研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループは「異なる特徴を持つモノを複数組み合わせることで新たな価値を生み出すこと」すなわち『マテリアルシナジー』を事業キーワードとして、樹脂を中心に異なる性質を持つ素材の組み合わせや、複数の加工を加える事で付加価値を提供しており、永年蓄積した各種関連加工技術と設備によって新製品の研究開発に取り組んでまいりました。さらに既存製品についても、顧客の要望に応じて機能性の向上等絶えず製品の改良を行い、用途や分野の拡大に努めております。

 現在の研究開発は全事業に専属の技術部門を設置する体制となっており、各子会社同士の連携・協力関係を保ち、顧客ニーズを的確に研究成果に反映できる体制となっております。

 

 当連結会計年度における研究開発費の総額は249百万円となっております。

 セグメント別の研究開発の概要は次のとおりです。

(マテリアルソリューション事業)

 ビルディングソリューション、インダストリアルソリューション分野では樹脂の配合設計技術と加工技術を生かし、お客様のニーズに合った「物作り」に注力し、品質、コスト面および納期対応の改善は勿論のこと、機能性を高めた複合製品の開発および上市を行っています。

 破損、落下による危険回避を目的とした、従来の建築部材用ガラス代替材料として高透明不燃シートを開発し、上市製品は従来品にない透明性が評価されておりますが、市場のニーズに合わせ、継続的に性能と価格のバランスを取った廉価タイプ、高採光性タイプのラインナップを充実すべく、開発・研究を行っております。また、屋外用途シート製品に対し容易に高耐候性を付与できるコーティング剤を開発し、その用途展開を進めております。

 パッケージングソリューション分野では押出成型技術をベースに、押出同時ラミネートによる高付加価値シートや多層押出による高機能シート加工、シートの真空圧空成型加工に至るまでの一貫した成型技術を確立し、生産の安定化と効率化を図っております。また、昨今の省資源化の流れを受けて、独自の発泡技術を用いた製品の軽量化や環境に配慮した素材を用いての製品製造を検討しております。加えて、冷凍・チルド食品の加熱調理に対応する耐熱、耐寒、断熱素材の開発・研究を進めております。

 リビングソリューション分野では、大きなテーマとして取り組んでいる「防虫」という観点から、現有製品の防虫性能の向上、更には、新たに防虫機能を有した資材の研究開発を行い、より多くの場面で効率良く防虫を可能とすることで感染症等の抑制や快適な生活に寄与できることを目指しております。

 アグリソリューション分野では、農園芸用の資材網において、作物・地域に特化、機能の強化、新機能をテーマに掲げ、栽培環境が作物に与える影響を研究し、作物の成長をコントロールする資材網の開発を行い、作物の品質向上、収量増等に寄与できることを目指しております。

 継続的な取組みとして、リサイクル材の積極的活用や原材料高騰対応など、環境面への配慮やコストダウンも進めております。

 当事業に係る研究開発費は91百万円であります。

 

(アドバンストテクノロジー事業)

 デコレーション&ディスプレー分野(金属調加飾フィルム分野およびPMMA/PC二層シート分野から名称変更)では、自動車内外装、家電製品など様々な工業製品の樹脂部品を対象とした加飾用フィルムを製造しており、メッキや塗装では表現が困難な高い質感の意匠表現、電磁波透過機能並びに3次元成形性能を両立させる事で世界各国のお客様に高いご評価を頂いております。加えて、近年では、環境への意識の高まりを背景に、従来工法に比べCO2の排出が比較的少ない製造工法であることも注目して頂いており、世界各国のニーズに対応すべく、迅速に研究開発を行い、世界の最前線で存在感を示すことを目標に、付加価値の探求に取組んでおります。また、自動車内装部品向けの高透明二層シートについては、CASE技術の躍進を受けて、搭載拡大傾向となっているヘッドアップディスプレイや大型ユーザーインターフェースへの採用件数も増加傾向にあります。市場の拡大に伴い、シート表面に求められる表面性能や機能に関して、お客様から多様なご相談を頂いており、お客様の課題解決やニーズに応えるために、引き続き製品の開発に取り組んでいきます。

 当事業に係る研究開発費は158百万円であります。

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