課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、積極的な素材R&Dの推進と設計技術力の高度化を図り、業界トップクラスの高い技術力を維持・強化してまいります。また、品質を維持しつつも絶えず改善活動を行い、かつ、顧客ニーズに即時対応する体制を構築することで顧客満足度の向上を追求していきます。

 製造リードタイムの短縮や在庫効率化を図る観点から、また、各国固有のローカルリスクを低減する観点から合理的な生産移管を計画的に実行することでグローバル供給体制の最適化を推進します。

 これら事業を行うにあたり、以下の経営理念等に基づき、経営諸活動を遂行しております。

 

(経営理念)

 「みんなの努力で企業の繁栄と生活の向上を結びつけよう」

  当社グループは、社会にとって真に有用な存在でありたいと考えています。

 

(企業理念)

 「革新的なサーミスタで地球環境、快適な暮らしに貢献」

  当社グループは、革新的で高品質なサーミスタを通じて地球環境と人々の快適な暮らしに貢献し、世界中で信頼される企業を目指します。

 

(社是)

 「挑戦」

  当社グループは、お客様の課題と真摯に向き合い、市場のニーズに応えるために最先端の技術開発に"挑戦"し

 続けてきました。今後もサーミスタ温度センサにおけるベストソリューションを提供することで、お客様からの

 信頼を高めるとともに、社会の発展と地球環境保護に貢献し続けていきます。

 

(企業行動憲章)

1.法及びその精神の遵守

すべての企業活動において、法令、社会規範、社内規則の遵守を徹底し、違法行為や規則違反行為には厳

正な姿勢で臨みます。

2.公正で明るい職場作り

当社で働くすべての人々がチームワークに立脚しつつ、個人として社会的良識をもった行動を実践するこ

とを奨励し、公正で明るい職場を作ります。

3.社会と調和のとれた持続的な成長

お客様や社会に有用で高品質な製品を開発し提供することで、社会と調和のとれた持続的な成長を目指し

ます。

 

(2)経営戦略等

 中期的には、「事業3本柱」の強化を推し進めます。

 自動車部品事業においては、カーボンニュートラルやRoHS規制等を踏まえ、地球環境に対応した製品開発を重視します。特に電動車領域(二次電池、モーター、熱マネジメント等)の分野を強化し、同時に低コスト化にも取り組むことで市場シェアを拡大していきます。2019年度に二次電池用量産ラインが完成して稼働を始めており、今後は一層の拡販に注力してまいります。既存品(クーラント、カーエアコン等)については、高品質を強みとしつつ、価格競争力を一層向上させることで、更なるシェア拡大に努めてまいります。

 

 空調・カスタム部品事業では、原価低減を実現したVE品(ValueEngineering、製品の機能価値を低下させずにコストダウンを実現するための手法)の拡販を進めております。この競争力のある製品を武器に国内顧客のシェア拡大、及び、東南アジアを中心に新規案件を獲得してグローバルでのシェアの拡大を目指します。更に、近年は環境意識の高まりからヒートポンプの需要増加が顕著となっており、市場拡大の機会を逃さず受注獲得に努めてまいります。

 また、COVID-19の影響により、低迷が続いていたカスタム部品市場においては前連結会計年度の後半から回復基調に転じており、この好機を逃さずに顧客ニーズを的確に捉えてシェア拡大を目指します。

 

 エレメント部品事業においては、光通信用の新規取引先の開拓及び既存取引先における当社のシェアアップに注力した結果、売上が伸長しております。当連結会計年度においては従来の基地局用に加え、FTTx(個人宅用、ビル・集合住宅用等)の受注が増加しました。今後も市場拡大が見込まれることから、当該分野におけるシェア拡大に向けて取り組んでまいります。

 また、生産効率や物流コスト低減を総合的に加味した「グローバル生産体制」の再構築を進めております。

 

(3)目標とする経営指標等

 カーボンニュートラル等の環境対策及び5G普及などの社会インフラの変化に速やかに対応することで成長を実現し、同時に自動化・合理化の一層の強化により利益体質に変革することを目指しております。これらの成果を図る指標として「売上高営業利益率」が8%を上回ることを主要な経営指標として取り組んでおります。

 その他の経営指標としては、自己資本比率を重視しております。また、将来の事業計画の実現や環境変化への備えのための資金を確保しつつ、安定配当の継続に努めてまいります。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

①経営環境

 当連結会計年度の世界経済及び我が国経済は、COVID-19の影響から完全に抜け出すには至らないものの、ワクチン接種などの防疫対策や各国の政策対応により回復基調となりましたが、原材料価格の高騰、COVID-19の変異株の拡大、ウクライナ情勢の悪化など懸念要素が多数発生しました。このような状況下、当社グループの主要分野である自動車生産は、第2四半期連結会計期間以降から半導体や一部原材料の供給問題により主要顧客の稼働調整や減産による影響を受けました。一方で、家電分野においては国内のほか、ASEAN地区や欧州において需要回復が顕著となった結果、好調に推移いたしました。

 当連結会計年度の業績は、電動化領域など注力分野の伸長もあり全事業分野で前連結会計年度比で増収となりました。また、第2四半期連結会計期間以降の材料高騰のマイナス影響はあったものの、受注拡大により操業度が上昇したことから収益性も前連結会計年度比で向上いたしました。

 

②対処すべき課題

 当社グループは2022年3月期を始期、2024年3月期を終期とする中期事業計画(“挑戦2023”)を推進しております。今後さらに経営環境の厳しさが増すと予想される中、“挑戦2023”の下、経営体質及び競争力の強化を実現すべく、事業活動に取り組んでまいります。

 具体的な取り組み内容は以下のとおりです。

 

a. 事業の成長・拡大

・自動車部品事業:カーボンニュートラル社会の到来を見据えて電動化領域において、二次電池、ヒートポンプ、モーター用センサ分野を強化いたします。高品質かつ価格競争力のある製品の開発を推し進めるとともに、営業活動を強化いたします。

・空調・カスタム部品事業:主要取引先との良好な関係をさらに発展させるとともに、価格競争力を高めた空調用VE製品の拡販によりASEAN地区を中心にグローバルでのシェアアップを図ります。

・エレメント部品事業:有望な成長市場である光通信用サーミスタの開発及び拡販に注力し、当社シェアを確保しつつ、その向上に努めてまいります。

 

b. 競争力の向上

・製造現場における工程改善を積み重ねるとともに、品質向上とコスト低減を図るべく全工程を対象として合理化・自動化のための設備導入を進めてまいります。

・グループ全体の最適化の観点から、生産効率の向上、原材料・資材の安定調達、物流コストの低減を図ってまいります。

・生産性向上に向けたコスト管理を強化するため、受注・生産・販売等の活動を一元管理できるデジタル化投資を進めてまいります。また、同時に情報セキュリティの強化にも取り組んでまいります。

 

c. 組織・人材力の強化

・持続可能な組織体制の構築のため、人材確保と育成に努めてまいります。

 

COVID-19や地政学リスク(ウクライナ情勢)などの不確定要素が内在した経営環境下ではありますが、中期事業計画(“挑戦2023”)に掲げる方針に従って、ステークホルダーと良好な関係を構築しつつ、事業を推進し、安定した株主配当の継続を目指してまいります。

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