業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策である緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の適用により、企業活動や個人消費活動が停滞することとなりました。国内において一定のワクチン接種が進んだことで経済回復の兆しが見られたものの、新たな変異株ウイルスの急速な拡大により先行き不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループの財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は前連結会計年度末に比べ492百万円減少し、12,095百万円となりました。総資産の減少の内訳は、流動資産の減少147百万円、固定資産の減少345百万円であります。主な要因は現金及び預金の増加380百万円、受取手形及び売掛金の減少726百万円、有形固定資産の減少326百万円によるものであります。

負債につきましては前連結会計年度末に比べ681百万円減少し、3,090百万円となりました。負債の減少の内訳は、流動負債の減少419百万円、固定負債の減少262百万円であります。主な要因は買掛金の減少234百万円、長期借入金の減少312百万円によるものであります。

純資産につきましては前連結会計年度末に比べ189百万円増加し、9,004百万円となりました。主な要因は利益剰余金の増加268百万円によるものであります。

 

b.経営成績

当連結会計年度における業績は、バルブ製造販売部門では、バングラデシュのMatarbari火力発電所1号機、2号機やベトナムのVanPhong火力発電所1号機、2号機など、海外プラント向けの販売が中心となり、また玄海原子力発電所3号機、4号機向けなど国内原子力発電所への販売にも注力しましたが、国内・海外ともに大型案件の計画変更に伴う納期延伸等により、売上高は当初の計画を大幅に下回ることとなりました。

メンテナンス部門では、柏崎刈羽原子力発電所7号機の点検工事や東通原子力発電所1号機、女川原子力発電所2号機の原子炉設備弁の点検修繕工事などを中心として、売上高は概ね計画どおりに推移いたしました。

その他研究開発や機器診断等の新事業につきましては、受注・売上時期の延伸等により売上高は当初の計画を下回ることとなりました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,850百万円(前連結会計年度比8.1%減)となりました。

損益面につきましては、売上高が当初の計画を大幅に下回ったものの、案件ごとの採算性を重視した受注管理やバルブ製造販売部門における製造経費の削減、バルブ製造販売部門要員のメンテナンス部門への応援など人的資源の有効活用、さらにはメンテナンス部門における稼働効率の向上などにより前期と比較して利益面が大幅に改善されたことから、営業利益は365百万円(前連結会計年度比148.7%増)、経常利益は445百万円(前連結会計年度比76.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は303百万円(前連結会計年度比19.2%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローが861百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△84百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△396百万円発生した結果、前連結会計年度末に比べ380百万円増加し、3,763百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動においては、税金等調整前当期純利益368百万円、減価償却費434百万円、売上債権726百万円の減少による増加要因があり、たな卸資産236百万円の増加、仕入債務234百万円の減少による減少要因がありました。その結果、営業活動によるキャッシュ・フローは861百万円となり、前連結会計年度に比べて222百万円減少しました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動においては、投資有価証券の売却による収入95百万円の増加要因があり、有形固定資産の取得による支出100百万円、投資有価証券の取得による支出75百万円の減少要因がありました。その結果、投資活動によるキャッシュ・フローは△84百万円となり、前連結会計年度に比べて11百万円減少しました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動においては、長期借入金の返済による支出312百万円、配当金の支払額34百万円、自己株式の取得による支出49百万円の減少要因がありました。その結果、財務活動によるキャッシュ・フローは△396百万円となり、前連結会計年度に比べて11百万円増加しました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

製造原価(百万円)

前年同期比(%)

バルブ事業

4,624

△13.2

(注)1 バルブ事業を主な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の生産実績の記載はしておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高(百万円)

前年同期比

(%)

バルブ事業

6,313

10.8

7,955

6.1

(注)1 バルブ事業を主な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の受注実績の記載はしておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

バルブ事業

5,850

△8.1

(注)1 バルブ事業を主な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

岡野商事㈱

2,019

31.7

1,890

32.3

東京電力ホールディングス㈱

334

5.3

620

10.6

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

当連結会計年度末の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の状況につきましては、バルブ製造販売部門では、海外火力発電所向けの販売を中心に国内原子力発電所への販売にも注力しましたが、国内・国外ともに大型案件の計画変更に伴う納期変更等により、売上高は当初の計画を大幅に下回ることになりました。メンテナンス部門では、国内原子力発電所における点検修繕工事を中心に活動した結果、売上高は概ね計画通りに推移致しました。その他研究開発や機器診断等の新事業につきましては、受注・売上時期の延伸等により売上高は当初の計画を下回ることとなりました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,850百万円(前連結会計年度比8.1%減)となりました。

営業利益は365百万円(前連結会計年度比148.7%増)となりました。主な要因は案件ごとの採算性を重視した受注管理やバルブ製造販売部門における製造経費の削減、バルブ製造販売部門要員のメンテナンス部門への応援など人的資源の有効活用、さらにはメンテナンス部門における稼働効率の向上などが寄与したことによるものであります。

経常利益は445百万円(前連結会計年度比76.7%増)となりました。主な要因は受取賃貸料や持分法による投資利益等によるものであります。

親会社株主に帰属する当期純利益は303百万円(前連結会計年度比19.2%減)となりました。主な要因はサイバー攻撃によるシステム障害に対応する復旧作業、社内システム・セキュリティの再構築に係る費用を臨時損失として計上したことによるものであります。

 

なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2事業等のリスク(1)~(11)」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

また、キャッシュ・フロー関連指標は次のとおりです。

 

 

2020年11月

2021年11月

増減

流動比率

626.7

898.9

272.2

自己資本比率

70.0

74.4

4.4

時価ベースの自己資本比率

34.1

37.1

3.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

192.3

205.8

13.5

インタレスト・カバレッジ・レシオ

142.4

131.5

△10.9

(注) 流動比率:流動資産/流動負債

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

当社グループの資本の財源および資金の流動性については、自己資金および営業活動によるキャッシュ・フロー(以下、「自己資金等」)を財源としております。当連結会計年度末における流動比率は898.9%となっており、前連結会計年度より272.1%増加していることから十分な流動性を確保していると認識しております。

当社グループの資金需要の主なものは、原材料、外注費、製造費などの生産活動経費および販売費及び一般管理費などの営業活動経費であります。また、借入金の返済や配当金の支払いなどの財務活動に係る資金需要もありますが、いずれも自己資金等で賄えております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は決算日における資産、負債並びに収益、費用の数値に影響を与える見積りを行っており、合理的に継続して評価しておりますが、実際の結果は将来の不確定な要因により異なる可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」および、「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

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