事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 当グループにおいては取締役、執行役員等で構成されるリスク管理委員会が多方面におけるリスク発生原因を把握、分析しリスクの顕在化を回避するとともに、リスク顕在化の際の損失を最小限に抑える取り組みを実施してまいりました。2022年4月には地球、社会の持続可能性の観点からリスクをとらえなおし、リスク管理委員会をサステナビリティ委員会に改め、リスク管理にとどまらずサステナビリティを推進する体制としております。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当グループが判断したものであり、将来発生しうる全てのリスクを必ずしも網羅したものではありません。

 

① 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大よる影響は最悪期を過ぎたとみられるものの、依然として感染症の収束は見通せず、「withコロナ」を前提とした事業の推進が求められています。新型コロナウイルスの感染拡大によるステークホルダーへの影響は取締役会、執行役員会で報告され、必要に応じて当グループの活動、組織を見直しております。「今必要な施策」と「将来を見据えて今やるべきこと」を整理し取り組むことで、当連結会計年度においては影響を最小限に抑えられたと考えております。「今必要な施策」として、グループを挙げて感染予防と感染拡大防止の対策を徹底しております。また、財務においては資金の確保に努めております。「将来を見据えて今やるべきこと」として、情報技術の導入と制度の変更により在宅勤務をはじめとする新しい働き方の定着を進めております。

 

② 地政学リスクとそれに伴うエネルギー価格の変動リスク

  ロシアによるウクライナ侵攻の後、欧州を中心に地政学リスクが高まっているとの観測があります。また、欧米諸国や日本がロシアに経済制裁を加えたことでロシア産の石油やガスの輸出が減少し、世界で化石燃料の価格が上昇しています。化石燃料の価格上昇により再生可能エネルギーの普及がさらに進むとの見方もある一方、ロシア産ガスへの依存度を引き下げるため、欧州の一部では石炭火力発電所や原子力発電所の運用を見直す動きが活発化しています。ロシアによるウクライナ侵攻は、各国のエネルギー政策を複雑化させており、侵攻以前に主流となっていた議論が実行に移るかが不透明になっています。当社はこうした短期的、長期的な経営環境の変化に対し素早く対応できるようリスクを想定し、複数の調達先を確保するなどして生産の安定化に努めております。

 

③ 地球環境に関するリスク

 地球環境に関する議論が世界的に進展し、自動車の排ガス規制、工場の汚染物質排出基準など環境に係る規制が変化し、当グループの開発、生産活動が影響を受ける可能性があります。

 同時に気候変動問題の解決は地球規模の課題であり、「私たちは地球的視野にたち、人と技術を活かし豊かな社会づくりに貢献します」との理念を掲げる当グループにとっては真摯に取り組むべき課題であると認識し、2050年カーボンニュートラルを目指すことを取締役会で決議しました。2030年までにScope1とScope2の温室効果ガスを2016年比で50%削減する計画を立て実行するとともに、Scope3の温室効果ガスの排出量削減に向けては、販売した製品による温室効果ガスの排出量を削減するため、高効率でクリーンな最終製品への搭載を増やすことを目指し、販売、開発体制を強化しています。

 

④ 競合・需要変動等に関するリスク

 当グループの事業は、国内外の景気動向によって影響を受けるほか、サプライチェーンにおいては他の部品メーカーや納入先メーカーの生産状況によっても影響を受けます。また、主力である自動車関連品事業においては、長期的に自動車の電動化や自動運転の実証研究が進むことが想定され、他産業の企業が自動車産業に進出する機会が増えています。これにより、当社の事業環境が長期的に変化する可能性があります。新型コロナウイルスの感染拡大により最終需要が影響を受けたほか、半導体などの部品不足が長期化しサプライチェーン全体で生産が制約を受けています。これらのリスクに対応するため、当グループは長期の技術動向を慎重に見極めるとともに、開発期間の短縮を図り市場の変化に対応してまいります。組織においては、営業と開発、生産と購買の機能を一体化し運営することで、自動車関連品事業全体の効率を向上してまいります。

 

 

 

⑤ 為替・金利などの金融市場変動によるリスク

 当グループは日本の他に北米、欧州、アジアにおいても事業を展開しており、為替変動が当グループの財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、各国の金融政策が日本及び各現地法人の金融収支等に影響を与えるほか、証券市場の変動が当グループの財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。当グループは、取引における為替リスクを軽減するため、仕入と販売における通貨のマッチング、為替先物予約等によるヘッジなどを実施しております。

 

⑥ 製品の品質に関するリスク

 当グループは品質を最優先にして製品を設計、生産、販売しておりますが、予期せぬ原因により製品に欠陥が生じるリスクがあります。加えて、品質に対する信頼性の低下は、当社製品の需要を減退させる要因ともなり得るため、品質に関するリスクが当グループに及ぼす影響は非常に大きいと認識しております。品質に関するリスクに対応するため、当グループは常日頃から製品の品質に対する意識を高めるとともに、仕入から、生産、物流、販売までを一貫して見通せる仕組みを取り入れ、製品の品質確保に努めております。

 

⑦ 大規模災害に関するリスク

 当グループの国内拠点の多くが東海地震及び都市直下型地震の対象地域に所在しております。加えて、あらゆるものがネットにつながる「IoT」の実用化を進める半面で、サイバー攻撃による影響も憂慮されます。当グループは大規模地震、サイバーテロの発生による被害を最小限に抑え、事業継続を図るべく、危機管理に関する規程類や体制を整備するほか、サステナビリティ委員会(旧、リスク管理委員会)及び災害対策小委員会において具体的諸施策を検討し、実行しております。地震等の自然災害に対しては、データセンター棟や生産棟の一部に免震装置を備えるなど、建屋の耐震性強化を図っております。加えて、従業員、お取引先向けの安否確認システムを導入したほか、防災・災害復旧マニュアルを整備し、防災訓練を実施、事前対策に取り組んでおります。

 

⑧ グローバルな事業展開に関するリスク

 当グループの拠点が所在する国や地域においては、次のような様々なリスクが考えられます。それぞれのリスクには適宜対応しておりますが、これらの事象が発生した場合は、当グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・新たな感染症の拡大

・法律・規制・税制等の急激な変更

・貿易大国間の通商摩擦

・労働環境の違いによる争議等の発生

・サイバーテロを含むテロ攻撃、戦争、財政破綻などのリスク

・コピー製品等の当グループが保有する知的財産権への侵害

・独禁法などに問われる訴訟リスク

 

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