課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、以下の経営理念のもと、経営を遂行しております。

① 個人の尊重

当社は、社員一人一人の権利を尊重し、個人が意義のある文化的な人生と、生き甲斐を追求できる企業でありたい。一人一人の向上心を信じ、自立的な活動を援助し、仕事を通して能力が最大限に発揮できる環境を作り、能力や業績に報う企業とする。

② 存在意義のある企業

当社は、存在意義のある、優れた企業として認められることを望む。独創性を発揮し、個性と特徴をもち、経営の基盤を、絶えることのない研究開発活動と品質優先に置く経営を貫く。全ての組織が全力を尽くすことに生き甲斐を感ずる企業とする。

③ 共存共栄

当社は、社員、顧客、株主、材料部品の購入先、協力会社、取引先などの多くの人々に支えられている。当社は、これら関係者の全てに満足してもらえるように魅力ある製品、サービス、報酬、環境、取引関係を作り上げるよう最善の努力を払う。

④ 社会への貢献

当社は、社会の良き一員として企業活動を通じ、広く社会や産業界に貢献して行く。我々が提供する製品やサービスが、直接的間接的に広く社会の向上に役立ち、属する地域社会の環境や質の向上に役立つ企業を目指す。

 

 

 (2)当社グループの事業と製品

当社グループは、トータル・モーション・コントロールを提供する技術・技能集団として、技術者・技能者という人的資源を中核に、トータル・モーション・コントロールを構成するコア技術を高度に応用することによって、お客様が求める“動き”の実現に貢献できる製品を提供しております。
 当社グループでは、ハーモニックドライブ®、アキュドライブ®、ハーモニックプラネタリ®といった高精度減速機に、モーター、センサーなどを組み合わせたアクチュエーター、さらにはその性能を引き出すドライバー、コントローラー、その他システム要素を組み合わせ、他社製品とは差別化された高付加価値製品を提供しております。
 

 

 (3)当社グループの強みや特長

① 波動歯車装置に係る技術・技能の蓄積

当社グループは、波動歯車装置との運命的な出会いを契機に、創業以来50年以上にわたって無限に広がるこの減速装置の可能性を追求してきました。これまでに蓄積した開発技術、生産技術、加工・組立の技能、生産システムは、当社グループのかけがえのない財産であり、最大の強みと考えております。

② 小型・軽量・高精度を提供する製品群

当社グループが製造・販売するメカトロニクス製品と減速装置は、高度なモーション・コントロールや各種装置のコンパクト化・軽量化を求めるお客様にご採用いただいております。なかでも、小型、軽量、高精度を特長とするハーモニックドライブ®は、自動車、デジタル機器、半導体ウェハー、フラットパネルディスプレイなどの製造工程で使われる産業用ロボットの関節部に組み込まれ、世界市場で高いシェアを獲得しています。さらに、工作機械、計測試験装置、人工衛星、石油掘削装置、先進医療機器などの幅広い用途において、他の機構では実現の難しい差別化された付加価値を提供しています。

③ 「トータル・モーション・コントロール」の提供を可能とするコア技術

当社グループは、減速機のほか、モーター、センサー、ドライバー、コントローラー、その他システム要素に関する研究開発とものづくりを通じて、これらの技術・技能を蓄積してきました。このようにして培ったコア技術に係る有形・無形の技術と技能は、お客様が求める高度なモーション・コントロールを提供するために不可欠なものであり、当社グループの競争力の源泉と考えております。

④ 営業・製造・開発が一体となった事業運営

当社グループは、お客様のニーズをものづくりや製品開発に生かすため、営業部門、製造部門、技術・開発部門が密接な関係をもった事業運営を行っています。例えば、長野県の安曇野市にこれらの主要部門を集中させ、引合いから技術検討、試作、受注、製造、出荷までの業務プロセスを効率的に進める体制を構築しています。お客様のニーズや技術者の発想を素早くものづくりに反映し、新たなモーション・コントロールをタイムリーに提供できる体制も当社グループの強みのひとつと考えております。

⑤ 国際的な事業展開

当社グループは、日本、米国、ドイツ、韓国、中国、台湾に事業拠点を展開し、各地域の特性に合わせた事業戦略を推進するとともに、各拠点が相互に連携しながら世界的に広がるお客様に対し最適な製品・サービスの提供を進めております。

 

 

(4)中長期的な当社グループの経営戦略

 当社グループは、現行中期経営計画(2021年度〜2023年度)に掲げた「モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する」という不変のミッションを遂行すべく、邁進してまいります。当社グループが手掛けるメカトロニクス製品、精密減速装置の市場は、EV化、手術支援ロボットなど、新たな「社会の技術革新」に大きく貢献しており、今後もその需要は拡大していきます。また、世界的な人手不足が叫ばれる中、協働ロボットの需要増加により、中長期にわたり高い成長機会があると見込んでおります。当社では、2022年3月に策定した「サステナビリティ基本方針」に基づき、グループ一体となって持続可能な社会の実現に向け活動を推進してまいります。さらに、長期ビジョン、中期経営計画に掲げた方針に基づく戦略を実行し、攻めと守りのバランスを勘案した経営戦略の遂行で、中長期的な企業価値向上を図ってまいります。

 

 

■サステナビリティ基本方針

私たちは、「個人の尊重」「存在意義のある企業」「共存共栄」「社会への貢献」という4つの柱で構成された経営理念に基づき、トータル・モーション・コントロールを提供する技術・技能集団として、社会をより良くするための技術革新に貢献することで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。

 

■当社グループのミッション

モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する
 

■長期ビジョン

~トータル・モーション・コントロールの追求~

  ・環境の変化を捉えた新技術・技能への挑戦と創出

  ・お客様の期待値を超えるQCDSの実現

  ・企業活動を通じて持続可能な社会に貢献する

 

■中期経営計画(2021年度〜2023年度)

   新たな50年に向けて~確かな成長ステージへ~
 (基本方針と戦略)

① お客様の期待値を満足させるQCDSの実現

Q:シグマゼロ:不適合・クレームゼロ

C:生産性向上、VA+VEの一層の充実

D:顧客希望納期に対するコミット

S:ER活動の充実:スピードアップ

価値ある製品の開発とサービスの強化によるRD、AD、MT事業の拡大

 RD:波動歯車装置

・次世代用途に適合していくための新技術・技能の創出と製品化

 AD:精密遊星減速機

・事業再構築による地域・各種用途に即した製品提供の拡大

 MT:メカトロニクス製品

・お客様の“やりたい”を実現し得る製品提供と課題解決力のさらなる向上

時代の要求に適合した経営基盤の構築

・持続可能な経営の推進(SDGs)

・事業拡大をけん引できる人材の育成、多様性を高める人事制度や働き方の構築

・IT強化戦略・当社独自のIoT構想実践

・成長を支える財務基盤の確立と資金調達力の強化

④ 海外グループ会社・機関との連携強化とシナジーの最大化

・各拠点の経営資源の最大活用

・海外研究機関との積極的な研究活動の維持・促進

・グローバル生産体制の確立

⑤ 固定概念にとらわれず、次の50年の新常識を創造する

・新素材、新原理、新機構、新工法への積極的な挑戦

・知能メカトロニクスの実現に向けた布石

・社会の変化に敏感な感覚と非常識を受入れる風土の醸成

 

(5)経営環境と対処すべき課題

 新型コロナウイルスの変異株による感染拡大、ウクライナ問題に起因する資源価格の高騰など世界経済の先行き不透明な状況は継続すると思われます。一方、2022年度の当社グループの経営環境は、EV化の世界的な拡大による強い設備投資需要、旺盛な半導体需要に伴う設備投資の継続など、産業用ロボット、協働ロボット、半導体製造装置用途を中心に高い水準で需要が推移していくものと予測しております。また、近年新たな市場として注力してまいりました先進医療用途(手術支援ロボット関連)の拡大、車載用製品の需要の拡大も見込まれており、成長機会が増大していくものと見込んでおります。このような中、当社グループでは「お客様の期待値に応える価値の提供」をQCDSの基本方針として、生産面では当社製品の需要拡大に確実に応えるべく、自動化を中軸とした生産能力の増強、サプライチェーン体制強化、到達方針見直しによる安定した部材調達、また生産管理のデジタル化などの生産改革を確実に実施し、品質の向上、コスト低減、リードタイム短縮に取り組んでまいります。加えて、営業・開発技術一体によるお客様の課題解決力向上と迅速化を推し進め、さらなる競争優位性の拡大に傾注してまいります。

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