業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を促進する中で持ち直しの動きが続いているものの、変異株などの新たな脅威や、半導体不足、ロシア・ウクライナ情勢に起因する資源価格の高騰、サプライチェーンの混乱など、内外経済に与える影響は依然として不透明な状況です。

国内の情報サービス業界及び当社グループの関連する人事労務領域においては、政府が推進する働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークへの急速な取り組み、業務効率化対応に伴うDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などを背景に、企業の投資需要は引き続き増加しているものの、拡大・収束を繰り返すコロナ禍による企業業績への影響から、新規の投資に対する先送りなど、投資に対する動きには慎重さが見られました。

このような状況の中、当社グループは、オンラインセミナーやリモート会議などを積極的に活用し顧客の業務効率化並びに付加価値創造を支援し、顧客満足度をより一層高めるべく努めてまいりました。

 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

 (資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、1,056,984千円(前期比9.9%減)となりました。主な内訳は、現金及び預金468,147千円及び売掛金475,057千円となっております。

また、固定資産の残高は1,174,958千円(前期比9.9%増)となりました。主な内訳は、ソフトウエア438,283千円、のれん174,878千円、差入保証金162,956千円、建物124,164千円となっております。

以上の結果、総資産は2,231,942千円(前期比0.4%減)となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、751,705千円(前期比28.1%増)となりました。主な内訳は、1年内返済予定の長期借入金197,259千円、未払金156,920千円、前受金86,840千円となっております。

また、固定負債の残高は55,592千円(前期比78.0%減)となりました。内訳は、長期借入金55,592千円となっております。

以上の結果、負債合計は807,297千円(前期比3.8%減)となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における株主資本は、1,417,493千円(前期比3.9%増)となりました。主な内訳は、資本金219,110千円及び資本剰余金202,122千円、利益剰余金996,759千円となっております。

以上の結果、純資産は1,424,645千円(前期比1.6%増)となりました。

 

 

b. 経営成績

当連結会計年度における業績は売上高2,742,835千円(前期比12.5%増)、売上原価1,468,017千円(前期比18.5%増)、売上高に対する売上原価の比率53.5%(前期比2.8ポイント増加)、売上総利益1,274,818千円(前期比6.2%増)、営業利益145,411千円(前期比33.8%減)、売上高に対する営業利益の比率5.3%(前期比3.7ポイント減少)、経常利益129,544千円(前期比40.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益91,394千円(前期比33.8%減)となりました。また、当社グループが重要な経営指標と考える自己資本利益率(ROE)は、連結ベースで6.6%(前期比3.9ポイント減少)、当社単体では5.5%(前期比4.8ポイント減少)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較し156,296千円減少し、461,052千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、493,725千円となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益129,544千円、減価償却費376,903千円、のれん償却額38,861千円、主な減少要因は、法人税等の支払額76,269千円、棚卸資産の増加32,124千円、売上債権の増加7,640千円などであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、472,474千円となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入20,049千円、主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出441,948千円、有形固定資産の取得による支出48,981千円などであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、177,547千円となりました。主な増加要因は、短期借入金の純増126,000千円、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出233,304千円、配当金の支払額43,243千円などであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは、生産活動を行っていないため、記載を省略しております。

 
b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

CuBe事業

599,906

0.6%

255,073

0.2%

合計

599,906

0.6%

255,073

0.2%

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.社労夢事業では、受注から販売までの期間が短期間であり、期中の受注高と販売高がほぼ同一となるため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

販売区分の名称

前連結会計年度
(自 2020年4月1日
  至 2021年3月31日)

当連結会計年度
(自 2021年4月1日
  至 2022年3月31日)

販売高(千円)

前期比(%)

販売高(千円)

前期比(%)

社労夢事業

1,897,373

7.1

2,136,196

12.6

 

クラウドサービス

1,787,781

7.8

2,025,003

13.3

 

システム商品販売

102,991

△9.1

99,437

△3.5

 

その他サービス

6,601

1,129.2

11,755

78.1

CuBe事業

541,700

△11.0

606,638

12.0

合計

2,439,074

2.5

2,742,835

12.5

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績等

(社労夢事業)

社労夢事業においては、働き方改革やテレワーク推進のための業務効率化の必要性を背景に、主要顧客である社会保険労務士市場のみでなく、一般法人市場においてもシステム導入意欲が高まっております。一方で、競合による新規参入が散見され、価格面も含め競争の激化が予想されます。

このような中、社労夢事業においては、社労夢(Shalom)をはじめShalom 公式RPA「ShaRobo(社ロボ)」、公文書配布システム「Cloud Pocket」などの各製品群の品質向上と機能拡充などを図りました。社会保険労務士向けのサービスでは、主力サービスである社労夢(Shalom)シリーズにおいて、初期費用割引キャンペーンの実施や毎年多くの引き合いにつながっているIT導入補助金の採択によりハウスプランの契約件数を伸ばしました。法人企業向けサービスでは、WEB年末調整システム「eNEN」の新規受注及び利用従業員数の増加を受け、売り上げを伸ばすと共に、より確度の高い見込案件獲得のための施策として、引き続き「ITトレンド」等へ社労夢Company Editionの掲載を行う他、周辺製品の見込み発掘のためミニセミナーを実施するなど、案件確保に努めました。

この結果、クラウドサービス売上高は、2,025,660千円(前期比13.3%増)となりました。これは主力サービスである社労夢製品のユーザー数及び発行ID数が増加したことに伴う月額利用料の積み上がりにより、ASPサービス売上高が1,818,174千円(前期比10.9%増)となったこと、ハウスプランの契約件数を伸ばしたことなどによりシステム構築サービス売上高が207,486千円(前期比39.3%増)となったことによります。また、システム商品販売売上高は99,437千円(前期比3.5%減)となりました。

一方で、営業体制及び開発体制の強化に伴って積極的な採用を行ったことにより、人件費及び労務費が増加しました。また、顧客獲得の増大を目的としたデジタルマーケティング強化などに伴って販売促進費等が増加しました。

以上の結果、社労夢事業の売上高は、2,156,252千円(前期比11.7%増)となり、売上総利益は1,083,253千円(前期比7.7%増)、営業利益は124,891千円(前期比43.6%減)となりました。当社グループで重要な経営指標としている売上高に対する営業利益の比率は5.8%(前期比5.7ポイント減少)となりました。

 

(CuBe事業)

CuBe事業では、大手企業の人事総務部門向けに業務プロセスの効率化を目的として個社毎にカスタマイズしたフロントシステムの受託開発と、大手企業向け受託開発を通じて蓄積したノウハウを活かし、中小企業での利便性を実現したクラウドサービスの提供を行っております。

フロントシステムの受託開発においては、顧客となる大企業や自治体などで、働き方改革やテレワークの推進、人事制度改革を目的としたシステムの更新投資に積極的な動きが見られました。それに合わせて営業体制を強化したことから受注活動が活発化し、特に近年なかった複数の大型開発案件を提供する結果となり、売り上げを大幅に伸ばしました。一方、クラウドサービスにおいては、「GooooN」の販売ルートの開拓、新規ユーザーの獲得に努めました。

コスト面においては、開発効率の向上に努め、案件ごとの原価率削減に取り組んだ結果、利益率が前期に比べ改善することとなりました。

以上の結果、CuBe事業の売上高は615,282千円(前期比11.8%増)、売上総利益は194,558千円(前期比0.2%減)、営業利益は9,538千円(前期は5,788千円の営業損失)となりました。なお、CuBe事業の営業利益については、のれん償却額38,861千円を反映しております。

 

b. 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度のキャッシュ・フローの内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b. 資本の財源及び資産の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価や販売費及び一般管理費に計上される対価や納税資金等であります。設備投資資金には、サーバー増設等の大規模な設備投資があります。また、株主還元については、財務の健全性に留意しつつ、配当政策に基づき実施しております。

運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金及び金融機関からの借入を基本としております。

当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業キャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は378百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は461百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

  連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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