業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大により緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が繰り返し発令される等、経済活動に大きな制約を受けました。ワクチン接種の進展等により、感染者数は減少し、経済活動の正常化が期待されましたが、新たな変異株による感染再拡大や原材料価格の上昇、金融資本市場の変動等、先行きは引き続き不透明な状況が続いております。

当社を取り巻く情報サービス産業においては、デジタル・トランスフォーメーション(DX)による新たなデジタルビジネスの創造や革新の動きは継続しており、行政のデジタル化や企業の生産性向上等、事業の変革に向けた戦略的IT投資需要についても引き続き堅調に推移いたしました。

このような環境下、当社は社員、顧客の安全・健康の確保を優先しつつ、社内デジタル化及びリモートワークでの開発推進など非対面での事業活動を推し進め、中期経営計画「+transform」で掲げた事業活動・重点施策(DX人材投資、AI/クラウド基盤等の技術取得、積極的な採用活動)に対する取り組みも着実に成果をあげて参りました。とりわけ、AI技術者の育成についてはプロジェクトでの実績もあがってきており、投資効果が表れてきております。

この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

当事業年度末の資産合計は、前事業年度に比べ453百万円増加し、7,222百万円となりました。

当事業年度末の負債合計は、前事業年度に比べ152百万円増加し、3,208百万円となりました。

当事業年度末の純資産合計は、前事業年度に比べ300百万円増加し、4,013百万円となりました。

 

b. 経営成績

当事業年度の経営成績は、売上高6,460百万円(前期比7.4%増)、営業利益612百万円(前期比21.4%増)、経常利益622百万円(前期比21.1%増)、当期純利益420百万円(前期比21.5%増)となりました。

 

なお当事業年度におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(a) ソフトウエア開発事業

ソフトウエア開発事業は、コロナ禍の影響を受けながらも、状況に応じた工夫と対応を徹底した結果、売上高6,290百万円(前期比7.0%増)、売上総利益1,058百万円(前期比10.5%増)となりました。

 

(b) BPO事業

BPO事業は、案件獲得が増加したことにより売上、利益面ともに大幅に前期を上回った結果、売上高169百万円(前期比28.4%増)、売上総利益18百万円(前期比738.5%増)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ404百万円増加し、当事業年度末には3,397百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は602百万円(前年同期は258百万円の獲得)となりました。

収入の主な要因は税引前当期純利益625百万円、賞与引当金の増加22百万円、売上債権の減少33百万円、仕入債務の増加17百万円、未払金の増加59百万円であり、支出の主な要因は法人税等の支払178百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は33百万円(前年同期は19百万円の使用)となりました。

収入の主な要因は投資有価証券の売却による収入4百万円であり、支出の主な要因は有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出10百万円及び会員権の取得による支出29百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は165百万円(前年同期は105百万円の使用)となりました。

これは自己株式の取得による支出37百万円及び配当金の支払128百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

ソフトウエア開発事業

6,290,817

107.0

BPO事業

169,842

128.4

合計

6,460,659

107.4

(注)金額は販売価格で表示しております。

 

b. 受注実績

当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

ソフトウエア開発事業

6,410,352

108.4

1,474,323

108.8

BPO事業

174,251

127.1

32,017

116.0

合計

6,584,603

108.8

1,506,341

109.0

(注)金額は販売価格で表示しております。

 

 

c. 販売実績

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

ソフトウエア開発事業

6,290,817

107.0

BPO事業

169,842

128.4

合計

6,460,659

107.4

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日興システムソリューションズ株式会社

1,453,565

24.2

1,504,417

23.3

BIPROGY株式会社

(旧:日本ユニシス株式会社)

645,084

10.7

838,248

13.0

(注)総販売実績に対する割合が10%以上のものについて記載しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

また、新型コロナウイルス感染症については、未だ収束が見通せない状況が継続しており、今後の状況次第では、当社業績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を合理的な基準に基づいて実施しておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
  財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の収束時期などを想定することは困難であり、影響等不確実性が大きく将来の業績予想等に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点での入手可能な情報を基に仮定をおいて検証等を行っております。ただし、今後の状況の変化や経済への影響によっては、将来において財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。

a. 繰延税金資産の回収可能性
 繰延税金資産の回収可能性の評価については、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(企業会計基準適用指針第26号)」に従い、将来における一時差異の解消見込みが明確でないと判断された将来減算一時差異に係る繰延税金資産については、回収可能性がないと判断し、評価性引当額を設定しております。
 当該見積りについて、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

b. 退職給付債務及び退職給付費用
 退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定しております。割引率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末の流動資産の残高は5,804百万円(前事業年度末比369百万円増加)となりました。主な要因は現金及び預金が404百万円増加し、売掛金が33百万円減少したことによります。

 

(固定資産)

当事業年度末の固定資産の残高は1,418百万円(同83百万円増加)となりました。主な要因は投資有価証券の時価評価が66百万円上昇したことと、会員権が29百万円増加したことによります。

 

その結果、当事業年度末の資産合計は7,222百万円(同453百万円増加)となりました。

 

(流動負債)

当事業年度末の流動負債の残高は1,090百万円(同140百万円増加)となりました。主な要因は未払金が56百万円、未払法人税等が44百万円及び賞与引当金が22百万円それぞれ増加したことによります。

 

(固定負債)

当事業年度末の固定負債の残高は2,117百万円(同12百万円増加)となりました。これは退職給付引当金が12百万円増加したことによります。

 

その結果、当事業年度末の負債合計は3,208百万円(同152百万円増加)となりました。

 

(純資産)

当事業年度末の純資産合計は4,013百万円(同300百万円増加)となりました。主な要因は配当金の支払128百万円による繰越利益剰余金の減少があったものの、当期純利益420百万円の計上による繰越利益剰余金の増加によるものであります。

 

b. 経営成績の分析

(売上高・売上総利益)

当事業年度は、中期経営計画「+transform」で掲げた重点施策を着実に実施した結果、売上高は前期比7.4%増の6,460百万円、売上総利益は前期比12.2%増の1,076百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費・営業利益)

当事業年度における販売費及び一般管理費は前年並みに推移し、463百万円を費消いたしました。この結果、営業利益は前事業年度に比べ108百万円増加(21.4%増)の612百万円となりました。

 

(営業外損益と経常利益)

当事業年度における営業外損益は純額9百万円の利益となり、前事業年度に比べ0百万円の増加となりました。

この結果、経常利益は前事業年度に比べ108百万円増加(21.1%増)の622百万円となりました。

 

(特別損益と税引前当期純利益)

当事業年度の特別損益は、投資有価証券売却益3百万円があったことにより、前事業年度に比べ3百万円の増加となりました。

この結果、税引前当期純利益は前事業年度に比べ111百万円増加(21.7%増)の625百万円となりました。

 

(税金費用と当期純利益)

当事業年度の法人税等調整額を含めた税金費用は205百万円となりました。

この結果、当期純利益は前事業年度に比べ74百万円増加(21.5%増)の420百万円となりました。

 

c. キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d. 資本の財源及び資金の流動性

当社の営業活動に伴う費用及び一般管理費等の運転資金及び設備資金などの当社の会社経営上必要な資金につきましては、企業活動によって獲得した資金または借入による資金調達よって賄っております。

なお、当事業年度末における現金及び預金残高は前事業年度末比404百万円増の4,997百万円となりました。

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得