失を計上しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ18.5%増益の13億80百万円となりました。

 

d.経営指標の達成状況

 当社グループは、事業活動による収益性を示す「連結営業利益率」を重要な経営指標として位置付けており、当連結会計年度の目標を2.4%と定めておりましたが、売上高の伸長や、現場を中心としたコスト構造見直しの取り組みが定着したことにより、連結営業利益率は4.6%となりました。

 

財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載の通りであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローは、本業を通じた営業活動により得られた資金が34億21百万円(前期比6億58百万円の増加)、投資活動により使用した資金が10億14百万円(前期比14億84百万円の減少)、また、財務活動の結果使用した資金が13億9百万円(前期比5億76百万円の増加)であります。

 

 当社グループの資金の財源につきましては、主に百貨店との売上に関する契約に基づき安定的に売上金の回収を行っており、また、直営店におきましては現金販売が中心となっているため早期にキャッシュの回収を行うことができることから、生産活動(原材料の購入、労務費、設備の修繕費等)及び販売活動(人件費や販売促進の為の広告宣伝費等)などによる運転資金につきましては、営業活動の結果得られた資金から支出可能な状況にあります。また、大規模設備投資等の長期的な資金需要につきましては金融市場の動向等を勘案し、金融機関からの長期借入金による資金調達を行っております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

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