業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

(経営成績に関する分析)

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが再燃するなかでも、ワクチン接種の進展による経済活動の段階的再開や、景気対策の効果により回復の動きが継続しました。その一方で、景気の回復に伴い、需要増加による供給不足や供給網の混乱、原材料コストの上昇などによる世界的なインフレ懸念が生じています。また、足元では新たな変異型が出現するなど、今後も感染状況によって経済活動が大きく左右される不透明な状況が続く見込みです。

このような経営環境の中で、当社グループは2020年11月21日より、新しい日常における新たな中期2ヵ年計画『ADAPT PhaseⅡ』をスタートし、象印ブランドを現状の家庭用品ブランドから「食」と「暮らし」のソリューションブランドへ進化させるため、「領域の水平的拡大」、「領域の垂直的拡大」、「経営基盤の強化」に取り組んでまいりました。

「領域の水平的拡大」では、既存商品による新市場や新規チャネルの開拓、既存の市場やチャネルを深掘りするために商品のラインアップ拡大をはかりました。「領域の垂直的拡大」では、おいしいごはんを軸とした事業展開として、2018年にオープンしたごはんレストラン『象印食堂』に続き、弁当専門店『象印銀白弁当』を大阪に出店しました。また当社製品を取り扱う直販ECサイト『象印ダイレクト』をオープンすると共に、商品を購入前に試せる「お試しレンタル」と必要な時期だけ使って返せる「シーズンレンタル」ができる『象印レンタルサービス』を開始しました。「経営基盤の強化」では、業務効率化による生産性の向上や価格競争力の強化、『ADAPT PhaseⅡ』の実行を促進する組織体制の構築やESG課題への取り組みを推進いたしました。

その結果、当連結会計年度の売上高は、前年実績から2,725百万円増加し77,673百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。製品区分別では調理家電製品、リビング製品、生活家電製品共に前年を上回りました。連結全体の国内売上高は51,995百万円(前連結会計年度比1.1%減)、海外売上高は25,677百万円(同14.6%増)となり、海外売上高構成比は33.1%となりました。海外ではEコマース向けが好調な北米や、中国、東南アジアなどで前年実績を上回りました。

利益については、高付加価値商品を中心とした売上高の増加により、営業利益は6,399百万円(前連結会計年度比17.6%増)となりました。経常利益は6,791百万円(同18.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は4,509百万円(同14.3%増)となりました。

 

製品区分別の経営成績は次のとおりであります。

 

① 調理家電製品

調理家電製品の売上高は、55,806百万円(前連結会計年度比2.7%増)となりました。

国内では、炊飯ジャーは、かまどの炎のゆらぎを再現した最高級モデルの圧力IH炊飯ジャー「炎舞炊き」シリーズは好調に推移しましたが、普及価格帯が苦戦したことにより、全体としては前年実績を下回りました。電気ポットは市場の縮小傾向もあり低調に推移しました。電気調理器具では、巣ごもり消費で需要の高いホットプレートやコーヒーメーカーなどの販売が堅調で、前年実績を上回りました。

海外では、炊飯ジャーや電気ポット、電気調理器具が、北米市場や中国市場、東南アジア市場で好調に推移しました。特に北米市場では、巣ごもり消費による需要の拡大によって調理家電製品の販売が大幅に増加しました。

 

 

② リビング製品

リビング製品の売上高は、16,222百万円(前連結会計年度比5.7%増)となりました。

国内では、業界初となる“せん”と“パッキン”がひとつになった「シームレスせん」を採用したステンレスマグが好調に推移するなど、ステンレスボトルが販売を牽引し、減少の大きかった前年を大幅に上回りました。

海外では、ステンレスボトルが、主力の中国市場で好調に推移したことにより、全体では前年実績を上回りました。

 

③ 生活家電製品

生活家電製品の売上高は、3,871百万円(前連結会計年度比5.6%増)となりました。

国内では、衛生志向の高まりにより、加湿器やふとん乾燥機、空気清浄機が好調に推移し前年実績を上回りました。

 

④ その他製品

その他製品の売上高は、1,772百万円(前連結会計年度比9.7%増)となりました。

 

・地域別製品区分別売上高

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

日本

 

 

海外

 

 

合計

前年

同期比

(%)

アジア

北中南米

その他

 

内、中国

売上高

調理家電

39,899

9,400

3,838

6,488

17

15,907

55,806

2.7

リビング

7,060

7,483

5,053

1,106

571

9,162

16,222

5.7

生活家電

3,806

64

0

64

3,871

5.6

その他

1,228

396

108

144

2

543

1,772

9.7

 

51,995

17,344

9,001

7,740

592

25,677

77,673

3.6

構成比(%)

66.9

22.3

11.6

10.0

0.8

33.1

100.0

 

 

 

 

当社グループは、家庭用品等の製造、販売及びこれらの付随業務を営んでおりますが、家庭用品以外の事業の重要性が乏しいと考えられるため、セグメント別の生産実績及び販売実績の記載は行っておりません。
 なお、生産実績及び販売実績を製品区分別に記載すると以下のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

 

製品区分

生産高(百万円)

前年同期比(%)

 調理家電製品

36,355

△1.9

 リビング製品

8,046

△9.3

 生活家電製品

2,511

13.6

 その他製品

898

6.1

合計

47,812

△2.4

 

 (注) 1 金額は製造原価により表示しております。

 2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注状況

当社グループは、原則として見込生産であります。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 

製品区分

販売高(百万円)

前年同期比(%)

調理家電製品

55,806

2.7

リビング製品

16,222

5.7

生活家電製品

3,871

5.6

その他製品

1,772

9.7

合計

77,673

3.6

 

 (注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 2 当連結会計年度において、総販売実績に対する割合が10%以上となる相手先はございません。

 

(重要な経営指標に関する分析)

中期経営計画『ADAPT PhaseⅡ』における重要な経営指標である「連結売上高の持続的成長」および「連結売上高営業利益率8%以上の持続的確保」という目標に対して、連結売上高は前年同期比3.6%増、連結売上高営業利益率は8.2%となりました。これは主に、高付加価値商品を中心に売上が増加したことに加え、北米や中国、東南アジアなど利益率の高い海外において売上が好調に推移したことにより利益が増加したことによるものであります。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計期間末の財政状態は、前連結会計年度末と比較して総資産が4,894百万円増加し、負債が974百万円増加しました。また、純資産は3,920百万円増加いたしました。その結果、自己資本比率は0.3ポイント増加し74.8%となりました。

総資産の増加4,894百万円は、流動資産の増加3,795百万円及び固定資産の増加1,099百万円によるものであります。

流動資産3,795百万円の増加は主に、電子記録債権207百万円、有価証券400百万円、商品及び製品198百万円、その他流動資産289百万円が減少した一方、現金及び預金2,882百万円、受取手形及び売掛金1,438百万円、原材料及び貯蔵品574百万円が増加したことによるものであります。また、固定資産1,099百万円の増加は主に、建物及び構築物116百万円、工具、器具及び備品263百万円、ソフトウェア276百万円、投資有価証券326百万円、繰延税金資産126百万円が減少した一方、リース資産948百万円、退職給付に係る資産1,255百万円が増加したことによるものであります。

負債の増加974百万円は、流動負債の増加1,216百万円及び固定負債の減少242百万円によるものであります。

流動負債1,216百万円の増加は主に、支払手形及び買掛金1,021百万円、その他流動負債395百万円が減少した一方、1年内返済予定の長期借入金1,500百万円、未払費用981百万円、未払法人税等118百万円が増加したことによるものであります。また、固定負債242百万円の減少は主に、リース債務912百万円、繰延税金負債238百万円が増加した一方、長期借入金1,500百万円が減少したことによるものであります。

純資産3,920百万円の増加は主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上4,509百万円、剰余金の配当の支払1,893百万円、その他有価証券評価差額金222百万円が減少した一方、為替換算調整勘定1,039百万円、退職給付に係る調整累計額441百万円が増加したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して2,627百万円増加し、35,209百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度と比較して2,216百万円減少し、5,150百万円となりました。
 これは主に、税金等調整前当期純利益6,827百万円、未払費用の増加額855百万円により資金が増加したものの、売上債権の増加額1,022百万円、仕入債務の減少額1,386百万円、法人税等の支払額1,909百万円により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比較して808百万円減少し、799百万円となりました。
 これは主に、有形固定資産の取得による支出812百万円、無形固定資産の取得による支出270百万円により資金が減少したものの、有価証券の売却及び償還による収入400百万円により資金が増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比較して159百万円増加し、2,365百万円となりました。
 これは主に、配当金の支払額1,893百万円により資金が減少したことによるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための費用、販売費及び一般管理費等の営業費用や、金型等の生産設備、情報処理システム等への設備投資であります。
 これらの資金需要に対応するための財源は、営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金により調達することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入等により調達していく考えであります。

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が会計上の見積りに与える影響に関する情報は、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] (追加情報)」に記載しております。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

① たな卸資産の評価

「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] (重要な会計上の見積り) 1.たな卸資産の評価」に記載のとおりであります。

 

② 退職給付会計

「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] (重要な会計上の見積り) 2.退職給付会計」に記載のとおりであります。

 

③ 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性は、将来減算一時差異が将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性、将来加算一時差異の十分性等を満たしている場合に、将来減算一時差異が将来の税金負担額を軽減する効果を有するものとしております。

これらの判断は、将来の利益計画に基づく課税所得、一時差異等の解消見込年度等の見積りに依存するため、将来の不確実な経済条件の変動等によりこの見積りの前提とした条件や仮定に見直しが必要となった場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

④ 固定資産の減損

固定資産の減損は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合に減損損失を認識することとし、帳簿価額を回収可能価額まで減額させた当該減少額を減損損失として測定しております。

減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定を行うにあたっては、過年度の実績や事業計画等に基づく資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フロー、回収可能価額等の見積りに依存するため、将来の不確実な経済条件の変動等によりこの見積りの前提とした条件や仮定に見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。

 

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