課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

足許の環境変化を踏まえた経営課題の認識と、今後の経営戦略の考え方は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1)経営環境

一昨年から続く新型コロナウイルスは、変異株による流行を繰り返し、サプライチェーンや販売が打撃を受けました。また、下期からは、材料費や物流高騰によるコストアップも顕在化してきました。更には、ロシアによるウクライナ軍事進攻を発端とする地政学的リスクの顕在化などもあり、当社グループを取り巻く経営環境は、一層不透明感を増し、日々変化いたしました。

2022年度は、現中期経営計画である「Small but Beautiful」の総仕上げでもあります。厳しくかつ不安定な経営環境が持続する事が予想されますが、常に課題を洗い出し、1つ1つ解決していくことで、2022年度の損益目標を達成し、次期中期経営計画に繋げていきたいと考えております。

 

 (2)経営方針、経営戦略及び対処すべき課題

 

これまで当社は、限られた開発資源で幅広い地域とセグメントをカバーしようとした結果、定期的な商品力強化が不足する、あるいは商品ライフが長期化するといった課題がありました。モデルの経年化が進む中、工場の稼働率を維持するために、価格訴求で販売台数を確保する傾向があったのではないかと考えております。今後は三菱自動車らしい価値を盛り込んだ魅力的な商品を投入した上で丁寧にライフサイクルをマネジメントし、お客様に当社の商品価値を十分にご理解頂き、価値に見合った価格で販売するという形に変えていく所存です。

 

  <電動化の加速とASEAN市場強化に向けた取り組み加速>

まず、2020~2022年度の現中期経営計画期間では、独自技術とアライアンス技術を融合することにより、環境対応車のラインアップ強化に取り組んできました。当連結会計年度までは特に、PHEVに注力し、『エクリプス クロス』PHEV、『アウトランダー』PHEVと順次投入してまいりました。脱炭素化、電動化への流れは加速されていきますが、当社グループは電動車の先駆者としてこの流れを捉え、環境への貢献をしっかりと行ってまいります。

2022年度は、中国において3月に投入を開始した新型『エアトレック』、日産との共同開発により、間もなく発売予定の軽乗用EV、この秋に販売を再開する予定の『ミニキャブ・ミーブ』と、3つのBEV(電気自動車)を投入し、これらをモデルラインアップに加えることで、さらに多くの電動車の選択肢をお客様に提供してまいります。

 

そして、2022年度以降は、ASEAN市場の強化サイクルに入ります。商品強化の第一弾として、当社グループのコアモデルである次期『トライトン』をASEAN新車攻勢の先陣を切るモデルとして投入すべく、万全の体制でその生産開始準備を進めてまいります。

また、商品のみでなく、2022年度を新車攻勢に向けた販売強化の重要な一年と位置づけ、これに向けた施策を確実に実行してまいります。

 

  <三菱自動車らしさを訴求する取り組み>

当社グループは昨年、「三菱自動車らしさ」を「環境×安全・安心・快適」と再定義いたしました。お客様に「三菱自動車らしさ」の価値を十分ご理解頂けるような商品の投入やプロモーション活動も重要な施策であると考えております。

昨年12月16日より、国内向けに販売を開始した新型『アウトランダー』PHEVの反響は、当社グループの予想をはるかに超えたものとなり、2021年度の国内におけるプラグインハイブリッドEV販売において第一位を獲得いたしました。また、日本カーオブザイヤーの「テクノロジーカーオブザイヤー」や、「iFデザインアワード2022」の受賞、自動車アセスメント(JNCAP)「自動車安全性能2021」において最高評価となる「ファイブスター賞」を受賞など、デザイン・装備に高い評価を得ております。米国から発売を開始した、新型『アウトランダー』、そして日本を皮切りに発売したそのPHEVモデルは、今後更にグローバルに販売を拡大し、当社グループの価値をより広くお客様にご理解頂けるよう展開してまいります。

 

次に、軽EV等の電動車の商品群を広めることにより、環境面での「三菱自動車らしさ」についてもより広くお客様にご理解を頂けるよう展開してまいります。今年秋に販売の再開を予定しているミニキャブ・ミーブは既に多くの企業との試験導入や実証実験を進めておりますが、まだまだ新たな多くの企業様より、導入の検討や、協業の模索などのお申し出を頂戴しており、世間の関心が非常に高いと感じております。お客様への新たな価値の提供として、バリューチェーン全体でのサービス提供も模索してまいります。

また、昨年復活を宣言した「ラリーアート」は世界ラリー選手権やパリダカールラリーという厳しいフィールドで、その走りや技術を鍛えてきた当社グループのヘリテージブランドです。このヘリテージを大切にしながら、「三菱自動車らしさ」と「モノづくりスピリッツ」を最高峰の技術をもってリードしていくブランドとして更に進化させていきます。具体的には、「チーム三菱ラリーアート」によるアジアクロスカントリー参戦や、専用アクセサリー、特別仕様車の販売に続き更に活動を進化させブランドを磨き上げていきます。

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得