課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

イ.社是

われわれは「三力」をもって生産に励み、社運の伸展につくし、企業を通じて社会の平和と繁栄に寄与せんことを期する。

知力 価値を生み出すのは知力である

全知をつくして方法を考え力強く実行しよう

努力 一歩前進するにも努力がいる

苦難を克服し向上発展の道を一すじに進もう

協力 ひとりの力には限界がある

みんな力を出しきり一つに結ぼう

 

ロ.経営理念

「プラスチックをはじめとする粉粒体による製品製造現場において、省力化機器のスペシャリストとして、お客様のニーズにマッチした、品質の高い、他社の追随を許さないオンリーワン製品をお届けすることにより、社会に貢献する」

1.市場が求めるものを常に探求し、お客様に喜ばれる製品・サービスを提供する。
2.お客様が製造する消費財・生産財を通じて、世界の人々のより豊かで安全な暮らしに貢献する。
3.従業員の自主性と働きがいを重視し、会社を持続的に成長させる。
4.株主、取引先、地域社会の皆様から、「いい会社」と呼ばれる会社になる。

 

ハ.SDGsへの取り組み

当社グループ各社は、「社是」「経営理念」を継続的に推進・実行することで、環境、社会、経済の各課題に真摯に取り組み、国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献する。

1.お客様の生産現場において、生産性の向上と省力化・省エネルギー・省資源化に貢献する。

・チャレンジCES(低コスト(C)、省エネ(E)、省スペース(S))の推進

・省力化機器の開発と販売

・電気自動車やハイブリッド車普及に向けての技術対応と展開

2.お客様が生産する地球環境に優しい製品を通じて、世界の環境保全に貢献する。

・お客様の新材料、新素材への需要への対応による環境負荷低減への貢献

3.自社の事業活動において、生産性の向上と省力化・省エネルギー・省資源化を推進する。

・自社の事業所内における省エネルギー・省資源化への対応

4.お客様や自社における廃棄物削減のための取り組みとリサイクルへの対応を推進する。

・廃棄物削減 (REDUCE)

・廃プラ等の再利用 (REUSE)

5.持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長と生産的で働き甲斐のある人間らしい仕事を両立する。

・ダイバーシティの推進

6.あらゆるステークホルダーと連携・協働して開発目標達成に努める。

・ステークホルダーと連携・協働

・CSR経営の強化と推進

 

ニ.基本方針

当社グループは、プラスチック成形工場における合理化機器システムの製造販売に長年携わっております。製造工程の省力化と加工材料のロス低減による環境への負荷軽減を理念とし、チャレンジCESを製品開発指針として、当業界のリーディングカンパニーとして、高機能かつ操作性に優れた独自製品を開発し新技術を世界に発信し続けるとともに、現場力を一層強化し収益力の向上を図っております。更に、プラスチック成形関連分野で培った技術、ノウハウを応用して、電池、食品、化粧品等の新規販売分野を開拓・拡大していくことにより、市場対応力のある企業として成長を続け、企業価値・株主価値を高めていくことを基本方針としております。

 

 

(2) 経営環境、中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの主力納入先であるプラスチック成形加工業界は、国内外での激烈な技術革新と品質・価格競争の中にあります。

当社グループでは、かかる環境下、コア事業におきまして、生産拠点(日本、中国、東南アジア)及び営業・サービス拠点(日本、中国、台湾、東南アジア、北中米)相互の連携を強固にし、品質、コスト、納期、アフターサービスでの競争力を一層強化することにより、グローバル化するユーザーニーズへ対応しマーケットシェアの拡大と収益力の向上を図ってまいります。

 新型コロナウイルスに関しては、地域により感染拡大の波はあるものの、ワクチン接種の進展に伴う行動制限の緩和等により総じて回復基調となる一方、世界的な半導体不足の影響による、受注案件の売上延期の影響を受け、当連結会計年度の売上高、営業利益は計画値を下回る結果となりました。

日本セグメントにおける自動車関連の受注残高が少なかったことも要因ではありますが、フィルム・シート関連や医療関連は堅調に推移し、OA・家電・精密機器は2期前の水準まで回復しました。

上記状況を踏まえ、当社グループでは、2022年5月11日開催の当社取締役会において中期経営計画(2022-2024年度)の更新を行いました。概要は以下に記載のとおりでありますが、新規市場、成長分野における事業展開の強化や経営基盤の強化、ESG経営の強化等に取り組み、当社グループの継続的な成長と企業価値の更なる向上に努めてまいります。

また、当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、人材の育成と強化等により、経営体質の一層の強化と透明性の向上を図ることを、経営上の重点課題と位置付けております。なお、コーポレート・ガバナンスの詳細につきましては、㈱東京証券取引所に「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を提出するとともに、当社ホームページ(https://www.kawata.cc/)に、社是・経営理念、SDGsへの取り組み、コーポレート・ガバナンス基本方針、社外役員独立性基準、グループ行動指針、環境理念と方針、経営方針、中期経営計画等を開示しております。

 

(中期経営計画)

① 事業環境と基本的な考え方

・新型コロナウイルスの影響で2020年に大きく落ち込んだ世界のGDPは、2021年にはプラスに転じ、2022年以降も回復傾向が続く見通しであるが、今後のコロナウイルス感染状況によって、その回復スピードは国ごとに大きく異なるものと思われ、新型コロナウイルスが収束し、世界経済が完全に回復するまでは更に2年程度は要すると考えられる。

・半導体不足に伴う生産調整、原油価格や原材料の高騰、国際社会における中国・ロシアと西側諸国の対立も当面は継続するものと考えられる。

・EV関連等での投資が期待される一方で、中国の実体経済の先行きには減速懸念が漂う。

・国内外の景気および設備投資は不透明な状況が当面続くと思われるが、中長期的にはプラスチックは世界の人々の生活にとって欠かすことのできない素材であり、今後もさまざまな分野で需要の伸長が期待される。

・自動車関連、電子部品関連業界は、裾野も広く今後も伸びが期待できる業界であり、引き続き当社の主力業界として取り組む。特に、自動車の電動化、自動運転化、車体の軽量化等には積極的に技術や資源を投入する。

・ウイズコロナの環境下、社会の変化に伴うタブレット、PC、スマホ、VR等の通信機器拡大、AI、IoT、5G等のデジタル化推進の動きへ的確に対応する。

・アジア諸国の生活向上に伴う汎用品の生産拡大への対応、北中米での自動車、ハイテク業界への取り組みを着実に実行する。フイルム・シート関連については、日本での需要に加えて、中国やアジア諸国での生産拡大にも対応強化していく。

・日本国内においては、生産年齢人口の減少やソーシャルディスタンス確保に伴い、今後も省人化投資、生産効率化投資は増加するものと思われる。また、インターネット通信や交通・建築・土木等の社会インフラ整備に伴う需要にもしっかりと対応していく。更に、グローバル展開する日系企業に対しては、日本国内のマザー工場、研究開発センターへのアプローチと実績づくりを強化する。

・地球レベルでの環境問題(脱炭素、使い捨てプラスチックの削減)に対しては、お客様の生産現場や自社の事業活動において、また、お客様が生産する製造物を通じて、社会へ貢献していく。プラスチック削減の動きも見られるが、当社グループは、創業以来培ってきた実績、知見やノウハウ等をベースにリーディングカンパニーとして積極的な対応を行う。特に、省エネルギー、バイオプラスチック、リサイクルの分野は当社にとってビジネスチャンスになり得ると考える。

 

② 中期経営方針

~世の中から必要とされる「優良企業」を目指す~

aESG経営の強化

・環境・社会への貢献

・透明性の高いガバナンス

・すべてのステークホルダーへの配慮

 (株主、従業員、販売先、仕入先、金融機関、政府・自治体、地域社会)

b少数精鋭かつ高収益体質の確立(地に足を付けた持続的な成長を図る)

・人材採用、教育の為の投資

・省力化、省人化、システム化の為の投資

・研究開発、技術力向上の為の投資

・事業領域拡大の為の投資(M&A含む)

・工場等の更新、能力増強、効率化の為の投資

・安定的に当期利益10億円以上の確保、ROE8%以上、DOE2.5%以上

 

③ 中期経営戦略の骨子

a新規市場、成長分野における事業展開の強化

(a) グループの総合力を結集し、情報収集、調査・分析、開発、プロモーションを強化

(b) 自動車業界のCASE進展における新技術、新機能への対応

(c) リチウムイオン電池関連の販売拡大、全固体電池関連の開発・ビジネスマッチングの推進

(d) AI、IoT、5G等、世界規模の新技術や新規格への対応

(e) レンズを含む光学部品業界への販売拡大(技術開発力と品質の更なる向上)

(f) 地球環境に優しい新素材や複合材、リサイクル材への対応

(g) 北中米における自動車、ハイテク、医療業界を中心とした販売拡大と体制づくり

(h) 日本におけるマザー工場、研究開発センターへのアプローチと実績づくり

b既存市場、既存分野での販売拡大と収益力向上

(a) 地域や分野特有のニーズに対応した製品開発と販売

(b) 省エネルギー、省力化機器の開発と販売拡大

(c) Q.C.D.(品質・コスト・納期)の継続強化による競争力の高い製品づくり

(d) グループ間における、設計、製造、販売、サービスの情報の共有化と、地域毎、会社毎のミッションの明確化と相互支援協力体制の構築

(e) 提案営業力、技術力、サービス(ビフォー、アフター)力の向上による顧客満足度向上

c経営基盤の強化

(a) 透明性の高い企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実現

(b) コンプライアンス意識の徹底による誠実な企業活動

(c) 研究開発、人材開発への継続的な取組み強化

(d) 業容拡大の為の戦略的投資の実施

(e) ダイバーシティへの取組み強化と、優秀な人材確保

(f) グローバル人材育成のための制度・運用とグループ間人材交流の強化

(g) 生産・販売・サービス拠点、販売促進・技術力向上・人材育成の為の設備の見直しと再構築

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、株主の皆様への還元(配当または自己株式の取得)を充実させる一方で、高付加価値製品の開発や新規販売分野・地域の拡大、新規事業開発や戦略投資等にも積極的に経営資源を投下することにより、市場対応力のある企業として成長を続け、企業価値・株主価値を高めていくことを基本方針としております。経営指標としては、株主資本と負債のバランスを適切な水準に維持しつつ、(2)記載の中期経営計画を着実に推進することにより、中長期的には、自己資本利益率(ROE)を安定して8%以上確保できる事業構造の構築と、自己資本配当率(DOE)を安定して2.5%以上確保することを目標としております。

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