業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、2022年7月期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。このため、前年同期増減率は記載しておりません。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご覧ください。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2021年8月1日~2022年7月31日)におけるわが国経済は、2021年9月末の「緊急事態宣言」の解除後、雇用・所得環境等の改善に期待が高まり、個人の消費等も緩やかに持ち直しの動きが見られます。国外においては、新型コロナウイルスの感染による影響が緩和され、景気の持ち直しの動きが続くことが期待されていますが、ウクライナ情勢等による不透明感が見られる中、原材料の価格上昇や金融資本市場の変動等による経済への影響に対し、引き続き注視する必要があります。当社グループが属する情報サービス業界においては、新型コロナウイルス感染症の再拡大等により、ソフトウェアに対する投資において、影響が出る可能性があります。

このような状況のもと、当社グループは、ITの有効活用が必要な中堅・中小企業顧客の経営課題を解決するための商材を「リアル」と「Web」の両面から開発・提案し、顧客の企業力強化を図ることを「CROSS-OVER シナジー」戦略とし取り組んでまいりました。

「CROSS-OVER シナジー」戦略は、当社グループが提唱してきた独自の提案スタイルで、「リアル」と「Web」それぞれの商材を複合的に提案することで、顧客の業務効率と販売力強化を実現するものであり、当社グループにとって商談時の競合力を強化するだけでなく、顧客満足度も向上させるものであります。この戦略効果により、当社グループが重視するストック型ビジネス商材の販売実績が大きく伸長し、利益体質の強化が図られております。

販売実績につきましては、「リアル」面では、主力のパッケージソフトウェア「アラジンオフィス」の商品力の強化を、業種別に継続して進め、販売面でもパートナー企業との連携に加え、コロナ禍においては、Web会議を利用した打合せ等を積極的に行うことによって、豊富な業種別の導入事例をもとに顧客毎に最適なシステム活用方法をご提案させていただくことで、受注実績も堅調に推移いたしました。ただし、収益面につきましては、前連結会計年度が新型コロナウイルスの影響に伴う検収時期の変更によって売上高が増加しており、当連結会計年度はその反動により、売上高は減少いたしましたが、売上総利益率の向上等により各段階利益は前連結会計年度の業績を上回る結果となりました。

「Web」面では、複数ネットショップ一元管理ソフトである「CROSS MALL」について、新たなショッピングモールとの連携開発を当期も継続して取り組んでまいりました。今後も引き続き、複数モールとの連携機能強化を行うとともに、既存の顧客から機能面における要望を収集し、迅速に新機能として反映させることで、商品力を向上させ販売実績を伸ばしてまいります。また、ネットショップと実店舗のポイント・顧客一元管理ソフトである「CROSS POINT」につきましても、販売実績を伸ばしております。

当連結会計年度においても、継続して製品の開発に注力しており、将来における新たな技術開発による市場競争力向上に向け、研究開発費68,893千円を計上しております。島根県松江市の研究開発拠点である「アイル松江ラボ」においては、プログラミング言語「Ruby」によるシステム強化の活動を本格的に始動しており、今後も研究開発人員を増加し、研究開発活動の強化を図ってまいります。

この結果、当連結会計年度の経営成績は売上高12,944,157千円、営業利益2,100,414千円、経常利益2,121,077千円、親会社株主に帰属する当期純利益1,377,907千円となり、当社グループの経営指標である売上高営業利益率は16.2%となりました。また、当連結会計年度末の財政状態は、資産合計9,576,837千円、負債合計3,861,447千円、純資産合計5,715,390千円となり、財政状態の健全性及び長期的な安全性を示す自己資本比率は59.7%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて186,227千円増加し、3,640,173千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は1,134,153千円(前年同期は2,027,276千円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,119,104千円、法人税等の支払額750,490千円、売上債権及び契約資産の増加702,043千円、減価償却費574,346千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は482,289千円(前年同期は216,209千円の減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出385,669千円、有形固定資産の取得による支出96,146千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は465,636千円(前年同期は551,787千円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額450,511千円、長期借入金の返済による支出15,000千円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループは単一セグメントであるため、セグメント情報については記載を省略しております。

事業といたしましては、システムソリューション事業、Webソリューション事業の2事業から構成されており、

「生産、受注及び販売の実績」に関しましては、事業別で開示しております。

 

イ.生産実績

 当社グループのシステムソリューション事業及びWebソリューション事業における主たる業務は、システムの導

入、ECサイト・Webサイトの制作及びそれらの導入後におけるサポート等であります。これらは顧客の注文に応じてサービス及びサポートを提供するものであり受注形態は多岐にわたっております。このため、生産という概念が薄く、生産実績を把握することは困難でありますので、記載を省略しております。

 

 

ロ.仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績については、次のとおりであります。

事      業

 

当連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

システムソリューション事業

1,380,941

Webソリューション事業

8,379

合計

1,389,321

(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。このため、前年同期比は記載しておりません。

 

ハ.受注実績

 当連結会計年度の受注実績については、次のとおりであります。

事      業

 

当連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

システムソリューション事業

11,425,672

3,857,697

Webソリューション事業

1,881,361

228,875

合計

13,307,034

4,086,572

(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。受注高と受注残高については、従来の集計方法と異なるため、前年同期比は記載しておりません。

 

ニ.販売実績

 当連結会計年度の販売実績については、次のとおりであります。

事      業

 

当連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

システムソリューション事業

11,036,575

Webソリューション事業

1,907,582

合計

12,944,157

(注)1 主要な販売先への販売実績については総販売実績の100分の10未満のため記載を省略しております。

2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。このため、前年同期比は記載しておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。これら連結財務諸表の作成にあたって当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

連結財務諸表作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、連結財務諸表等には将来に対する見積り等が含まれておりますが、これらは当連結会計年度末現在における当社グループの判断によるものであります。このような将来に対する見積り等は過去の実績や趨勢に基づき可能な限り合理的に判断したものでありますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、結果とは異なる可能性があります。

 

②財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べて1,162,073千円増加し、7,249,863千円となりました。これは主に、仕掛品530,204千円、売掛金111,899千円等が減少した一方、現金及び預金186,227千円、契約資産1,481,398千円等が増加したことによります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末と比べて35,186千円減少し2,326,973千円となりました。これは、主にソフトウエア仮勘定198,247千円、繰延税金資産43,056千円等が増加した一方、ソフトウエア305,972千円等が減少したことによります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末と比べて112,477千円減少し、2,134,318千円となりました。これは主に、未払法人税等127,872千円等が増加した一方、流動負債の「その他」に含まれる未払消費税等270,582千円等が減少したことによります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末と比べて113,711千円増加し、1,727,129千円となりました。これは、退職給付に係る負債81,557千円、役員退職慰労引当金30,700千円等が増加したことによります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて1,125,652千円増加し、5,715,390千円となりました。これは主に、剰余金の配当450,631千円による減少があった一方、親会社株主に帰属する当期純利益1,377,907千円等による増加があったことによります。

 

③経営成績の分析

(売上高)

売上高は、12,944,157千円となりました。当連結会計年度は、半導体不足によるサーバー機器納期遅延やクラウドの伸びによるイニシャル減少等の影響を受けましたが、主力のパッケージソフトウェア「アラジンオフィス」の商品力強化を業種別に継続して進めたこと、パートナー企業と連携し豊富な導入事例をもとに顧客ごとに最適なシステム活用方法を提案したこと等により、受注実績が堅調に推移したことによるものであります。

また、複数ネットショップ一元管理ソフト「CROSS MALL」は、前期以前に続き新たなショッピングモールとの連携が進んだことに加え、既存の顧客から収集した機能面の要望を反映することで商品力を向上したことにより、ネットショップと実店舗のポイント・顧客一元管理ソフト「CROSS POINT」と共に、継続して伸長したことによるものであります。

 

(売上原価・販売費及び一般管理費・営業利益)

売上原価は、6,205,871千円となりました。これは、ストック比率上昇とパッケージ機能の拡充、製販一体による見積精度向上が奏功したことによります。以上の結果、営業利益は、2,100,414千円となりました。

 

(営業外収益・営業外費用・経常利益)

営業外収益は、21,852千円となりました。これは、受取手数料12,408千円、補助金収入8,433千円等の計上が主なものとなります。また、営業外費用は、1,189千円となりました。これは支払利息1,189千円の計上によるものです。これらにより、経常利益は、2,121,077千円となりました。

 

(特別利益・特別損失・法人税等・親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は、2,577千円となりました。これは受取保険金2,577千円の計上によるものです。また、特別損失は、4,549千円となりました。これは、固定資産除却損4,549千円の計上によるものです。これらにより、税金等調整前当期純利益は、2,119,104千円となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,377,907千円となりました。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

イ.資本の財源

 当社グループは、運転資金、設備資金等の所要資金につきましては、原則として自己資金で賄うこととしており、M&Aや本社移転等の一時的な資金需要が生じた場合には、主に金融機関による長期借入により資金を調達しております。また、機動的かつ安定的な資金を確保するため、取引銀行3行と当座貸越契約を締結しております。

 

ロ.資金の流動性

資金の流動性についての分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。

 

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