業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展による活動制限の緩和を背景に、企業の生産活動に持ち直しの動きがみられました。

一方、年度終盤においては、ロシア、ウクライナ情勢などの地政学リスクの高まりや資源価格上昇、円安の進行など、景気の先行きを不透明なものとする要素も増えております。海外においても、全体的に経済活動の正常化が進みましたが、物流遅延の継続や物価上昇等の影響が懸念されております。

このようななか当社グループにおいては、半導体不足や受注先での原料供給問題の影響を受けたものの、堅調な受注に支えられ、業績は順調に推移いたしました。当連結会計年度の売上高は、国内外で前期に比べ販売数量が大幅増となったものの、当期から日本国内で適用される「収益認識に関する会計基準」等により、受託加工品の売上高を純額で認識することによる影響を受け275億6千7百万円(前期比8.5%減)となりましたが、経常利益は14億6千1百万円(前期比375.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億8千5百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失1億1千6百万円)となりました。

 

当社グループのセグメント別の業績は次のとおりであります。

 

(日本)

国内部門別の概況として樹脂コンパウンド部門は、半導体不足の影響や東南アジアからの部品供給減から自動車関連の受注が汎用樹脂で影響を受けたものの、エンジニアリングプラスチックの受注は依然堅調であり、部門営業利益は昨年を上回りました。

樹脂用着色剤部門は、自動車関連の販売が落ち込んだものの、フィルム用途が堅調なことに加え、化粧品・トイレタリー向けで一部回復が見られ、部門営業利益は昨年を上回りました。

加工カラー部門は、主要取引先の自動車用内装材関連が減産の影響を受けましたが、シーリング材関係で販売が堅調なほか、液体分散体でもパソコン、タブレット向けの国内向けの中小型パネル用途が想定以上の販売となり、部門営業利益は昨年を上回りました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、前期と比べ販売数量は大幅増となったものの、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、144億7千万円(前期比34.0%減)、営業利益は7億7千9百万円(前期比247.9%増)となりました。

 

(東南アジア)

 東南アジアは、前年度に続き各拠点において各国の感染拡大防止策としての社会的制限下での生産・販売活動となったものの、各国政府の景気刺激策の効果もあり、車両向け等での受注回復により、当連結会計年度の売上高は124億8千6百万円(前期比61.9%増)、営業利益は4億8千万円(前期営業利益1千5百万円)となりました。

 

(その他)

その他は、中国国内の自動車販売が一昨年の水準まで回復し、受注が堅調であったことから当連結会計年度の売上高は6億1千万円(前期比29.1%増)となり、営業利益は2千4百万円(前期比0.1%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期に比べ7億2千2百万円減少し46億8千8百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金の収入は前期と比べ4億7千4百万円減少し、12億8千6百万円となりました。これは、その他流動資産の増加による支出などによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金の支出は前期と比べ3億5千4百万円減少し、3億6千6百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出が4億5千1百万円減少したことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金の減少は17億6千8百万円となりました。前期は23億4千2百万円の増加でありました。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

日本

14,594,013

△33.3

東南アジア

12,592,801

63.6

その他

615,255

30.5

27,802,069

△7.5

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 2  金額は、販売価格によっております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比
(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本

7,515,870

△48.3

672,000

△45.1

東南アジア

11,989,958

80.9

968,000

64.1

その他

182,091

△61.6

17,000

△56.4

19,687,920

△9.0

1,657,000

△10.6

 

(注) 1  売上の中には受注生産によるものがあります。その売上高は総売上高に対して当連結会計年度では日本が29%、東南アジアが42%、その他が1%であります。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

日本

14,470,683

△34.0

東南アジア

12,486,383

61.9

その他

610,055

29.1

27,567,122

△8.5

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 2  金額は、販売価格によっております。

 3  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

東レ㈱

4,969,587

16.5

3,382,324

12.3

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、日本国内で適用される「収益認識に関する会計基準」等により、受託加工品の売上高を純額で認識することによる影響を受け275億6千7百万円で前期に比べて25億4千9百万円減収となりました。セグメントの状況では、日本の売上高は144億7千万円と前期に比べ74億6千1百万円の減収となり、東南アジアの売上高は124億8千6百万円と前期に比べ47億7千4百万円の増収となりました。

 

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、12億8千4百万円と前期に比べ10億2千万円の増益となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は3億2千2百万円と前期に比べ5百万円減少、営業外費用は1億4千5百万円と前期に比べ1億3千9百万円減少し、経常利益は14億6千1百万円と前期に比べ11億5千4百万円の増益となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

このほか特別利益として固定資産売却益5百万円、投資有価証券売却益1千7百万円、特別損失として固定資産除却損2千7百万円、減損損失2千4百万円、投資有価証券売却損1百万円、ゴルフ会員権売却損8百万円、関係会社整理損失引当金繰入額6千万円を計上し、税金等調整前当期純利益は13億6千2百万円となりました。

税金等調整前当期純利益から法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き親会社株主に帰属する当期純利益は8億8千5百万円と前期に比べ10億2百万円の増益となりました。

 

財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計期間の総資産は327億7千1百万円と前期末の323億4千1百万円に比べ4億2千9百万円の増加となりました。

資産のうち流動資産は174億7千1百万円と前期末の167億5千3百万円に比べ7億1千7百万円の増加となりました。この主な要因は現金及び預金が7億6千3百万円減少し、受取手形及び売掛金が4億7千9百万円、原材料及び貯蔵品で2億3千9百万円、その他で7億9千2百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。固定資産は153億円と前期末の155億8千7百万円に比べ2億8千7百万円の減少となりました。この主な要因は、有形固定資産が2億8千5百万円減少したことなどによるものであります。

 

(負債の部)

負債合計は177億9千万円と前期末の185億4千7百万円に比べ7億5千7百万円の減少となりました。負債のうち流動負債は129億6千9百万円と前期末の102億2千5百万円に比べ27億4千3百万円の増加となりました。この主な要因は短期借入金が19億4千7百万円、その他が3億4千8百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。固定負債は48億2千万円と前期末の83億2千1百万円に比べ35億1百万円の減少となりました。この主な要因は長期借入が35億3千5百万円減少したことなどによるものであります。

 

 

(純資産の部)

純資産合計は149億8千万円と前期末の137億9千3百万円に比べ11億8千7百万円の増加となりました。この主な要因は利益剰余金が8億7百万円、為替換算調整勘定が4億2千7百万円増加したことなどによるものであります。

 

キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす要因として、当社グループを取り巻く事業環境が、主要ユーザーの生産拠点の海外シフトに伴う国内需要の伸び悩みや、原油価格の高騰による原材料価格の上昇等を背景に価格競争の激化等により、厳しい状況が続くものと予想される事などがあります。このほか、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は83億4千7百万円となっております。

また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は46億8千8百万円となっております。

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。

中期経営計画の基本方針及び目標とする経営指標は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

また、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

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