業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年2月1日~2022年1月31日)におけるわが国経済は、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく、厳しい状況で推移しましたが、9月中旬以降は緊急事態宣言が徐々に解除される等、緩やかな回復基調が見え始めました。しかしながら、年明けより新たな変異ウイルスが発生し、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

 当アパレル業界でも、商業施設や実店舗の来店客数はコロナ禍以前の水準には戻らず、厳しい事業環境が続いております。

 このような環境下、当社グループは、基幹事業であるアパレル卸売の強化に向け、衣料品販売の深化と非衣料品販売の拡大に取り組んでまいりました。衣料品においては、新しいライフスタイルに合わせた商品開発を進めるとともに、企画や生産管理にデジタルを活用し、アパレル卸売の創る力を強化しました。非衣料品においては、ファッションマスク等の販路拡大や、新規商品開発を進めました。

 売上高は、アパレル小売において店舗販売に回復がみられたものの、アパレル卸売において海外生産国での生産遅延や海上輸送の遅れに伴い、秋冬物の短納期生産の販売が減少しました。また、ファッションマスク等の非衣料品販売は、政府や自治体からの不織布マスクの推奨の影響を受けて想定を大きく下回りました。

 利益面では、上記売上高の減収要因のほか、原材料費の高騰や海上運賃の値上げ、アセアンから中国へ生産国を変更したことにより仕入原価が上昇し、売上総利益率は低下しました。加えて、非衣料品の在庫評価をしたことにより、差引売上総利益は114億42百万円(前年同期比25.3%減)となりました。経費面では、広告宣伝費等の販売費が増加したものの、固定費を削減したこと等により、販売費及び一般管理費は130億3百万円(前年同期比1.3%減)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は、591億20百万円(前年同期比7.6%減)、営業損失は、15億60百万円(前年同期は21億48百万円の営業利益)、経常損失は、12億96百万円(前年同期は25億30百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は、子会社において事務所移転費用を94百万円計上したこと、及び法人税等調整額を248百万円計上したこと等により、16億66百万円(前年同期は20億1百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 なお、当社グループは、衣料品事業の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいと考えられることから、セグメント情報の記載を省略しております。

 

 

②財政状態の状況

a.資産

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ58億64百万円減少の265億55百万円となりました。流動資産は、商品が27億3百万円減少し、受取手形及び売掛金が26億22百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ54億77百万円減少の174億56百万円となりました。固定資産は、投資有価証券が3億80百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ3億82百万円減少の90億95百万円となりました。

b.負債

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ38億22百万円減少の137億40百万円となりました。流動負債は、短期借入金が23億円減少し、電子記録債務が11億13百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ47億38百万円減少の100億60百万円となりました。固定負債は、長期借入金が7億45百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ9億15百万円増加の36億79百万円となりました。

c.純資産

 当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金が19億円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ20億42百万円減少の128億15百万円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億37百万円増加し、34億96百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、19億86百万円の収入(前期は33億99百万円の支出)となりました。これは、仕入債務の減少が16億31百万円、税金等調整前当期純損失が13億90百万円となったものの、売上債権の減少が32億17百万円、たな卸資産の減少が26億87百万円となったこと等によります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、2億39百万円の支出(前期は2億85百万円の支出)となりました。これは、貸付金の回収による収入が1億1百万円となったものの、有形固定資産の取得による支出が2億20百万円、無形固定資産の取得による支出が1億3百万円となったこと等によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、15億59百万円の支出(前期は34億51百万円の収入)となりました。これは、長期借入れによる収入が20億円となったものの、短期借入金の減少による支出が23億円、長期借入金の返済による支出が10億17百万円となったこと等によります。

 

④仕入及び販売の実績

 当社グループは衣料品事業の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいと考えられることから、セグメント情報の記載を省略しております。

 

a.仕入実績

当連結会計年度における事業部門別の仕入実績は、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

アパレル卸売

39,550

△13.0

アパレル小売

4,032

△11.4

その他

△99

合計

43,483

△12.8

   (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.販売実績

当連結会計年度における事業部門別の売上高は、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

アパレル卸売

50,963

△9.7

アパレル小売

7,792

+4.4

その他

364

合計

59,120

△7.6

 

当連結会計年度における販売チャネル別の売上高の状況は、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

専門店

28,209

+3.7

量販店

20,606

△19.0

無店舗

5,497

+16.8

百貨店他

2,044

△10.0

EC

2,164

+15.5

その他

597

合計

59,120

△7.6

   (注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年2月1日

至 2021年1月31日)

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社しまむら

16,007

25.0

16,726

28.3

イオンリテール株式会社

8,946

14.0

5,116

8.7

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果

 

2022年1月期予想

(A)

2022年1月期実績

(B)

増減額

(B-A)

2021年1月期

参考

売上高  (百万円)

62,000

59,120

△2,880

64,002

営業利益又は営業損失(△)

     (百万円)

2,200

△1,560

△3,760

2,148

 売上高は、衣料品の回復は見られたものの、非衣料品販売が想定よりも進まなかったこと等で予想を下回りました。

 利益面では、売上高の減収要因のほか、原材料費の高騰や海上運賃の値上げ、生産国の変更により仕入原価が上昇したこと、非衣料品の在庫評価をしたこと等により営業利益は予想を下回る結果となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入代金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資、M&A及び長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は51億3百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は34億96百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

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