課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、中央卸売市場の卸売業者である当社並びに水産物加工販売を営む丸都冷蔵㈱、㈱築地フレッシュ丸都の二つの業態に大別されますが、業容の中心は卸売業であります。

当社は、東京都中央卸売市場の水産物卸売会社であり、私企業ではありますが、水産物の安定供給という公共的な側面を持った企業であります。卸売市場システムは、生鮮食品流通の根幹ですが、その中枢的役割を担っているのが卸売業者であり、市場は卸売業者に対する信頼によって支えられているといっても過言ではありません。しかしながら、近年の水産業の構造変化と流通の多様化は、卸売業者間に厳しい競争を強いるとともに、近隣市場間の競合、業態及びチャネルを超えた競争を加速させております。

当社は、今後も経営体質の強化を図り、適正な収益の確保に努め、信頼される卸売業者としての地歩を固めるとともに、市場による流通システムの維持拡大を目指し、水産物の安定供給に資することを基本方針といたします。併せて当社グループでは「地域や環境に十分配慮した健全な事業活動」を通じて、食の「安全・安心」を提供することを旨とし、社会に貢献することを経営理念としております。

健全で信頼される企業経営のために、公正であり、常に透明性を確保し、グループ会社を含めたガバナンスが着実に実行される企業を目指し、業績向上に一層努力を傾注していく所存であります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

当社グループは、創業72年の継承すべき良き伝統を活かしつつ、時代と環境に適応する変革により、また、マルハニチログループも含めたネットワークを活かすことにより、収益力の強化、財務体質の強化を目指してまいります。

 具体的には、集荷・販売強化のための営業力強化、企業の根幹である人材の育成とその活用、収益改善をサポートするための経費削減といった課題に対処するために各種委員会等にて活動を進めています。

 また、卸売市場を取り巻く環境変化に適応し、業務の効率化と最適化を実現するため、2016年9月に導入を完了した新業務システムの活用を図り、情報化推進を一層強化してまいります。当面の最重要事項であった豊洲新市場への移転は無事に完了しましたが、新市場の機能を活用する本格的な業務の革新、発展、並びに2020年に施行が予定される卸売市場法の改正につきましては、当社のみならず業界の重要課題と認識しており、関係各所との協議を踏まえつつ、グループ内連携の強化と情報化推進等の業務基盤の強化により適切に対処してまいる所存です。

 企業として基本であるコンプライアンス、食の「安全・安心」のための品質管理等につきましては、従来の委員会活動等に加え、全社におけるISO22000認証取得活動に取り組み、組織的な向上に努めてまいります。

 また当社は、監査等委員会設置会社としての機能及び実効性向上等により、引き続き経営の監査・監督機能の強化とコーポレートガバナンス体制の一層の強化を図り、より透明性の高い経営の実現を目指してまいります。

(3)経営者の問題認識と今後の方針について

上記の経営上の諸課題に取り組み、現実になりつつある水産流通を取り巻く大きな環境変化への対応策を検討し、これらを実現する上で最適な、当社グループのあり方、支社・関係会社の活用等を、グループ経営の大きな課題と捉えて対処します。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

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