業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国の経済は、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、経済活動が抑制される厳しい状況で推移いたしました。ワクチン普及に伴い活動制限の緩和が進み、景気回復が期待されたものの、感染力の強い新たな変異株の急速な拡大により、依然として予断を許さない状況が続いておりますが、追加のワクチン接種の進展や医療体制の整備により経済活動は徐々に正常化に向かって行き、経済活動の回復が期待されます。

一方で、ウクライナ情勢による地政学リスクや原油高、米国の金利上昇、円安等、経済の不確実性は高く、先行きについて不透明な状況が続いております。

インターネット関連業界におきましては、「2021年 日本の広告費」(株式会社電通 2022年2月24日発表)によりますと、新型コロナウイルス感染症に伴う巣ごもり・在宅需要の継続や、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催等により、動画配信サービスを中心に伸長し、その結果、インターネット広告媒体費は前年比122.8%の2兆1,571億円となり、継続して拡大しております。

この様な環境の下、当社は、HR領域においては、従来のメディア運営企業との連携に加え、ATS(応募者管理システム)を提供する企業との連携を強化してまいりました。特に、アルバイト・派遣分野を中心に新型コロナウイルス感染症の影響下でも好調な分野及び新型コロナウイルス感染症の影響の少ない分野への積極的な営業活動等が功を奏し、新型コロナウイルス感染症拡大以前を超えるまでに伸長しております。

不動産領域においても、新型コロナウイルス感染症の影響はあったものの、サイト改善、マーケティング活動を進めるとともに、引越しを中心とした付帯サービスへの注力等、サービス拡充のための機能強化も進めてまいりました。2020年10月に事業譲受した不動産賃貸メディア「キャッシュバック賃貸」の運営開始も功を奏し、不動産領域は順調に拡大しております。

また、新たな収益源を構築すべくDX領域のサービスを推進し、当社のアセットを活用したSaaS型クラウドサービスへの注力等も行ってまいりました。

この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

a.財政状態

当事業年度末における資産残高は5,153百万円となり、前事業年度末に比べ635百万円増加しました。

当事業年度末における負債残高は1,520百万円となり、前事業年度末に比べ44百万円減少しました。

当事業年度末における純資産残高は3,632百万円となり、前事業年度末に比べ679百万円増加しました。

b.経営成績

当事業年度の売上高は3,058百万円(前年同期比31.8%増)となりました。また、営業利益は1,002百万円(同90.1%増)、経常利益は1,001百万円(同94.8%増)、当期純利益は585百万円(同94.2%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ665百万円増加し、当事業年度末には2,410百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、986百万円(前年同期は899百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益947百万円、減価償却費198百万円、投資有価証券評価損53百万円、未払消費税等の増加83百万円の収入、売上債権の増加51百万円、法人税等の支払266百万円の支出があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、61百万円(前年同期は631百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出49百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、259百万円(前年同期は289百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による260百万円の支出があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社の業務には生産に該当する項目がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

当社は受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c.販売実績

 当社は、集客代行事業の単一セグメントであり、当事業年度の販売実績は、次の通りであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

集客代行事業(百万円)

3,058

131.8

 (注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社リクルート

825

35.6

743

24.3

株式会社LIFULL

237

10.2

532

17.4

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は、以下の通りとなります。

1)財政状態

(資産)

当事業年度末における総資産残高は5,153百万円となり、前事業年度末に比べ635百万円増加しました。これは主に、現金及び預金残高の増加665百万円、売掛金の増加51百万円、顧客関連資産の減少177百万円、関係会社株式の増加103百万円等によるものです。

(負債)

当事業年度末における負債の残高は1,520百万円となり、前事業年度末に比べ44百万円減少しました。これは主に、未払法人税等の増加126百万円、未払消費税等の増加83百万円、長期借入金の減少260百万円等によるものです。

(純資産)

当事業年度の純資産の残高は3,632百万円となり、前事業年度末に比べ679百万円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加583百万円、自己株式の減少72百万円によるものです。

この結果、自己資本比率は70.5%(前事業年度末は65.4%)となりました。

 

2)経営成績

(売上高)

当事業年度における売上高は3,058百万円となり、前事業年度に比べ738百万円増加しました。これは、人材領域のアルバイト・派遣分野において、ATS(応募者管理システム)を提供する企業との連携を進めるとともに、現環境下でも好調な分野及び新型コロナウイルス感染症の影響の少ない分野への積極的な営業活動が功を奏したこと、不動産領域においてはサイト改善、マーケティング活動及びサービス拡充のための機能強化等を進めるとともに、引越しを中心として賃貸に付帯するサービスの立ち上げが功を奏したためとなります。

(売上原価)

当事業年度における売上原価は219百万円となり、前事業年度に比べ8百万円増加しました。これは主に、クラウドサーバーの利用拡大、サービス拡充のための機能強化及びシステム関連に関するエンジニアの増員及び業務委託費用の増加によるものです。

(売上総利益)

上記の結果、当事業年度における売上総利益は2,839百万円となり、前事業年度に比べ730百万円増加しました。

(販売費及び一般管理費)

当事業年度における販売費及び一般管理費は1,837百万円となり、前事業年度に比べ255百万円増加しました。これは主に、売上高増加に伴う広告宣伝費の増加、前事業年度の期中に取得した事業譲受に伴う顧客関連資産の償却が当事業年度は通期での償却となったことによるものです。

(営業利益)

上記の結果、当事業年度における営業利益は1,002百万円となり、前事業年度に比べ475百万円増加しました。

(営業外損益)

当事業年度における営業外収益は2百万円となり、前事業年度とほぼ同じ水準となりました。

当事業年度における営業外費用は3百万円となり、前事業年度に比べ11百万円減少しました。これは主に、前事業年度に発生した事務所移転費用が当事業年度には発生しなかったためです。

(経常利益)

上記の結果、当事業年度における経常利益は1,001百万円となり、前事業年度に比べ487百万円増加しました。

(当期純利益)

当事業年度における税効果会計適用後の法人税等負担額は362百万円となり、前事業年度に比べ192百万円増加しました。

上記の結果、当事業年度における当期純利益は585百万円となり、前事業年度に比べ283百万円増加しました。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の経営状況につきましては、インターネット広告市場は継続的な拡大となっているものの、新型コロナウイルス感染症の影響、ウクライナ情勢による地政学リスクや原油高、米国の金利上昇、円安等により不透明な状況が続いております。また、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通り、事業環境等の様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向等の外部環境を注視・分析することで現在及び将来における事業環境を確認するとともに、事業体制及び内部管理体制を強化し、社会のニーズに合ったサービスを展開して行くことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に対し適切な対応を行ってまいります。

具体的には、人材領域においては、ATS(応募者管理システム)を提供する企業との連携を進めるとともに、Adopt Adminにおいて現環境下でも好調な分野及び新型コロナウイルス感染症の影響の少ない分野への積極的な営業活動を進め、不動産領域においては、サイト改善、マーケティング活動及びサービス拡充のための機能強化等を進めるとともに、引越しをはじめとする付帯サービスを強化し、規模拡大を図りました。

また、新たな収益源を構築すべく、当社のアセットを活用したSaaS型クラウドサービスの立ち上げへの注力も行ってまいりました。

その結果、当社が重要な経営指標としている売上高、営業利益、及び経常利益の達成状況につきましては、2022年2月10日に開示いたしました計画に対して、それぞれの達成率が99.3%、100.0%、100.1%となっております。

新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、感染力の強い新たな変異株の急速な拡大もあり、依然として不透明な状況が続いていることから、今後の状況次第では、人材領域におきましては店舗等の営業自粛等に伴う求人ニーズの減少、不動産賃貸領域におきましては、緊急事態宣言が発令された場合には人の移動の減少等の影響が予測され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、短期、経常的な資金需要は運転資金であり、主なものは広告宣伝費や人件費のほか法人税等の支払いとなります。これらについては営業キャッシュ・フローにより獲得した内部資金により充当してまいります。なお、今後におきましては、M&A等による突発的な大型の資金需要については借入金や増資等による調達も柔軟に検討してまいります。

流動比率につきましては281.0%となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

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