業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による厳しい状況から徐々に回復の兆しがみられたものの、新たな変異株による感染再拡大の懸念から、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループは駐車場事業の収益力向上、不動産事業における新築マンションの販売強化及び駐車場等小口化事業における「トラストパートナーズ」の販売拡大の他、各種事業の収益改善等に注力してまいりました。

以上の結果、売上高12,668,441千円(前年同期比2.7%増)、営業利益397,804千円(前年同期は10,450千円の営業損失)、経常利益346,170千円(前年同期は83,308千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益130,680千円(前年同期比78.5%増)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 令和2年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。なお、この変更が当連結会計年度の連結財務諸表に与える影響は軽微であります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「その他」に含めていた株式会社嘉麻の庄のセグメントを「メディカルサービス事業」へ変更したため、前年同期比については、前年同期の数値を変更後の数値に組み替えて比較しております。

駐車場事業

駐車場事業につきましては、人流の回復に伴い、駐車場利用者数が徐々に回復する中、安心・安全な車室の提供に努めてまいりました。

以上の結果、売上高6,382,500千円(前年同期比1.3%減)、営業利益100,721千円(前年同期は130,269千円の営業損失)となりました。

なお、当連結会計年度末の駐車場数は872ヶ所(前年同期より14ヶ所増)、車室数は32,215車室(前年同期より612車室増)となっております。

 

不動産事業

不動産事業につきましては、当連結会計年度において、新築マンション3棟「トラストレジデンス花立(熊本市東区、37戸)」、「トラストレジデンス基山(佐賀県三養基郡基山町、60戸)」及び「トラストレジデンス三本松(大分県日田市、54戸)」が竣工、135戸の引渡しを実施いたしました。

以上の結果、売上高3,688,463千円(前年同期比53.9%増)、営業利益282,456千円(同328.1%増)となりました。

 

駐車場等小口化事業

不動産特定共同事業法に基づく駐車場小口化商品「トラストパートナーズ」の販売を中心として行う駐車場等小口化事業につきましては、当連結会計年度において、「トラストパートナーズ第24号(福岡市博多区、販売総額226,500千円)」、「トラストパートナーズ第25号(福岡県久留米市、販売総額41,500千円)」、「トラストパートナーズ第26号(川崎市高津区、販売総額134,000千円)」及び「トラストパートナーズ第27号(山口県下関市、長崎県佐世保市の2物件、販売総額134,000千円)」を組成、完売いたしました。

以上の結果、売上高592,860千円(前年同期比67.7%減)、営業利益62,883千円(同83.8%減)となりました。

 

メディカルサービス事業

メディカルサービス事業につきましては、「介護老人保健施設みやこ」、「福岡信和病院」及び「石田病院」等の賃貸収入等により概ね堅調に推移する一方、金銭債権については新型コロナウイルス感染症の収束時期等を含む仮定の見直しを行い、貸倒引当金の積み増しを実施いたしました。

以上の結果、売上高273,651千円(前年同期比26.4%増)、営業損失5,434千円(前年同期は196,870千円の営業損失)となりました。

 

RV事業

RV事業につきましては、事業規模を縮小した上で、キャンピングカーの製造、販売及び修理・リノベーション等に注力いたしました。

以上の結果、売上高739,168千円(前年同期比74.5%増)、営業損失31,460千円(前年同期は169,506千円の営業損失)となりました。

 

その他事業

その他事業につきましては、温浴施設「那珂川清滝(福岡県那珂川市)」、「和楽の湯下関せいりゅう(山口県下関市)」の来館者数回復及び警備契約獲得等に努めてまいりました。

なお、不採算事業である弁当・総菜等調理食品の製造・販売事業より撤退いたしました。

以上の結果、売上高991,796千円(前年同期比0.5%減)、営業損失35,506千円(前年同期は10,319千円の営業損失)となりました。

 

当社グループの当連結会計年度の財政状態の分析につきましては次のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比較して232,706千円増加し、5,455,079千円となりました。これは主に、不動産事業での新築マンションの竣工等による販売用不動産の増加305,442千円、RV事業での車両販売による商品及び製品の減少113,614千円等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比較して580,714千円減少し、3,108,465千円となりました。これは主に、RV事業において車両の販売を目的として機械装置及び運搬具177,659千円を「商品及び製品」に振替えたことによる減少、また「トラストパートナーズ」での販売を目的として土地96,549千円を「販売用不動産」へ振替えたこと等による減少であります。なお、当該資産は「トラストパートナーズ第24号」として組成し、完売しております。

この結果、総資産は8,563,544千円となり、前連結会計年度末に比べ、348,007千円減少しました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末と比較して414,805千円増加し、4,715,335千円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金の増加661,728千円、未払法人税等の減少94,682千円等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末と比較して437,040千円減少し、3,449,243千円となりました。これは主に、長期借入金が341,120千円減少したこと等によるものであります。

この結果、負債合計は8,164,578千円となり、前連結会計年度末に比べ、22,234千円減少しました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比較して325,772千円減少し、398,965千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が130,680千円増加した一方で、剰余金の配当による利益剰余金の減少59,914千円、自己株式の取得による減少394,618千円によるものであります。

この結果、自己資本比率は4.7%(前連結会計年度末は8.1%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「キャッシュ・フロー」という。)は、前連結会計年度末と比較して73,070千円減少し、2,144,713千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、419,670千円のプラス(前年同期は2,190,734千円のプラス)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益237,468千円、減価償却費410,886千円、有形固定資産から棚卸資産への振替274,209千円、法人税等の支払額231,879千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、144,325千円のマイナス(前年同期は510,652千円のマイナス)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出226,347千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、348,414千円のマイナス(前年同期は1,118,021千円のマイナス)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,181,000千円、長期借入金の返済による支出860,392千円、自己株式の取得による支出394,618千円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループの生産活動は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社グループは一般の不特定多数の顧客を相手とするサービス業が主であるため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 令和3年7月1日

    至 令和4年6月30日)

前年同期比(%)

駐車場事業(千円)

6,382,500

98.7

不動産事業(千円)

3,688,463

153.9

駐車場等小口化事業(千円)

592,860

32.3

メディカルサービス事業(千円)

273,651

126.4

RV事業(千円)

739,168

174.5

その他事業(千円)

991,796

99.5

合計(千円)

12,668,441

102.7

(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える事項について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積もり及び判断を行っております。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、特に、貸倒引当金などの重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表作成における重要な判断と会計上の見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

 また、新型コロナウイルス感染症による影響は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表及び財務諸表の「追加情報」にて記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、126億68百万円となり前連結会計年度の123億37百万円から3億30百万円の増加(前年同期比2.7%増)となりました。

セグメント別では、駐車場事業につきましては、収益性を重視した新規駐車場の開発及びタイムリーな料金改定等による既存駐車場の活性化に注力した一方で、外出自粛等の影響により駐車場利用者が減少した結果、売上高は63億82百万円(同1.3%減)となりました。

不動産事業につきましては、新築マンション3棟が竣工し、既竣工物件と合わせて135戸の引渡しを実施した結果、売上高は36億88百万円(同53.9%増)となりました。

不動産特定共同事業法に基づく駐車場小口化商品「トラストパートナーズ」の販売を中心として行う駐車場等小口化事業は、4物件を組成し、完売した結果、売上高5億92百万円(同67.7%減)となりました。

メディカルサービス事業につきましては、医療機関等からの賃貸収入を中心に安定した売上を計上した結果、売上高2億73百万円(同26.4%増)となりました。

RV事業につきましては、キャンピングカーの製造、販売及び修理・リノベーション等に注力した結果、売上高7億39百万円(同74.5%増)となりました。

また、その他事業につきましては売上高9億91百万円(同0.5%減)となりました。

 

(売上総利益及び営業損益)

当連結会計年度の売上総利益は、25億19百万円となり前連結会計年度の22億86百万円から2億32百万円増加(前年同期比10.2%増)した結果、売上総利益率は19.9%(同1.4%増)となりました。

一方、販売費及び一般管理費は、21億21百万円となり前連結会計年度の22億97百万円から1億75百万円減少(同7.6%減)しました。主な要因は、貸倒引当金繰入額の減少によるものです。

その結果、当連結会計年度は3億97百万円の営業利益(前年同期は10百万円の営業損失)となりました。

 

(営業外損益及び経常損益)

当連結会計年度の営業外収益は、助成金収入28百万円等の計上により61百万円(前年同期比2.7%増)となりました。営業外費用は、支払利息1億2百万円等の計上により1億12百万円となり、前連結会計年度の1億32百万円から19百万円減少(同14.8%減)した結果、当連結会計年度は3億46百万円の経常利益(前年同期は83百万円の経常損失)となりました。

 

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益13百万円等の計上により17百万円(前年同期比97.1%減)となりました。特別損失は、減損損失49百万円、出資金評価損49百万円等の計上により1億26百万円となり、前連結会計年度の2億41百万円から1億14百万円減少(同47.6%減)しました。以上の結果、当連結会計年度は1億30百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(同78.5%増)となりました。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金需要の主なものは、駐車場事業、不動産事業、駐車場等小口化事業等における土地購入に加え、駐車場事業の設備投資等があります。

資金の調達手段としましては、駐車場事業及び不動産事業における土地購入、建築工事関連費用の資金については金融機関からの長期借入金、駐車場等小口化事業における土地購入については金融機関からの短期借入金、駐車場事業の設備投資については自己資金及びリース契約により調達しております。

また、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行11行と当座貸越契約を締結することで手元流動性を確保しており、金融機関との間で総額32億円の契約を締結しております。本契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高は16億円であります。

次期につきましては、重要な設備投資等の計画はなく、運転資金や経常的に発生する設備投資及び設備更新につきましては、金利コスト等を勘案しながら、自己資金及び金融機関からの借入れ、リース契約によりまかなう予定であります。

 

⑤経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。継続性のある優良企業となるため安定した収益を確保することが重要であるとの認識より、売上高経常利益率を重要視しております。数値目標としましては、売上高経常利益率10%の達成を目標としております。

当連結会計年度の売上高経常利益率は2.7%となっております。駐車場事業における時間貸駐車場及び月極駐車場の収益向上、不動産事業における土地の仕入及び販売の強化、駐車場等小口化事業における小口化商品の開発強化・拡充により目標達成に努めてまいります。

 

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