業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルスの感染者数が増減を繰り返し、経済及び社会がその影響を受けながら推移いたしました。新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の進展に伴い、今後の経済活動の再開が徐々に実現してきているものの、国内景気や企業収益に与える影響については依然として先行き不透明な状況であります。

 このような環境のもと、当社グループは、創業以来培ってきた営業、マーケティング、そしてテクノロジーのノウハウを活用して、グループミッションである「働くを変える。」の実現に向けて法人営業の新しいスタイルを創造する事業の拡大に取り組んでまいりました。当連結会計年度の売上高は、営業を中心とした人材採用の強化と費用対効果の高い集客施策の実施に加え、テレワーク関連カテゴリーにとどまらず多くのカテゴリーで掲載製品数が増加したことが資料請求に大きく寄与したことから、オンラインメディア事業を中心に拡大基調で推移いたしました。また、前連結会計年度より連結子会社となりました株式会社Innovation IFA Consultingが提供する金融プラットフォーム事業についても売上に寄与し始めてきたことにより、当初計画を大きく上回りました。

 以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は4,380,215千円(前年同期比42.1%増)、営業利益は777,550千円(前年同期比50.2%増)、経常利益は784,143千円(前年同期比50.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は448,076千円(前年同期比52.7%増)となりました。

 

 当連結会計年度における報告セグメント別の業績の詳細は、次のとおりであります。

 なお、前連結会計年度より新たに連結子会社となった株式会社Innovation IFA Consultingが提供しております金融プラットフォーム事業は「その他」の事業区分としておりましたが、重要性が増したため当連結会計年度より独立表記しております。

 

(オンラインメディア事業)

 オンラインメディア事業の主力である「ITトレンド」におきましては、当連結会計年度の来訪者数(延べ人数)は19,653,109人(前年同期比25.1%増)となりました。また、掲載製品数が2,648製品(前年同期は1,890製品)と前年同期に比べ40.1%増加したことに伴い資料請求数が増加したこと及び、前期より新たな取り組みとして開始したITトレンドEXPOが計画通り年間3回の開催を実現し、当初計画以上の出展社数と視聴参加者数を達成できたこと等により、オンラインメディア事業の売上高は3,243,908千円(前年同期比32.9%増)、セグメント利益は1,225,312千円(前年同期比42.5%増)となりました。

 

(ITソリューション事業)

 ITソリューション事業の主力製品である「List Finder」におきましては、当連結会計年度末のアカウント数は478件(前年同期比0.6%増)と微増にとどまったものの、アカウント当たりの単価は上昇し増益基調で推移いたしました。一方、新規事業であるコクリポにおいて機能追加のための投資等により費用が増大する中で新規アカウント獲得に苦戦したことから当初計画を達成することが出来ませんでした。この結果、ITソリューション事業の売上高は477,916千円(前年同期比1.1%増)、セグメント利益は110,165千円(前年同期比19.5%減)となりました。

 

(金融プラットフォーム事業)

 金融プラットフォーム事業におきましては、独立系フィナンシャルアドバイザーの増員等による体制強化に注力いたしました。当連結会計年度における金融プラットフォーム事業の売上高は652,670千円(前年同期比288.4%増)、セグメント利益は66,729千円(前年同期比148.7%増)となりました。

 

 

 当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

 資産につきましては3,769,496千円となり、前連結会計年度末に比べ632,398千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が182,823千円、受取手形及び売掛金が203,488千円、ソフトウエアが80,600千円及び投資有価証券が123,507千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 負債につきましては747,456千円となり、前連結会計年度末に比べ141,746千円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が48,262千円、未払費用が33,375千円及び買掛金が19,673千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 純資産につきましては3,022,040千円となり、前連結会計年度末に比べ490,651千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益448,076千円を計上したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ182,823千円増加し、2,180,604千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は466,456千円(前年同期は422,789千円の獲得)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益759,502千円、減価償却費45,030千円、投資有価証券評価損20,114千円、売上債権が203,049千円増加、仕入債務が19,673千円増加、未払費用が34,284千円増加、前払費用が23,401千円増加及び法人税等の支払額246,869千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は283,614千円(前年同期は349,173千円の支出)となりました。この主な要因は無形固定資産の取得による支出127,266千円、投資有価証券の取得による支出154,086千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は17千円(前年同期は1,246,984千円の収入)となりました。この要因は、自己株式の処分による収入233千円及び自己株式の取得による支出251千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

第22期連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

オンラインメディア事業

3,243,908

132.9

ITソリューション事業

477,916

101.1

金融プラットフォーム事業

652,670

388.4

合計

4,374,496

141.9

(注)相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の主要な販売先はありませんので、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の数値、及び決算期における収益・費用に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。これら見積りや判断には不確実性が存在するため、見積った数値と実際の結果の間には乖離が生じる可能性があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて、当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度における経営成績等は、オンラインメディア事業、ITソリューション事業及び金融プラットフォーム事業の各セグメントにおいて、収益性拡大のための様々な施策を行った結果、売上高4,380,215千円(前年同期比42.1%増)、売上総利益は2,231,941千円(前年同期比43.8%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は1,454,391千円(前年同期比40.6%増)となりました。その結果、営業利益は777,550千円(前年同期比50.2%増)となりました。

 これに、営業外収益9,354千円及び営業外費用2,761千円を計上した結果、経常利益は784,143千円(前年同期比50.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は448,076千円(前年同期比52.7%増)となりました。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

 当社グループの資金需要のうち主なものは、人材採用費、販売促進に係る費用及び知名度向上のための広告宣伝費等の費用であります。また、新サービス及び新機能追加に係る費用、並びに研究開発費等の投資を目的とした資金需要があります。

 当該資金については、手元資金による内部留保で十分まかなえております。

 なお、今後は、2022年3月22日に設立いたしましたINNOVATION HAYATE V Capital投資事業有限責任組合を通じて投資を実行していく予定です。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(投資事業有限責任組合の設立)」をご参照ください。

 

 当社は、法人営業に特化して、認知、見込み顧客情報入手を支援する「オンラインメディア事業」及び見込み顧客育成、提案・クロージング、アップセル・クロスセルを支援する「ITソリューション事業」を行っております。「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、事業基盤の安定や人材の確保をはじめとする様々な課題に対処し、事業環境の変化にも柔軟かつ即応することが重要であると認識しております。今後も継続的な発展を実現するために、最善の経営方針を立案するよう努めてまいります。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

(オンラインメディア事業)

 2021年の国内インターネット広告市場規模は前年比21.4%増、インターネット広告媒体費は同22.8%増(出典:株式会社電通「2021年 日本の広告費」)となり継続的な拡大基調にあり、企業における購買プロセスでインターネットの活用が急速に進んでいる状況にあります。新型コロナウイルス感染症の拡大は、これまで以上に企業活動におけるインターネットの活用を促すと考えられることから、インターネット広告市場の拡大基調は続くものと予測しております。また、テレワークやペーパーレスの拡大等、ワークスタイルの変革に向けたIT環境の整備が企業活動の継続のために急務となっており、テレワーク関連カテゴリー等における検索数の大幅な増加が当面は続くものと見込まれます。

 このため、「ITトレンド」への掲載製品・サービス数の拡大を図るとともに、検索エンジンを中心とした集客の最適化、口コミ機能の拡張やユーザデータベース構築を推進することで、来訪者数と資料請求数の更なる増加を見込んでおります。

 一方、国内外経済の低迷が長期化した場合、企業の広告宣伝費予算の削減、IT投資の中止、人材採用の抑制等の動きが拡大する可能性も想定されること、また当社営業社員による対面営業活動が制限されることにより新規顧客の開拓に支障が生じる可能性があることから、カテゴリーによっては掲載製品・サービス数の拡大が計画通り進捗せず、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ITソリューション事業)

 近年のデジタルマーケティングの手法の確立とともに、テレビや紙媒体などのマスマーケティングから、顧客ごとに最適なアプローチを行うOne to Oneマーケティングへの移行が進んでおります。マーケティングオートメーションにつきましても、「マーケティングオートメーション元年」と言われた2014年以降、急速に普及が進んでおり、国内統合型マーケティング支援ツール市場は引き続き大きな伸びが見込まれております。

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、企業の営業活動におけるインターネットを活用したOne to Oneマーケティングの重要性は更に増してくるものと見込まれる一方で、短期的には競合関係も激化していることから、堅実なアカウント数の増加を見込んでおります。

 

(金融プラットフォーム事業)

 証券営業の分野は、ITの活用による業務の効率化、デジタルマーケティングによるマーケットの拡大の余地がまだまだ大きいと認識しております。子会社の株式会社Innovation IFA Consultingを核として、既存のIFA事業にとどまらず、将来の金融周辺事業全般におけるITプラットフォーム化を見据えた事業展開を目指してまいります。

 

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