課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は1956年の創業以来、ビル用ゴンドラと舞台装置のパイオニアとして多彩な社会のニーズにお応えするため、安全性、高機能、使いやすさに焦点を当てた製品づくりで、より快適な社会の実現を目指しており、常に顧客の満足度を志向し品質向上の継続的改善に努め、積極的に新技術に挑戦することを経営の基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、当社及び連結子会社3社、㈱サンセイエンタープライズ、サンセイゴンドラレンタリース㈱、サンセイゴンドラ㈱で構成されております。

 当社グループは、ゴンドラ・舞台として窓拭き用ゴンドラ他類似製品、舞台装置の設計、製造販売、据付、仮設ゴンドラのレンタル等を、海洋関連として船舶修理等を主たる事業内容とし、その他には産業機械の製造販売等、各種事業を展開しております。

 

ゴンドラ・舞台

・ゴンドラについては、中高層ビルの窓を清掃する時に使うワッシングゴンドラの大手メーカーであり、業界 トップレベルの技術力と豊富な納入実績を誇ります。

ゴンドラには、有人型ゴンドラの他、各種自動ゴンドラ、クレーン機能付ゴンドラ、特殊型ゴンドラ等、あらゆるニーズにお応えできるよう製品ラインナップは多彩を極めております。

一方で、ゴンドラは屋外という、最も過酷な条件にさらされているため、ゴンドラをいつでも安全な状態でご使用いただくことを目的に、納入時から長期的な視野に立ってメンテナンスプランを立案し、徹底したメンテナンスサービスで安全を維持しております。

・舞台装置については、当社の提供する利用形態を拘束しないフレキシブルな舞台機構システムは、瞬時性と意外性を備え、空間容積の変更をも可能にし、このダイナミズムが単に多目的と言うのではなく、文化、スポーツ、ビジネス空間として、利用価値の高い新しい空間を創造しております。

・レンタル用仮設ゴンドラは、高層ビルの建設工事現場や既存ビルのリフォーム工事の他、ゴンドラ設備のないビル、工業プラント、備蓄タンクや橋梁等あらゆる高所作業現場で活躍し、作業の効率化、安全確保、経済的な施工に大きく役立っております。

レンタル用仮設ゴンドラについては、徹底した点検、整備を行い、安全サービス面においても万全を期しております。

 

海洋関連

・船舶修理については、海上保安庁等の官公庁船の定期・中間検査及び修理物件等で実績をあげております。

・船舶修理以外については、魚礁を手掛けており、従来の鋼製魚礁に加えて、国内では初めての藻や貝が付着しやすく魚が住み着きやすい間伐材と廃棄ガラス瓶をリサイクルとして使用した「ハイブリッド型間伐材魚礁」を開発し、獲る漁業から育てる漁業の一翼を担い、また、良き海の環境と漁業資源を守り続ける人工魚礁はますます重要なものとなってきております。

 

 また、2000年11月に品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」の認証を取得し、2002年11月に「ISO9001」1994年版から「ISO9001」2000年版への移行とサービス部門である保守グループにおいて追加の認証を取得しております。その後、2009年11月に「ISO9001」2008年版へ、2017年8月に「ISO9001」2015年版へ移行し、品質マネジメントの向上を図っております。

 

 当社は受注競争の強化、設計・製造の強化を経営改革の課題とし、中期経営計画において品質重視の展開指針を次のとおり定めております。

①常に顧客の満足度を志向する。

 1. 顧客要求のフィードバック体制の維持・拡大 2. 製品ラインナップの見直し

②品質向上の継続的改善に努める。

 1. 安全性の絶対確保 2. 不適合・苦情の撲滅 3. コストダウンの推進

③積極的に新技術に挑戦する。

 1. 社外で開発される新技術の情報収集体制の構築 2. 新製品・新機構の開発

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は株主に対する配当の利益還元を重要な企業責任として位置付けており、配当性向を重視し、企業体質の一層の強化と今後の事業展開に備えるための内部留保の充実などを勘案して決定する方針であります。

 上記の理由により、当社はROE(自己資本利益率)を経営指標としており、上場時において1株当たり7.5円の配当を上場前実績基準とし平均28%以上の配当性向を公約しております。

 当期においてのROEは5.2%でありました。

 

(4)経営環境

 今後の当社グループを取り巻く経営環境を展望すると、わが国経済は、ロシアへの経済制裁が世界経済に減速の動きをもたらす可能性があり、また、新型コロナウイルスの新たな変異株の流行に対する警戒感や原材料価格及び資源価格の上昇、さらに円安の進行等もあり、景気の先行きは極めて不透明な状況が続くものと予想されます。

 このような状況のなか当社グループは、技術力の継承に努めるとともに、継続的な設備投資を行うことで生産性の向上を図り、経営基盤の強化に向けてより一層邁進いたす所存であります。

ゴンドラ・舞台では、設備の更新とともに製造技術の向上に努め、同時に技術開発も継続してまいります。海洋関連では、船舶修繕設備の更新や新規顧客の開拓に注力し、顧客満足度の向上と安定的な受注獲得を目指します。その他では、経済活動の再開に伴う企業の設備投資の回復をにらみ、販売促進及び顧客ニーズへの対応に注力いたします。

 なお、新型コロナウイルス感染症の事業への影響につきましては、当社グループの係わる建設業界への影響は限定的であり、また、当社工場のある山口県においても影響は僅少であると判断しておりますが、ゴンドラ・舞台装置設置工事時や保守修理時において、入場前の検温に加え、入場時の手指の消毒及び作業中のマスク着用を徹底し、感染症拡大による事業への影響を最小限に抑える所存であります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループが対処すべき当面の課題としては、①設備の更新、②ISO9001-2015年版の継続的改善、③人材の確保及び育成、④子会社への財務支援、⑤天災等発生時の体制作りであります。

①継続的に設備の更新を実施し、作業効率化とコストダウンを図ります。

②2022年11月に第2回定期審査が予定されております。

③新卒及び中途採用の両面から積極的な人材確保に努め、若手技術者の育成に注力します。

④子会社への財務支援を行い、グループ全体としての経営効率化を図ります。

⑤取引先及び従業員の安全確保を第一とするための情報収集体制の構築等を徹底し、事業活動の維持、継続が可能

 な体制作りに注力いたします。

 

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