業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社企業グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年1月1日~2021年12月31日)における当社企業グループの事業については、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした緊急事態宣言が度重なり発令され、各種イベントや催事などが延期または中止されたことや、商業施設・娯楽施設等の一部制限や休業などにより、販促ツール制作の受注が減少いたしました。一方で、東京オリンピック・パラリンピックが開催され関連施設での掲示物等の需要に対応するとともに、コロナ禍での社会生活に則したサービス消費への対応を目的とした販売促進ツールの需要拡大、その制作に向けた企画提案などに積極的に取り組んでまいりました。また、緊急事態宣言の解除後に再開された各種イベントや催事などに向け感染防止を目的としたアクリル板やソーシャルディスタンスを守るための床面シールを含めたツールなどの需要増加に対応するとともに、アプリケーション・web、バーチャル展示会など、上期に東京都港区芝に開設したXRスタジオの利用や、先行的に開発を進めていたメタバース(仮想空間)を含めたデジタルツールの活用提案を積極的に進めてまいりました。

 当社企業グループは、クリエイティブサービスを事業とし、お客様が創造性(クリエイティブ)を表現するために必要である多様なソリューションを提供するため、「クリエイティブをサポートする企業集団」として、幅広いビジネスを積極的に展開、推進しております。クリエイティブサービスを主な事業とするグループ各社が、専門とする付加価値の高い技術及びノウハウ、最新の生産・製造設備の導入、また、M&A等により、常に商材またはサービスを積極的に増強し、ワンストップで多様なクリエイティブニーズを確かなカタチとしてご提供できるよう努めております。

 また、事業環境の変化や今後の事業戦略に基づき将来の成長分野に事業資産を集中させるため、人員配置を含めた企業間の固定費の見直しを積極的に行いました。

 その結果、当連結会計年度の業績は、売上高546億20百万円(前連結会計年度比6.6%増)、営業利益17億45百万円(前連結会計年度は営業損失4億67百万円)、また、新型コロナウイルス感染症に関する助成金収入を含め、経常利益24億20百万円(前連結会計年度比242.4%増)となりました。経常利益に減価償却費、のれんの償却額及び金融費用を加えたEBITDAは45億50百万円(前連結会計年度比58.1%増)となりました。なお、投資有価証券売却益1億68百万円、負ののれん発生益79百万円等により特別利益2億87百万円を計上し、投資有価証券評価損3億49百万円、一部連結子会社の事業資産にかかる減損損失1億53百万円等により特別損失8億1百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は9億51百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益17百万円)となりました。

 当連結会計年度末における財政状態につきましては、以下のとおりであります。

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、主に、短期借入金の返済による現金及び預金、短期貸付金の減少がありましたが、土地、建設仮勘定、投資有価証券及び長期貸付金の増加により、前連結会計年度末に比べて46億29百万円増加し、665億95百万円となりました。

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、主に、短期借入金の減少がありましたが、未払法人税等及び長期借入金の増加により、前連結会計年度末に比べて48億29百万円増加し、542億51百万円となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上がありましたが、支払配当金による減少、自己株式の取得により、前連結会計年度末に比べて2億円減少し、123億43百万円となりました。

 

 なお、当社企業グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて22億57百万円減少し、122億17百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は46億74百万円(前年同期比15億87百万円増)となりました。これは主に、法人税等の支払額5億30百万円による資金の減少がありましたが、税金等調整前当期純利益19億6百万円、減価償却費16億38百万円、仕入債務の増加額2億48百万円により資金が増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は84億20百万円(前年同期比51億47百万円増)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入4億52百万円、投資有価証券の売却による収入1億36百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入4億79百万円、貸付金の回収による収入18億47百万円がありましたが、有形固定資産の取得による支出36億25百万円、投資有価証券の取得による支出11億54百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出6億82百万円、貸付けによる支出58億19百万円により資金の減少があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は14億89百万円(前年同期比60億50百万円減)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額40億円、長期借入金の返済による支出18億50百万円、自己株式の取得による支出7億56百万円、配当金の支払額5億19百万円により資金の減少がありましたが、長期借入れによる収入90億円があったことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社企業グループは、クリエイティブサービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

クリエイティブサービス事業

54,637

106.6

(注)金額は販売価額によっており、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当社企業グループは、クリエイティブサービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

クリエイティブサービス事業

55,409

107.5

4,155

123.4

(注)金額は販売価額によっており、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当社企業グループは、クリエイティブサービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

クリエイティブサービス事業

54,620

106.6

(注)1 金額は販売価額によっており、消費税等は含まれておりません。

2 総販売実績の10%以上を占める販売顧客に該当するものはありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社企業グループの当連結会計年度末における財政状態は、総資産665億95百万円(前連結会計年度末比7.5%増)、負債542億51百万円(前連結会計年度末比9.8%増)、純資産123億43百万円(前連結会計年度末比1.6%減)となりました。また、自己資本比率につきましては、前連結会計年度に比して1.7ポイント悪化し16.4%となりました。総資産、負債及び純資産の概況及び詳細につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 当連結会計年度の経営成績につきましては次のとおりであります。

(売上高)

 売上高は、546億20百万円(前連結会計年度512億48百万円)となりました。売上高の概況及び詳細については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

 売上原価は395億76百万円(前連結会計年度381億21百万円)となりました。その結果、売上総利益は、150億44百万円(前連結会計年度131億27百万円)、売上総利益率が27.54%(前連結会計年度25.61%)となりました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度における事業拠点の集約・再配置により費用が減少となり、132億99百万円(前連結会計年度135億94百万円)となりました。

 以上の結果、営業利益は17億45百万円(前連結会計年度は営業損失4億67百万円)となりました。

(営業外損益)

 営業外収益は、匿名組合投資利益は増加しましたが、助成金収入が減少したため、13億55百万円(前連結会計年度14億82百万円)、営業外費用は、持分法による投資損失は減少しましたが、支払手数料1億24百万円、貸倒引当金繰入額2億86百万円等を計上したため、6億80百万円(前連結会計年度3億7百万円)となりました。

 以上の結果、経常利益は24億20百万円(前連結会計年度7億7百万円)となりました。

(特別損益)

 特別利益は、固定資産売却益26百万円、投資有価証券売却益1億68百万円、負ののれん発生益79百万円等を計上した結果、2億87百万円(前連結会計年度2億46百万円)となりました。特別損失は、固定資産売却損、減損損失は減少しましたが、投資有価証券評価損3億49百万円、段階取得に係る差損35百万円、役員退職慰労金1億26百万円等を計上したため、8億1百万円(前連結会計年度4億72百万円)となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は9億51百万円(前連結会計年度17百万円)となりました。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

 当社企業グループの経営成績に重要な影響を与える要因につましては「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載しておりますのでご参照ください。

 

③ 経営方針・経営戦略の現状と見通し

 当社企業グループの経営方針・経営戦略の現状と見通しにつきましては「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますのでご参照ください。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社企業グループは「クリエイティブをサポートする企業集団」として、クリエイティブサービス事業を軸にビジネス展開を推進することで、お客さまにとって必要不可欠な企業集団として企業価値の向上を図るべく日々努めております。その実現のため、当社企業グループの中期経営計画において、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を重要な指標としております。加えてEBITDA、自己資本比率、キャッシュ・フローを重視した経営により、企業の経営基盤を強化し、安定的な成長を図っていく所存であります。

 当連結会計年度における営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益及びEBITDAの分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」を、キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」を、自己資本比率の分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析」をご参照ください。

 

⑤ キャッシュ・フローの状況、資本の財源及び資金の流動性についての分析

a.キャッシュ・フロー

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

b.資本の財源及び資金の流動性

 当社企業グループの運転資金、設備投資等の所要資金につきましては、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、原則自己資金及び借入金で賄うこととしております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を、設備投資等や長期運転資金の調達は金融機関からの長期借入を基本としており、必要に応じて資金調達を実施いたします。また、当社企業グループとしての資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。

 資金の流動性につきましては、安定的な営業キャッシュ・フロー及び自己資金に加え、金融機関からの借入等により十分な手元流動性を確保しております。

 

⑥ 重要な会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。

 連結財務諸表の作成にあたりまして、経営者の判断により一定の会計基準の範囲内で会計上の見積りを行う必要があり、会計上の見積りの金額が資産・負債、収益・費用の数値に反映されております。連結会計年度末における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、退職給付引当金、資産除去債務、繰延税金資産及び時価のない投資有価証券、固定資産の減損、のれんの評価であり、これらの見積り及びその基礎となる仮定は、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っております。

 連結財務諸表の作成にあたって、必要な会計上の見積りは合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響の仮定の判断につきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」をご参照ください。

 

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