業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、厳しい状況から緩和しつつある中で、段階的な経済活動の再開により景気回復の兆しが見えはじめました。しかしながら、新たな変異株による感染拡大を受けて、度重なる行動制限を強いられたことや、ロシアのウクライナ侵攻による不安定な国際情勢により、依然として先行き不透明感が拭えない状況が続きました。

一方、物流業界におきましては、国内貨物の輸送量は、前半は全品目において増加となり、後半に入っても設備投資や鉱工業生産の堅調を受け、生産関連貨物や消費関連貨物が増加する一方で、建設関連貨物が減少となり、全体的な増加率は減速しました。また国際貨物の輸送量は、世界的な景気回復に伴う需要拡大を背景に、消費財や海外設備投資需要の拡大による機械類、生産用部品は堅調に推移したものの、自動車部品は、世界的な半導体供給不足に伴う自動車工場の減産が拡大したため、低調な荷動きとなり、船積み貨物は、海上輸送の混乱や、コンテナ供給不足の長期化、国内外における新型コロナウイルス感染再拡大が大きな下押し要因となりました。また航空貨物は、個人消費の持ち直し、設備投資の拡大が続く中で、消費財、生産財ともに増加基調を維持し、半導体関連は、AI、IoT、5Gの普及本格化やDXの進展により一段と拡大するなど、全体的に輸送量は増加しました。

さらに、少子高齢化によるドライバー不足や、同業者間の価格競争などの問題のほか、トラックの燃料価格も、国際情勢により高騰し、厳しい経営環境が続きました。

このような状況のもと、当社グループは、2019年度を初年度とする第7次中期経営計画の最終年度が終了しました。2021年は、当社の創立90周年を迎えた節目の年でもありましたが、当社がこの先も発展を続けていくために、環境の変化に適切に対応し、これまでの事業領域にとらわれずにサービスの幅や、ターゲットとする業界の範囲を広げて、当社グループ全役員・社員が一丸となり、更なる売上および利益の拡大に取り組んでまいりました。

 

(経営成績)

当連結会計年度の売上高は136,850百万円(前年同期比13.0%増)、営業利益は11,820百万円(前年同期比20.0%増)、経常利益は12,567百万円(前年同期比19.8%増)、そして親会社株主に帰属する当期純利益は8,579百万円(前年同期比27.1%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

<物流事業>

物流事業の売上高は前年同期比14.6%増収の119,167百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比21.3%増益の10,086百万円となりました。

<構内作業及び機械荷役事業>

構内作業及び機械荷役事業の売上高は前年同期比3.9%増収の15,397百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比19.5%増益の1,301百万円となりました

<その他>

その他事業の売上高は前年同期比0.2%減収の2,284百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比3.4%減益の432百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より4,363百万円増加し、30,250百万円となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、12,239百万円(前年同期比863百万円増)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益12,663百万円、減価償却費4,486百万円の計上および仕入債務の増加額644百万円、そして法人税等の支払額3,828百万円、売上債権の増加額1,850百万円を反映したものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、11,007百万円(前年同期比317百万円減)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出10,353百万円および無形固定資産の取得による支出499百万円を反映したものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、2,672百万円(前年同期は39百万円の使用)となりました。

これは主に、長期借入れによる収入5,413百万円、長期借入金の返済による支出1,047百万円および配当金の支払額1,699百万円を反映したものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

生産、受注及び販売の実績については、後述する「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」における各セグメント業績に関連付けて示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

(経営成績の分析)

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前年同期と比較して15,713百万円増加し、136,850百万円(前年同期比13.0%増収)となりました。これは主に、新規施設の稼働及び電力機器関連や住宅資材を中心に幅広く貨物の取扱いが増加したことによるものです。

(営業利益)

当連結会計年度における営業原価は増収率13.0%に対して12.8%増と0.2ポイント低くなりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前年同期と比較して1,969百万円増加し、11,820百万円(前年同期比20.0%増益)となりました。

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、前年同期と比較して188百万円増加し、1,075百万円となりました。

営業外費用は、前年同期と比較して80百万円増加し、328百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前年同期と比較して2,077百万円増加し、12,567百万円(前年同期比19.8%増益)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は投資有価証券売却益と補助金収入の増加もあり、前年同期と比較して352百万円増加し、702百万円となりました。特別損失は主に損害賠償金が減少しましたが、固定資産圧縮損の増加により、前年同期と比較して10百万円増加し、606百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期と比較して1,830百万円増加し、8,579百万円(前年同期比27.1%増益)となりました。

 

(財政状態の分析)

(総資産)

当期末の総資産は、170,919百万円と前期末と比べ12,996百万円増加しました。その主な要因は、流動資産における有価証券が5,300百万円、受取手形、営業未収金及び契約資産が1,818百万円、有形固定資産における建物及び構築物が6,178百万円増加したことによるものです。

(負債)

当期末の負債は、62,404百万円と前期末と比べ5,340百万円増加しました。その主な要因は、固定負債における長期借入金が4,463百万円増加したことによるものです。

(純資産)

当期末の純資産は、108,514百万円と前期末と比べ7,655百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金が6,870百万円、為替換算調整勘定が553百万円増加したことによるものです。なお、自己資本比率は、前期末と比べ0.3ポイント減少し、62.4%となりました。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、売上高、経常利益、ROE(株主資本純利益率)が主になります。これらの経営指標は、企業の成長性、収益性、効率性を分析するための基本的な指標であります。当社グループでは、これらの指標を継続的に改善させることにより、中長期的な株主価値の向上を図ってまいります。

本中期経営計画では、2022年度に売上高1,440億円、経常利益145億円、ROE7.8%の達成を目指しております。

今後も長期的な成長を可能とすべく経営基盤を強化してまいります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したとおりであります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

増減金額

(百万円)

前年同期比(%)

売 上

(百万円)

構成比(%)

売 上

(百万円)

構成比(%)

物流事業

104,027

85.9

119,167

87.1

15,139

14.6

構内作業及び

機械荷役事業

14,819

12.2

15,397

11.2

578

3.9

その他

2,288

1.9

2,284

1.7

△4

△0.2

合 計

121,136

100.0

136,850

100.0

15,713

13.0

 

<物流事業>

物流事業は、貨物自動車運送事業については、関東地区では、日用雑貨の取扱い減少がありましたが、建設機械や住宅資材の取扱い増加がありました。中部地区では、ステンレス製品の取扱い減少がありましたが、住宅資材の取扱い増加がありました。関西地区では、電力機器関連の取扱い増加があり、貨物自動車運送事業全体では、増収となりました。

港湾運送事業については、関東地区では、荷役設備の取扱い減少がありましたが、建設機械の輸出入取扱いや車両の輸出、化学品の取扱い増加がありました。関西地区では、電力機器関連の取扱い増加があり、港湾運送事業全体では、増収となりました。

倉庫業については、関東地区では、医薬品や日用雑貨の取扱い増加がありました。関西地区では、日用雑貨や電力機器関連の取扱い増加があり、倉庫業全体では、増収となりました。

鉄道利用運送事業については、住宅資材の取扱い増加があり、増収となりました。

物流附帯事業については、外航船収入では、化成品や電極関連品の大幅な取扱い増加があり、増収となりました。航空収入では、農業化学品や電力機器関連の取扱い増加があり、増収となりました。梱包収入では、電力機器関連の取扱い増加があり、増収となりました。荷捌収入では、モーター関連製品の取扱い増加があり、増収となりました。物流附帯事業全体では、大幅な増収となりました。

 

<構内作業及び機械荷役事業>

構内作業については、鋼材の取扱い減少がありましたが、電力機器関連や化学品の取扱い増加があり、構内作業及び機械荷役事業全体では、増収となりました。

 

<その他事業>

その他事業全体で、わずかながら減収となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。

(資本の財源)

当社グループは、運転資金および設備投資資金につきましては、自己資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資などの長期資金については、社債および長期借入金での調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達を行うため、複数の金融機関との間で当座貸越契約を締結しております。

なお、重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画(1)重要な設備の新設」に記載のとおりです。

(資金の流動性)

当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は30,250百万円となっており、当社グループの事業活動をしていく上で充分な流動性を確保していると考えています。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

 

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