事業等のリスク

2【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上あるいは当社グループの事業活動を理解するうえで重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。下記文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2018年11月30日)現在において当社が判断したものであります。

 

(1)不動産市場環境の動向について

不動産市場は、景気動向、金利動向、地価動向及び住宅税制等の影響を受けて変動する可能性があります。近年は、経済の緩やかな回復基調、継続する低金利環境及び住宅ローン減税等の施策による需要の下支え効果により不動産需要は、底堅く推移しております。当社グループの中核であるリノベマンション事業での投資対象であるファミリータイプの中古マンションは、新築分譲マンション価格の高止まりに対する割安感や購入者層の中古マンションに対する認識の変化などにより需要が増大しており、安定的に収益を確保しやすい環境が継続していると考えております。しかしながら、海外経済の不確実性や国内経済の変化等により、不動産市場が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)不動産に係る税制改正等の政策について

今後予定されている消費税の税率引上げは、住宅購入の駆け込み需要を喚起し、一時的に住宅需要を増加させる可能性がある一方、その後は、反動減を招く懸念があります。また、景気動向の変化による政府の経済政策の一環として、住宅ローン減税や住宅取得における贈与税の非課税枠等、不動産関連の税制の変更等が行われることがあります。この政策の内容によっては、資産の取得及び売却時におけるコストの増加や、不動産を購入する購買層の住宅購入意欲への影響によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)競合について

当社グループの中核であるリノベマンション事業では、賃貸中のファミリータイプ中古マンションというニッチな市場を開拓しており、当社では、投資の規模の拡大に加え、投資対象・投資手法の差別化を志向しております。また、インベストメント事業及びアドバイザリー事業においては、不動産投資及び金融に関する高い専門能力と知識や経験が不可欠であり、経済的に採算性を確保できる規模を構築するための時間、人材及び投資家に対する投資収益のパフォーマンス実績を必要とします。不動産市場に大量の人材・資金が流入し、新規参入や既存会社による事業拡大が生じた場合には、当社グループの取引機会が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)有利子負債への依存について

当社グループは、物件の取得に際して自己資金だけでなく金融機関からの借入金を活用しており、物件取得の状況によってその残高も変動します。当社は、資本効率を高めた経営を志向しており、適正な規模での借入金の調達に努めておりますが、金融環境が変化した場合には、支払利息の負担の増加や借入金の調達が困難になるなど、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、資金調達のため、金融機関との間で複数の金銭消費貸借契約を締結しておりますが、これらの契約には一定の財務維持要件が付されているものもあり、要件に抵触した場合には、抵当権の設定、期限の利益の喪失等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)インベストメント事業について

インベストメント事業では、リノベマンション事業とは異なる投資対象を自己資金と借入金を活用して不動産等を取得し、一定期間保有することから、より不動産市況の変化に伴う価格変動リスクを負います。このため、その取得・売却の時期や金額に応じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)キャッシュ・フロー計算書の記載について

当社グループは、リノベマンション事業において保有する中古マンション物件数の拡大を通じて、賃貸収入、退去後の売却収入の拡大を志向しております。しかしながら、事業成長のために中古マンションをより積極的に取得する局面では、保有物件の増加が販売用不動産の増加として表れるため、営業キャッシュ・フローのマイナスとして記載されます。一方で、インベストメント事業の投資物件は、購入時には有形固定資産の購入としているため、投資キャッシュ・フローのマイナスとして記載されます。また、売却時において固定資産から販売用不動産へ振り替えて売上計上するため、営業キャッシュ・フローのプラス(販売用不動産の減少)として記載されます。なお、上記会計処理については、重要な非資金取引の固定資産の販売用不動産への振替額として、連結財務諸表に注記しております。

 

(7)不動産の欠陥・瑕疵について

当社グループは、不動産の権利、構造、環境等に関する欠陥・瑕疵等により予期せぬ損害を被る可能性がないよう、投資対象不動産の選定・取得の判断を行うに当たって可能な限り第三者の専門家による調査を行い、慎重な対応に注力しております。このような不動産の権利、構造、環境等に関する欠陥・瑕疵については、売主が原則として瑕疵担保責任を負いますが、必ずしも瑕疵担保責任を追及できるとは限りません。その結果、取得した不動産に欠陥や瑕疵等があった場合には、瑕疵の修復などの追加費用等が生じる場合があります。一方で、販売した不動産の欠陥・瑕疵について当社グループの責任が問われた場合には、買主より契約解除や損害賠償請求を受け、また、瑕疵の修復などの追加費用が生じることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)リノベーション工事について

当社グループでは、取得した中古マンションのリノベーション工事について、一定の技術水準を満たす工事業者を選定して発注しており、またリノベーション工事を実施するに際しては、工事業者と当社との間で打ち合わせや報告により、コスト、品質、工期等を管理しております。しかしながら、今後取扱い物件が増加し、また営業地域が拡大していく中で、当社の要求水準を満たす工事業者を確保できなかった場合や、適切なコントロールが出来ずリノベーション工事についてトラブル等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)不測の事故・自然災害による損害について

当社グループが保有する不動産は、首都圏を中心として、関西圏、その他の地域(愛知県、福岡県等)に所在しております。保有不動産の存在する地域で火災、暴動、テロ、地震、噴火、津波等の不測の事故・自然災害が発生した場合には、保有不動産が滅失、劣化または毀損し、突発的に修繕のための支出が必要となり、将来の売却価値が著しく減少する可能性があります。また、不測の事故・自然災害により、不動産投資市場における投資マインドが冷え込み、当社の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。これらの不測の事故・自然災害による損害リスクに対応するため、当社グループが保有する不動産に関して、原則として火災保険・施設賠償責任保険を付保しております。しかしながら、保有不動産の個別事情により、保険契約が締結されない、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する、保険契約でカバーされない災害が発生する、または保険契約に基づく支払いが保険会社により行われず、もしくは遅れる等の可能性も否定できません。また、保険金が支払われた場合でも、行政上の規制その他の理由により事故・自然災害発生前の状態に回復させることができない可能性があります。

 

(10) 不動産に関する権利関係の複雑性及び不動産登記に公信力がないことについて

不動産をめぐっては、様々な権利義務が発生する可能性があります。日本の不動産登記には公信力(公示を信頼して取引した者には、公示どおりの権利状態があったのと同様の保護を与える力)がないことから、登記情報を信頼して取引した場合でも保護されない場合があります。また登記情報から事前に不動産に係る権利義務を知りえない場合があります。したがって、当社グループが取得した権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受け、あるいは第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。このような事態に対して当社グループとしては、第三者から不動産に関する情報を可能な限り入手する等の対応を行っておりますが、現実にこのような事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11)法的規制について

当社グループは、現時点における法令を遵守して業務を行っておりますが、今後、関連する法令が新たに制定され、または既存の法令が改廃された場合には、当社グループの事業の一部が制約を受け、あるいは対応のために追加的な費用がかかるなど、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、法令違反の事象が発生し、監督官庁より業務の停止や免許の取消等の処分を受けた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。なお、当社グループの事業に関連する主な法律は以下のとおりであります。

・宅地建物取引業法

当社グループは不動産業に属し、「宅地建物取引業法」、「不動産特定共同事業法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「不動産の表示に関する公正競争規約」、「建築基準法」等の法令により規制を受けております。これらの法律等の改廃又は新たな法的規制が今後生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループの主要な事業活動の継続には下表に掲げる許認可等が前提となりますが、当該許認可等には原則として有効期間があり、その円滑な更新のため、当社グループでは法令遵守を徹底し、不祥事の未然防止に努めております。現時点においては、当該許認可等の取消し又は更新拒否の事由に該当する事実はありませんが、将来、何らかの理由により、当該許認可等が取消され又はそれらの更新が認められない場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたすとともに、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(許認可等の状況)

会社名

許認可等の名称

許認可等の内容

有効期間

スター・マイカ㈱

宅地建物取引業者免許

国土交通大臣(2)第8237号

2016年12月1日から

2021年11月30日まで

スター・マイカ・レジデンス㈱

宅地建物取引業者免許

東京都知事(3)第89457号

2018年7月12日から

2023年7月11日まで

スター・マイカ・プロパティ㈱

宅地建物取引業者免許

国土交通大臣(1)第9079号

2016年11月2日から

2021年11月1日まで

スター・マイカ・アセット・

パートナーズ㈱

宅地建物取引業者免許

東京都知事(1)第99331号

2016年6月18日から

2021年6月17日まで

SMAiT㈱

宅地建物取引業者免許

東京都知事(1)第102192号

2018年6月23日から

2023年6月22日まで

・金融商品取引法

当社グループは、金融商品取引法に基づく「第2種金融商品取引業」、「投資助言・代理業」の登録を行っております。金融商品取引業者は、金融商品取引法をはじめとして、それに関連する各種法令により規制を受けております。

スター・マイカ㈱ 関東財務局長(金商)第2191号「第2種金融商品取引業」

スター・マイカ・アセットマネジメント㈱ 関東財務局長(金商)第808号「投資助言・代理業」

 

(12)個人情報等の取扱いについて

当社グループでは事業活動を通じて、個人情報を始めとする様々な情報を取得しております。これらの情報管理においては、細心の注意を払っておりますが、不測の事態によりこれらの情報が外部に漏洩した場合、あるいは不正使用された場合には、当社グループの信用低下や損害賠償等の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)小規模組織であることについて

当社グループは組織規模が小さく、社内管理体制もこの規模に応じたものとなっております。今後、事業拡大に伴い人員増強を図り、内部管理体制も併せて強化・充実させていく方針でありますが、事業の拡大及び人員の増加に適時適切に組織的対応ができなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)人材の獲得について

当社グループは、リノベマンション事業、インベストメント事業及びアドバイザリー事業を展開しており、これらの事業に関する高度な知識と組織力に基づく競争力のあるサービスを提供していくためには、優秀な人員の確保及びその育成が不可欠となります。当社グループではこの認識のもとに、人材の採用・育成を継続して行っていく方針ですが、当社グループの求める人材が十分に確保できない場合や当社グループの役職員が社外に流失した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

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