課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、創業理念である「人を育て 人を活かす」に則り、果たすべき使命であるミッションを「働く機会と希望を創出する」とし、企業と人の成長を支援する人材ソリューションサービスで、働く人がやりがいを持ち、成長していける職場を作り上げていくとともに、社会変化や産業構造変化に対応できるサービスの提供を目指し、「高い成長力のある企業グループに変革する」ための取り組みを推進してまいります。

 

(2)経営戦略

 我が国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大により社会活動に大幅な制限がかかるなどの影響がありましたが、ワクチン接種者の増加等により経済活動には持ち直しの動きもみられました。また、内外経済においては、ウクライナ情勢の緊迫化による地政学的なリスクの高まりにより不透明さが増しております。

 このような経営環境にあるものの、当社グループは景気に左右されない高い成長力のある企業グループに変革すべく、以下の取組みを行ってまいります。

 

(総合人材サービス事業)

 総合人材サービス事業では、製造系人材サービスとして製造派遣・製造請負を、事務系人材サービスとして、一般事務派遣、BPO(Business Process Outsourcing:企業運営上の業務やビジネスプロセスを、専門企業に外部委託すること)を行っております。

 当事業の主力サービスである製造系人材サービスにおける製造派遣事業や製造請負事業などにおいては、プロモーションへの投資を高め、多くの人材を採用し、育成を行うことで付加価値を向上させ、重要顧客であるアカウント企業を始めとした顧客へのサービス提供体制を強化することで、収益性を高めてまいります。

 エンジニア事業の拡大に向けて、当社グループにおいては、既存教育ノウハウに加え、新たなデジタル技術の導入も行いながら、質の高いカリキュラムを多くの人材に提供し育成することで、事業の拡大を図ってまいります。

 また、第二の柱を構築すべく、新たな事業の創出にも取り組んでおります。当社グループでは、これまで求職者への就業先の提供や教育を通じたスキルアップを担うサービスの提供を行ってきましたが、就職活動中、転職、そして定年再雇用といったその他のライフステージにおいてもサービスを拡大してまいります。そのためにAIなどの新しいデジタル技術の導入や新たなパートナーシップ構築などを積極的に行うことで、当社グループとシナジーのある事業を創出してまいります。

 

(その他の事業)

 その他の事業では、介護・福祉事業を行っております。

 その他の事業においては、横浜市内6か所にある介護施設「すいとぴー」における提供サービスの質を高めることで、高い入居率の維持を図ってまいります。また、業務の効率化を推進するなど経営体質の改善の取り組みを継続することで、安定した収益基盤の構築を図ってまいります。

 

(サステナビリティへの取組み)

 当社グループは、「働く機会と希望を創出する」というミッションの実現に向けて、グループの原動力である「人」への投資を通じて社会や環境への貢献を図ることが重要であると認識しております。

 当社グループは、従業員がいきいきと働き続けられるように、人権を尊重した事業運営体制の構築、障がい者社員の雇用促進と活躍できる職場環境の構築、女性が活躍する職場の拡大を推進しており、2021年10月に「サステナビリティ方針」、「人財育成方針」を策定し、「日総グループCSR報告書2021」を通じて明文化しております。

 当社グループのビジョンの達成に向けたマテリアリティ(重要課題)を、「働きやすい職場づくり」、「社会変化や産業変化への対応」、「ガバナンスの強化」と定義しております。「働きやすい職場づくり」の実現に向けて、事業の特性に合わせ、働きがいのある職場とは何かを明確にし、その改善を行っております。「社会変化や産業変化への対応」の実現に向けて、景気変動に強い事業構造への変化を目指し、ダイバーシティやDXなどの激変する経営環境への投資を加速しております。また、「ガバナンスの強化」の実現に向けて、コンプライアンス経営を推進し、リスク管理体制の整備、株主・投資家との対話の充実に取り組んでおります。

 気候変動への取組みにおいては、TCFD等の枠組みである「ガバナンス」・「戦略」・「リスク管理」・「指標と目標」にもとづく情報開示の質と量の充実を図るべく、2016年6月に策定した環境方針に則り、企業の持続的な発展を目指す上での取り組みを進めております。

 「ガバナンス」については、当社の代表取締役社長を議長とした「企業価値向上委員会」に属する「サステナビリティ協議会」で、気候変動に関する課題の把握と解決に向けた対策の立案を行い、同委員会で協議ののち、当社の「取締役会」で承認しております。

 「戦略」については、事業への影響度を評価すべく、シナリオ分析を開始しております。気候変動による物理的リスクとして、取引先工場が大型台風や暴風雨などの異常気象が原因で工場停止になることで派遣・業務請負での勤務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、移行リスクとして、気候変動対応への機運の高まりによる新たな税制の導入などがあった場合に、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 「リスク管理」については、コンプライアンスやリスクの運用管理と連動する形で分析と評価を行い、企業価値向上委員会にて協議の上、取締役会で承認しております。

 「指標と目標」については、現状把握及び効果測定を行いながら、温室効果ガス排出量削減目標の検討を進めてまいります。

 なお、当社においては、取引先での影響を踏まえ2005年に取得したISO14001に則り、より一層の環境負荷を低減する目標を定めた活動を行っております。

 これらの活動における2021年3月期までの進捗状況については、CSR報告書2021をご参照ください。

 また、今後も気候変動に対する開示を充実すべく取り組みを継続してまいります。

  和文:https://www.nisso.co.jp/ir/esg/esg_13.html

  英文:https://www.nisso.co.jp/en/ir/esg/esg_13.html

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、変化を続ける顧客企業及び求職者のニーズに対応しながら、事業の拡大を図ってまいります。

当社グループでは、長期的に安定した事業基盤を構築するために、目標とする経営指標を「営業利益率」と「自己資本利益率(ROE)」としております。これは、付加価値の高いサービス提供と効率的な資本の運用を目指す上で、重要な経営指標であります。

 なお、当社グループの経営目標値及び進捗は以下の通りです。

(単位:百万円)

 

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

目標

実績

目標

見通し

目標

売上高

76,000

77,549

90,800

88,600

115,000

営業利益

3,000

2,087

4,000

2,700

6,700

(営業利益率)

3.9%

2.7%

4.4%

3.0%

5.8%

親会社株主に帰属する当期純利益

2,000

1,696

2,800

1,800

4,700

自己資本利益率

(ROE)

3か年平均 20%以上

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの総合人材サービス事業において、主力である製造系人材サービスにおける主要顧客である国内製造業において、新型コロナウイルス感染の再拡大や半導体不足から自動車関連の生産活動減少などに伴う製造スタッフの稼働減少が懸念されております。また、内外経済においては、ウクライナ情勢の緊迫化による地政学的なリスクの高まりにより不透明さが増しております。

 更に、技術進化への対応、サプライチェーンを含めたCSRへの対応など、ものづくりの環境変化に伴い、さらなる教育の充実や対応可能な業務領域の拡大など、人材サービスへの要求レベルの高まりが予想されます。

 その他の事業においては、少子高齢化を背景に介護サービスの需要が高まっておりますが、サービス付き高齢者向け住宅の増加や有料老人ホームの増加など、競合の増加がみられ、その結果、介護職員の不足や定着の悪化によるサービス品質の低下が予想されます。

 このような経営環境の中、当社グループの企業価値と企業の存在意義を継続的、持続的に高めていくためには、主に以下に示す課題があることを認識しております。

 

 なお、足元では新型コロナウイルス感染拡大の影響が続いており、当社グループにおける経営環境は感染状況に左右されるものと予想されます。当社グループでは、顧客及び従業員の安全を第一に、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた対策を強化し、事業活動を進めてまいります。

 

(総合人材サービス事業)

採用力の強化と人材確保

 国内の採用市場における生産年齢人口の減少とリスク収束後の生産活動の回復に向けた人材ニーズの高まりなどもあり、当社グループにおいても就業者の確保が課題であると認識しております。当社グループでは、この人材確保という課題に対し、テレビCMを含めたプロモーションへの投資を強化し、自社採用サイト「工場求人ナビ」をはじめとしたWeb媒体などを有効に活用した採用活動を行っております。

人材育成への取り組み

 製造領域における人材ニーズの高度化が進む中、就業者のスキルアップが課題であると認識しております。当社グループでは、就業者が製造業務からエンジニアなどの高度な業務に就くことを積極的に支援しており、デジタル技術の導入や全国8か所にある研修施設を積極活用した教育体制と就業者向けの教育プログラムを整備することで教育機会を増やし、個々のスキルアップ向上を図っております。

新たな事業の創出に向けた取り組み

 当社グループでは、製造系人材サービスが連結売上高の約9割を占めております。当該事業はお客様との継続的な取引関係をベースとしており、「安定性」と「依存度」の2つの側面を持ち合わせている事業であることから、顧客の生産動向に当社の業績が大きく左右されることが課題であると認識しております。この課題の解決に向けて、AIなどの新しいデジタル技術の導入や新たなパートナーシップ構築への投資を図ることで、新たなサービスの開発を進めてまいります。

収益性の向上

 当社グループが持続的に利益成長を続けていく上では、経営管理機能や事業運営基盤の強化に係るコストの増大が課題であると認識しております。この課題の解決に向けて、当社グループは、IT導入の加速化、キャリアパスの明確化、キャリアコンサル機能の拡充、教育・研修体制の整備、現場管理機能の強化に取り組み、生産性の向上に努めてまいります。

 

(その他の事業)

サービス品質の向上

 当社グループでは、お客様にさらに満足いただける介護サービスを提供するために、介護就業者の安定的な確保が課題であると認識しております。介護就業者への導入教育体制の整備と働きやすい職場環境づくりを推進することで、職員の定着向上を図り、質の高いサービスの提供を目指してまいります。

収益性の向上

 施設介護事業における入居者数の減少による施設稼働率の低下は介護事業の業績に大きく影響を及ぼすことが課題であると認識しております。当社グループでは、Webの活用や内覧会を通じて、入居をご検討されるご家族様との接触機会を増やしております。一人ひとりに寄り添ったサービスのご提案など、入居者様のご理解を深めることで、安定的に高い施設稼働率の実現を図ってまいります。また、業務の効率化を推進するなど経営体質の改善に取り組み、収益基盤の強化と収益性を高めた事業展開を目指してまいります。

 

 

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