業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとお
りであります。

 

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度( 2021年3月1日 2022年2月28日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の拡大から、大幅なマイナス成長となりましたが、ワクチン接種率の増加に伴い、特に欧米諸国では回復の兆しが見えたものの新たな変異による感染拡大の懸念が残り、またロシア連邦によるウクライナへの軍事侵攻など、いまだ先行きは不透明であります。わが国経済についても、ワクチン接種が進み緊急事態宣言等も解除され、徐々に経済活動も正常化に向かってはいるものの、新たな変異株の脅威や世界的な部材不足の影響、ウクライナ情勢等、楽観できる状況ではありません。

当連結会計年度における当社グループを取り巻く業界動向は、環境・エネルギー関連、航空・宇宙関連、交通・輸送関連、機械設備関連は、前期に比べ順調に推移し、住宅関連は前期並みに推移いたしました。このような環境の中、当社グループはCOVID-19の感染防止対策を講じるとともに、経費削減や投資計画の見直しを図るなど、多種多様な角度から利益創出に向けた対策を実行いたしました。

その結果、当連結会計年度における業績は、売上高につきましては、環境・エネルギー関連の産業用ガスタービン部品の受注増加、前期に納入延期となっていた機械設備関連のデジタルサーボプレス機等の販売などにより増収となり、売上高は12,976百万円(前年同期比18.8%増)となりました。利益につきましては、増収によるもののほか、生産体制の見直しなどの全社的なコストダウン施策の実行、及び前期に減損損失を計上したことによる減価償却費の減少などの効果から、営業利益は634百万円(前年同期は565百万円の営業損失)、経常利益は607百万円(前年同期は582百万円の経常損失)、また特別利益として飯山事業所等売却による固定資産売却益1,218百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,413百万円(前年同期は2,836百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメントの概況は、次のとおりであります。

なお、各セグメントの営業利益は、各セグメントに配賦することが困難な本社管理部門に係る営業費用等を控除する前のものであります。

 

①放電加工・表面処理

 放電加工・表面処理は、前期にCOVID-19の影響を大きく受けた航空・宇宙関連が徐々にではありますが、回復の兆しが見えたことに加え、環境・エネルギー関連の産業用ガスタービン部品の売上高が増加した結果、前年同期に比べ増収となりました。利益面では、前期に実施した生産体制の見直しなどによる固定費削減効果、及び減損損失の計上による減価償却費の減少などにより増益となりました。

その結果、売上高は6,820百万円(前年同期比17.2%増)、営業利益は622百万円(前年同期は67百万円の営業損失)となりました。

②金型

 金型は、COVID-19感染拡大の影響などから住宅関連のアルミ押出用金型が前年同期並みに推移したものの、交通・輸送関連のセラミックスハニカム押出用金型は、需要の回復から前年同期に比べ増収となりました。利益面では、生産体制の見直しなどの合理化を推進したことにより増益となりました。

その結果、売上高は4,216百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は724百万円(同109.6%増)となりました。

③機械装置等

 機械装置等は、前期にCOVID-19感染拡大の影響などで納入延期となっていた機械設備関連のデジタルサーボプレス機等の販売により、前年同期に比べ大幅な増収となりました。利益面では、増収効果により増益となりました。

その結果、売上高は1,939百万円(同76.7%増)、営業利益は200百万円(同214.1%増)となりました。

 

 

 (2) 財政状態に関する分析

財政状態は次のとおりであります。

当連結会計年度末の資産合計は15,547百万円となり、前連結会計年度末に比べ129百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金の増加429百万円、受取手形及び売掛金の増加315百万円、仕掛品の減少127百万円、未収入金の減少101百万円、土地の増加536百万円、建物及び構築物の減少179百万円、機械装置及び運搬具の減少194百万円、建設仮勘定の減少175百万円、リース資産の減少71百万円、繰延税金資産の減少64百万円によるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は9,290百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,148百万円減少しました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の増加73百万円、未払法人税等の増加241百万円、賞与引当金の増加131百万円、短期借入金の減少913百万円、退職給付に係る負債の増加367百万円、長期借入金の返済による減少983百万円、リース債務の減少132百万円によるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は6,256百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,278百万円増加しました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,413百万円、その他有価証券評価差額金の増加15百万円、退職給付に係る調整額の減少187百万円によるものであります。

 

 (3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ429百万円増加し、1,816百万円となりました。その内訳は営業活動による資金の増加1,882百万円、投資活動による資金の増加601百万円、財務活動による資金の減少2,051百万円であり、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、1,882百万円(前連結会計年度は584百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,820百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は、601百万円(前連結会計年度は1,010百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産売却による収入1,969百万円、有形固定資産の取得による支出1,329百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、2,051百万円(前連結会計年度は600百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済997百万円、短期借入金の減少額(純額)900百万円、リース債務の返済による支出173百万円によるものであります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年2月

2021年2月

2022年2月

自己資本比率

41.0%

28.3%

36.1%

時価ベースの自己資本比率

27.6%

29.3%

33.5%

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率

13.2

12.3

2.7

インタレスト・カバレッジ・
レシオ

12.4

11.5

43.2

 

 

自己資本比率=自己資本÷総資産

時価ベースの自己資本比率=株式時価総額÷総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債÷営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ=営業キャッシュ・フロー÷利払い

(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

(注)2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

(注)3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

 (4) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

放電加工・表面処理

6,831,555

114.1

金型

4,243,135

108.0

機械装置等

1,668,317

117.2

合計

12,743,008

112.4

 

(注)1上記金額は、販売価格によって表示しております。

  2上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

放電加工・表面処理

7,033,333

116.6

1,287,054

119.8

金型

4,357,474

115.9

741,698

123.5

機械装置等

1,477,171

104.1

461,996

50.0

合計

12,867,979

114.8

2,490,750

95.8

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

放電加工・表面処理

6,820,294

117.2

金型

4,216,409

105.1

機械装置等

1,939,936

176.7

合計

12,976,641

118.8

 

(注) 1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

2. 最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2020年3月1日

至  2021年2月28日)

当連結会計年度

(自  2021年3月1日

至  2022年2月28日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三菱重工業グループ

3,654,342

33.4

4,490,858

34.6

日本碍子グループ

1,252,358

11.5

1,504,854

11.6

川崎重工業グループ

770,735

7.1

543,019

4.2

LIXILグループ

1,550,802

14.2

1,797,636

13.9

 

3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は次のとおりであります。

なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。将来や想定に関する事項には、不確実性を内包しており、あるいはリスクを含んでいるため、実際の結果と大きく異なる可能性もあります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 当連結会計年度の経営成績等
(売上高)

売上高は、前連結会計年度に比べ 18.8% 12,976百万円 となりました。放電加工・表面処理セグメントでは、航空・宇宙関連で航空機エンジン部品の一部アイテムの需要が回復したこと、環境・エネルギー関連で産業用ガスタービン部品の受注が堅調に推移したことなどにより増収となりました。金型セグメントでは、住宅関連は前期比並みに推移しましたが、交通・輸送関連のセラミックスハニカム押出用金型が自動車市場が回復して増収となりました。機械装置等セグメントでは、機械設備関連で納入延期となっていた大型のデジタルサーボプレス機の販売したこと、交通・輸送関連で自動車関連のプレス部品が若干回復し、デジタルサーボプレス機のシェアリングサービスも堅調に推移したことから増収となりました。以上により全セグメントにおいて増収となりました。

 

(営業費用及び営業利益)

売上原価及び販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度に比べ7.4%増の12,342百万円となりました。売上高は上述のとおり前連結会計年度比18.8%の増収となりました。さらに経費削減や投資計画の見直しを図るなど、多種多様な角度から利益創出に向けた対策を実行いたしました結果、営業利益634百万円(前連結会計年度は565百万円の営業損失)となりました。

 

なお、セグメント別の当連結会計年度の経営成績等は(経営成績等の状況の概要)(1)経営成績の状況に記載のとおりです。

 

(営業外損益)

営業外収益は47百万円(前連結会計年度比11.2%減)、営業外費用は74百万円(同5.6%増)となっております。営業外収益減少の主な要因は、雇用調整助成金などが減少したことによるものです。営業外費用増加の主な要因は、コミットメントライン手数料が発生したことによるものです。

 

(特別損益)

特別利益は1,242百万円(前連結会計年度は5百万円)、特別損失は28百万円(前連結会計年度は2,676百万円)となっております。特別利益増加の主な要因は、飯山事業所売却等による固定資産売却益が発生したことによるものであります。特別損失減少の主な要因は前連結会計年度で航空事業等に係る減損損失の計上2,488百万円がありましたが、当連結会計年度では発生がないためであります。

 

(税金費用及び親会社株主に帰属する当期純損失)

法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を合計した税金費用は、370百万円(前連結会計年度は△415百万円)となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益1,413百万円(前連結会計年度は2,836百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。なお、売上高当期純利益率は10.9%(前連結会計年度は△25.9%)となっております。

 

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因について

イ.事業環境要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「事業等のリスク」にも記載いたしましたとおり、主要得意先4社グループで当社グループの売上高の64.2%(2022年2月期)を占めており、これら主要得意先の受注・生産動向や外注政策が大きく変動した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社といたしましては、主要4社グループ以外の得意先や、自社製品でありますデジタルサーボプレス「ZENFormer」「ZENFormer nano」、クロムフリー塗料の拡販を進め、相対的にこれら主要4社の比率を下げていく所存であります。

ロ.収益変動要因

当社グループには多数の事業所があり、且つ多数の事業を営んでいることから、これらに係る土地、建物及び生産設備等の固定資産について減損会計の適用による減損損失の計上が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性について

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(経営成績等の状況の概要) (3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の財源を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金については、自己資金を基本としており、設備投資については、自己資金の他に、金融機関からの借入金等による資金調達を基本としております。

なお、資本の財源につきましては以下のような分析をしております。

イ.財政政策

当社グループは、売上債権及び棚卸資産の圧縮を図ることによって内部資金を生み出し、借入金の返済を進めるなどにより財務体質の健全化を進めてまいります。

売上債権については、債権流動化のスキームを得意先及び金融機関の協力を得て実施しておりますが、更に拡大していく計画です。

ロ.財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ129百万円増加し、15,547百万円となりました。この主な変動要因は、流動資産が390百万円増加し、固定資産が261百万円減少したことによるものであります。負債については、流動負債が389百万円減少し、固定負債は長期借入金の減少などにより758百万円減少しました。なお、純資産は、利益剰余金の増加1,413百万円、退職給付に係る調整累計額減少187百万円により、前連結会計年度末より1,278百万円増加して6,256百万円となり、自己資本比率は7.8ポイント増加して36.1%となりました。

 

④ 経営成績・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。今後は主力事業である放電加工・表面処理、金型製造の総合的な競争力の強化や機械装置等のデジタルサーボプレスの拡販及び部品加工事業の強化、クロムフリー塗料の拡販を進めるとともに、航空機エンジン部品事業の新たなアイテム獲得など事業拡大に注力してまいります。

なお、経営成績・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは環境の変化への迅速な対応を基本とし、目標とすべき経営指標は営業利益率10%以上を従来から掲げて経営しており、当連結会計年度におきましては、営業利益率は4.9%となりました。

新年度(2023年2月期)におきましては、新たな変異株の脅威や世界的な部材不足の影響、ウクライナ情勢等の先行き不透明感はあることから、売上高は減少するものとみております。

セグメント別にみますと、放電加工・表面処理は、航空・宇宙関連の航空機エンジン部品や環境・エネルギー関連の産業用ガスタービン関連部品は前期並みに推移するものの、交通・輸送関連では、拠点集約による一時的な生産停止などを見込んでいることからセグメント全体では減収、減益となる見込みであります。

金型は、住宅関連及び自動車関連ともに前期に引き続き市場環境は厳しいものと見ており、減収となる見通しですが、生産性向上策によって、収益の改善を図り増益を見込んでおります。

機械装置等は、交通・輸送関連及び機械設備関連ともに前期に引き続き市場環境を厳しく見ており、減収となりますが、さらなる生産性向上によって収益の改善を図り、前期並みの利益を見込んでおります。

以上のことから、2023年2月期の営業利益は前年同期に比べ減益となり、営業利益率は2.8%となる見込みです。短期的にはまだ、目標利益率に届きませんが、中長期的には「営業利益率10%以上」を客観的な指標として掲げ、様々な施策に取組んでまいります。

また、売上高の92.1%(2022年2月期)を受託加工が占めていることから、自社製品でありますデジタルサーボプレス機ZENFormerの拡販を推し進め、受託加工の売上高に占める主要得意先4社グループの比率を相対的に下げることでリスクの軽減を図り、景気動向に左右されないバランスの取れた事業内容の構築を目指し、業容の拡大を図ってまいります。

 

⑤ 経営戦略の現状と見通し

当社グループは、放電加工の受託加工を事業目的として創業し、以来、アルミ押出用金型、セラミックスハニカム押出用金型、産業用ガスタービン部品加工、航空機エンジン部品等の表面処理などにより、事業領域を広げてまいりましたが、受託加工がほとんどを占め、自社製品というものを持たない点が大きな特徴でした。このことは一面では、原材料に対するリスクが少ない、あるいは最終ユーザーの消費動向から受ける影響が軽微であるという利点もありますが、反面、得意先の業績、事業戦略、購買方針、受注動向などの影響を受けやすいという弱点も持ち合わせます。

これらリスクを排除するには、お客様の発展に貢献するという理念のもとに、技術とコストの両面で他を圧倒することが重要であり、このことを実践してきたことが、業容の拡大につながったと確信しており、今後も強力に推し進めてまいります。

また、一方では、受託加工の比率を低減するために自社の製品を持って、リスクの軽減を図り、業容の更なる拡大を目指す努力も行ってまいりました。それらは、デジタルサーボプレス「ZENFormer」「ZENFormer nano」並びに完全クロムフリー塗料などであります。今のところ、両製品とも業績への貢献は小さく、受託加工比率を改善するまでには至っておりませんが、両製品は大手企業で採用されるなど、その将来性には確かなものを感じています。

 

 

(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、重要な見積りや仮定を行う必要があります。

なお、COVID-19の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要な判断を要し、財政状態及び経営成績に影響を与える項目は下記のとおりであります。

① 繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。

② 退職給付費用及び退職給付債務

当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産見込額に基づき計上しております。

退職給付費用は、割引率、昇給率及び期待運用収益率等のさまざまな仮定によって算出しております。割引率及び期待運用収益率は、金利の変動を含む現在の市場動向などを考慮して決定しております。昇給率の見積りは、実績及び直近の見通しを反映しております。

当社グループは、退職給付債務に関する会計上の見積りを「重要な会計上の見積り」と認識しております。それは仮定の変化が、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があるためであります。仮定の変化による実際の退職給付債務の差額は将来の期間にわたって償却されます。現在使用している仮定は妥当であると考えておりますが、仮定の変化により退職給付費用及び退職給付債務に影響を与える可能性があります。

③ 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損の兆候の有無を事業所ごとセグメント単位で判定しており、結果、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

なお、減損損失の認識及び測定にあたっては、市場環境の見通し等を踏まえた事業計画に基づいて慎重に検討しておりますが、COVID-19の収束時期等が客観的に見通せない現状にあっては、市場環境の変化により前提条件が変更される可能性があります。

 

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