業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況
イ 財政状態
資産の部

当連結会計年度末の資産は、8,375百万円と前連結会計年度末比883百万円の増加となりました。増減の主な内訳は、現金及び預金818百万円、電子記録債権163百万円の増加、受取手形及び売掛金180百万円の減少であります。

負債の部

当連結会計年度末の負債は、1,094百万円と前連結会計年度末比130百万円の増加となりました。増加の主な内訳は、買掛金67百万円、未払金46百万円の増加であります。

純資産の部

当連結会計年度末の純資産は、7,280百万円と前連結会計年度末比753百万円の増加となりました。増加の主な内訳は、利益剰余金669百万円の増加であります。

 

ロ 経営成績
売上高

当連結会計年度における売上高は5,754百万円と前年同期比459百万円(8.7%)の増収となりました。

主な製品別の売上高につきましては、ハンドナットランナの売上高は3,444百万円と前年同期比396百万円(13.0%)の増収、ナットランナの売上高は1,067百万円と前年同期比84百万円(8.6%)の増収となりました。

営業利益

売上高の増収により売上総利益が2,580百万円と前年同期比247百万円(10.6%)の増益となり、販売費及び一般管理費については、1,459百万円と前年同期比182百万円(14.3%)の増加となった結果、営業利益は、1,120百万円と前年同期比64百万円(6.1%)の増益となりました。

経常利益

為替差益36百万円、持分法による投資利益27百万円などにより、経常利益は1,197百万円と前年同期比124百万円(11.6%)の増益となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益

法人税等の計上が363百万円あり、親会社株主に帰属する当期純利益は820百万円と前年同期比90百万円(12.4%)の増益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は2,029百万円となり、前連結会計年度末に比べて818百万円の増加となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フロー別の状況は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,257百万円の収入(前連結会計年度は981百万円の収入)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益1,197百万円、減価償却費117百万円、たな卸資産の減少額168百万円などの増加要因があった一方、法人税等の支払額397百万円などの減少要因があったことによるものです。

 

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは317百万円の支出(前連結会計年度は9百万円の支出)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出299百万円、無形固定資産の取得による支出12百万円などの減少要因があったことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは154百万円の支出(前連結会計年度は243百万円の支出)となりました。

これは主に、配当金の支払額151百万円などの減少要因があったことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

イ 生産実績

当連結会計年度における生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。

製品別

 

生産高(千円)

 

前年同期比(%)

ナットランナ

978,338

407.5

ハンドナットランナ

3,226,204

△5.5

サーボプレス

83,948

△70.2

ネジ締付装置

768,936

△18.1

修理・点検・その他

203,696

19.7

合 計

5,261,122

5.3

 

(注) 1 当社グループは、単一セグメントであるため製品別で記載しております。

2 金額は、販売価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ 受注実績

当連結会計年度における受注実績を製品別に示すと、次のとおりであります。

製品別

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ネジ締付装置

644,687

△25.5

249,566

△33.2

合計

644,687

△25.5

249,566

△33.2

 

(注) 1 当社グループは、単一セグメントであるため製品別で記載しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 見込生産品については、表示しておりません。

 

 

ハ 販売実績

当連結会計年度における販売実績を製品別に示すと、次のとおりであります。

製品別

販売高(千円)

前年同期比(%)

 ナットランナ

1,067,142

8.6

 ハンドナットランナ

3,444,234

13.0

 サーボプレス

105,636

5.5

 ネジ締付装置

840,327

△7.4

 修理・点検・その他

296,858

15.4

合計

5,754,200

8.7

 

(注) 1 当社グループは、単一セグメントであるため製品別で記載しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年3月21日

至 2021年3月20日)

当連結会計年度

(自 2021年3月21日

至 2022年3月20日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱豊通マシナリー

592,740

10.3

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載したとおりであります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載したとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における世界経済は、前年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大に終息が見えない中、欧米をはじめとした先進国ではワクチン接種を背景に経済活動の再開の動きも強まりつつあり、全体として景気は回復傾向で推移してまいりました。

他方、原油や天然ガスなど資源価格の高騰や、半導体を中心に電子部品の世界的供給不足など、それらの状況が長引けば今後世界経済への悪影響が懸念される状況でもあります。

加えて直近ではロシアとウクライナの紛争による更なる資源価格の高騰や多様な消費財の高騰などによる世界的インフレ懸念など、今後の世界経済の先行きは非常に見通しが困難な状況となっております。

このような経済環境のなか、当社主力販売先である自動車産業界における設備投資の状況や当社製品の品種別の販売状況につきましては市場別に次のとおりとなっております。

 

イ 国内市場

日本経済は、新型コロナウイルス感染症の重篤化率は低下したものの罹患者数の爆発的増加により、依然経済活動の本格的再開には至らない状況ではありますが、ワクチン接種率の増加に伴い徐々に経済活動再開の動きも増加しつつあります。

そのような状況のなか、当社主力販売先である自動車産業における設備投資の状況につきましては、未だ一部の顧客において訪問制限、接触制限が継続されており、加えて半導体を中心とした電子部品が調達困難な状況下、各社生産調整による工場稼働の一時休止なども影響して、大型の設備投資計画の再開が見えない状況が継続しております。

その結果、当連結会計年度における売上高は、工具及び省力化機器の需要が回復しハンドナットランナ及びハンドナットランナを組み込んだ協働ロボットなどが堅調に推移した結果、同品種で対前年同期比130%の売上となりました。

大型設備投資の回復の遅れの影響を受け、ネジ締付装置は対前年同期比78%の売上と低迷いたしました。

ロ 米国市場

新型コロナウイルス感染症による経済活動の制限も徐々に解除され、雇用、個人消費、工業生産などの経済指標も拡大基調にあり堅調に景気が回復しております。

その結果、当連結会計年度における売上高は、昨年から引き続き日系自動車メーカーや日系建機農機具メーカーの設備投資が堅調に推移し、加えて既存EV自動車メーカーや新興EV自動車メーカーからの受注など新たな顧客も徐々に拡大しており、ハンドナットランナ及びハンドナットランナを組み込んだ省力化機器が堅調に推移いたしました。

ハ 中国市場

新型コロナウイルス感染症対策により、地域によっては厳しい行動制限がかけられておりますが、中国経済全体では高いGDPの伸び率を背景に総じて景気は堅調に推移してまいりました。

その結果、当連結会計年度における売上高は、EV自動車関連の投資が活発で、特にモーター、電気制御機器、車載用バッテリー関連でハンドナットランナの需要が拡大いたしました。また日系トランスミッションメーカーの設備投資も堅調に推移いたしました。

一方エンジン関係の投資は大幅に減少しナットランナの売上高は前年比マイナスとなりました。

ニ その他の市場

インドネシア市場において日系自動車メーカーの大型設備投資があり、ネジ締付装置を中心にハンドナットランナ、ナットランナの受注が拡大いたしました。

その他のアジア、欧州地域においては新型コロナウイルス感染症の影響により依然経済活動に制限がある国も多く、経済の回復には今少し時間を要するものと見込まれます。

その結果、当連結会計年度の売上状況は、ネジ締付装置以外の品種で前年比増収となり売上高5,754百万円(前期比8.7%増)となりました。

利益状況は、従業員の新規増員等による固定費が増加になりましたが、売上高が増加した結果、営業利益1,120百万円(前期比6.1%増)、売上高営業利益率19.5%(前期は19.9%)、経常利益1,197百万円(前期比11.6%増)、売上高経常利益率20.8%(前期は20.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益820百万円(前期比12.4%増)となりました。

地域別売上においては、国内市場の回復がやや遅く、北米及び中国市場の回復が顕著であったことから海外売上比率が上昇し、海外売上高3,346百万円(前期比9.4%増)、国内売上高2,408百万円(前期比7.6%増)、売上全体に占める海外売上比率は58.2%(前期は57.7%)、国内売上比率は41.8%(前期は42.3%)となりました。

なお、当社製品は、ネジ締付装置、同部品及びネジ締付工具でありますので、単一セグメントとして市場環境を判断しております。

 

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の製品は、生産設備の一部を構成しておりますので、設備投資の動向の影響は少なからず受けます。このため、自動車生産設備以外に売上を分散すること及び海外売上の拡大により設備投資の動向の影響を出来るだけ少なくするよう対応に努めております。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの主な資金需要は、今後予想される経営環境の変化に対応するべく、事業展開への備え、研究開発費用及び設備投資によるものであります。
 これらは、主として営業活動によるキャッシュ・フローを財源としております。
 なお、今後の設備投資の計画については、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」をご参照ください。

 

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