課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営の基本方針

当社は設立以来、迅速で精度の高い検査を提供してまいりました。またその検査領域は、一般検査から特殊検査まで4,000項目に及んでおります。これは、「豊かな健康文化を創造する」との基本方針のもと、市場ニーズのキャッチ、先端技術の導入そして精度管理を積極的に推進してきた結果であります。

当社グループは今後も、臨床検査事業をメインに、この分野における「品質と生産性向上への弛まぬ挑戦」を続けることにより、持続的成長と更なる企業価値の向上に努めてまいります。

特に昨今、医療制度改革が急速に進展する中で、「医療の効率化」や「質の向上」が強く求められており、当社を取り巻く経営環境も大きく変化しております。こうした環境の変化に柔軟かつスピード感のある対応を図るとともに、潮流を的確に捉えたシステム、サービスの提供により、医療のIT化に貢献する企業をめざしてまいります。

また、ISO9001および臨床検査室に特化したマネジメントシステムである「ISO15189」を取得し品質の向上を図ることで顧客満足度を高めてまいります。更に企業の社会的責任の観点から、ISO14001の取得をグループ全体に拡大することにより環境保全にも積極的に取り組んでまいりたいと考えます。

 

(2)目標とする経営指標

 連結売上高経常利益率 ‥‥‥‥‥‥10%
  連結株主資本利益率  ‥‥‥‥‥‥ 8%
  キャッシュフローの重視

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

2022年度は、9ヵ年計画で進めてきました中期経営計画である第8次中期経営計画(2021年度~2023年度)の2年目となります。グループビジョンである「医療界に信頼され選ばれる企業をめざす」の飛躍期と位置づけており、第6次中期経営計画から取り組んでまいりました品質・サービスの向上をより一層推し進めてまいります。

第8次中期経営計画では3つのミッションを定めております。一つ目はCustomer Satisfaction(顧客満足度)として、品質・サービスを充実させ顧客満足を最大化させていきます。二つ目はSynergy (相乗効果)で、様々な企業と相互の発展を目指します。三つ目はSocial Responsibility(社会的責任)として、安定した検査機能を提供し社会・医療界への責任を果たすこととしております。当社グループでは第8次中期経営計画に取り組むとともに引き続き、検査品質管理(精度/工程)をさらに強化させることで、企業のプレゼンス向上を目指してまいります。

 

 

(4)会社の対処すべき課題

①新棟建設による基盤の構築

 2024年8月に竣工を予定している新棟建設計画では、次世代の安定的な成長を支える基盤の構築を目指してまいります。まず、第一フェーズとしまして、浸水・震災などの自然災害に対するBCP対策の強化を図ります。また、環境負荷の低減を目的として、太陽光発電の設置や高効率熱源機器を取り入れ、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでまいります。第二フェーズでは、検査の拡張性の確保と高効率な検査体制の確立を目指します。更なる業容拡大を目指していく中で、将来の業務量の増加に備え検査能力の拡充と、品質の向上を図りつつ高効率なローコスト体制の確立を目指してまいります。

 

②DXへの取り組み

 DXへの対応として、DRS(Digital Reporting System)、クラウド型電子カルテ、臨床検査システムの3点に取り組んでまいります。具体的には、DRSによる集配プロセスの革新として、顧客の利便性の向上や業務負荷の低減を図ります。また、クラウド型電子カルテの普及、臨床検査システムの機能拡充により業務効率化を推進してまいります。環境変化に対応するため、デジタル技術の活用と中長期的なIT革新を可能とする体制・基盤を確立して、更なる「顧客体験価値向上」と「業務効率化」を実現してまいります。

 

③経営基盤の強化

 経営基盤の強化への取り組みとして、取締役会の実効性向上や内部統制の強化・充実などにより、コーポレートガバナンスの強化に努めてまいります。また、人財開発・人材活用のため研修体制の充実を図るとともに、ダイバーシティの推進として、女性のキャリア形成を目的とした各種施策の実施を一層推し進めてまいります。さらに、従業員およびその家族の健康保持・増進を推進し、健康で働きやすい職場環境の構築を進めてまいります。

 

④新型コロナウイルスに対する取り組み

 新型コロナウイルス感染症の影響から、先行きは依然として不透明な状況が続いております。当社グループにおいては、全国に配備している主要拠点ラボで新型コロナウイルス検査体制を早期に整え、地域医療体制の充実に向けたサービスの提供を実施いたしました。さらにBML総合研究所では変異株への対応として、変異スクリーニング検査やゲノム解析の受託を開始しております。引き続き新型コロナウイルスの感染防止に取り組みながら、検査事業環境の変化に対応し、日本医療の後方支援企業としての役割を果たしてまいります。

 

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