課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中、個人消費など一部に足踏みがみられたものの、持ち直しの動きが続きました。当社インダストリアル機器部門に関連する住宅市場では、貸家や分譲住宅を中心として国内新設住宅着工戸数が前年に対して増加しました。

海外経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され、回復基調が続きました。米国は設備投資がやや鈍化したものの、個人消費や住宅着工が緩やかに増加し、欧州は一部で厳しい状況が続いているものの、設備投資や生産などで持ち直しの動きがみられました。

一方で、世界的な原材料価格の高騰や物流コストの上昇、調達や供給面での制約などが、引き続き企業収益に大きな影響を与えました。

 

1 経営方針

当社は、お客様が支持する存在であり続けることで、事業のさらなる成長と企業価値の向上を目指しております。当社の経営理念として、社是を次のように定めております。

 

一、良い製品を責任をもって供給する

一、全従業員の生活の向上と人材の養成に努める

一、社会に奉仕し、文化に貢献する堅実な前進を期する

 

また、当社は、人が尊重され、人が成長することにより、会社も成長すると考えており、社是の実現に向けた経営基本姿勢を次のように定めております。

 

いきいきと楽しく力を合わせ、皆揃って成長していく集団を目指す

1.ガラス張りの経営に徹する

2.全員参画の経営に徹する

3.成果配分の経営に徹する

 

当社の使命は、当社の持てる能力や技術を最大限発揮し、お客様や社会が求める良い製品を創り出し継続的に供給することです。この使命を果たすことを通じ社会の持続性への貢献と堅実に存在し続ける企業の実現を目指しております。

このたび当社は、サステナビリティに関する基本方針を以下のように定めました。

(サステナビリティに関する基本方針)

マックスは事業の成長を通じて、持続可能な社会の実現に貢献します。

人を尊重し、多様な人の能力を引き出し、人を活かします。

継続的に人と技術に投資し、新しいモノ・コトを創造します。

人にやさしく環境に配慮した製品・サービスを世界中の人々に届けます。

成果は公正・適正に分配します。

ステークホルダーと適切に対話を行うとともに、ガバナンスを高め続けます。

 

2 中期経営計画

新型コロナウイルス感染症の拡大等によって世界経済は不透明な状況が続いておりますが、当期は鉄筋結束機事業の大幅伸長により、過去最高の売上高、経常利益及び当期純利益を達成することができました。

更なる高みを目指すべく、「失敗を恐れず、試すことで学び成長する」ことを経営方針に掲げて、鉄筋結束機事業を成長ドライバーとして、売上高及び各利益につき過去最高の更新を狙い、中期経営計画を修正しました。

中期経営計画の基本戦略は、以下に掲げるとおりであります。

 

 ①インダストリアル機器の海外事業の成長:鉄筋結束機事業

鉄筋結束機事業は「TWINTIER(ツインタイア)」の発売以来、成長を続けております。鉄筋結束機事業を含むコンクリート構造物向け工具の当期売上高は229億円となり、当期期初の2024年3月期計画220億円を2期前倒しで達成したため、2024年3月期の売上高計画を280億円へ上方修正いたします。計画の達成に向け販売網の更なる強化とタイ新工場の稼働に向けた活動などを実践してまいります。

 

 ②国内のビジネスモデルの変革による収益性の維持・向上

国内オフィス事業のビーポップ、食品表示用ラベルプリンタなど文字表示事業では、ICT活用による顧客接点の強化及び営業活動の生産性向上により、収益性を維持します。

国内機工品事業では、鉄筋結束機事業での土木市場の開拓などを進めます。

住環境機器事業の浴室暖房換気乾燥機「ドライファン」では、リフォーム・リプレイスのストックビジネス拡大と工事体制の拡充を進めます。

HCR事業は、中国工場の生産性改善と高付加価値車いすの拡販などを進め、収益性の向上を図ってまいります。

 

 ③コスト増への対応

原材料価格の高騰や輸送費の上昇など、事業環境の変化に対し、当期は売価見直しを実施してまいりました。次期以降も状況に応じて売価の見直しを適宜実施してまいります。

 

 ④新規事業の創出

新規事業の創出に向け、中長期的な研究開発投資や国内外の開拓営業への投資を行ってまいります。また、新製品投入においては、業績拡大につなげる製品の創出を促すことを目的に市場開拓型、ラインナップ拡充型、モデルチェンジ型にわけ、投入の可否を判断することにしました。

市場開拓型の新製品は、未知の領域に挑戦し、挑戦からの学びを促すよう、「将来」を重視して投入の可否を判断します。長期的には、新規事業の創出を戦略的にマネジメントできるよう、新製品における型別の最適投入比率を模索してまいります。

 

 ⑤経営基盤の強化

新型コロナウイルスの影響により、事業環境はもとより人々のライフスタイルやワークスタイルなど、当社グループを取り巻く市場環境は一変しました。このような事から当社グループは、「デジタル技術活用による業務生産性の改善」を進め、「健康で働きやすい企業の実現」を目指します。

また、ESGへの取り組み及びブランド力の強化を図り、経営基盤をさらに強化し、中長期での企業価値向上を目指してまいります。

 

 

3 目標とする経営指標

 目標とする経営指標は、以下のとおりです。

                                        (単位:百万円、%)

 

当期実績

翌期計画

中期経営計画

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

実績

増減率

計画

増減率

計画

増減率

売上高

73,958

+15.5

78,100

+5.6

81,000

+3.7

営業利益

7,498

+12.2

8,200

+9.3

9,400

+14.6

経常利益

8,282

+21.3

8,200

△1.0

9,400

+14.6

親会社株主に帰属する

当期純利益

6,090

+18.2

6,000

△1.5

7,000

+16.7

売上高営業利益率

10.1

△0.3ポイント

10.5

+0.4ポイント

11.6

+1.1ポイント

ROE

7.5

+0.8ポイント

7.2

△0.3ポイント

8.1

+0.9ポイント

 

 

 また、セグメントごとの計画は以下のとおりです。

(単位:百万円、%)

 

2022年3月期
実績

2023年3月期

計画

増減率

2024年3月期

中期経営計画

増減率

オフィス機器部門

 売上高

18,513

19,200

+3.7

19,700

+2.6

 セグメント利益

3,034

3,280

+8.1

3,410

+4.0

 セグメント利益率

16.4

17.1

+0.7ポイント

17.3

+0.2ポイント

インダストリアル機器部門

 売上高

52,569

55,720

+6.0

58,100

+4.3

 セグメント利益

7,739

8,650

+11.8

9,620

+11.2

 セグメント利益率

14.7

15.5

+0.8ポイント

16.6

+1.1ポイント

HCR機器部門

 売上高

2,875

3,180

10.6

3,200

+0.6

 セグメント利益

△126

0

100

 セグメント利益率

△4.4

0.0

+4.4ポイント

3.1

+3.1ポイント

セグメント利益の

調整額

△3,148

△3,730

△3,730

全社 売上高

73,958

78,100

+5.6

81,000

+3.7

全社 営業利益

7,498

8,200

+9.3

9,400

+14.6

全社 営業利益率

10.1

10.5

+0.4ポイント

11.6

+1.1ポイント

 

 

4 今後の見通し

当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制限が緩和され、景気は緩やかな回復基調に向かうことが想定されるものの、世界的な原材料価格の高騰や輸送費の上昇、ロシア・ウクライナ紛争の影響など、依然として予断を許さない状況です。

2023年3月期の売上高は78,100百万円(前期比+5.6%)、営業利益は8,200百万円(同+9.3%)、経常利益は8,200百万円(同△1.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,000百万円(同△1.5%)を計画しております。

また、3ヶ年の中期経営計画の最終年度となる2024年3月期の売上高は81,000百万円、営業利益は9,400百万円、経常利益は9,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は7,000百万円を計画しております。

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得