課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営方針
 当社はオンライン金融事業を営むマネックス証券株式会社(日本)及びTradeStation Group, Inc.(米国)並びに暗号資産交換業を営むコインチェック株式会社(日本)を中核子会社として、その他国内外に金融関連の子会社及び持分法適用会社を有する持株会社です。当社グループは、次に掲げる企業理念および行動指針を基に、個人投資家の日々の生活及び資産形成に必要な総合金融サービスの提供を目指していきます。

 

 ① 企業理念
 MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来における人の活動を表しています。
 常に変化し続ける未来に向けてマネックスグループは、最先端のIT技術と、グローバルで普遍的な価値観とプロフェッショナリズムを備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインすると共に、個人の自己実現を可能にし、その生涯バランスシートを最良化することを目指します。

 

 ② 行動指針

  ・お客さまと社員の多様性を尊重します。

  ・最先端のIT技術と金融知識の追究を惜しみません。

  ・新しい価値を創造しステークホルダーに貢献します。

 

(2) 目標とする経営指標及び現状の経営環境
 当社グループは連結における年度の業績予算を策定していますが、当社グループはオンライン証券ビジネスやクリプトアセットビジネスなどをグローバルに展開しており、経済環境や相場環境等の影響を大きく受けるため、業績予想を行うことが困難な状況にあります。当社の業績予想および収益計画は、投資家に対して誤った情報を提供する可能性があることから適切でないと考えているため、開示しておりません。一方、資本効率に関する目標としてROEが妥当と考えており、10%を達成すべき水準と考えております。
 2022年3月期の連結決算については、営業収益は888億円となり、前年比14%増と過去最高を記録しました。また、このような着実な成長を背景に、主要3セグメント(日本セグメント、米国セグメント、クリプトアセット事業セグメント)においては中長期的な成長への投資を推し進めることができた1年となりました。特に、米国セグメントおよびクリプトアセット事業セグメントにおいては、さらなる成長を実現するための積極的な先行投資を断行し、これに伴う米国市場への上場計画も発表しています。子会社上場計画の遂行を通じ、各社の資金および人的資本の調達手段を確保し、グループ企業理念の実現を目指していきます。

 

(3) 対処すべき課題

当社グループは、激変する事業環境においても持続的な成長を確保することが課題と認識しています。日本セグメントは、新規口座獲得および預かり資産の増加、米国セグメントは、一般投資家層の新規口座獲得の推進による顧客基盤の拡大、クリプトアセット事業セグメントは、グローバル戦略の展開により、成長を加速させていきます。

 

1) 日本セグメント

日本セグメントは、日本株取引手数料以外の収益多様化や事業基盤強化を重要な課題として、新規口座獲得及び預かり資産の増加に継続して取り組んでいます。

2022年3月より、マネックス証券の日本株の現物取引手数料を、主要ネット証券と同水準に引き下げました。機能やサービスが業界最高水準の米国株、マネックス銘柄スカウター、単位未満株「ワン株」や、マネックスカードの高ポイント還元率等を訴求して、新規口座獲得を進めていきます。

また、ウェルスマネジメントサービスの柱となる「IFAサービス」、提携金融機関との「金融商品仲介業務サービス」、マネックスカード投信積立や投資信託毎日つみたてサービスおよび企業の実質的な価値を高めるためのエンゲージメントファンド「マネックス・アクティビスト・ファンド」などを通じて、引き続き預かり資産を増加させていきます。

 

2) 米国セグメント

米国のTradeStationは、長年にわたり高評価を得ている自社開発の取引プラットフォームを強みとして高頻度に取引をするアクティブトレーダー層から高い支持を受けている一方、一般投資家層の認知度が低いことが課題です。米国投資家人口が拡大している現在の状況を成長ステージへの転換の好機と捉え、大規模なマーケティング施策とサービス向上への積極的な投資を実行するための成長資金の調達手段として、当社グループは、TradeStation Group, Inc.(TSG)をニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している特別買収目的会社(SPAC)との統合により、NYSEに上場させることを目指しています。

マーケティング施策については、コアとなるパフォーマンスマーケティング(SEO 対策や Apple Store、Google Play 等での展開)に加え、顧客認知度を高めるためのブランドマーケティングを機動的に実施し、個人投資家の更なる獲得を目指します。成長が期待される暗号資産取引サービスについては、取扱い暗号資産を追加しつつ、株式や先物取引のウェブ/モバイルプラットフォームとのよりシームレスな統合等を実施する計画です。さらに、B to B to Cビジネスを成長の柱の一つと位置づけ、APIの提供等を通じ、金融コミュニティや資産運用会社等のユーザーに、株式・オプション・先物・暗号資産の取引の機会を提供する連携をさらに拡充させていきます。

 

3) クリプトアセット事業セグメント

暗号資産交換業を営むコインチェック株式会社(以下、「コインチェック」)は、BTCを含む17種類の暗号資産を取扱う取引所及び販売所を運営しており、本人確認済み口座の約6割は20-30代と若年層を中心とした顧客基盤となっています。主な収益源は暗号資産販売所における売買価格スプレッドであり、この他にトークン発行による資金調達とマーケティングを暗号資産取引所が支援するIEO(Initial Exchange Offering)、NFT(Non Fungible Token)マーケットプレイス事業等を手掛け、収益源の拡大を図っています。コインチェックは法定通貨と暗号資産の接点を持つ同社のポジションを活かして「デジタル経済圏へのゲートウェイ」となることを掲げています。

対処すべき第一の課題は、日本国内に強固な顧客基盤を築き競合優位を維持することです。新しいユーザーを開拓するマーケティング力と使いやすいUI及びUXを提供できる技術力を活かして、ユーザーと取引の増加に取り組みます。

第二に、暗号資産交換業を核にNFT及びメタバース事業を育成し、暗号資産及びNFTのユースケース、並びにユーザーの取引機会をつくることです。当社グループはコインチェックのさらなる成長のためグローバルに事業機会を追求することを決定し、コインチェックの持株会社となる予定のCoincheck Group B.V.を米国のSPACとの統合によりナスダック市場に上場させることを目指します。

第三に、急成長を続ける暗号資産市場において事業を安定して継続させていくために強固な組織体制を整備することであり、特に、グローバル展開を見据えたリスク管理体制の整備と、エンジニア及びコーポレート部門の強化が課題です。多様なバックグラウンドを持つ社員が自由な発想と挑戦ができる組織を目指して、人材採用に注力しています。

 

4) アジア・パシフィックセグメント

アジア・パシフィックセグメントは、中核である香港のマネックスBoom証券の収支が安定する規模に成長しているものの、マネックスオーストラリア証券と合わせたアジア・パシフィックセグメントとして、規模と収益の拡大が喫緊の課題です。現在、中国大陸からの顧客獲得を目的とした事業開始を準備しており、中国本土、香港、豪州の各地域におけるマーケティング手法の長所を相互に活用して、顧客獲得を進めるほか、共通コストの削減などを通じてシナジーを追求していきます。

 

5) 投資事業セグメント

 投資セグメントにおける投資件数は、マネックスベンチャーズが設立したMV1号、2号投資事業有限責任組合を含め、セグメント全体で108件(2022年3月末現在)となりました。2021年4月に設立したMV2号投資事業有限責任組合は、デジタルテクノロジーを活用した先進的、革新的なサービスを提供する有望なスタートアップへの投資活動がほぼ完了しました。今後は、投資先管理の強化およびEXIT実績を積み上げて、実現益を獲得していくことが課題です。IPOやM&A等のEXIT機会の創出にも注力していきます。

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