業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりとなります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残りつつも持ち直しの動きが続きました。先行きについては、引き続き感染症による影響に加え、ウクライナ情勢等による不透明感が見られる中での原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスクに注視する必要があります。

当社グループの属する情報サービス産業においては、期中に公表された日銀短観におけるソフトウエア投資計画(金融機関を含む全産業)がいずれも前年度比増加を示す等、DX技術を活用した業務プロセスやビジネスモデルの変革がグローバルで進展する中で、IT投資需要の更なる増加が期待されています。

このような状況の中、当社グループは、「グループビジョン2026」の達成に向けた更なる成長のため、当連結会計年度から新たな3カ年の中期経営計画(2021-2023)を開始し、DX提供価値の向上を基軸とした事業構造転換の加速に取り組んでいます。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ25,569百万円増加の476,642百万円(前連結会計年度末451,072百万円)となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ29,295百万円増加の259,261百万円(前連結会計年度末229,965百万円)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益により現金及び預金が30,875百万円増加したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ3,725百万円減少の217,381百万円(前連結会計年度末221,106百万円)となりました。これは主に当社が資本・業務提携を通じて株式を保有する海外企業が米国市場で株式を上場したことに伴い、税務上の株式譲渡益が生じることになった影響等により繰延税金資産が8,870百万円増加した一方で当社が掲げるコーポレートガバナンス基本方針に則り政策保有株式の縮減を進めたこと等により投資有価証券が9,181百万円減少したこと等によるものであります。

 

(負債合計)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,006百万円増加の173,649百万円(前連結会計年度末171,642百万円)となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ38,321百万円増加の139,236百万円(前連結会計年度末100,915百万円)となりました。これは主に長期借入金からの振替等により短期借入金が29,436百万円増加したことに加え、当社が資本・業務提携を通じて株式を保有する海外企業が米国市場で株式を上場したことに伴い、税務上の株式譲渡益が生じることになった影響等により未払法人税等が13,034百万円増加したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ36,314百万円減少の34,412百万円(前連結会計年度末70,726百万円)となりました。これは主に短期借入金への振替等により長期借入金が35,112百万円減少したこと等によるものであります。

なお、有利子負債合計としては、前連結会計年度末に比べ6,022百万円減少の37,517百万円(前連結会計年度末43,539百万円)となり、有利子負債比率も7.9%(前連結会計年度末比1.8ポイント減)となりました。

(純資産合計)

純資産は、前連結会計年度末に比べ23,563百万円増加の302,993百万円(前連結会計年度末279,429百万円)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加39,462百万円の一方、配当金支払いによる利益剰余金の減少9,327百万円等によるものであります。

自己株式の減少については、取得により4,833百万円増加した一方で自己株式の処分による減少20,527百万円の結果によるものです。

なお、自己株式の消却により、自己株式及び資本剰余金がそれぞれ19,363百万円減少しています。本消却は、自己株式について原則として発行済株式総数の5%を上限として保有し、5%を超過する保有分については消却することとする当社の基本方針に沿って実施したものです。

また、自己資本比率は、前連結会計年度末の60.0%から1.5ポイント上昇の61.5%となりました。

セグメント別の財政状態は以下のとおりです。

 

イ.サービスIT

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて22,491百万円減少し、79,789百万円となりました。

ロ.BPO

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて80百万円増加し、2,664百万円となりました。

ハ.金融IT

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて1,472百万円増加し、28,747百万円となりました。

ニ.産業IT

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて4,239百万円増加し、65,050百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の業績は、売上高482,547百万円(前期比7.6%増)、営業利益54,739百万円(同19.7%増)、経常利益55,710百万円(同41.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益39,462百万円(同42.5%増)となりました。

売上高については、顧客のデジタル変革需要をはじめとするIT投資ニーズへの的確な対応に加え、前年度に子会社化した企業の業績が反映されたことにより、前期を大きく上回りました。営業利益については、増収に伴う増益分に加え、高付加価値ビジネスの提供、生産性向上施策の推進等により売上総利益率が26.7%(前期比1.3ポイント増)に向上したことが、オフィス改革コスト等の将来成長に資する投資を中心とした販売費及び一般管理費の増加を吸収し、前期比増益となり、営業利益率は11.3%(同1.1ポイント増)となりました。経常利益については、営業利益の増加に加え、営業外損益の改善を背景として前期比増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、経常利益の増加、2021年10月12日付「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」で公表した中央システム株式会社の株式譲渡に伴う子会社株式売却益6,362百万円及び政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益4,910百万円を特別利益に計上したこと等で特別損益が大きく改善したことから前期比増益となりました。

なお、当社が資本・業務提携を通じて株式を保有する海外企業が米国市場で株式を上場したことに伴い、税務上の株式譲渡益が生じることになったため、課税相当額の約80億円を法人税等に計上しましたが、当該法人税等と同程度の金額となる法人税等調整額(益)が計上されることから、連結業績に与える影響は軽微です。

また、当連結会計年度の期首から、収益認識に関する会計基準(以下、「収益認識会計基準」という。)等を適用していますが、業績全体に与える影響は軽微です。

 

セグメント別の状況は以下の通りです。なお、各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含んでいます。

 

イ.サービスIT

当社グループ独自の業務・業種ノウハウを汎用化・テンプレート化した知識集約型ITサービスを提供するビジネス(初期構築・ERP等を含む。)で構成されています。

当連結会計年度の売上高は155,104百万円(前期比13.3%増)、営業利益は11,095百万円(同27.6%増)となりました。デジタル化の進展に伴う決済やマーケティング関連等のIT投資需要の取り込みに加え、前年度に子会社化した企業(MFEC Public Company Ltd.)の業績が反映されたことにより、前期比増収増益となり、営業利益率は7.2%(前期比0.9ポイント増)となりました。

 

ロ.BPO

豊富な業務・ITノウハウを活用し、マーケティング・販促業務や事務・契約業務等のビジネスプロセスアウトソーシングを提供するビジネスで構成されています。

当連結会計年度の売上高は36,617百万円(前期比3.3%増)、営業利益は3,453百万円(同11.2%増)となりました。保険業界をはじめとする企業のアウトソーシングニーズの高まりを受けて堅調に推移し、前期比増収増益となり、営業利益率は9.4%(前期比0.6ポイント増)となりました。

 

ハ.金融IT

金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。

当連結会計年度の売上高は124,937百万円(前期比12.9%増)、営業利益は16,765百万円(同9.4%増)となりました。クレジットカード系の根幹先顧客におけるIT投資拡大の動き等を受け、前期比増収増益となりました。営業利益率は13.4%(前期比0.4ポイント減)となりましたが、引き続き高水準にあります。

 

ニ.産業IT

金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。

当連結会計年度の売上高は191,232百万円(前期比1.6%減)、営業利益は22,959百万円(同22.7%増)となりました。売上高は収益認識会計基準等の適用に伴う減収影響を受けて、前期比減収となりました。営業利益は、製造・サービスの根幹先顧客の堅調なIT投資や新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて抑制傾向にあった地方・中堅中小企業のIT投資需要の回復をはじめとする堅調な事業活動や生産性向上施策の推進等によって、前期比増益となり、営業利益率は12.0%(前期比2.4ポイント増)となりました。なお、前年度に子会社化した企業(澪標アナリティクス株式会社及びTIS千代田システムズ株式会社)の業績反映が増加要因に、当連結会計年度にグループ外へ株式譲渡した企業(中央システム株式会社)の業績除外が減少要因になっていますが、合計での業績影響は軽微です。

 

ホ.その他

情報システムを提供する上での付随的な事業及びその他で構成されています。

当連結会計年度の売上高は8,889百万円(前期比0.6%増)、営業利益は850百万円(同9.4%減)となり、営業利益率は9.6%(前期比1.0ポイント減)となりました。

 

前述の通り、当社グループは、当連結会計年度から「グループビジョン2026」の達成に向けたセカンドステップとなる新たな3カ年の中期経営計画(2021-2023)を開始いたしました。「Be a Digital Mover 2023」をスローガンに、戦略ドメインへの事業の集中を推進するとともに、DX提供価値の向上を基軸とした事業構造転換の加速に取り組んでまいります。

注)戦略ドメイン:「グループビジョン2026」で目指す、2026年に当社グループの中心となっているべき4つの事業領域

 

中期経営計画(2021-2023)の初年度となる当連結会計年度は、以下のグループ経営方針に基づき、各種施策に精力的に取り組みました。

 

<2022年3月期 グループ経営方針>

イ.サステナビリティ経営による社会提供価値と企業価値向上への取組推進

ロ.生産性革新とDX提供価値向上による高付加価値化への取組強化

ハ.財務健全性を堅持しつつ、DX価値提供力強化への成長投資

ニ.ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略推進とガバナンス確立

ホ.社員の働きがい向上とサービス化・デジタル化を牽引する多様性に富む人材投資

 

グループ経営方針に基づく主な取り組み状況は以下の通りです。

 

イ.サステナビリティ経営による社会提供価値と企業価値向上への取組推進

当社グループはコーポレートサステナビリティ委員会の設置、マテリアリティの特定、解決を目指す4つの社会課題の特定など、サステナビリティ経営の高度化に向けた実行体制を整えてまいりました。中期経営計画(2021-2023)においては、特定した社会課題解決に資する事業活動への重点的な経営資源配分を実現することに加え、ESGを高度化し、脱炭素社会、循環型社会への寄与、ステークホルダーエンゲージメントの持続的向上、社会からの信頼を高めるコーポレートガバナンスの追求を推進してまいります。

同時に、企業価値の向上と認知度の向上への取組みとして、戦略的なブランド活動も継続してまいります。テレビCMや広告媒体への記事掲載などを継続的に実施した結果、当社グループの認知度は向上し、それに応じて社員の働きがいや採用面での効果が得られるなど、ブランド活動に基づく成果は着実に表れています。

 

また、コーポレート・サステナビリティ基本方針を制定するとともに、喫緊の重要な社会課題として優先度の高いテーマである人権や環境に関する取組みを進めています。人権問題に関しては、人権方針を制定するとともに、国連による「ビジネスと人権に関する指導原則」に即して人権デューデリジェンスのリスクアセスメントを実施しました。また、気候変動問題に関しては、TCFDへの賛同の後、その提言に基づく情報開示を実施しました。更に、各国の法令に遵守した適切な納税を行うため「TISインテックグループ税務方針」を定める等、地域社会貢献に関するマネジメント強化にも取り組んでいます。今後もサステナビリティ経営を深化させ、持続可能な社会への貢献と持続的な企業価値向上の実現を目指してまいります。 

グループ一体経営に基づく業務効率化の観点では、従前から取り組んでいる「本社系機能高度化プロジェクト“G20”」の一環として、2022年4月1日付で当社のグループシェアードサービス事業を吸収分割により完全子会社のTISトータルサービス株式会社に承継させるとともに、TISビジネスサービス株式会社に商号変更しました。今後、同社を中心にグループ全体のバックオフィス業務のシェアードサービス化及びDX化を推進してまいります。なお、2022年4月に東京証券取引所が実施した市場区分見直しにおいて、当社はグローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場である「プライム市場」に移行しました。

 

ロ.生産性革新とDX提供価値向上による高付加価値化への取組強化

当社グループは、社会インフラとしての情報システムを担う社会的責任を強く認識し、継続的に「品質」「生産性」「技術力」の向上に取り組んでいます。特に生産性革新の観点において、「不採算案件の撲滅」、「エンハンスメント領域の収益性向上のための革新活動」、「オフショア推進」を継続的に推進してまいりました。現在は更に、サービス型ビジネスに対応した品質マネジメントシステムとして「Trinity Ver.2」の展開を進めるなど、グループ全体で収益性向上に向けた取組みを継続しています。また、「不採算案件の撲滅」に向けた対応として、顧客の要求が多様化する中で従来以上にスピード感を持った対応ができるよう、今後はITアーキテクトの強化やエンジニアリングの高度化をより一層強化してまいります。

また、グループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」において掲げるミッション「デジタル技術を駆使したムーバーとして、未来の景色に鮮やかな彩りをつける」を体現すべく、顧客や社会のデジタル化に向けた課題に対する戦略立案から解決策の実行まで一気通貫の価値提供を目指し、DX提供価値向上による高付加価値化への取組みを進めています。その一例として、当社は2021年5月に、経済産業省が定める「DX認定事業者」に選定されました。これまでの顧客企業向けや自社のDX化の取組みが経済産業省の認定基準を満たしていること、並びにステークホルダーへの適切な情報開示が行われていることなどが評価されたものです。

当社グループの強みである決済領域においては、会員管理や加盟店管理に関する業務プロセッシングサービスの中心となるシステムをサービス型で提供する「クレジットカードプロセッシングサービス」を確立することに加え、貸付・融資などの金融サービス事業者のシステムをクラウド型で提供するレンディングサービスの拡大、さらにはそれらをつなぎ機能を高度化するデータ分析の機能を強化してまいります。また、それら各機能を用途・目的ごとにマイクロサービス化し、柔軟で変化に強い機能やサービス提供を進めることで、決済・金融のデジタル化における総合的な提供力を向上し、更なる強みの強化と事業領域の拡大を目指してまいります。

中でも、2023年3月期上期にサービスインを予定している「クレジットカードプロセッシングサービス」の展開により、ファイナンス機能を含む総合的プロセッシング需要に確実に応えてまいります。加えて、デジタル口座、モバイルウォレット、サービス連携、セキュリティ、データ利活用というデジタル化する決済に求められる要素をカバーする等、決済領域全般における事業展開を進めています。

また、顧客との接点である「フロントラインの更なる強化」に向け、DXを推進するための戦略立案や課題形成など上流領域のコンサルティング機能を強化するために、戦略的な経営資源配置と人材育成を推進してまいります。この一環として、2020年8月に連結子会社化したデータ分析・AIのコンサルティングに強みを持つ澪標アナリティクス株式会社と連携し、根幹顧客のDX推進に対する価値提供を強化しています。また、DX戦略人材会議を設置して具体的な施策検討や議論を開始するなどの取組みを進めています。積極的な配置転換やキャリア採用を進め、2022年3月期中にDXコンサルタントを約50名増員し、300名体制に拡充いたしました。

 

ハ.財務健全性を堅持しつつ、DX価値提供力強化への成長投資

不確実性の高まる環境においてもより競争力のある企業グループとなり、持続的な企業成長及び企業価値向上を実現するため、4つのテーマに対する積極的な成長投資(ソフトウエア投資、人材投資、研究開発投資、M&A・出資等)と適正リターンを獲得するための投資マネジメントの一層の高度化を進めてまいります。中期経営計画(2021-2023)の3年間においては、総額で約1,000億円の成長投資を行い、DX提供価値の向上や新技術の獲得を推進する方針であり、順次投資を実行しています。

 

また、当社グループは、「グループビジョン2026」で目指す4つの戦略ドメインへの事業の集中を推進する観点から、グループフォーメーションの最適化についても継続して検討を進める中、当連結会計年度においては連結子会社である中央システム株式会社の全株式をグループ外へ譲渡しました。今後も、構造転換に向けた諸施策を推進する一環としてグループフォーメーションの最適化及び事業ポートフォリオの見直しを継続的に実施し、それによって得た資金は財務投資戦略におけるキャッシュアロケーションの方針に沿って成長投資に充当してまいります。また同様の目的から、保有意義が希薄と判断した政策保有株式について縮減を進めました。

 

ニ.ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略推進とガバナンス確立

前中期経営計画において確立したASEAN各国のパートナーとのアライアンスを強化し、最先端技術や破壊的テクノロジーを活用することで、戦略ドメインで掲げる「ITオファリングサービス」、「フロンティア市場創造ビジネス」をグローバルで拡大してまいります。

こうした中、2020年10月に連結子会社化したタイ国内のエンタープライズ向けITソリューション提供のリーディングプレイヤーであるMFEC Public Company Limitedとの間で一層の事業シナジーを創出し、事業の拡大、競争力の向上を目指してまいります。また、東南アジア最大のデジタルペイメントプラットフォームを展開するGrab Holdings Inc.との戦略的パートナーシップ関係を一層強化し、東南アジアおよび日本でのデジタルペイメントのインフラ強化や新たな決済技術の開発にも共同で取り組んでまいります。

加えて、中国トップクラスのブロックチェーン技術企業「杭州趣鏈科技有限会社(Hangzhou Qulian Technology Co., Ltd.)」やブロックチェーン技術を用いてTrade Financeプラットフォームを展開するシンガポールの「Contour Pte. Ltd.」との資本・業務提携を行うなど、テクノロジー(技術)の観点でも引き続き有力企業とのアライアンスを進めてまいります。

 

ホ.社員の働きがい向上とサービス化・デジタル化を牽引する多様性に富む人材投資

社員と会社の価値交換性の継続的な高度化を実現するために、個の多様化と先鋭化に着目した人材戦略を推進してまいります。多様な個が活躍できる環境・組織風土の整備、ニューノーマルを見据えた次世代の働き方改革の推進、人材データベースのデジタル化による人材ポートフォリオマネジメントの高度化などを通して、社員のエンゲージメント向上に取り組んでまいります。加えて、構造転換をさらに加速するため、経営、コンサルティング、グローバル、サービスビジネスなど、先鋭化人材の戦略的な確保と育成に努めるとともに、最適配置を進めてまいります。

この一例として、当社は、社員の柔軟な働き方を促進する遠隔地テレワークや、自発的なキャリア形成を尊重する成長支援制度を新たに整備するとともに、様々なライフステージや自己実現を支援するライフステージサポート制度を拡充するなどの取組みを進めています。

こうした取組みの結果、当社、株式会社インテック及びクオリカ株式会社は、経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人2022」に認定され、さらに当社は「健康経営優良法人2022~ホワイト500~」にも認定されました。

また、当社は一人ひとりの社員が貢献意識を持って活躍・成長できる組織風土の構築に向けたテーマの一つとして、女性社員が自分らしく力を発揮できるよう、女性社員の意識改革、能力開発・キャリア形成、働き方の見直しなどにも取り組んでおり、経済産業省と東京証券取引所が共同で女性活躍推進に優れた上場企業を選定するなでしこ銘柄において「準なでしこ」に選定されました

 

その他、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図る一環として、2021年9月に計1,430,400株(取得価額の総額4,470百万円)の自己株式を取得するとともに、保有自己株式のほぼ全量にあたる計12,206,400株(消却前発行済株式総数の4.6%)を消却しました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて30,895百万円増加し、当連結会計年度末には113,820百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は56,126百万円(前期比22,781百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益61,481百万円(同16,664百万円増)に、資金の増加として、非資金損益項目である減価償却費15,083百万円(同1,765百万円増)などがあった一方、資金の減少として、法人税等の支払額14,363百万円(同2,121百万円減)などがあったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は3,424百万円(前期比14,098百万円減)となりました。これは主に、資金の増加として、資本効率性の向上およびコーポレートガバナンス・コードへの対応の一環としての政策保有株式の縮減等による投資有価証券の売却及び償還による収入7,126百万円(同3,842百万円減)、グループの事業ポートフォリオの見直しの一環として実施した連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入7,019百万円(前期計上なし)などがあった一方で、資金の減少として、有形固定資産の取得による支出9,048百万円(同1,011同百万円減)、無形固定資産の取得による支出6,231百万円(同5,232同百万円減)などがあったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は21,948百万円(前期比34,432百万円減)となりました。これは主に、資金の増加として、短期借入金の純増加額1,320百万円(前期計上なし)などがあった一方で、資金の減少として、配当金の支払額9,327百万円(同1,518百万円増)、長期借入金の返済による支出7,012百万円(同5,543百万円増)、自己株式の取得による支出4,833百万円(同1,734百万円減)などがあったことによるものです。

 

なお、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは52,702百万円の黒字(前期比36,879百万円増)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

なお、アウトソーシング業務・クラウドサービス及びソフトウエア開発についてのみ記載しております。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

サービスIT(百万円)

143,240

113.1

BPO(百万円)

22,538

91.4

金融IT(百万円)

123,541

113.4

産業IT(百万円)

189,829

101.1

報告セグメント計(百万円)

479,149

106.9

その他(百万円)

合計(百万円)

479,149

106.9

 

b.受注実績

当連結会計年度におけるソフトウエア開発に係る受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

サービスIT

64,248

116.7

22,447

110.2

金融IT

78,349

114.4

30,559

107.1

産業IT

128,752

113.1

41,009

117.5

合計

271,350

114.3

94,016

112.2

(注)BPOはセグメントの特性によりソフトウエア開発がありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

サービスIT(百万円)

142,376

114.5

BPO(百万円)

34,519

105.6

金融IT(百万円)

124,416

112.8

産業IT(百万円)

176,982

100.2

報告セグメント計(百万円)

478,295

107.7

その他(百万円)

4,251

98.0

合計(百万円)

482,547

107.6

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載したとおりであります。

構造転換推進のための積極的な成長投資と株主還元の強化の両立を目指す中期経営計画(2021-2023)の投資財務戦略に基づいて、当連結会計年度においては、特に政策保有株式の縮減を推進し、全量売却8銘柄を含む9銘柄の売却を進め、75億円の縮減を実現しました。

自己資本比率は、前連結会計年度末の60.0%から1.5ポイント上昇の61.5%となり、積極的な成長投資を可能とする財務健全性を堅持しています。

なお、当連結会計年度末の現金及び預金は保有方針である2ヶ月程度を上回る状況にありますが、中期経営計画(2021-2023)の3年間において想定しているキャッシュアロケーションとして事業から創出されるキャッシュをベースとした積極的な成長投資と株主還元の強化の両立を推進します。

 

b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載したとおりであります。

構造転換のための積極的な成長投資を進める中においても収益性を向上させる取り組みを推進することができていると考えております。具体的には、構造転換推進のための先行投資コストの増加21.8億円及び働き方改革推進のためのオフィス改革コストの増加28.2億円等がある中においても、高付加価値ビジネスの提供や生産性向上施策の推進等により、売上総利益率は前期比1.3ポイント増の26.7%に向上し、営業利益は547.3億円(前期比19.7%増)となり、営業利益率も11.3%(前期比1.1ポイント増)に向上しました。

 

c.経営成績等に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2.事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したとおりであります。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載したとおり、当社グループでは、事業規模・収益性および資本効率性を重視した経営指標を設定し、これらの拡大を目指しています。中期経営計画(2021-2023)では、「売上高5,000億円」「営業利益(営業利益率)580億円(11.6%)」「EPS(1株当たり当期純利益)の年平均成長率10%超」「戦略ドメイン比率60%」「社会課題解決型サービス事業売上高500億円」を掲げています。

その初年度となった2022年3月期では、すべての指標において当連結会計年度の目標を上回る結果となり、中期経営計画の最終年度である2024年3月期の目標値に対する進捗は良好な状況にあります。

戦略ドメインへの経営資源の集中による構造転換は着実に進展しており、利益成長やキャッシュ創出力の向上という成果につながっていると認識しています。

 

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また、自己資本当期純利益率(ROE)については、中期経営計画(2021-2023)において事業収益力の向上に伴う当期純利益率の向上を牽引役として12.5%~13%を目標としており、長期的には構造転換を進めることで、安定的に15%を実現できる企業への成長を目指しています。

 

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② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。

事業から創出されるキャッシュおよび政策保有株式をはじめとする非事業資産の資産最適化等に伴うキャッシュをベースに積極的な成長投資と株主還元の強化の両立を目指す中期経営計画(2021-2023)における財務投資戦略及びキャッシュアロケーションの考え方に基づいて、当連結会計年度においては営業活動によるキャッシュ・フローの大幅な増加に加え、政策保有株式の縮減およびグループの事業ポートフォリオ見直しによるキャッシュを創出し、3年間で約1,000億円を想定する成長投資の一部を構成する有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出に充当しました。

当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは、527億円の黒字となり、前期に比べて368億円増加しておりますが、これは成長投資による構造転換の進捗により、利益成長及び安定的なキャッシュ創出力が高まったことによるものと考えております。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

イ.資金需要

当社グループの資金需要について、営業活動においては、人件費・外注費及び材料費などの運転資金が主な内容になります。投資活動においては、2021年4月より開始した3か年の中期経営計画の中で掲げる約1,000億円想定の投資戦略に基づき、DX提供価値の向上や新技術獲得のためのM&Aやソフトウエア開発投資、R&Dや人材育成などへの成長投資を実施しております。その他、働き方改革を推進するため経常的な設備の更新、増設等を目的とした設備投資を実施しております。

 

ロ.財務政策

上述のとおり、自己資本当期純利益率(ROE)については、中期経営計画(2021-2023)においては、事業収益力の向上に伴う当期純利益率の向上を牽引役として12.5%~13%を目標としており、長期的には構造転換を進めることで、安定的に15%を実現できる企業への成長を目指しています。

当連結会計年度のROEについては、前連結会計年度の10.8%から3.2ポイント上昇の14.0%となり、中期経営計画の目標水準を上回りました。これは、当期純利益率8.2%(前期比2.0ポイント増)が主要因ですが、政策保有株式の縮減およびグループの事業ポートフォリオ見直しによる特別利益の計上が影響したものと認識しています。

 

中期経営計画(2021-2023)の目標であるROE12.5%~13%、長期的に目指す安定的なROE15%の実現をより確実なものとしていく中、戦略ドメインへの経営資源の集中による構造転換の着実な進展とそれに伴う利益成長やキャッシュ創出力の向上等の収益基盤の強化、経営の質が転換してきていることを踏まえて資本構成の適正化を図る一環として翌連結会計年度における自己株式の取得については、総還元性向45%(目安)に基づく約55億円相当に加えて約245億円相当の合計300億円の実施を計画しています。

 

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なお、当社グループは、必要となる資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は有利子負債の調達を実施することを基本とし、現金及び預金は月商の2ヶ月程度を保有する方針としております。借入金、社債等の調達については、調達コストの抑制の観点から格付「A」の維持を考慮して実施する前提としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

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