業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

(資産)

 当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べて3,550百万円減少し10,896百万円になりました。これは主に、現金及び預金が1,234百万円減少したこと、売掛金が214百万円減少したこと、有形固定資産が1,387百万円減少したこと、敷金及び保証金が431百万円減少したこと並びに建設協力金が123百万円減少したことによるものです。

 

(負債)

 負債合計は、前事業年度末に比べて6,382百万円減少し7,609百万円となりました。これは主に、買掛金が443百万円減少したこと、借入金が2,609百万円減少したこと、未払金が1,005百万円減少したこと、未払消費税等が581百万円減少したこと、預り金が629百万円減少したこと、資産除去債務が215百万円減少したこと、事業構造改善引当金が540百万円減少したこと並びに受入保証金が219百万円減少したことによるものです。

 

(純資産)

 純資産は、前事業年度末に比べて2,831百万円増加し3,287百万円となりました。これは主に、当期純利益を387百万円計上したこと、新株予約権の行使に伴い資本金、資本準備金がそれぞれ1,238百万円増加したことによるものです。また、自己資本比率は前事業年度末から27.0ポイント増加し29.0%となりました。

 

b.経営成績

 当事業年度におけるわが国経済は、長引く新型コロナウイルス感染症の影響下にありますが、9月末に全国の緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が全て解除されたことなどから、持ち直しの動きがみられるものの、未だ予断を許さない状況にあります。外食産業におきましては、緊急事態宣言などが解除され、緩やかに回復基調がみられるものの、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大の懸念や業界全体の人手不足など、厳しい状況が続いております。

 こうした状況のもと、当社は、年初より「正笑は不滅の論理、幸福を招く方程式」を基本方針として、新型コロナウイルス感染症対策のため行政の要請に応じ営業時間の短縮を行い、引き続き感染症対策を講じながら安心・安全な商品の提供に努め、既存店の売上向上に注力してまいりました。なお、営業時間短縮に伴う協力金の入金額について、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金として2,507百万円営業外収益に計上いたしました。

 特別損益項目では、建物賃貸借契約を締結している家主等との交渉が進展したことに伴い、見積額と確定額の差額等を事業構造改善引当金戻入額として48百万円特別利益に計上し、収益性の低下した店舗資産等に対して減損損失として858百万円特別損失に計上いたしました。

 これらの結果、当事業年度における売上高は18,950百万円(前年同期比39.0%減)、営業損失は1,412百万円(前年同期は4,025百万円の営業損失)、経常利益は1,274百万円(前年同期は3,904百万円の経常損失)、当期純利益は387百万円(前年同期は3,955百万円の当期純損失)となりました。

(いきなり!ステーキ事業)

 いきなり!ステーキ事業につきましては、6月1日より、スマートフォンからテイクアウトのご注文・お支払いができるモバイルオーダーを導入いたしました。また、8月10日には低カロリー且つ希少部位である「イチボステーキ」を全店で期間限定販売をしたところ、予想を大幅に上回る売れ行きとなりました。さらに11月20日にTBS系列のテレビ番組「ジョブチューン フードコート大人気店ジャッジSP×超一流料理人」にいきなり!ステーキが紹介され、イチ押しメニュー5品(ワイルドステーキ、チーズハンバーグ、ヒレステーキ、和牛乱切りカットステーキ、カレーソース)全てで合格をいただきました。同番組内で合格した新商品「和牛乱切りカットステーキ」は11月21日に数量限定で販売を開始いたしました。そのテレビ放映の反響から、いきなり!ステーキの認知度向上だけでなく、来店機会の促進に大きく寄与いたしました。しかしながら、自治体からの時短営業要請、夜の酒類提供時間の短縮・販売禁止などの自粛要請に応じたことにより収益が減少しております。

 この結果、当事業年度における売上高は17,529百万円(前年同期比35.0%減)、セグメント利益は369百万円(前年同期は1,727百万円のセグメント損失)となりました。

 

(レストラン事業)

 レストラン事業につきましては、既存店の売上並びに利益の向上に努めてまいりました。ステーキレストラン「Prime42 BY NEBRASKA FARMS」では、タクシーでご来店いただいたお客様の料金を一部負担する「タクシー料金サービス」や、タクシーデリバリーの「Go Dine」を導入するなど、来店機会や売上の促進につなげております。しかしながら、自治体からの時短営業要請、夜の酒類提供時間の短縮・販売禁止などの自粛要請に応じたことにより収益が減少しております。

 この結果、当事業年度における売上高は1,009百万円(前年同期比7.3%減)、セグメント損失は117百万円(前年同期は118百万円のセグメント損失)となりました。

(商品販売事業)

 商品販売事業につきましては、「とんかつソース」、「冷凍ガーリックライス」、「冷凍ハンバーグ」、家庭でも味わえる「いきなり!ステーキセット」を各大手オンラインショップにて出店販売しました。また、12月24日より、いきなり!ステーキネットショップにて、新商品の「ボイルド牛すじ(味なし)」、「牛すじ煮込み」の販売を開始いたしました。しかしながら8月21日~9月20日の間、システム上のメンテナンスによる休業のため、収益が減少しております。

 この結果、当事業年度における売上高は188百万円(前年同期比42.1%減)、セグメント損失は23百万円(前年同期は17百万円のセグメント利益)となりました。

 

(その他事業)

 その他事業につきましては、店舗FC開発や店舗サポート及び購買に関する間接収益部門の事業となっております。店舗数の縮小及び新型コロナウイルスの影響により出店店舗数が減少いたしました。

 この結果、当事業年度における売上高は222百万円(前年同期比21.4%減)、セグメント損失は50百万円(前年同期は167百万円のセグメント損失)となりました。

 

② キャッシュ・フロー

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べて1,234百万円減少し4,355百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果支出した資金は、658百万円(前年同期は7,158百万円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益を472百万円計上したこと、減価償却費を613百万円計上したこと、減損損失を858百万円計上したこと、貸倒引当金が300百万円増加したこと、事業構造改善引当金が540百万円減少したこと、敷金、保証金及び建設協力金と相殺した解約違約金が449百万円増加したこと、売上債権が214百万円減少したこと、仕入債務が443百万円減少したこと、未払金が1,017百万円減少したこと、未払消費税等が581百万円減少したこと及び預り金が629百万円減少したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は、404百万円(前年同期は8,067百万円の獲得)となりました。これは主に、資産除去債務の履行により244百万円の支出があったこと、預り保証金の返還により229百万円の支出があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は、171百万円(前年同期は2,257百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金が754百万円減少したこと、長期借入金の返済により1,855百万円の支出があったこと及び株式の発行により2,443百万円の収入があったことによるものです。

 

③ 仕入及び販売の実績

(a)仕入実績

 当社の事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、「生産実績」に代えて、「仕入実績」を記載いたします。

 当事業年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

前期比

(%)

いきなり!ステーキ事業(百万円)

9,330

56.5

レストラン事業(百万円)

417

91.7

商品販売事業(百万円)

158

63.3

その他(百万円)

136

74.2

合計(百万円)

10,043

54.1

(注)仕入実績には消費税等は含まれておりません。

 

(b)受注実績

 当社で行う飲食事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

(c)販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

前期比

(%)

いきなり!ステーキ事業(百万円)

17,529

65.0

レストラン事業(百万円)

1,009

92.7

商品販売事業(百万円)

188

57.9

その他(百万円)

222

78.6

合計(百万円)

18,950

61.0

(注)1.販売実績には消費税等は含まれておりません。

2.商品販売事業の販売実績は、冷凍いきなり!ガーリックライス、とんかつソース等の販売高であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」を参照願います。

 

② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(1)売上高

 当事業年度の売上高は18,950百万円(前事業年度は31,085百万円)となり、前事業年度に比べ12,135百万円の減少となりました。減少の主な原因は、コロナ禍による経済悪化の影響により既存店の売上高が減少したこと及びいきなりステーキ事業の店舗数が前事業年度末に比べ閉店等により60店舗減少したことによるものです。

 

(2)売上原価、販売費及び一般管理費

 当事業年度における売上原価は10,045百万円(前事業年度は18,818百万円)となり、前事業年度に比べ8,773百万円の減少となりました。売上高に対する売上原価率は53.0%となり、前事業年度に比べ7.5ポイント減少となりました。減少の主な要因はフランチャイズ、直営、委託の売上高構成比の変化によるものです。

 販売費及び一般管理費は10,316百万円(前事業年度は16,291百万円)となり、前事業年度に比べ5,974百万円の減少となりました。減少の主な要因は、給与手当及び賞与が1,098百万円減少したこと、雑給が1,621百万円減少したこと、地代家賃が610百万円減少したこと及び減価償却費が414百万円減少したことによるものです。

 

(3)営業外損益

 当事業年度における営業外収益は2,740百万円(前事業年度は292百万円)となり、前事業年度に比べ2,447百万円の増加となりました。増加の主な原因は、カード退蔵益が117百万円増加したこと及び新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金が2,507百万円増加したことによるものです。また、営業外費用は52百万円(前事業年度は172百万円)となり、前事業年度と比べ119百万円の減少となりました。減少の主な原因は、支払利息が13百万円減少したこと、株式交付費が28百万円減少したこと及び為替差損が38百万円減少したことによるものです。

 この結果、当事業年度における経常利益は1,274百万円(前事業年度は3,904百万円の損失)となり、前事業年度と比べ5,179百万円の増加となりました。

 

(4)特別損益

 当事業年度における特別利益は58百万円(前事業年度は7,591百万円)となり、前事業年度と比べ7,533百万円の減少となりました。減少の主な要因は、関係会社株式売却益が7,320百万円減少したことによるものです。また、特別損失は860百万円(前事業年度は6,444百万円)となり、前事業年度と比べ5,583百万円の減少となりました。減少の主な要因は、減損損失が3,446百万円減少したこと及び事業構造改善引当金繰入額が2,024百万円減少したことによるものです。

 以上の結果、税引前当期純利益は472百万円(前事業年度は2,756百万円の損失)となり、前事業年度と比べ3,229百万円の増加となりました。また、当期純利益は387百万円(前事業年度は3,955百万円の損失)となり、前事業年度と比べ4,343百万円の増加となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フロー」を参照願います。

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りに与える影響は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、目標の達成状況を判断するための客観的な目標等として、売上高経常利益率を重視しております。

売上高経常利益率の推移

指標

第36期

2020年12月期

第37期

2021年12月期

前年同期比

 売上高

31,085百万円

18,950百万円

61.0%

 経常利益又は経常損失(△)

△3,904百万円

1,274百万円

-%

 売上高経常利益率

-%

6.7%

-ポイント

当事業年度の経常損益につきましては、前事業年度に比べ5,179百万円増加しております。増加の主な要因としては、コロナ禍による経済悪化の影響により既存店の売上高が減少しましたが、営業短縮に伴う協力金の入金により、新型コロナウイルス拡大防止協力金が増加したことによるものです。

 当社といたしましては、新型コロナウイルスの新たな変異株が出現するなど、見通しはいまだ不透明でありますが、衛生面の対策を引き続き実行しつつ、既存店の業績改善を行い安定した収益確保を目指すとともに、全体的なコスト削減に努め、企業価値の継続的な向上に努めてまいります。

 

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