研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループでは、「環境技術を極め、世界市場で勝ち抜くオンリーワン商品の創出」を主テーマとして研究開発活動を進めております。

 当連結会計年度に発生した研究開発費は、TPRグループ(除くファルテックグループ)において2,874百万円、ファルテックグループにおいて2,454百万円であり、当社グループ合計では5,328百万円でした。

 パワートレイン部品では、業界トップを目指し、さらなる低燃費技術、低価格化と信頼性の両立という厳しい要求に応えるべく、以下を重点に活動を進めております。

・機能面では内燃機関の熱効率向上を見据えた低摩擦化、熱制御、軽量化への取り組みに加え、

地球に優しい排気ガスクリーン化、代替燃料(バイオ、アルコール、水素)使用へ対応した

新製品の開発。

・製造面では製品の高精度化に対応したインラインでの計測自動化、革新的コストダウン、

生産エネルギーの極小化へ対応した新工法の開発。

 また海外拠点への新技術の移転構築、海外提携会社との協業による世界同一品質の実現と海外顧客への新製品及び新技術PRも積極的に取り組んでおります。

 一方急速なEV化に対応し、非パワートレイン部品(多角化商品)への取り組みも強化し、軽量化を狙いとした樹脂・ゴムなどの複合製品やシール製品への新技術導入を積極的に行い、先行他社と製品機能、価格で競争出来る開発体制作りと、新事業分野の探索を推進しております。また、新素材開発としては、ナノポーラス材料、長尺少層CNT(Carbon Nanotube)製造を開始し、素材だけではなく、お客様のニーズに合わせた複合製品の開発を実施中です。

 これらの研究開発活動を支える基盤整備として、解析評価設備や試験設備の整備拡充、設計開発業務の効率化、技術者教育体制の強化と、WEB会議を積極的に活用した外部研究機関等との連携の強化を実施しております。

 開発の主な成果は次のとおりであります。

 

⑴ 開発推進体制

 昨年度下期より、これまでのコア商品(パワートレイン関係)と多角化商品(焼結・樹脂・ゴム)、更に新事業開発(カーボンナノチューブ、ナノポーラス)を分けていた体制から、オールTPRで技術ロードマップをもとに、開発方針を立てる体制へ変更しております。

 これにより、急速に変化するEV化や、カーボンニュートラル、SDGs対応などの市場変化に対し、素早いテーマアップと事業化判断を進めております。

 

 なお、ファルテックグループでは、新商品開発のスピードアップとOnly-one商品の創出をテーマに研究開発活動に取り組んでおります。新商品の開発に当たっては、5つのコア技術(成形・加飾表面処理・金属加工・電装・通信)を3つの開発方針(加飾・環境/燃費・CASE)に沿って強化・発展させています。

 自動車外装部品事業と純正用品事業では、お客様のニーズや市場調査から、『魅力のある商品』/『新機能商品』を継続的に創出し提案することを目指し、開発に取り組んでおります。

 自動車関連機器事業では、市場競争力強化及び顧客からの要望に応じ、高効率化・省力化・原価低減を念頭に置き、開発に取り組んでおります。

 

⑵ パワートレイン部品

Ⅰ ピストンリング

・超低摩擦&低オイル消費リングの製品化 (低燃費、低排出ガス対応)

・ブローバイ低減リングの製品化 (信頼性・熱効率向上)

・さらなる高耐摩耗DLC(Diamond- Like Carbon)被膜の製品化 (信頼性向上)

・ピストンリング革新的コストダウン製造ラインの構築 (低価格・カーボンニュートラル対応)

Ⅱ シリンダライナ

・小型エンジン用薄肉、高熱伝導ライナの製品化 (低燃費対応、信頼性向上)

・熱制御ライナの製品化 (低燃費対応)

・低摩擦内周面性状の確立 (低燃費対応)

Ⅲ 焼結商品(バルブシート・バルブガイド)

・高耐摩耗、高強度、多燃料対応バルブシート材料の製品化 (代替燃料対応)

・高耐摩耗バルブガイドの製品化

 

⑶ 多角化商品

(樹脂、ゴム製品)

・金属製品に代わる軽量化や耐摩耗性を持ち合わせた樹脂製品の開発

・ゴム製品革新工法ラインの構築(開発継続)

・バキュームポンプ用樹脂ベーンの製品化

 

 

⑷ 新素材

・ナノポーラス材料のサンプル供給

・長尺少層カーボンナノチューブの評価用サンプル供給

 

⑸ 研究開発の基盤整備

① 単体機能評価試験の高精度化 (摩擦摩耗、信頼性評価、シール性評価)

② 高回転時の油膜厚計測技術の構築

③ 排気ガス中のSulfur(硫黄分)の分析とPN(Particulate Number=粒子状物質の数)測定機による

  オイル消費とPNの同時計測

④ MBD対応シミュレーションモデルの構築と活用

⑤ RPA構築による業務効率化の推進

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