課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

創立以来、「英知と創造」を経営理念として、

① 技術者集団のさらなる水準向上を図りながら、“simple is best”を基本に、価格・品質・納期で顧客満足度向上を目指します。

② ソフトウェア設計・ハードウェア設計・制御設計による設計革新と、設計者の思いを形にする加工技術・組立技術・検査技術による生産技術革新により、創造的製品の開発を目指します。

 すなわち、独自の温度・圧力・真空・動作の4つの制御技術の融合である「複合制御システム」を基本に先端技術との融合を図りながら、独創的で高性能・高品質な製品開発を通じて、お客様の新製品開発・生産効率向上・省力化に貢献してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、中期経営計画(2022年6月期~2024年6月期)では、最終年度である2024年6月期の目標として、売上高5,300百万円、営業利益600百万円を掲げております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

(中期経営計画「持続的進化への挑戦 ~ 社会と共に成長する強いKITAGAWA ~」)

当社を取り巻く今後の事業環境は、長期化するコロナ禍が社会に不確実性をもたらす状況は現在も継続していますが、その中で労働・教育・医療の分野におけるリモート技術の活用など、従来なら何年も掛かったであろうデジタルトランスフォーメーションやIoT化の動きが急速に進みつつあり、プリント基板関連装置のメーカーである当社にとって息の長い成長機会も現出しております。

今後、スマートフォンは量的主役は譲らないものの、一時的な盛衰とは別に伸び代が限定的である傾向に変わりはないものと思われます。一方で、脱炭素化社会の実現やコロナ禍での生活変容などの社会的要請を背景に自動車の電動化・軽量化や社会におけるDXが進展し、それを支える5Gが世界的に普及することで、膨大なプリント基板関連需要や新たな樹脂成形関連需要の創出が期待されます。特に、データセンターや通信基地局などのインフラ整備投資が当社に大きな影響を与えると考えられます。

そこで当社グループは、2021年7月から2024年6月までを計画期とする中期経営計画「持続的進化への挑戦 ~ 社会と共に成長する強いKITAGAWA ~」を策定しており、環境の変化に合わせ、より機動的・能動的に市場の動きを捉えて収益機会を確実に獲得するとともに、将来に向けて持続可能な成長基盤を堅固なものとすることを目標として、次の3つの重点項目に取り組んでまいります。

(1)既存事業での技術的深化と新規事業への経営資源集中による持続的成長の岩盤造り

・ハイエンド基板向け高温・高精度プレスの分野で圧倒的な世界シェアを確保する。

・中長期的な視点で新たな成長市場(炭素繊維関連など)を開拓し、事業化の目処をつける。

(2)市場拡大に合わせた生産能力増強と収益性・競争力・製品/サービス品質向上の両立

・効率的生産体制の構築により、収益性と競争力を高めつつ拡大需要を確実に取り込む。

・顧客視点で性能と品質を更に高め、顧客満足度を向上させる。

(3)活力溢れる強い組織作りとそれを支えるデジタル化の推進

・技能継承と若手育成に注力し、創造性・自主性と行動力をもって、いかなる環境変化にも柔軟に対応できる強い企業風土を醸成する。

・デジタル技術の活用によって業務プロセスを変革し、より効率的な組織を構築する。

目標は、2024年6月期には売上高5,300百万円、営業利益600百万円としており、この新たな目標を達成できるよう、全社一丸となって精進し、安定的な黒字化を実現し、継続的に配当が行えるよう努力してまいります。

昨今、世界的に環境やエネルギー問題への関心が高まっている中、当社としても事業活動の中で気候変動、地球温暖化に対応するために、軽量化部材の開発によって自動車の燃費性能改善とCO₂排出削減に貢献したいと考えておりました。また、近年自動車メーカーでは、自動車部材を金属から、より軽量で高強度な素材であるCFRP(炭素繊維強化樹脂)に代替して、車体を軽量化する取り組みがなされていますが、開発の材料として使える大きさ・品質を備えたCFRP積層板が市場で入手できないとの声が多くありました。そこでCFRPの実用化に向け、共同研究実施機関と研究開発(※)し、高品質なCFRP積層板を早く安定して生産する方法及び装置を開発しました。

この成果であるCFRP自動積層装置と当社の多段プレス機を組み合わせることで、サイズ、構成自由度に加えて、高い生産性を併せ持ったCFRTP積層板成形ラインを構築することができました。本年よりリニューアルした当社工場内の試作評価試験スペース「KITAGAWA Trial Lab」にて、プレス・ラミネータ装置と共に試作機を設置し、お客様からの問い合わせに対応しております。今後も引き続き受注獲得を目指し、当社新製品のPRを行ってまいります。

(※)研究開発計画「大型で積層構成自由度の高いCFRTP一方向連続繊維積層板の量産技術開発、経済産業省の平成29年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」(2017年8月から2020年3月まで)

これからも、独自の温度・圧力・真空・動作の4つの制御技術の融合である「複合制御システム」を基本に先端技術との融合を図りながら、独創的で高性能、高品質な製品の開発に努め、業容の拡大を図ってまいります。

 

(人材育成)

当社グループは、持続的な成長のため、多様な人材の採用とこれまで蓄積した技能・技術を次世代へ確実に伝承し若い世代の成長の後押しを図るとともに、法令を遵守した組織・働きやすい職場環境の整備により人材の強化と組織の活性化を図ってまいります。そして、独創的で高性能・高品質な製品の開発を通じ、ユーザーの生産効率向上・省力化を図る等、生産工程を含め環境に配慮した製品の開発に努め、環境負荷の一層の低減にも努めてまいります。詳細につきましては、当社ホームページ(https://kitagawaseiki.co.jp/)をご覧ください。

(コーポレート・ガバナンス体制の強化)

当社は、コーポレート・ガバナンスの構築を、経営上の重要な課題のひとつと位置付けており、経営理念である「英知と創造」のもと、経営判断の迅速化、経営の効率化・健全性の向上・透明性の確保に取り組むなどコーポレート・ガバナンス体制の強化を図り、企業活動を支えているすべてのステークホルダーとの良好な関係の構築と、当社の持続的な企業価値の向上を目指してまいります。詳細につきましては、当社ホームページ(https://kitagawaseiki.co.jp/)をご覧ください。

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