業績

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 経営成績の状況

当連結会計年度において、当社グループの売上高は、前年同期と比較して増加し、25,942百万円(前年同期比41.5%増)となりました。これは、主要国間の貿易摩擦の影響と思われる受託量の減少などがあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて減少していた車載向けロジック製品の受託量が回復し、好調を維持したこと、通信機器向けやディスプレイコントローラ等のロジック製品の受託量が増加したこと、これらの受託量の増加に伴う新規設備投資分が寄与したことなどによるものです。また、新型コロナウイルス感染症を契機とするPC等の電子機器の需要増によるものと見られるメモリ製品の受託量増加が、特に当連結会計年度前半にあったことや、2020年12月期第4四半期に当社親会社であるPowertech Technology Inc.からウエハテスト事業を譲り受けたことも、売上高の増加に寄与しました。

売上高の増加に伴い、利益も前年同期と比較して増加し、営業利益は4,161百万円(前年同期比870.1%増)、経常利益は4,086百万円(前年同期は161百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,793百万円(前年同期比651.7%増)となりました。

なお、当連結会計年度において、熊本県からの地方自治体助成金や固定資産売却益などによる特別利益412百万円、事業構造改善費用などによる特別損失102百万円、法人税等1,174百万円、過年度法人税等戻入額55百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1,484百万円を計上しております。

 

当社グループの当連結会計年度の売上高の製品別内訳は、以下のとおりです。

 (単位:百万円)

 

メモリ製品

ロジック製品

合計

当連結会計年度

5,344

20,597

25,942

(参考)前連結会計年度

3,847

14,492

18,339

 

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は62,961百万円となり、前連結会計年度末比8,220百万円の増加となりました。これは主に、売掛金が3,013百万円、未収入金が1,289百万円、有形形固定資産が3,239百万円それぞれ増加したことによるものです。

 負債は26,401百万円となり、前連結会計年度末比2,696百万円の増加となりました。これは主に、未払法人税等が776百万円、賞与引当金が642百万円増加したことによるものです。

 純資産は36,560百万円となり、前連結会計年度末比5,523百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,793百万円、また非支配株主持分が2,584百万円それぞれ増加したことによるものです。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当社グループの生産品はその大部分が入庫後すぐに顧客のもとへ出荷されているため、生産実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、生産実績の記載はしておりません。下記③販売実績をご参照ください。

 

② 受注実績

当社グループの取引形態においては、当月の受注のほとんどが、同月中に出荷完了しているため、受注実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、受注状況の記載はしておりません。下記③販売実績をご参照ください。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。

なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントの名称を半導体テスト事業として記載しております。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

半導体テスト事業

25,942,398

41.5

 

(注) 1.当連結会計年度において、前年同期と比較して、半導体テスト事業の販売実績が著しく増加しております。これは、主要国間の貿易摩擦の影響と思われる受託量の減少などがあったものの、車載向けや通信機器向け、ディスプレイコントローラ等のロジック製品の受託量が増加したこと、これらの受託量の増加に伴う新規設備投資分が寄与したことや、新型コロナウイルス感染症を契機とするPC等の電子機器の需要増によるものと見られるメモリ製品の受託量増加が、特に当連結会計年度前半にあったこと、2020年12月期第4四半期に当社親会社であるPowertech Technology Inc.からウエハテスト事業を譲り受けたこと、などによるものです。

 

2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

  なお、当該割合が100分の10未満の場合は記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ルネサス エレクトロニクス株式会社

5,037,460

27.5

7,747,430

29.9

Novatek Microelectronics Corporation

2,330,845

12.7

3,248,451

12.5

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況に関する分析

① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は10,124百万円となり、前連結会計年度末比117百万円の増加となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ 1,728百万円増加 し、 11,424百万円の純収入 となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上 4,397百万円 、減価償却費の計上 10,013百万円 、株式会社テラプローブ会津の事業終了決定等に伴う減損損失の計上 5百万円 等により資金が増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ 4,287百万円減少 し、 9,652百万円の純支出となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入2,300百万円に加え、不要設備売却の推進による有形固定資産の売却による収入199百万円により資金が増加した一方、定期預金の預入による支出が2,300百万円、TeraPower Technology Inc.等での有形固定資産の取得による支出9,834百万円により資金が減少したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ971百万円増加し、2,007百万円の純支出となりました。これは主に、既存借入金の借り換え及び返済として、借入金による収入が長短合わせて7,845百万円あったことにより資金が増加した一方、借入金の返済による支出が長短合わせて9,671百万円あったことにより資金が減少したことによるものです。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2017年
12月期

2018年
12月期

2019年

12月期

2020年

12月期

2021年

12月期

自己資本比率(%)

41.5

37.0

40.2

42.5

41.6

時価ベースの自己資本比率(%)

21.1

9.9

14.6

11.9

29.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.66

2.86

3.77

2.00

1.71

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

54.9

38.5

23.3

44.4

63.3

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

(注5)2017年6月29日開催の第12期定時株主総会決議により、決算期を3月31日から12月31日に変更しました。従って、2017年12月期は2017年4月1日から2017年12月31日の9ヶ月間となっております。

(注6)2017年12月期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2017年3月期の連結財務諸表について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映しております。

 

 

② 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、半導体のテスト受託を主な事業としており、この事業は受託量の増加や受託対象製品の増加に際して、使用する検査装置等の投資が先行し、数年にわたって回収していく構造となっております。従って、所要資金の調達については、長期借入金やファイナンス・リース等の長期安定的な調達方法を取ることに留意しております。この結果、キャッシュ・フローに関し、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては減価償却費が、投資活動によるキャッシュ・フローについては新規設備投資による支出が、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては長期借入金等の長期有利子負債の増減が、それぞれ主な構成要素及び変動要因となっております。

手許流動性、すなわち、現金及び現金同等物の水準については、業績の変動に対応するため、連結売上高の3ヶ月分以上の確保が望ましいと考えております。当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物の残高は10,124百万円であり、当連結会計年度売上高の約4.7ヶ月分を確保しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、従来、売上高営業利益率と自己資本利益率(ROE)が重要であると認識してまいりましたが、当社の事業基盤構築に一定の成果を出すことができたことから、今後については、上記の2指標に加えて、投下資本利益率(ROIC)にも留意していくべきものと考えております。

当連結会計年度においては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 ① 経営成績の状況」に記載のとおり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益で黒字を確保することができました。今後も継続して黒字を確保し、さらなる利益の拡大に努めてまいります。

なお、当連結会計年度における売上高営業利益率は16.0%、ROEは7.3%となりました。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの売上高は、半導体のテスト受託を中心としており、顧客の生産動向により経営成績が影響を受ける可能性があります。詳しくは「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

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