業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により景気は大きく影響を受けました。また、新型コロナウイルス感染症の終息時期が見通せず景気の先行きは不透明な状況となっております。

当社グループの経営成績につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により売上高は7,118百万円(前連結会計年度比83.6%)となりました。損益面におきましては、費用の見直し等を行いましたが、売上高減少の影響のほか、たな卸資産の収益性の低下による簿価切り下げ率の見直しの影響もあり営業損失241百万円(前連結会計年度は営業損失167百万円)、経常損失22百万円(前連結会計年度は経常損失120百万円)となりました。また、帽子事業からの撤退及び館林工場の閉鎖に伴う事業整理損計上、一関工場の火災損失計上及び火災の影響による支払補償引当金繰入額計上等の影響もあり親会社株主に帰属する当期純損失709百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失336百万円)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(環境・エネルギー資材)

売上高1,845百万円(前連結会計年度比99.9%)、セグメント利益154百万円(前連結会計年度比238.0%)となりました。

 

(工業資材)

売上高3,046百万円(前連結会計年度比93.5%)、セグメント利益502百万円(前連結会計年度比110.4%)となりました。

 

(建装・自動車資材)

売上高1,897百万円(前連結会計年度比64.8%)、セグメント損失2百万円(前連結会計年度はセグメント利益114百万円)となりました。

 

(その他)

売上高329百万円(前連結会計年度比67.7%)、セグメント損失22百万円(前連結会計年度はセグメント利益11百万円)となりました。

 

財政状態

当連結会計年度末における財政状態につきましては、総資産は前連結会計年度末に比べて1,265百万円減少し、10,772百万円となりました。これは主に、商品及び製品が813百万円、受取手形及び売掛金が325百万円、原材料及び貯蔵品が239百万円、建物及び構築物が228百万円、電子記録債権が212百万円それぞれ減少し、現金及び預金が510百万円増加したこと等によるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べて669百万円減少し、3,005百万円となりました。これは主に、電子記録債務が311百万円、短期借入金が307百万円、買掛金が156百万円それぞれ減少し、資産除去債務が134百万円増加したこと等によるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ595百万円減少し、7,766百万円となりました。これは主に、利益剰余金が714百万円減少し、その他有価証券評価差額金が170百万円増加したこと等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下資金)は1,811百万円と前連結会計年度末に比べて507百万円(38.9%)増加しました。

 

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、1,180百万円(前連結会計年度は23百万円減少)となりました。これは主に、たな卸資産の減少額1,105百万円、税金等調整前当期純損失637百万円、売上債権の減少額526百万円、仕入債務の減少額461百万円、事業整理損289百万円、減価償却費246百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、189百万円(前連結会計年度は386百万円減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出132百万円、無形固定資産の取得による支出32百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は466百万円(前連結会計年度は149百万円減少)となりました。これは主に、短期借入金の減少額307百万円、社債の償還による支出60百万円、リース債務の返済による支出51百万円等によるものであります。

 

この結果、フリー・キャッシュ・フローは、990百万円の収入となり、前連結会計年度から1,400百万円の増加となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

環境・エネルギー資材

1,068,741

65.8

工業資材

2,446,839

89.6

建装・自動車資材

1,558,354

55.6

その他

129,265

44.4

合計

5,203,200

69.8

 

(注) 1.セグメント間取引はありません。

2.金額は平均販売価格により表示しております。

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当社グループは販売計画に基づいて生産計画をたて、これにより生産をしているため、受注生産は行っておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

環境・エネルギー資材

1,845,963

99.9

工業資材

3,046,036

93.5

建装・自動車資材

1,897,386

64.8

その他

329,497

67.7

合計

7,118,884

83.6

 

(注) 1.セグメント間取引はありません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

泉㈱

795,757

11.2

 

3.前連結会計年度の泉㈱については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の当社グループの状況につきましては、2020年5月に日本毛織株式会社及びアンビック株式会社と資本業務提携を行いました。これにより、「①各事業分野における人材交流、②国内外における製造インフラの相互利用、③購買、販売、管理などの協業、④研究、商品開発における協業、⑤海外事業の推進に向けた協業」といった取り組みを進めてまいりました。また、事業構造改革の一環として、不採算となっていた帽子事業から撤退したほか、当社館林工場を閉鎖いたしました。館林工場で行っていた生産の一部については、日本毛織株式会社印南工場内に加古川工場を設置し移管することとし、整備を進めております。また、2020年10月30日に当社一関工場にて火災が発生し、工場1棟を全焼いたしました。近隣の皆様をはじめ、お取引先様、関係者の皆様にご迷惑とご心配をおかけし深くお詫び申し上げます。なお、一関工場では一部生産を再開するとともに、2021年3月10日開催の取締役会で再建を行うことを決議いたしました。

 

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響により大きく減少しましたが、特に、展示会等のイベント中止の影響を受けた建装資材が大きく減少し、7,118百万円(前連結会計年度比83.6%)となりました。

 

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は、売上高減少の影響やたな卸資産の収益性の低下による簿価切り下げ率の見直しの影響もあり1,482百万円(前連結会計年度比78.9%)となりました。

 

(営業損失)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、費用の見直し等を行い1,724百万円(前連結会計年度比84.3%)となりました。その結果、営業損失は241百万円(前連結会計年度は営業損失167百万円)となりました。

 

(経常損失)

当連結会計年度の営業外損益は、受取利息、受取配当金が減少しましたが、為替差益の増加や雇用調整助成金等の受給による助成金収入もあり前連結会計年度に比べ97百万円改善しました。その結果、経常損失は22百万円(前連結会計年度は経常損失120百万円)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損失)

当連結会計年度の特別損益は、提出会社の本社工場の環境資材生産設備、提出会社の石岡工場の建装資材生産設備と自動車資材生産設備及び提出会社の一関工場の自動車資材生産設備に減損の兆候がみられたため、将来キャッシュ・フローを検討した結果、総額77百万円の有形固定資産の減損処理を行いました。帽子事業からの撤退及び館林工場の閉鎖に伴う事業整理損計上、一関工場の火災損失計上及び火災の影響による支払補償引当金繰入額計上、固定資産解体撤去費用も発生した結果、税金等調整前当期純損失は637百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失255百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失709百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失336百万円)となりました。

 

各セグメントの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

(環境・エネルギー資材)

環境資材については、耐熱フィルター、触媒ロフの販売が堅調に推移し、工業用フィルターの販売が好調に推移しました。エネルギー資材につきましては、NAS電池電極材の減少により販売は減少しました。その結果、売上高1,845百万円(前連結会計年度比99.9%)、セグメント利益154百万円(前連結会計年度比238.0%)となりました。なお、提出会社の本社工場の環境資材生産設備については、減損の兆候が見られたため固定資産の減損の検討を行った結果、減損損失3百万円を計上いたしました。

 

(工業資材)

工業資材については、販売は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により軟調に推移しました。また、提出会社の館林工場を閉鎖いたしました。その結果、売上高3,046百万円(前連結会計年度比93.5%)、セグメント利益502百万円(前連結会計年度比110.4%)となりました。

 

 

(建装・自動車資材)

建装資材については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きくカーペットが使用される展示会の中止が相次いだことにより販売は前連結会計年度に比べ大きく減少し、自動車資材については、提出会社の一関工場で発生した火災の影響もあり販売は軟調に推移しました。その結果、売上高1,897百万円(前連結会計年度比64.8%)、セグメント損失2百万円(前連結会計年度はセグメント利益114百万円)となりました。なお、提出会社の石岡工場の建装資材生産設備、自動車資材生産設備及び一関工場の自動車生産設備については、減損の兆候が見られたため固定資産の減損の検討を行った結果、減損損失73百万円を計上いたしました。

 

(その他)

その他事業については、販売は減少しました。また、不採算となっていた帽子事業から撤退いたしました。その結果、売上高329百万円(前連結会計年度比67.7%)、セグメント損失22百万円(前連結会計年度はセグメント利益11百万円)となりました。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループを取り巻く事業環境は、グローバルな市場での製品開発スピードが激しく、特に主力製品であります情報通信分野の各種部材は、スピーディな高機能、高品質開発が重要となり、一段とお客さま満足度の向上に注力が必要となります。

原材料の調達価格の変動も損益の状況に大きな影響を与えるほか、労働力の確保についても、安定した生産・販売活動を行うための重要な要因となります。

土木資材の分野では、気象条件等も販売動向に大きな影響を与える一因となります。

自動車資材の分野では、高品質はもちろん、他社に負けない製造コスト力の強化により、新車種への取り組み強化が重要となります。

 

・新型コロナウイルス感染症の影響

(環境・エネルギー資材)

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により世界的に経済状況が悪化していることにより、当社グループの販売先の需要が減少し販売動向に影響を与える要因となっています。

 

(工業資材)

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により世界的に経済状況が悪化していることにより、当社グループの販売先の需要が減少し販売動向に影響を与える要因となっています。

 

(建装・自動車資材)

建装資材の分野では、新型コロナウイルス感染症の拡大による展示会、イベント中止等が販売減少の要因となっています。

 

③ 経営目標の達成状況に関する分析

当連結会計年度におきましては、営業損益の黒字化を最大の目標としておりましたが達成することができませんでした。その要因は、製造費用、販管費の削減に努めたものの、たな卸資産の収益性の低下による簿価切り下げ率の見直しや長期滞留在庫の処分を行ったことの影響等であります。

 

④ 戦略的現状と見通し

当社グループとしましては、当社グループがグローバルな事業展開を行う基盤として、購買、生産、販売の各部門ともに、国内、海外の戦略・戦術を明確に位置づけ、オンリーワン製品の強化をはかり、業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立させることであります。

 

 

⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要の主なものは、商品仕入、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資資金需要は、設備投資、有価証券の取得等です。当連結会計年度においては、在庫の販売を推し進めたこと、売上債権の回収サイトの短縮を図ったこと等により資金は増加しました。

短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本とし、長期運転資金及び設備投資資金については自己資金及び金融機関からの長期借入を基本とし、状況により社債の発行を行っています。有価証券の取得は自己資金にて行っています。

重要な設備投資については、提出会社において一関工場の再建に約8億円を投資する予定です。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。

 

(新型コロナウイルス感染症の影響)

販売先の経営状態の悪化により売上債権の回収が滞った場合に備え、短期運転資金として取引金融機関の当座貸越の未使用残高を利用するほか当座貸越枠の拡大を要請しております。

 

⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

(貸倒引当金)

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。

 

(棚卸資産の評価)

当社グループの保有する棚卸資産について、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号)を適用しております。回収可能価額の評価を行うに当たっては、製品、商品については正味売却価額に基づき、収益性の低下を検討しております。将来における実際の需要または市況が見積りより悪化した場合は、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。また、従来より一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げており、在庫実態に変化が生じた場合には、同様に棚卸資産の簿価を切り下げることとなります。

 

(固定資産の減損)

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)等を適用しております。将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。当該見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などは、「第5 経理の状況」(重要な会計上の見積り)に注記しております。

 

(繰延税金資産)

当社グループは繰延税金資産について、将来の課税所得の十分性やタックスプランニングをもとに、回収可能性があると判断される金額を計上しております。繰延税金資産の評価は、将来の課税所得の見積りと、税務上の実現可能と見込まれる計画に依拠します。市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。

 

(退職給付費用及び債務)

当社グループ従業員の退職給付費用及び債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に費用化されるため、一般的には将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得