業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当社は、「女性は髪からもっと美しくなれる」というコーポレートスローガンのもと、美容室でのカウンセリングを通じて、来店客に対して付加価値の高いヘアケア提案を行いました。特に、ヘアケアの基本であるシャンプー及びトリートメントの主力ブランドである「コタ アイ ケア」を中心に美容室での販売を推進することで、多くの『女性のキレイ』を髪から応援しております。また、創業精神である「美容業界の近代化」をベースに、独自のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を引き続き展開いたしました。コロナ禍におきましても、感染対策を十分に行いながら、お取引先美容室に対して、対面とオンラインによる営業活動を通じて徹底的に寄り添い、業績向上に向けた提案や経営に関する支援を行いました。

売上高につきましては、当社のビジネスモデルである店販戦略の継続的な推進により創出されたトイレタリーの底堅い需要を背景に、「コタ アイ ケア」の販売が堅調だったことに加え、2021年5月に発売したトイレタリーの新製品「コタクチュール」についても好調に推移(計画:1,600百万円/実績:1,844百万円)したことにより、前期実績を上回ることができました。

また、売上原価につきましては、増収により増加いたしましたが、引き続き原価管理の見直し等を行っていることから、売上原価率は前期実績と同等になりました。販売費及び一般管理費につきましては、人件費等の増加により前期実績を上回りました。特別損失につきましては、「コタ アイ ケア シャンプー」の一部ロットの自主回収を進めていることから、発生が見込まれる関連費用(158百万円)を計上しました。

これらの結果、当事業年度につきましては、売上高は8,691百万円(前期比18.7%増)、営業利益は2,151百万円(前期比32.7%増)、経常利益は2,177百万円(前期比31.4%増)、当期純利益につきましては、1,393百万円(前期比19.2%増)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で比較・分析を行っております。

また、売上高は24期連続の増収、営業利益、経常利益は9期連続、特別損失を計上しましたが当期純利益も3期連続の増益となり、いずれも過去最高となりました。

 


 


 

 


 


 

なお、当社は美容室向けの頭髪用化粧品及び医薬部外品の製造、販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っておりませんが、売上高の内訳は以下のとおりであります

区分

前事業年度

当事業年度

増減額
(百万円)

増減率
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

トイレタリー

5,598

76.4

7,042

81.0

1,443

25.8

整髪料

1,383

18.9

1,394

16.0

10

0.8

カラー剤

311

4.3

329

3.8

17

5.8

育毛剤

282

3.9

261

3.0

△20

△7.3

パーマ剤

114

1.6

108

1.3

△5

△5.0

その他

73

0.9

104

1.2

31

42.3

売上高控除

△439

△6.0

△550

△6.3

△110

-

合計

7,324

100.0

8,691

100.0

1,366

18.7

 

 

当社では、「美容室の繁栄が当社の繁栄につながる」という基本的な考え方のもと、具体的な戦略として、美容室の経営改善システムである「旬報店システム」を軸とした美容室の経営コンサルティング(コンサルティング・セールス)を展開し、トイレタリー(シャンプー、トリートメント等)の販売を中心とした「店販」を戦術として、成長・繁栄につながるさまざまな提案を美容室に行っております。

そのため売上高に占めるトイレタリーの割合は70%超となっており、同業他社に比べ高いことが特徴であります。

 

 

なお、総資産は、前事業年度から1,499百万円増加し、13,084百万円となりました。

主な要因としては、有形固定資産が684百万円現金及び預金が431百万円売掛金が206百万円商品及び製品が74百万円原材料及び貯蔵品が65百万円増加したことによるものであります。

負債は、前事業年度から540百万円増加し、3,544百万円となりました。

主な要因としては、未払金が231百万円製品自主回収関連費用引当金が90百万円役員退職慰労引当金が65百万円未払消費税等が60百万円増加したことによるものであります。

純資産は、前事業年度から958百万円増加し、9,540百万円となりました。

主な要因としては、利益剰余金が1,039百万円資本剰余金が311百万円増加し、自己株式が389百万円増加したことによるものであります。なお、自己資本比率は、72.9%(前事業年度74.0%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末から68百万円減少し3,319百万円前期比2.0%減)となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、1,660百万円前期比282百万円増)となりました。

収入の主な要因としては、税引前当期純利益2,019百万円及び減価償却費215百万円によるものであります。

支出の主な要因としては、法人税等の支払いによる支出656百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、1,294百万円前期比1,205百万円増)となりました。

収入の主な要因としては、定期預金の払戻による収入3,000百万円によるものであります。

支出の主な要因としては、定期預金の預入による支出3,500百万円及び有形固定資産の取得による支出862百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、434百万円前期比102百万円増)となりました。

収入の主な要因としては、新株予約権の行使による株式の発行による収入765百万円によるものであります。

支出の主な要因としては、自己株式取得による支出846百万円、配当金の支払いによる支出353百万円によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社は、美容室向け頭髪用化粧品及び医薬部外品の製造、販売事業の単一セグメントであるため、セグメントに関連付けた記載はしておりませんが、区分別に示すと以下のとおりであります。

a. 生産実績

当事業年度における生産実績は、以下のとおりであります。

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

トイレタリー

7,103,637

119.1

整髪料

1,278,127

100.0

カラー剤

279,980

136.0

育毛剤

399,780

159.3

パーマ剤

100,747

98.2

合計

9,162,273

117.5

 

(注) 上記の金額は、「代理店納入価×生産本数」により算出しております。

 

b. 受注実績

当社は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c. 販売実績

当事業年度における販売実績は、以下のとおりであります。

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

トイレタリー

7,042,331

125.8

整髪料

1,394,080

100.8

カラー剤

329,565

105.8

育毛剤

261,990

92.7

パーマ剤

108,624

95.0

その他

104,878

142.3

売上高控除

△550,144

合計

8,691,327

118.7

 

(注) 1 総販売実績に対する売上高の割合が10%を超える販売先はありません。

2 「その他」の区分は、美容室で利用される販売促進用品等であります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。当社は、この財務諸表の作成にあたって「第5 経理の状況」に記載のとおり、有価証券及び棚卸資産の評価、減価償却資産の耐用年数の設定、退職給付引当金の認識、繰延税金資産や資産除去債務の計上等に関し、過去の実績や状況に照らして合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

(売上高、売上総利益)

売上高は、前事業年度と比較して1,366百万円(前期比18.7%増)増収の8,691百万円となりました。区分別の売上高は、トイレタリーが1,443百万円増収の7,042百万円、整髪料が10百万円増収の1,394百万円、カラー剤が17百万円増収の329百万円、育毛剤が20百万円減収の261百万円、パーマ剤が5百万円減収の108百万円、その他が31百万円増収の104百万円となりました。

一方で、売上原価率は、引き続き行っている原価管理の見直しにより、前事業年度と同等の28.6%になり、売上総利益は前事業年度と比較して978百万円(前期比18.7%増)増加の6,207百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、人件費等の増加により、前事業年度と比較して447百万円(前期比12.4%増)増加の4,055百万円となりました。

営業利益は、販売費及び一般管理費の増加額を売上総利益の増加額が上回ったことから、前事業年度と比較して530百万円(前期比32.7%増)増加の2,151百万円となりました。

 

(営業外損益、経常利益、特別損益、税引前当期純利益)

営業外収益は、前事業年度と比較して42百万円(前期比56.7%減)減少の32百万円となりました。営業外費用は、前事業年度と比較して32百万円(前期比84.1%減)減少の6百万円となりました。

経常利益は、前事業年度と比較して520百万円(前期比31.4%増)増加の2,177百万円となりました。

特別損益には、特別損失として158百万円を計上しております。これは、「コタ アイ ケア シャンプー」の一部ロットの自主回収に係るものです。

この結果、税引前当期純利益は、前事業年度と比較して362百万円(前期比21.9%増)増加の2,019百万円となりました。

 

(当期純利益)

当期純利益は、前事業年度と比較して224百万円(前期比19.2%増)増加の1,393百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前事業年度と比較して10.55円増加の59.62円となりました。

 

なお、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載のとおり、当社は会社の着実な成長と永続という観点から、売上高経常利益率15%以上、ROE10%以上を目標値として定め、継続的かつ安定的に上回ることを目指しております。当事業年度につきましては、上記の要因から売上高経常利益率は25.1%と高い水準で目標値を上回りました。また、収益の構造上、総資産回転率及び財務レバレッジが比較的安定していることに加え、売上高当期純利益率が16.0%となったことから、ROEは15.4%となり、目標値を上回りました。

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(資金の主要な使途)

当社は、持続的な企業価値の向上を実現するため、会社の着実な成長と適正な利益水準の維持、適正な経営資源の配分に努めております。経営環境の急激な変化や不測の損失リスクに備え、必要に応じて成長投資資金を調達できる強固な財務基盤の構築及び維持に努めることを基本方針としております。

具体的には、営業活動によって得られた資金を、成長投資、手許資金、株主還元に適切なバランスで配分することを意識しており、成長投資としては運転資金、人材獲得及び育成費用、設備投資、研究開発費等に、手許資金としては今後の事業規模の拡大や製造設備・研究開発等の投資、財務基盤の強化、安定的な配当を継続するための原資に、株主還元としては配当金の支払い等に充当しております。

 

(資金調達の方法及び状況)

当社は、当事業年度末において、現金及び預金5,819百万円に加え換金性の高い金融資産も保有しており、当事業年度末の自己資本比率は72.9%と引き続き良好な財務体質を保っていることから、研究開発や工場設備への投資、コンサルティング・セールスを展開する営業体制の強化等に必要となる資金については、手許資金を活用することを基本としております。

一方で、手許資金を上回る資金調達が必要となる場合には、対象となる投資等の規模や目的、時期等を十分に勘案し、資本市場や金融機関からの調達を検討する等、柔軟に調達手段を選択することとしております。

なお、有利子負債はございません。

 

④ 戦略的現状と見通し

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進む一方、新たな変異株の発生により、国内での新規感染者数が拡大するなど、先行きは不透明な状況で推移いたしました。

このような経営環境において、美容室の業績向上に資することができる独自のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を展開することで、当社はお取引先美容室のより一層の業績向上に取り組み、美容業界の発展と近代化に引き続き注力する考えであります。コロナ禍におきましても、美容室における店販の需要は底堅く、その重要性も再認識されており、さらに消費者からの高付加価値製品へのニーズも高まっております。

2023年3月期につきましては、引き続き、店販戦略の主力である「コタ アイ ケア」及びトイレタリーのトップブランドである「コタクチュール」を推進し、拡販を図ってまいりたいと考えております。また、2022年5月に育毛剤の新製品「コタエイジング グロウセラム」を発売いたしました。一方、製品開発体制のさらなる強化と充実した基礎研究のための環境整備等を目的とした「COTA KYOTO Lab(コタ キョウト ラボ)」の竣工を始めとして、さらなる成長のための人材の獲得と育成、設備投資等につきましても、継続して行う予定としております。

 

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