事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年3月29日)現在において、当社グループが判断しております。

 

(1) 市場の競合及び変動による影響

オフィスMFPの本体及び保守サービスでは、価格競争が継続しております。保守サービスにつきましては、単価下落が継続しており、価格競争が一段と進んだ場合、収益の低下が懸念されます。また、ペーパーレス化や大手企業のテレワークの継続によるオフィスにおけるプリントボリュームの減少が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。レーザープリンターのトナーカートリッジは、第三者により代替品が販売されており、その販売量が拡大した場合、キヤノン純正品の収益の圧迫要因となります。

レンズ交換式デジタルカメラは、一眼レフカメラからミラーレスカメラへ市場が移行する一方で、レンズ交換式デジタルカメラ全体の市場縮小が続く可能性があります。また、インクジェットプリンターは、カラープリントの減少等によるプリントボリュームの低下に伴い、インクジェットプリンター本体及びインクカートリッジの売上減少が加速する可能性があります。

産業機器においては、半導体製造装置や検査計測装置が半導体やデバイスメーカーの設備投資の状況に受注面で大きな影響を受けます。これらのメーカーの設備投資が低下した場合、業績が低迷する可能性があります。

医療では、医薬品医療機器等法(旧薬事法)等により、情報化整備等、安全管理のための体制強化が義務付けられております。当社グループは法令順守には万全の体制を整えておりますが、安全管理体制や情報化が当初の想定どおりに運用できなかった場合、医療機関や医療機関向け販売業者との取引が減少する可能性があります。

また、親会社のキヤノン(株)をはじめ、多数の取引先からの商品及びサービスの提供を受けているため、自然災害や重大事故の影響等、取引先の何らかの事情により十分な供給を受けられない等のリスクが発生する可能性があります。その場合には、販売活動の円滑な推進ができず、業績に影響を与える懸念もあります。

 

(2) システム開発

当社は、様々なソリューションをお客さまに提供するため、幅広い分野でのシステム受託開発を行っております。案件を進めるにあたっては、社内での審議体制の構築、プロジェクト管理、綿密な作業工数管理を行い、不採算案件が発生しないように、リスクの低減に努めております。

しかしながら、顧客からの仕様の追加・変更の要望や顧客との仕様・進捗に関する認識の不一致等により、多大な追加工数が発生した場合にコストが増大する可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) データセンター事業

当社グループでは、西東京データセンターを設立し、データセンターサービスやクラウドサービス、システム運用サービス等のストック型ITサービス事業を行っております。データセンターについては、建物や設備、セキュリティ、運営品質等の各要素において、高度な水準が求められるため、安定した地盤に建設し、高性能なファシリティと厳重なセキュリティを備えています。また、長年のデータセンター運営で蓄積した知見・ノウハウをもとに、2017年に「M&O認証※」を取得しており、第三者機関が証明するグローバル基準の運営品質を備えております。

しかしながら、地震、大規模な水害、火災等の災害や感染症、運用ミス、サイバー攻撃などが発生した場合、施設・システムの運用の停止や重要な顧客情報の漏洩により、取引先等の関係者に損害等を発生させる場合があり、また、その信用の低下等から当社グループの事業運営や、業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

※米国の民間団体「Uptime Institute」が定めているデータセンターの運営品質に関するグローバル基準

 

(4) 情報管理

当社グループは、さまざまなグループ経営に関する重要情報を有しているほか、お客さまに対するソリューションの提供等を通して、法人・個人に関する機密情報を多数保有しております。これらの情報管理については、「グループ情報セキュリティ基本方針」・「グループ情報セキュリティ基本規程」を策定しており、社員に対する教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底、システム上のセキュリティ対策の実施と対策状況の確認を行う等、情報セキュリティに関するマネジメント体制を整え、運用しております。業務委託先についても選定基準や安全管理措置の確認方法等を定めたルールや管理体制を整備し、適切な管理・監督を行っています。

また、サイバーセキュリティ専門組織CSIRT※によるサイバー攻撃の予防・検知・発生時対策の実施体制を整備しております。

しかしながら、これらの対策にもかかわらず、サイバー攻撃等により重要な情報が外部に漏洩した場合には、取引先等の関係者に損害等を発生させる場合があり、また、その信用の低下等から当社グループの事業運営や、業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

※CSIRT:Computer Security Incident Response Team

 

(5) 自然災害等

当社グループが事業活動を展開する地域において、地震や台風等の自然災害及び重大な感染症の流行等が発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。当社は設備や情報システムに対してのバックアップ体制を整えておりますが、これによって災害等による被害を十分に回避できる保証はなく、発生時には当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行は、依然として、サプライチェーンや生産活動に混乱をきたしており、キヤノン(株)をはじめとする取引先への影響によっては、商品及びサービスの提供を十分に受けられない可能性があります。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期についてはいまだ見通しが立っておらず、感染がさらに拡大、長期化し、世界経済・当社の事業活動が停滞する状況や取引先の事業活動や投資意欲の減退等が発生する場合、また、政府の要請により当社の事業活動が制限される事態においては、今後も、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 貸倒れリスク

当社グループでは、商品及びサービスの提供後に代金を回収する取引が多いことから、予測できない貸倒損失が発生する可能性があります。このため、外部信用調査機関の信用情報等を活用して徹底した与信管理を行うとともに、ファクタリング等の活用によりリスクヘッジを行っております。また、債権の回収状況等により個別に貸倒引当金を設定し将来の貸倒れリスクに備えております。しかしながら、予期せぬ事態により多額の回収不能額が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(7) 親会社との関係

当社は、キヤノン(株)の子会社(2021年12月31日現在の同社の議決権保有比率58.5%)であり、キヤノン(株)がキヤノンブランドを付して製造するすべての製品(半導体露光装置・液晶基板露光装置・医療機器を除く)を日本国内において独占的に販売する権利を有しております。当連結会計年度における同社からの仕入高は当社全体の仕入高において依然として高い水準となっております。

これらの事情から、キヤノン(株)の経営方針、事業展開等に大幅な転換があった場合には、当社グループの事業活動や業績、財務状況に大きな影響が及ぶ可能性があります。また、関連業界におけるキヤノン製品の優位性が、何らかの理由により維持できなくなった場合には、当社グループの業績等に悪影響が及ぶ可能性があります。

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