業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 ① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響や半導体をはじめとする部品不足の問題に加えて、4月からは中国上海でのロックダウンの影響により、社会・経済活動が制限され厳しい状況となりました。加えて、ロシアのウクライナ侵攻による世界経済への影響や資源の高騰により、先行きは依然不透明な状況が続いております。

 この様な状況のもと、当社グループにおきましても、前連結会計年度に引き続き、付加価値の高い製品の受注と生産体制の整備を強化し、原価低減活動を積極的に進めてまいりました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は円安効果もあり65,661百万円(前期比19.1%増)となり、利益面におきましては、営業利益は2,543百万円(前期比5.5%増)、経常利益は2,416百万円(前期比23.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,811百万円(前期比39.1%増)となりました。

 

 当社グループの事業部門別売上高

事業部門別

2021年5月期

2022年5月期

増  減

 

構成比

 

構成比

 

増減率

 

百万円

百万円

百万円

 情報・通信機器

   5,961

 10.8

   6,755

 10.3

   793

  13.3

 車両

  33,414

 60.6

  38,794

 59.1

 5,380

 16.1

 家電その他

   4,355

  7.9

   6,327

  9.6

 1,971

45.3

成形品計

  43,731

 79.3

  51,876

 79.0

 8,145

 18.6

金型

  11,413

 20.7

  13,784

 21.0

 2,371

20.8

合計

  55,145

100.0

  65,661

100.0

10,516

19.1

 

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

a. 日本

 金型は増収となりましたが、半導体不足による自動車メーカー等の減産による影響により車両用内外装部品が減収となり、売上高は23,120百万円(前期比1.0%減)、セグメント利益は1,750百万円(前期比15.1%増)となりました。

b. 欧州

 金型は増収となりましたが、車両用内外装部品の減収もあり、売上高は6,585百万円(前期比3.1%増)、セグメント利益は69百万円(前期比88.1%減)となりました。

c. アジア

 車両用内外装部品、家電部品及び金型の増収により、売上高は26,550百万円(前期比43.4%増)となり、セグメント利益は1,046百万円(前期比59.7%増)となりました。

d. 北米

 車両用内外装部品及び金型の増収により、売上高は9,405百万円(前期比36.4%増)となり、セグメント利益は493百万円(前期比67.2%増)となりました。

 

 当連結会計年度末の資産合計は、58,409百万円(前期末比1,776百万円増)となりました。これは、受取手形が349百万円、売掛金が506百万円、有形固定資産が1,442百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 当連結会計年度末の負債合計は、35,158百万円(前期末比825百万円減)となりました。これは、支払手形及び買掛金が435百万円、長期借入金が347百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 当連結会計年度末の純資産合計は、23,251百万円(前期末比2,601百万円増)となりました。これは、利益剰余金が1,385百万円及び為替換算調整勘定が1,090百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は6,822百万円となり、前連結会計年度末より1,256百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は3,011百万円(前期比14.7%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,537百万円及び減価償却費3,162百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は2,352百万円(前期比29.5%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2,995百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は2,360百万円(前期は使用した資金102百万円)となりました。これは主に長期借入金の借入による収入額1,759百万円、長期借入金の返済による支出2,248百万円及びリース債務の返済による支出1,659百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

27,440

100.9

欧州

6,348

101.9

アジア

25,745

147.3

北米

9,593

137.2

合計

69,128

119.4

(注)1.金額は、販売価格によっております。

      2.セグメント間の取引については、相殺消去前の数値によっております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

日本

22,471

89.8

6,449

95.6

欧州

6,423

93.1

1,680

139.8

アジア

26,630

146.1

2,969

163.5

北米

9,456

126.9

1,143

110.6

合計

64,981

112.8

12,243

113.4

   (注)1.金額は、販売価格によっております。

      2.セグメント間の取引については、相殺消去前の数値によっております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

23,120

99.0

欧州

6,585

103.1

アジア

26,550

143.4

北米

9,405

136.4

合計

65,661

119.1

   (注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

イ.売上高

 当連結会計年度の売上高は、前期比19.1%増の65,661百万円となりました。アジア及び北米では、主要顧客である自動車メーカーの生産が回復基調となり、成形品は前期比18.6%増の51,876百万円となりました。金型では、欧州及び北米での増収により前期比20.8%増の13,784百万円となりました。

ロ.営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、前期比5.5%増の2,543百万円となりました。これは、車両部品及び家電部品の成形品が増収となったことや金型の増収もあり、増益となりました。

ハ.経常利益

 営業利益の計上をうけて、営業外収益365百万円(受取利息及び受取配当金12百万円、為替差益93百万円含む)を計上、営業外費用493百万円(支払利息361百万円含む)を計上したことにより、経常利益は、前期比23.8%増の2,416百万円となりました。

ニ.親会社株主に帰属する当期純利益

 経常利益の計上をうけて、税金等調整前当期純利益は、前期比27.7%増の2,537百万円となり、税金費用684百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比39.1%増の1,811百万円となりました。

 

b.財政状態の分析

 当連結会計年度末の資産合計は、58,409百万円(前期末比1,776百万円増)となりました。これは、受取手形が349百万円、売掛金が506百万円、有形固定資産が1,442百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 当連結会計年度末の負債合計は、35,158百万円(前期末比825百万円減)となりました。これは、支払手形及び買掛金が435百万円、長期借入金が347百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 当連結会計年度末の純資産合計は、23,251百万円(前期末比2,601百万円増)となりました。これは、利益剰余金が1,385百万円及び為替換算調整勘定が1,090百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

(キャッシュ・フローの指標)

 

前連結会計年度

(2021年5月期)

当連結会計年度

(2022年5月期)

自己資本比率(%)

35.8

39.1

時価ベースの自己資本比率(%)

22.2

17.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

5.7

6.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

9.4

7.8

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

また、(連結貸借対照表関係)及び(貸借対照表関係)に記載のとおり、コミットメントライン契約を締結しております。(当連結会計年度末融資枠設定金額8,000百万円、当連結会計年度末借入実行残高5,500百万円)

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は20,066百万円、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,822百万円となっております。

 

③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、利益重視の視点から売上高営業利益率を主な経営指標としており、中期的には8%以上を目指しており、また、株主収益重視の観点から、自己資本当期純利益率(ROE)の向上もあわせて目標としております。

 当連結会計年度における売上高営業利益率は3.9%(前年同期比0.5ポイント悪化)であり、自己資本当期純利益率は8.4%(前期比1.6ポイント改善)となりました。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

 

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