課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、経営理念である「顧客第一」「合理追求」「人倫遵守」を実践し、顧客満足を追求することを通じて社会の発展に貢献することを事業の目的としております。

また、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足を高めることで社会に貢献してまいります。

 

 (2) 目標とする経営指標

当社グループは、第6次中期経営計画(2019~2021年度)において「財務の安定性向上を最重要課題とし、自己資本比率の改善を目指す」とし、財務の安定性向上に取り組んでまいりました。内部留保による自己資本の増強等を通じて、自己資本比率は改善基調にありますが、第7次中期経営計画(2022~2024年度)も引き続き財務の安定性向上に取り組み長期的な目安として自己資本比率30%に向けて取り組んでまいります。

収益性指標につきましては、「自己資本利益率(ROE)」を重要指標と位置付け、長期的に8%以上を目標として収益性の向上に努めてまいります。

 

 (3) 経営環境

日本経済の概況につきましては、2021年度は基本的に回復基調を維持して推移いたしました。ただし、新型コロナウイルス感染症の3回にわたる流行再拡大を受けて、社会・経済活動が制限されることなどにより、個人消費を中心として振幅の大きな動きとなりました。また、世界的なインフレの進行により、新型コロナウイルス感染症対策によって繰り越された需要が顕在化する一方、半導体不足や人手不足などにより、需要にこたえることができず物価が上昇しております。エネルギーおよび素材価格についても、極めて強い上昇基調が昨年より続いております。我が国の企業物価指数の伸び率は、40年ぶりの高水準を記録しており、当社グループにおきましても原材料価格の高騰は、極めて強い収益の押し下げ要因となっております。
 当社グループの事業分野であります建設業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で物件の遅延も発生いたしましたが、現時点での影響は限定的な状況であります。

2022年度の見通しにつきましては、基本的に回復基調を維持するものと想定しておりますが、ロシアのウクライナ侵攻による世界経済、エネルギー価格、素材価格、食料価格等への影響が懸念されると同時に、新型コロナウイルスの新たな変異株登場の可能性も低くないことから、見通しについては極めて不確実性の高い状況が続くものと想定しております。

 

 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、中期経営計画の達成に向け、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足度を高めることで社会に貢献してまいります。

各事業ごとの2021年度の主たる取組並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりであります。

コンクリートパイル事業におきましては、第6次中期経営計画に基づき、バリューチェーン全体の品質保証体制の強化は、事業競争力向上に資するという認識の下に、各部門における品質保証体制の充実を図りました。

 

(バリューチェーン全体の品質保証体制を強化する取組)

    ①施工部門の拡充(増員、施工管理装置の更新など)

  ②人材育成の強化(研修会の開催、専門資格取得省令など)

  ③製造部門における保守部門の拡充(専門家による指導など)

 

 

バリューチェーン全体の品質保証体制を強化する取組におきましては、顧客ニーズが高度化する中で、引き続き当社の事業競争力において極めて重要な領域と考えております。施工部門の増員および施工管理装置の更新などにより、よりきめ細やかな施工品質の確保を強化いたしました。人材育成に関して、資格取得の奨励や社内勉強会の充実などを行っております。国家資格を含め、資格保有者は着実に増加しております。採用につきましては、インターンの実施や志願者の希望に応じた説明会の随時開催など、きめの細かい対応を行っております。また、当社ウェブサイトを2020年8月に刷新し、事業内容や当社の魅力について積極的に発信してまいりました。製造部門における保守部門の拡充につきましては、専門家による指導を通じて5Sの徹底を行ったうえで製品品質の確保に取組んでまいりました。

 

  (経営資源を拡充する取組)

  ①東京工場の基幹設備を改修

  ②スマートエネルギー事業の推進

  ③新商品開発

 

製造部門における投資といたしましては、コンクリートパイル製造の主力工場である東京工場において、基幹設備の刷新を行いました。これにより、さらに安定した製品供給体制を確保すると同時に、製造効率も改善しております。同じく東京工場に昨年度誘致した「瑞穂町地域スマートエネルギー株式会社」が稼働しており、省エネルギー化を通じた二酸化炭素排出量の削減と光熱費用の削減を実現すると同時に、災害にも強いエネルギー供給設備として地域防災にも貢献しております。

コンクリートパイル事業の新商品開発におきましては、品質や経済性に優れた商品の開発および改良が極めて重要であると認識しております。当期の取組といたしましては、主力工法のひとつであります「MRXX工法」の適用領域を拡大する改良、耐震性が高く経済性に優れた杭であるPHC杭において、新製品「HIT-TSPRCパイル」および「HIT-TSPRC-STパイル」を開発いたしました。

2021年度は、第6次中期経営計画の最終年度に当たりました。第6次中期経営計画につきましては、主要な取り組みの着手は完了いたしました。2022年度は、「Reform(改革)」と「Restart戦略(再始動)」をコンセプトにした第7次中期経営計画「TAFCO・RR計画」がスタートいたします。これまでの取組の継続に加え、収益力の早期回復や業容の拡大に伴って新たに顕在化した戦略的な課題に対処してまいります。

 

コンクリートセグメント事業におきましては、大型物件の端境期が明け、当事業年度期首より大型物件の製造が開始されました。事業環境の大変厳しい中での受注案件であり、採算確保のための徹底的なコスト管理が必要でありますが、製造受託会社として顧客の要求する品質を満たすよう、「安全が第一」をスローガンに製造に取組んでまいります。

 

不動産賃貸事業におきましては、引き続き顧客企業が安心・安全な店舗運営が行えるよう、積極的な対話を通じて真摯に取組んでまいります。

 

働き方改革に対する取組におきましては、適切なワークライフバランスの実現に向け、不必要業務の撤廃、確認業務の省力化および残業等の申請のシステム化など、従業員に周知徹底することにより、主に長時間残業の抑止等による総労働時間の削減を通じて、従業員が安心・健康的に働ける職場環境を構築すべく取組んでおります。

 

株主の皆様への取り組みにおきましては、株主還元策の一環として2019年度より2月末日現在に5単元(500株)以上を保有されている株主様を対象として株主優待制度を導入いたしました。優待の内容といたしましては、地元静岡県沼津市の情報発信と地域社会への貢献のため、静岡県沼津市近郊産の商品を発送させていただく予定であります。

 

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