業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、ワクチン接種率の上昇に伴い、経済活動は一時的に正常化へ向かう動きを示したものの、オミクロン株の急速な感染拡大によるまん延防止等重点措置の再適用やウクライナ情勢による金融市場の混乱、原油価格の高騰等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような状況の下、当社グループは、既存事業の収益力強化を進めるとともに、将来の事業展開を見据えた新たな投資を積極的に推進してまいりました。

2021年10月には、東海地区の更なる営業基盤の強化を目的として、建設廃棄物を取り扱う株式会社柳産業を子会社化し、同年11月には、中長期の成長戦略に掲げた新規廃棄物処理施設の展開として、需要が見込める関東方面への進出の第一歩として、埼玉県熊谷市に新規焼却施設用地の土地を取得しました。また、新規管理型最終処分場である奥山の杜クリーンセンターにおきましては、2022年2月より搬入を開始するなど、中長期の成長戦略もより具体化してまいりました。

足元の事業状況として、営業部門におきましては、引き続き、収集運搬から最終処分までの廃棄物一貫処理体制を基盤とし、コロナ禍においても自社が保有する多数の処理施設と許可の優位性を発揮することで、堅調な業種及び取引先に対して効率的な営業を展開することで廃棄物受託量の確保に努めてまいりました。

処理部門におきましては、営業部門との連携による廃棄物受入体制の強化を継続的に実施することで、各中間処理施設の稼働率向上に努めたほか、最終処分場におきましては、旺盛な埋立需要へ対応すべく、自社が保有する複数の最終処分場を効率的に運営することで、受注単価の向上と受託量確保に取り組んでまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,817百万円増加し、20,040百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,804百万円増加し、10,503百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,013百万円増加し、9,536百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高6,381百万円(前年同期比11.9%増)、営業利益2,264百万円(同20.2%増)、経常利益2,188百万円(同18.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,284百万円(同26.1%増)となりました。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 廃棄物処分事業は、売上高5,543百万円(同16.1%増)、セグメント利益2,715百万円(同25.6%増)となりました。

 収集運搬事業は、売上高700百万円(同7.4%減)、セグメント利益115百万円(同29.3%減)となりました。

 仲介管理事業は、売上高136百万円(同19.3%減)、セグメント利益173百万円(同2.8%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、法人税等の支払額が945百万円(前年同期比27.4%増)、新規最終処分場への投資等により有形固定資産の取得による支出が2,919百万円(前年同期比41.0%増)と支出が増加した一方で、税金等調整前当期純利益の計上2,188百万円(同18.4%増)、株式の発行による収入2,775百万円等があったことにより前連結会計年度末に比べ1,600百万円増加し、当連結会計年度末には5,894百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,807百万円(前年同期比1.9%増)となりました。

これは主に、収入要因として税金等調整前当期純利益2,188百万円、減価償却費413百万円、のれん償却額254百万円、支出要因として法人税等の支払額945百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は3,908百万円(同89.4%増)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出2,919百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出950百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は3,700百万円(同347.1%増)となりました。

これは主に、収入要因として株式の発行による収入2,775百万円、長期借入れによる収入1,067百万円、短期借入金の純増額546百万円、支出要因として長期借入金の返済による支出784百万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループの生産実績の内容は、販売実績とほぼ一致しているため、c.販売実績をご参照下さい。また、当社グループにおける生産実績とは、廃棄物の処理実績を意味します。

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

廃棄物処分事業

5,526,022

115.7

収集運搬事業

700,820

92.6

仲介管理事業

134,831

79.5

1,548

42.2

合計

6,361,673

111.6

1,548

7.4

 (注)1.受注残高は、連結会計年度末現在における搬入済みの処理受託廃棄物等の受託金額で計上しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

廃棄物処分事業(千円)

5,543,372

116.1

収集運搬事業(千円)

700,820

92.6

仲介管理事業(千円)

136,954

80.7

合計(千円)

6,381,147

111.9

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の主要な販売先がないため相手先別の記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は7,129百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,801百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加額1,600百万円、受取手形及び売掛金の減少額42百万円等によるものであります。また、固定資産は12,910百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,015百万円増加しました。これは主に、最終処分場の増加額4,314百万円等によるものであります。

 この結果、総資産は、20,040百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,817百万円増加しました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は7,450百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,302百万円増加しました。これは主に、未払金の増加額781百万円、短期借入金の増加額546百万円等によるものであります。また、固定負債は3,053百万円となり、前連結会計年度末に比べ502百万円増加しました。これは主に、社債の増加額170百万円、長期借入金の増加額229百万円等によるものであります。

 この結果、負債合計は、10,503百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,804百万円増加しました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は9,536百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,013百万円増加しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等による利益剰余金の増加額1,218百万円、新株の発行による資本金の増加額1,396百万円、資本剰余金の増加額1,396百万円等によるものであります。

 

2)経営成績

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、連結子会社の株式会社ミダックにおいて、新規管理型最終処分場(奥山の杜クリーンセンター)の稼働が2022年2月より開始されたことや、M&Aにより新たにグループに加わった株式会社柳産業の業績が寄与したことにより、6,381百万円(前年同期比11.9%増)となりました。

(売上総利益)

 当連結会計年度の売上総利益は3,929百万円(同18.1%増)となり、売上高に対する比率は61.6%となりました。

 売上原価は、株式会社柳産業が当社グループに加わったこと及び2022年2月より新規管理型最終処分場(奥山の杜クリーンセンター)が稼働を開始したことにより、増加となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は2,264百万円(同20.2%増)となり、売上高に対する比率は35.5%となりました。

 販売費及び一般管理費は、株式会社柳産業が当社グループに加わったこと及び広告宣伝費の増加等により、全体としても増加となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度の経常利益は2,188百万円(同18.4%増)となり、売上高に対する比率は34.3%となりました。

 営業外損益におきましては、短期借入金等の増加により支払利息が増加しました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,284百万円(同26.1%増)となり、売上高に対する比率は20.1%となりました。増益により法人税、住民税及び事業税が増加しました。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、連結子会社の株式会社ミダックにおいて、新規管理型最終処分場(奥山の杜クリーンセンター)の稼働が2022年2月より開始されたことや、M&Aにより新たにグループに加わった株式会社柳産業の業績が寄与した結果、増収増益となりました。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前述の「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

c.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成状況

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。

 当連結会計年度における経常利益率は34.3%、ROEは17.1%となりました。いずれの指標におきましても、目標とする経営指標を上回りました。今後におきましても、引き続きこれらの指標を上回ることができるよう取り組んでまいります。

 

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(廃棄物処分事業)
 2022年4月の持株会社体制への移行に伴う、許認可取得のため、期末には廃棄物の搬入制限を余儀なくされるなど、受託量への影響が見られたものの、連結子会社の株式会社ミダックにおいて、新規管理型最終処分場(奥山の杜クリーンセンター)の稼働が2022年2月より開始されたことや、M&Aにより新たにグループに加わった株式会社柳産業の業績が寄与し、受託量は増加しました。以上の結果、売上高は5,543百万円(前年同期比16.1%増)となり、セグメント利益は2,715百万円(同25.6%増)となりました。

 セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ5,195百万円増加の9,235百万円となりました。

(収集運搬事業)
 産業廃棄物においては、前期の大型工事案件の反動減もあり、受託量は減少しました。また、一般廃棄物においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、回復には至らず受託量は前期並みの推移となりました。以上の結果、売上高は700百万円(同7.4%減)となり、セグメント利益は115百万円(同29.3%減)となりました。

 セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ26百万円減少の119百万円となりました。

(仲介管理事業)
 前期の大型工事案件の反動減により、協力会社への仲介は低調に推移しました。以上の結果、売上高は136百万円(同19.3%減)となり、セグメント利益は173百万円(同2.8%減)となりました。

 セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ78百万円減少の287百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・

フローの状況」に記載のとおりであります。

b.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、事業活動のための適切な資金確保及び適切な流動性の維持を図るにあたり、営業活動で得られた資金により設備投資の資金をまかなうことを基本方針としております。

 当社グループは、手元流動性等の水準から、十分な流動性を確保していると考えておりますが、この資金を効率的な拡大再生産に振り向けていくことが経営課題であると認識しております。

 なお、当社グループは、現在取引している金融機関と良好な関係を築いております。

 今後の重要な資本的支出の予定につきましては、基本的に自己資金を財源とする予定でありますが、新規最終処分場の計画につきましては、大規模かつ稼働までに一定期間を要することから、金融機関からの借入金によって資金を調達する予定であります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。

当社グループでは、固定資産の減損会計及び繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りについて、将来経営計画を重要な仮定として用いるとともに、財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。なお、廃棄物処理業は、国民生活を維持し経済を支える必要不可欠な社会インフラであり、公衆衛生の観点や医療活動の円滑化のために、新型コロナウイルス感染症に係る感染性廃棄物等を適正に処理しつつ、それ以外の廃棄物の処理についても安定的に業務を継続することが求められています。また、当社グループは、多数の処理施設や許可を保有していることにより幅広い顧客基盤を築いていることから、新型コロナウイルス感染症の拡大が著しく進み、大多数の業種において廃棄物排出量が減少しない限り、業績に重要な影響を受けないとの見通しに基づき、会計上の見積りを行っております。

最終処分場維持管理引当金は、廃棄物最終処分場埋立終了後の維持管理費等の支出に備えるため、将来の発生見積額を基礎として当連結会計年度負担額を計上しております。なお、「廃棄物処理法」及びその関係法令等に改廃が行われた場合や、新たな法規制、条例等の制定による規制強化があった場合には、当該引当金の見積額に影響を及ぼす可能性があります。また、操業終了後の処分場は徹底した遵法体制の下に維持管理していく方針でありますが、万一天災地変や人的過失によって汚染物質が浸出する事態が発生した場合においては、当該引当金の見積額に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

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