課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は「企業の永続的な発展を追究し、適正な利益を確保することにより、企業を取巻く利害関係者と共に成
長する企業を目指して、薄膜技術で世界の産業科学に貢献する。」ことを経営理念とし、

①社員の創造性を重視し、常に独創的な薄膜技術を世界の市場に送る。

②直販体制を採用し、ユーザーニーズに対応した製品をタイムリーに提供する。

③事業が社会に果たす役割を積極的に認識し、高い付加価値を目標とし、株主、取引先、役員、従業員に対し、適切な成果の配分をする。

を経営方針に掲げ、事業を展開しております。

 

(2)目標とする経営指標

当社は中期的にも収益力の高い企業であり続けようと考えております。装置製造原価率(装置製造原価/販売価格)50%未満としながら売上高を拡大していくことにより売上高営業利益率20%以上を目指しております。売上高の拡大のため、研究開発機市場と生産機市場のそれぞれに対応した製品の拡販に努めるとともに、中期的には海外売上高比率を50%以上に引き上げる方針であります。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題等

今後の経営環境につきましては、変異株による新型コロナウイルス感染症流行の長期化や、地政学的リスクの高まりによる資源・食料価格の高騰、欧米諸国での政策金利の引き上げ、為替変動リスクなど、予断を許さない経済状況が続くことが予想されます。その一方で、当社の主たる事業領域である化合物半導体及び電子部品製造装置のマーケットでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)、自動運転、AI(人工知能)、ロボット、量子コンピューター等の技術革新の進展に伴い、関連企業は設備投資に対して積極的な姿勢を示しております。

このような中にあって、当社は、「薄膜技術で世界の産業科学に貢献する」という経営理念のもと、研究開発型企業として成長してきた高度な技術力に更に磨きをかけると同時に、蓄積した技術を生産機市場で活かすことで、事業規模の拡大を図っております。加えて、当社のコアテクノロジーである「薄膜技術」は医療、バイオ、環境といったライフサイエンス及びエネルギー分野に活かすことが可能であり、中期的には当社の新規事業、新分野として成長させることを目指し、積極的に事業を展開してまいります。

こうした状況を踏まえ、中期経営計画 第44期~第46期(2022年8月1日~2025年7月31日)において“グローバル中堅企業へ”をスローガンとし、次の課題に取り組んでまいります。

 

“グローバル中堅企業”としての姿~中期経営計画より~

・世界中で自由にビジネスを展開し、自社の独自技術を活かし、質の高い製品とサービスを提供し続ける。

・コア技術(薄膜技術)をベースに、参入障壁の高い領域において、特定の製品で圧倒的シェアを有すること

 で、自ら製品に値付けができる力を持ち、高い収益力を維持し続ける。

・売上の規模を求めるだけでなく、継続的に利益を稼げる市場に特化、集中する。

・組織体制は少数精鋭のプロ集団である。

・適正な税金を納め、国家や地域の発展に貢献する。

 

① クラスターツールシステムの拡販

クラスターツールシステムとは、搬送プラットフォームを中心に複数の反応室を接続できる量産用のシステムであり、エッチング工程向けに2021年12月に販売を開始いたしました。当社は非シリコン分野の材料加工のリーディングカンパニーとして本システムを拡販し、量産機市場で複数のトップシェア商品を持つことにより、飛躍的な業容の拡大を目指します。

第44期においては、クラスターツールシステムの販売に特化した専門部隊を新設するとともに、本システムの生産拠点及び体制を整備いたします。

 

② 海外販売の拡大

当社の事業を成長軌道に乗せるため、将来の成長期待の高い海外への事業展開を積極的に行っております。引き続き現地の営業・サービス人員を強化するとともに、本社からのサポート体制を充実させ、海外市場の開拓を図ってまいります。北米、台湾、中国、韓国の既存主要顧客との繋がりを維持、強化しながら、欧州、インド等の新たなマーケットの確立により、海外売上高比率50%以上を目指してまいります。

③ 生産体制の拡充

売上高の増加に対応し、生産体制の拡充を行います。

当社の製造に関しては、自社の企画設計により協力会社に製造を委託し、製品出荷前に調整、性能・品質検査を行い販売しております。生産量の拡大に伴い、出荷前検査の自社工場スペースの拡大と、新規協力会社の開拓及び既存協力工場の活用を進めてまいります。

 

④ 成膜装置販売の強化

2020年7月に第2生産技術棟内に開設した成膜装置(CVD装置、ALD装置等)のデモルームの活用によりプロセス開発を強化し、国内外企業からのサンプルのデモ処理や、大学・研究機関・企業など社外との共同研究により、顧客との連携を拡大していく計画であります。

 

⑤ 新規事業の立上げ

現在の製品群であるCVD装置、エッチング装置、洗浄装置を新たな事業領域へ展開し、新規事業として業績へ寄与させることを目指しております。具体的には、第38期よりヘルスケア分野へ進出し、医療分野における滅菌装置の開発、及び医療計測分野におけるヘルスケアチップの加工装置の開発・販売を行っております。

また、新たなマーケット開拓のため、本社ナノ薄膜開発センター、米国オプトフィルムス研究所での研究開発、国内外の大学や各種クラスターとの共同研究の継続により、薄膜事業に関連する新規事業を創出し、成長を加速させてまいります。

 

⑥ 更なる成長に向けた人材育成・活用

当社にとって最大の資産は人材であります。既存の人材を強化・育成し、新たに優秀な人材を獲得することが当社の企業価値を決定し、成長の大きな原動力となります。第41期より課題として人材育成の強化に着手しており、外部講師を招いた「部長塾」や「課長塾」、主任・係長向けの「成長塾」を開催し、中長期的な幹部候補の育成に注力するとともに、65歳以上になっても働き続けられる会社を目指し、シニア社員が十分社会に貢献できるような再教育にも取り組んでまいります。

 

⑦ 社内環境対策(サムコ環境方針)への取り組み強化

2021年10月開催の取締役会において、気候変動に係るリスク及び機会、自社の事業活動や収益に与える影響についてのデータ収集と分析を行うため、「社内気候変動対策チーム」(構成員~社長、総務部長、経営企画室、広報・IR室他)を立ち上げ、以降、取締役会に進捗状況を定期報告しております。第44期中に、当社ホームページ上に新たなページを設け、「社内ガバナンス体制」、「リスク管理体制」、「温暖化ガス排出量実績」の3項目の開示を行う予定です。

 

サムコ環境方針

 「薄膜技術で世界の産業科学に貢献する」を経営理念とする一方、「環境保全」を重視し、産業と環境の両面で社会貢献に努める。

1)環境方針の周知徹底

環境方針を全社員に周知する。また、協力会社へも周知し、理解と協力を要請する。

2)環境教育を推進し、全社員の環境意識の向上を図る。

3)環境関連法規の遵守

法規制、条例およびその他の要求事項を遵守する。

4)環境重視の製品開発

環境に調和するプロセス開発に取り組むとともに、それを活かした製品においては、製造から廃棄に至るまでを考慮した環境負荷軽減型の製品開発に努める。

5)グリーン調達

調達する原材料、部品について、環境影響を考慮するよう調達先に働きかける。

6)環境負荷の軽減

エネルギーの効率的な利用および3R(リデュース・リユース・リサイクル)に積極的に取り組み、環境負荷の軽減に努める。

7)全てのサムコ製品は省エネルギー、省スペースを基本に製造・販売を行い、環境負荷の軽減に努める。

 

株主、取引先、従業員等のステークホルダーにとって魅力ある企業を目指し、成長力と収益力の向上を図り、適切な利益配分により企業価値の向上を目指してまいります。

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