研究開発活動

5【研究開発活動】

2020年度に研究開発組織の体制を大きく変え、研究部門・研究所とコーポレート部門の新規事業開発部に所属していた研究組織全てを研究推進部が一元的に統括する事となり、更に2021年度に研究推進部と新規事業開発部を統合して「研究統括部」を創出致しました。この新体制のもと、全社的な視点から経営資源を配分して研究開発を一層加速する事で、既存事業の収益力強化と新規事業の創出を推進しました。

研究統括部(次世代戦略グループ、新規事業開発グループ)は、ベンチャー企業との連携及び出資、公的研究機関との共同研究など、社外との連携による研究開発活動によって新規事業領域での事業創出を継続しました。また、自ら生み出した医療包材や固体電解質などの事業化を推進するとともに、オープン・イノベーションによるアレルギー診断薬などの新規領域の製品開発に取り組みました。福島県白河市における工場生産野菜事業では、安心・安全な野菜を社会に提供しています。

子会社の研究開発部門も含めた当社グループの研究開発スタッフは、グループ全体で約1,015名であり、総従業員数の約10%にあたります。また研究費の総額は21,093百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究内容、研究成果、及び研究開発費は次のとおりであります。

 

[基礎化学品事業部門]

基礎化学品事業部門内の6つの事業とその周辺に関わるテーマについて研究開発を進めています。

化成品事業部;原料調達から誘導品まで展開する当社メタノール事業のコアとなる製造技術改善や合成触媒開発についてパイロット装置を活用しつつ検討を行っています。循環型社会、カーボンニュートラルへの動きが加速されている中で、CO2/H2からのメタノール合成や、廃プラ、バイオマス等のガス化ガスなど多様な原料からのメタノール合成技術を確立していきます。またメタノール事業の裾野を更に広げるため、メタノール改質水素製造プロセスの市場展開等を推進しております。

ハイパフォーマンスプロダクツ事業部;主製品としてメタキシレンジアミン、芳香族アルデヒドなどのケミカル製品と、MXナイロン、特殊ポリエステルやシアネートなどのポリマー材料製品があります。メタキシレンジアミンは、誘導体を含めて、硬化剤、イソシアネート向け、ポリアミド向けに好調に推移しており、コスト改善のための技術開発を継続すると共に増産検討を行い、新たな市場開発も進めております。芳香族アルデヒドは、香料や高機能樹脂添加剤向けの販売が好調で、新規芳香族アルデヒドの開発とともに増産検討を進め、事業基盤の強化に努めています。MXナイロン系製品では、基本グレードが食品向けバリア包材用途で、新グレードであるバイオベースポリアミドが自動車・電子部品用途等で販売量を拡大させています。また、高耐熱特殊ポリエステルや高機能の熱硬化性樹脂原料となるシアネートモノマーの新規開発、複合材料などに向けた市場展開を進めています。本事業部ではさらに、独自の強酸取扱い技術、酸化・還元技術や重合技術を駆使し、新規の高付加価値製品の開発を進めています。これらの一つである透明ポリイミドワニス及びフィルムは、フレキシブルディスプレイ・タッチパネル・センサー関連等、今後の伸張が期待される用途に対して検討を幅広く実施し、高い評価を得るとともに一部事業化、デモ品への採用が進んでおります。その他にも、半導体関連材料向け原体、および熱可塑性ポリイミドについても事業化を急いでおり、また保有する樹脂製品群を用いた複合材料等の研究開発を推進しております。

基礎化学品第一事業部;メチルアミン・アンモニアやMMA系製品を取り扱っています。国内唯一のメチルアミン製造会社であり、誘導体の引合いも多く、増産を検討しています。MMA系製品では堅調に推移する塗料向けや電子材料向けに各種関連製品の増強技術確立、並びに独自性のある新規誘導品の開発を行っております。

基礎化学品第二事業部;ホルマリン・ポリオール系とキシレン分離・誘導品の2製品群を扱っています。いずれも市況変動等の外部の環境変化に晒される製品が多いものの、特殊ポリオール製品群の競争力強化や関連会社との協業、キシレン分離・異性化のプロセスコストダウンなど進め、川下の特殊化学製品群を展開することでボラティリティの低減を図っています。

エネルギー資源・環境事業部;天然ガスの開発・生産、LNG発電や地熱発電も手掛けています。それらの中で新潟に膨大に賦存する水溶性天然ガスはエネルギー確保のリスクに対応できる地産地消が可能な貴重な資源となりえ、また我が国の貴重な輸出資源であるヨウ素も豊富に含まれており、X線造影剤や他医療用途、液晶関連等で幅広く需要が見込まれます。その新規開発を進めるとともに、メタノール直接型燃料電池の製造・販売も手掛けており、エネルギー・資源に関わる研究開発を進めていきます。

ライフサイエンス部;これまでに蓄積した培養技術・発酵技術を活用し新規製品群を開発しています。現在、高齢化社会のニーズに即したアンチエイジング素材として期待されるピロロキノリンキノン(PQQ)や酵母栄養成分を豊富に含むS-アデノシルメチオニン(SAMe)含有乾燥酵母、スペルジミン(SPD)含有乾燥酵母、新たに乳酸菌を販売している他、さまざまな食品素材の開発を行っております。また、抗体医薬事業では、治験薬・原薬製造受託事業への参入を目的として設立した合弁会社である株式会社カルティベクスの製造工場を稼働中であり、複数の案件を受託しております。

当該事業に係る研究開発費は9,804百万円であります。

 

[機能化学品事業部門]

機能化学品事業部門では、5つの事業分野とそれらの周辺分野において以下の研究開発活動に取り組んでいます。

無機化学品事業;過酸化水素とその誘導体については、生産技術のブラッシュアップによるコスト競争力強化を継続的に進めています。高機能薬剤については、主に最先端半導体デバイス用途で新規グレード開発と市場投入により採用実績を伸ばしております。また、海外各拠点での開発体制の拡充、生産能力増強の継続推進により、顧客要望へのタイムリーな対応に努めています。

合成樹脂事業;ポリカーボネート樹脂は、素材品質向上のための技術開発や新規光学フィルム、熱成形用ハードコートフィルムなど機能性フィルムを始めとした高付加価値製品の創成にも取り組んでいます。また、カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、二酸化炭素を原料としたポリカーボネート原料および素材開発を行っており、昨年度、NEDOのグリーンイノベーション基金にも採択されました。今後、一層の研究加速を図ります。ポリアセタール樹脂については、生産技術開発や特殊グレード開発を中心に進めています。

光学材料事業;光学樹脂ポリマーは、スマートフォン向けを主とした小型カメラレンズ用材料として、より高屈折率な新規グレードの開発と市場投入を進めています。さらに、リサイクル技術の確立にも取り組んでいます。眼鏡用レンズモノマーについては、ユーザーニーズに対応した製品開発と市場投入を進めています。また、これまでに培った知見を活かし、次世代デバイス向けの新規光学材料の開発にも取り組んでいます。

電子材料分野;ICTによる社会基盤をささえる高周波回路基板用途の材料開発を推進し、ユニークで多様性のある商品化の拡充を進めています。さらにデータ通信量の大容量化に伴うメモリーやロジック用半導体パッケージ基板の需要増に対応した積層材料およびその周辺技術における製品開発にも取り組んでいます。今後も、情報通信、インフラ、モビリティ領域をターゲットとする技術開発と商品化の推進で社会の発展と課題解決に貢献していきます。

脱酸素剤分野;脱酸素剤は、今日では食品の鮮度保持にとどまらず、医薬品の保存安定性維持や、錆を防ぎたい金属部品など、様々な製品分野でご愛用頂いています。環境に配慮した製品設計を心掛け、小型化しプラスチックを減量した製品の開発や、バイオマス原料の組み込みの検討を行っています。また、培ってきた雰囲気制御技術を加工食品のみならず、精肉、青果などのフードロス削減のために役立てられるように、技術開発を進めております。

上記以外に、新規材料開発として、各分野の周辺材料や基盤技術を他の市場・用途に展開できる製品開発を精力的に進めています。

当該事業に係る研究開発費は11,289百万円であります。

 

 

 

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