業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態経営成績及びキャッシュ・フロー(以下経営成績等という)の状況の概要は次のとおりであります

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、ワクチン接種の普及に伴い、経済活動には回復の兆しが見られるものの、2022年1月にはオミクロン変異株により感染が再拡大したほか、緊迫するウクライナ情勢や世界的なインフレの進行に伴う原材料価格の高騰などにより、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループにおきましては、繰り返される緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響により、特に都市部を中心に、当社グループが多く出店する大学やオフィス、ホテル、病院などの施設内立地の店舗において、店舗の臨時休業や来店客数の減少による売上の低迷が続きました。

このような状況の中、当社グループは、2020年9月に発表した「ローソン・ポプラ」「ローソン」ブランド店舗への転換事業を2021年6月までに予定どおり完了させるとともに、2020年7月に公表した中期事業計画(2022~2024)に基づき、「Withコロナ」「Afterコロナ」の新しい生活様式を見据えた戦略転換を加速させ、早期黒字化に向けた収益体制の確立に取り組んでおります。

 

セグメントごとの活動状況は以下のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分をコンビニエンスストア事業の単一セグメントから、スマートストア事業、ローソン・ポプラ事業の2区分へ変更しております。

 

<スマートストア事業>

 当社所有ブランド店舗「ポプラ」「生活彩家」等を運営する既存事業については、当該事業の大部分を占める施設内店舗に最適な運営体制の構築に努めました。

営業部門については、店舗巡回方法の見直しや加盟店とのコミュニケーションツールの電子化等による店舗運営コストの低減を進めるとともに、巣ごもり需要を取り込むための施策として宅配サービスの導入や出店フォーマットの多様化による売上拡大に取り組みました。また、不採算直営店を大幅に削減したことにより部門収益は大きく改善いたしました。

商品部門については、施設内店舗に適したバイイングに特化することで品揃えの充実と部門業務の効率化に努めたほか、外販事業の立ち上げに向けた新規商材として、チルド弁当や日替わり弁当の開発に力を入れました。

製造・卸部門については、工場・センターの集約・合理化による稼働率の引き上げと配送ルートの機動的な組み換えによる物流コストの低減、「ポプラ」及び「ローソン・ポプラ」両ブランド店舗に向けた当社主力商品「ポプ弁」の販売強化の取り組みなどにより収益改善を進めました。

出店については、コロナ禍においても利便性は充実させたいという施設側のニーズは強く、施設内店舗を中心に24店舗を出店いたしました。一方、「ローソン・ポプラ」へのブランド転換店舗68店舗や北陸・中部エリア撤退に伴う閉店21店舗のほか、不採算直営店の整理など合計139店舗を閉店した結果、期末店舗数は253店舗(前連結会計年度末比115店舗減)となりました。

その結果、スマートストア事業の営業総収入は5,263百万円となりました。また、特に第1四半期連結累計期間を中心に、ブランド転換や業務改革に掛かる費用が先行したため、営業損失は919百万円となりました。

 

<ローソン・ポプラ事業>

「ローソン・ポプラ」「ローソン」ブランド店舗を運営する新たな事業は、2021年3月から開始し、「ポプラ」または「生活彩家」店舗からのブランド転換により6月までに109店舗の営業をスタートさせ、期中に新たに2店舗を新規オープンさせたことから期末店舗数は111店舗となりました。

売上高については、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、計画値に届かなかったものの、ポプラの従来の客層に加えてローソンの品揃えやサービスを取り込むことで新たな顧客ニーズにも応えることができるようになったことで、従前店舗の売上水準を大きく上回り、全店売上高は17,205百万円、営業総収入は7,234百万円となりました。

また、利益面については、「お客様目線」の接客や品揃えに力を入れるとともに、人件費や商品廃棄のコントロールを強化し、「店利益」にこだわった運営を徹底することで早期の事業黒字化を目指しましたが、第1四半期連結累計期間を中心にブランド転換や再オープンに掛かる投資が先行したため、営業損失は234百万円となりました。

 これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、営業総収入13,629百万円(前連結会計年度比29.2%減)、営業損失1,099百万円(前連結会計年度実績:営業損失1,125百万円)、経常損失1,007百万円(同:経常損失1,012百万円)となりました。
 また、「ローソン・ポプラ」「ローソン」ブランド店舗への転換に伴い株式会社ローソンから交付された「メガフランチャイズ契約金」のほか、「投資有価証券売却益」などを特別利益に計上した一方で、希望退職者募集等に伴い発生した「事業構造改善費用」、「店舗閉鎖損失」などを特別損失に計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純損失518百万円(同:親会社株主に帰属する当期純損失1,318百万円)となりました。

 

② 財政状態の状況

資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。

(流動資産)

前連結会計年度に比較し当連結会計年度の流動資産は2,099百万円減少し1,803百万円(前連結会計年度比53.8%減)となりました。これは、主に現金及び預金が1,741百万円減少したことによるものであります。

(固定資産)

前連結会計年度に比較し当連結会計年度の固定資産は1,441百万円減少し2,375百万円(前連結会計年度比37.8%減)となりました。これは、主に有形固定資産が282百万円減少したこと及び投資その他の資産が1,140百万円減少したことによるものであります。

(流動負債)

前連結会計年度に比較し当連結会計年度の流動負債は1,754百万円減少し2,167百万円(前連結会計年度比44.7%減)となりました。これは、主に前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、前期分の仕入債務の支払いが当期となること等により1,190百万円減少したこと、預り金が372百万円減少したことによるものであります。

(固定負債)

前連結会計年度に比較し当連結会計年度の固定負債は1,072百万円減少し2,441百万円(前連結会計年度比30.5%減)となりました。これは、主に長期借入金が200百万円減少したこと、長期預り金が329百万円減少したこと及び返済によりリース債務が199百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

前連結会計年度に比較し当連結会計年度の純資産は714百万円減少し△429百万円(前連結会計年度は285百万円)となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純損失が518百万円であったことと、その他有価証券評価差額金が178百万円減少したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により2,432百万円の減少、投資活動において872百万円の増加、財務活動において182百万円の減少があった結果、当連結会計年度に1,741百万円減少し、当連結会計年度末には802百万円(前連結会計年度末比68.5%減)となりました。

 

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、減少した資金は2,432百万円(前年同期は1,695百万円の減少)となりました。これは主に前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、前期分の仕入債務の支払いが当期となること等により仕入債務が1,042百万円減少したこと、同様に未払金が324百万円減少したこと、預り金が371百万円減少したこと及び税金等調整前当期純損失が501百万円であったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、増加した資金は872百万円(前年同期は457百万円の減少)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が230百万円、敷金及び保証金の回収による収入が812百万円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は182百万円(前年同期は677百万円の増加)となりました。これは主に短期借入金の純増額が250百万円あったこと及び、リース債務の返済による支出が176百万円、設備関係割賦債務の返済による支出が98百万円あったことによるものであります。

 

 

④販売の実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

金額(千円)

前年同期比(%)

スマートストア事業

5,224,597

29.7

ローソン・ポプラ事業

7,234,925

報告セグメント計

12,459,522

70.9

その他の事業

1,170,002

69.7

合計

13,629,524

70.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、事業再編に伴いスマートストア事業からローソン・ポプラ事業へ店舗転換した結果、当社商品センターからFCオーナーへの販売額が減少したことによるものであります。

3.前連結会計年度において、ローソン・ポプラ事業の区分に該当する販売額はありませんでした。

4.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありますなお文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度は中期事業計画(2022~2024)の初年度であり、事業再編のスタートの年でもありました。コロナ禍の影響は想定よりも続き、売上高においては苦戦を強いられることとなりましたが事業再編のコスト並びに運営にかかるコストを抑制できたことまた期の中盤以降は新たな事業であるローソン・ポプラ事業の店舗オペレーションの構築が徹底され想定よりも早期に軌道に乗せることができました

一方で限定商圏であるホテルや病院学校内が主な出店先であるスマートストア事業はコロナ禍の影響が大きく新規出店も抑制されることになりましたしかしながら期の終盤はWithコロナの中で売上高の回復基調も見えまた無人コンビニスタイルであるスマートセルフ店舗の確立・出店や自社工場で製造したお弁当などの外販も実稼働させることができました

当連結会計年度は事業再編の中で計画値ではあったものの当社グループの目標である経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益の黒字化及び安定的な利益計上とはなりませんでしたが、当初計画値を上回る結果を残し、次期以降の布石を打つことが出来たと考えております。次期以降は既存売上高の回復と並行して新たな売上高を積み上げることを課題として事業を進めてまいります

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります

当社グループの主な資金需要は、店舗設備、自社工場の機械装置及びシステム開発・更新等の設備投資資金と、チェーン本部及び直営店の運営資金であります。設備投資資金は主に自己資金またはリース契約にて、運営資金につきましては自己資金もしくは金融機関からの借入金にて調達することとしております。

資金の流動性については、年度の資金繰り予測表を作成し、事業計画及び実績と照らし合わせながら月次単位で補正をかけて、突発的な資金不足が起こらないよう注視しております。また、予測に沿ってコミットメントライン契約や当座貸越契約の利用や、長期借入を実施して流動性を確保しております。

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りであるが故の不確実性により、実際の結果は見積りと異なる場合があります。

特に、固定資産の減損の判定にあたっては、資産のグルーピングを行い、収益性、用途変更、除売却の意思決定の有無等により兆候判定を実施しています。また、減損損失の認識においては、割引前将来キャッシュ・フローを直近の実績や事業計画に基づき合理的に見積もるほか、不動産等の時価のある資産については、適正な正味売却価額を用いて、固定資産の帳簿価額の回収可能性の可否について判定を行っています。しかしながら、割引前将来キャッシュ・フローの見積りについては、事業計画の実現可能性に不確実性を伴うため、当社グループの業績を変動させる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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