業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は、受取手形、売掛金及び契約資産が3,047百万円、建設仮勘定が2,045百万円、商品及び製品が1,931百万円、原材料及び貯蔵品が1,750百万円、のれんが1,574百万円、機械装置及び運搬具(純額)が1,124百万円、建物及び構築物(純額)が1,051百万円それぞれ増加したことなどにより、122,577百万円(前連結会計年度末比14,365百万円増)となりました。

当連結会計年度末における負債は、支払手形及び買掛金が2,646百万円、未払金が1,778百万円、未払法人税等が568百万円それぞれ増加したことなどにより、28,240百万円(前連結会計年度末比6,705百万円増)となりました。

当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金が4,413百万円増加したことに加え、前連結会計年度末と比較してタイバーツとハンガリーフォリントを除く海外連結子会社の記帳通貨において円安となった結果、為替換算調整勘定が3,557百万円増加したことなどにより、94,337百万円(前連結会計年度末比7,659百万円増)となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末から3.1ポイント減少し、76.7%となり、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末から98円65銭増加し、1,166円23銭となりました。

 

(2) 経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、持ち直しの動きが広がりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大、原料の価格高騰や半導体供給不足、ウクライナでの地政学上のリスクの高まり等により、先行きに不透明感が増しました。米国では雇用が回復し個人消費も持ち直しました。欧州では景気の動きは弱いものの、持ち直しました。アジアでは中国で経済の回復が持続しましたが、インド及びアセアン地域では新型コロナウイルス感染症の感染再拡大により、回復のペースが鈍化しました。

日本経済は、企業の設備投資、生産及び輸出とも持ち直しましたが、年明け以降に個人消費が足踏みするなど、本格的な回復までには時間がかかる見通しです。

当社グループ関連の事業環境につきましては、半導体産業や電子部品産業の需要の拡大が続き、自動車関連産業の需要も回復したため、全体として好調に推移しました。

このような状況のもと、当社グループは新型コロナウイルス感染症対策をとるとともに、国内外において主力製品及び新規事業製品の拡販に注力した営業活動を継続的に展開し、生産・供給体制の拡充を図ってまいりました。また、M&Aにより食品包装用ラッピングフィルム事業を強化しました。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は92,640百万円(前連結会計年度比20.5%増)、営業利益は9,732百万円(前連結会計年度比34.8%増)、経常利益は10,129百万円(前連結会計年度比44.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,308百万円(前連結会計年度比39.0%増)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、従前の会計処理と比較して、当連結会計年度の売上高は476百万円減少しておりますが、営業利益に与える影響はありません。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

① 電子デバイス事業

当事業では、自動車産業の需要回復により、入力デバイスを中心に出荷が好調に推移し、全体として売上げは前年を大幅に上回りました。

入力デバイスは、主力の自動車向けキースイッチの出荷が回復し、薄型ノートパソコン用タッチパッドの出荷も好調に推移したことから、全体として売上げは増加しました。

ディスプレイ関連デバイスは、液晶接続用コネクター及び視野範囲/光路制御フィルム(VCF)の出荷が好調に推移して、全体として売上げを大幅に伸ばしました。

コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクター及び自動車用ワイパーの出荷が順調に推移して、売上げは大幅に増加しました。

この結果、当事業の売上高は21,996百万円(前連結会計年度比22.0%増)、セグメント利益(営業利益)は1,186百万円(前連結会計年度比33.5%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は35百万円減少しておりますが、セグメント利益(営業利益)に与える影響はありません。

 

② 精密成形品事業

当事業では、半導体関連容器やキャリアテープ関連製品の順調な出荷が続き、全体として売上げは前年を大幅に上回りました。

半導体関連容器は、半導体産業の旺盛な需要を背景に300mmウエハー用出荷容器などの出荷が好調に推移し、売上げを大幅に伸ばしました。

OA機器用部品は、主力のレーザープリンター用ローラの出荷が回復し、売上げは増加しました。

キャリアテープ関連製品は、自動車及びスマートフォン向けの電子部品用の出荷が好調を維持し、売上げを伸ばしました。

シリコーンゴム成形品は、主力のメディカル関連製品及び一般成形品の出荷が堅調に推移して、全体として売上げは前年並みとなりました。

この結果、当事業の売上高は42,147百万円(前連結会計年度比23.4%増)、セグメント利益(営業利益)は7,658百万円(前連結会計年度比38.8%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は49百万円減少しておりますが、セグメント利益(営業利益)に与える影響はありません。

 

③ 住環境・生活資材事業

当事業では、塩ビ関連製品の市場環境が非常に厳しい中、価格改定やM&Aを実施し、自動車関連の素材系製品の需要回復を受けて、全体として売上げは前年を大幅に上回りました。

ラッピングフィルム等包装資材関連製品は、スーパー向けの出荷が堅調だったことに加え、株式会社キッチニスタの連結化により、全体として売上げは大幅に増加しました。

塩ビパイプ関連製品は、需要の低迷により売上げは低調でした。

機能性コンパウンドは、ロボットケーブル用途及び自動車用途の需要が回復したことに加え、新規顧客への拡販が進み、売上げが大幅に伸びました。

外装材関連製品は、需要が振るわず、売上げは減少しました。

導電性ポリマーは、ディスプレイ用途及び自動車用電子部品用途の受注が増え、売上げが伸びました。

この結果、当事業の売上高は21,406百万円(前連結会計年度比20.7%増)、セグメント利益(営業利益)は485百万円(前連結会計年度比9.9%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は392百万円減少しておりますが、セグメント利益(営業利益)に与える影響はありません。

 

④ その他

工事関連では、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件、公共施設の内装物件の受注が回復し、売上げは前年を上回りました。なお、上記各事業に含まれない新規事業開発関連をその他に含めております。

この結果、その他の売上高は7,090百万円(前連結会計年度比1.7%増)、セグメント利益(営業利益)は400百万円(前連結会計年度比47.4%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高及びセグメント利益(営業利益)に与える影響はありません。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

電子デバイス

20,891

129.6

精密成形品

42,316

130.7

住環境・生活資材

14,329

150.1

その他

3,369

95.2

合 計

80,907

131.4

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

② 受注状況

受注生産はその他の一部においてのみ行っております。

当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

その他

3,460

118.6

678

129.8

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

電子デバイス

21,996

122.0

精密成形品

42,147

123.4

住環境・生活資材

21,406

120.7

その他

7,090

101.7

合 計

92,640

120.5

 

(注) 総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先はありません。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び流動性に係る情報

① 現金及び現金同等物

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、45,848百万円(前連結会計年度末比100百万円の減少)となりました。

なお、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は94百万円の増加(前連結会計年度は6,905百万円の増加)となりました。

 

② 営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、9,759百万円(前連結会計年度比882百万円の収入減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益9,413百万円、減価償却費3,543百万円、減損損失744百万円の計上、仕入債務の増加1,682百万円などの増加要因のほか、棚卸資産の増加2,950百万円、法人税等の支払い2,102百万円、売上債権の増加786百万円などの減少要因によるものであります。

 

③ 投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出4,163百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3,897百万円、定期預金の増加1,010百万円による減少などにより、9,664百万円の減少(前連結会計年度比5,928百万円の支出増)となりました。

 

④ 財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における財務活動による資金は、配当金の支払い1,860百万円、自己株式の取得による支出617百万円などにより、2,364百万円の減少(前連結会計年度比672百万円の支出増)となりました。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、財務体質の健全性確保と、研究開発投資や生産設備投資及びM&Aなどを行うための資金需要に対応してまいります。

当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、主に内部資金により対応する方針としております。

当社の配当政策としましては、株主の皆様への利益還元を経営上の課題として認識し、業績に応じた中期的に安定的な配当を継続してまいります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の計上額に影響を与える見積り及び仮定の策定について、過去の実績や現状に応じて合理的に判断しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は見積り特有の不確実性を有しているため、実際の結果とは大きく異なる可能性があります。このうち、当連結会計年度において特に重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載しております。

その他、当社グループの連結財務諸表作成のための会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

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